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女性公認会計士の年収は?魅力や働き方もご紹介!

2024/08/09

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インタビュー
まとめ

公認会計士は、監査・会計のスペシャリストとして、独占業務である「監査」を行うほか、「会計」「税務」「コンサルティング」などの業務を行う公認会計士もいます。

公認会計士の平均年収は他職種よりも高い水準であり、ワークライフバランスの実現も可能であることから、近年女性会計士が増加傾向にあります。

この記事では、近年増加傾向にある女性会計士の年収や働き方について解説します。

公認会計士の性別割合

近年、公認会計士における女性の割合が増加傾向にあります。 過去5年の公認会計士試験合格者の男女比は以下の通りです。

年度 男性 女性 女性比率
令和1年 1,022人 315人 23.6%
令和2年 1,007人 328人 24.6%
令和3年 1,063人 297人 21.8%
令和4年 1,129人 327人 22.5%
令和5年 1,199人 345人 22.3%

女性比率は20%を超えており、公認会計士試験合格者の5人に1人が女性であることが分かります。 また、平成20年の女性比率は17.5%、平成25年の女性比率は19%であったことから、女性割合は年々増加傾向にあるといえます。

参照:公認会計士・監査審査会_過去の試験結果等

公認会計士の男女別平均年収

公認会計士の平均年収は約750万円となっており、国民の平均年収が約460万円であることから、比較的高い水準であると言えます。 では、男女別で平均年収に大きな差はあるのでしょうか?

厚生労働省が発表した「令和5年賃金構造基本統計調査」に基づき、男女別の平均年収を算出いたしました。

  平均月収(基本給+諸手当) 年収合計
男性公認会計士 約737,700円 約8,852,400円
女性公認会計士 約567,800円 約6,813,600円

参照:厚生労働省_賃金構造基本統計調査

統計を見ると、女性会計士は男性会計士に比べ平均年収は約200万円ほど低くなっています。

公認会計士の仕事内容

公認会計士とは、企業の財務状況を評価し、その情報を公正に報告することを主な職務とする専門家のことです。主な仕事内容として「監査」「税務」「コンサルティング」「会計」があります。

監査

監査とは、企業の財務報告書が法令や会計基準に適合しているか、または企業の経営が適切に行われているかを確認する作業のことを指します。 公認会計士が監査を行うことで、財務報告の信頼性が保証され、投資家や取引先など、企業のステークホルダーに対する情報開示が円滑に行われます。 主に行われている監査は次のとおりです。

  • ・金融商品取引法に基づく監査
    特定の有価証券発行者等が提出する有価証券報告書等に含まれる財務計算に関する書類(貸借対照表や損益計算書等)には、公認会計士又は監査法人の監査証明を受けなければならないとされています(金融商品取引法第193条の2第1項、同第2項)。
  • ・会社法に基づく監査
    大会社及び委員会設置会社は、会計監査人を置くことが義務付けられています(会社法第327条、同第328条)。
    また、会計監査人を置く旨を定款に定めれば、すべての株式会社は会計監査人を置くことができます。
    会計監査人の資格は、公認会計士又は監査法人でなければいけません。
  • ・保険相互会社の監査
  • ・特定目的会社の監査
  • ・投資法人の監査
  • ・投資事業有限責任組合の監査
  • ・受益証券発行限定責任信託の監査

参照:日本公認会計士協会

税務・会計

公認会計士は、税理士試験を受けずとも税理士資格を同時に持つことができるため、税理士登録をするだけで、税務業務を行うことが可能となります。

公認会計士が行う税務業務は一般的に、「税務相談」「税務代理」「税務書類の作成」が挙げられます。

主な業務内容は次のとおりです。

  • ・税務代理(申告、不服申立て、税務官庁との交渉など)
  • ・各種税務書類の作成
  • ・企業再編に伴う税務処理及び財務調査
  • ・グループ法人税制、連結納税制度などの相談・助言
  • ・移転価格税制、タックスヘイブン税制についての相談・助言
  • ・海外現地法人、合弁会社設立を含む国際税務支援
  • ・その他税務相談・助言

参照:日本公認会計士協会

コンサルティング

会計士がクライアント企業に対して提供するコンサルティングサービスは、会計・税務に関する専門的な知識を活用して、企業の経営課題解決を支援することです。 これには、新たな事業展開やM&A(企業の合併や買収)における財務評価、リスク管理、内部統制の構築など、会計情報を活用した経営戦略の策定が含まれます。 コンサルティング業務を行うためには、公認会計士としての専門知識だけでなく、経営に関する広範な知識と視野、そして高度なコミュニケーション能力が求められます。 また、企業の経営状況や業界環境を把握し、それに応じた最適な助言を提供するための洞察力も必要とされます。

コンサルティング業務の事例には次のようなものがあります。

  • ・相談業務(会社の経営戦略、長期経営計画を通じたトップ・マネジメント・コンサルティング)
  • ・実行支援業務(情報システム・生産管理システム等の開発と導入)
  • ・組織再編などに関する相談・助言・財務デューデリジェンス
  • ・国際財務報告基準(International Financial Reporting Standards:IFRS)に関するコンサルティングや業務支援
  • ・企業再生計画の策定・検証
  • ・統合報告の実施支援
  • ・環境・CSR情報の相談・助言
  • ・株価、知的財産等の評価
  • ・Trustサービス(WebTrust、SysTrustの原則及び基準に基づく検証・助言)
  • ・システム監査、システムリスク監査(システム及び内部統制の信頼性・安全性・効率性等の評価・検証)

参照:日本公認会計士協会

女性会計士になるメリット

近年増加傾向である、女性会計士になるメリットを大きく分けて3つご紹介します。 今後、女性公認会計士としてキャリア形成をする際のポイントとして、参考にしてみてください。

休育休制度の充実

現在、女性公認会計士の割合が増えている一方で、公認会計士全体の数は減少傾向にあります。公認会計士が不足していることにより、日本公認会計士協会では、女性会計士が出産や育児といったライフイベントにより会計士業務を離れた後の就業・復職支援に係る活動を行っています。

そのため、多くの税理士法人・税理士事務所では、産休育休制度が充実しており、多くの女性会計士が利用しています。ライフステージの変化により、キャリアの継続を断念する女性が多い中で、女性会計士は職場復帰する際のハードルはかなり低いといえます。

高収入が見込める

女性公認会計士の平均年収は約680万円であることに対して、一般労働者の平均年収は約460万円となっており、高年収が見込める仕事となっております。 公認会計士の資格は難易度が高く、高度な専門知識が求められる仕事であるため、その能力に応じた報酬が支払われることが、高年収である要因と考えられます。

男女差別なく働きやすい

公認会計士は、性別に関係なく高い評価を得られる職業の一つです。 業界では専門知識とスキルが評価され、性別は二の次となります。 国際税務やコンサルティングなどの専門知識を身につけることで、スキルが評価され、女性管理職も目指せる職業となっています。

女性会計士の働き方とは?

公認会計士は、男女問わず多忙な職業というイメージがありますが、働き方は非常に柔軟です。 ここでは、5つの働き先をご紹介します。

税理士事務所

税理士事務所では、女性会計士は顧客の税務申告の支援や税務相談、経営コンサルティングなど、幅広い業務を担当します。また、柔軟な働き方を支援する事務所も多く、パートタイムやリモートワークでの勤務も可能です。これらの選択肢は、家庭との両立を求める女性にとって魅力的な働き方となります。

監査法人

監査法人の主な仕事内容は、監査業務やコンサル業務が挙げられます。具体的には、企業の財務状況を正確に評価し、株主に対して信頼性の高い情報を提供することや、企業の経営者に対して、財務戦略を見直すための具体的な提案を行い、企業の成長を支えることを指します。 監査法人では、上場会社の決算スケジュールにより、繁忙期・閑散期が決まっており、繁忙期は比較的残業時間が多くなる傾向にあります。しかしその反面、閑散期には比較的休みがとりやすく、予定を立てやすいことが魅力となっています。

一般企業

一般企業で働く女性会計士の場合、その役割は多岐にわたります。財務部門での予算策定や業績分析、監査部門での内部監査、マネジメント部門での事業計画の策定など様々です。また、企業の成長戦略の一環としてM&Aや事業再構築などのプロジェクトに関与することもあります。 働き方改革の影響により、仕事と家庭を両立するための制度が整っている企業も増えてきており、フレックスタイム制度や在宅勤務、育児休暇などを利用しながらキャリアを積むことが可能です。しかし、その一方で活躍するためには、自分自身のスキルを高め続けることが求められます。 特に、最新の会計基準や税制改革など、常に変化する業界情報をキャッチアップしながら、自分自身の専門性を磨き続けることが重要です。

コンサルティングファーム

コンサルティングファームでは、経営戦略の策定や業績改善、組織改革など、さまざまな経営課題に対して助言や解決策を提案することが主な仕事となります。 企業のビジョンや目標を理解し、それを実現するための具体的な計画や方策を立てる必要があるため、経営者や経営陣との高度なコミュニケーション能力が必要になります。 コンサルティングファームの仕事は、激務で忙しいという印象をお持ちの方も多いかもしれませんが、働き方改革の波がきており、短日短時間勤務制度の導入や土日休みに上司から部下への業務連絡を禁止していたり、長時間労働を失くそうとする働きが見られます。 出産や子育てでフルタイム勤務が難しい場合には、時短勤務や育児休暇などの制度が確立されていることから、女性にとって働きやすい職場であるといえるでしょう。

独立開業

独立開業することで、自分の時間を自由にコントロールできるというメリットがあります。

独立開業した場合、企業の経営者や個人事業主の税務相談や決算業務を担当します。また、経営コンサルティングの提供や、スタートアップ企業への支援も行うことがあります。そのため、ビジネス全般に対する広範な知識と経験が求められます。 しかし、独立開業にはリスクも伴います。特に初期投資や新規顧客の獲得、経営の安定化など、様々な課題が待ち受けています。そのため、独立開業を考える際には、十分な準備と計画が必要です。また、起業支援の専門機関やネットワークの活用も有効です。 独立開業する女性会計士が増えてきている現在、その働き方は多様化しています。

自身のライフスタイルや価値観に合わせて、自由に働き方を選択できることが、女性会計士の魅力の一つと言えるでしょう。

ダブルライセンスにおすすめな資格

会計士の資格をもつ女性は、専門知識を更に深めるために他の資格を取得することも考えられます。これはダブルライセンスと呼ばれ、会計士のキャリアにおいて大きなアドバンテージとなる可能性があります。

社会保険労務士

社会保険労務士は、労働者の社会保険や労働法規、人事労務に関する専門知識を有し、これらの法令に基づいたアドバイスや手続きを行うことができます。公認会計士が企業の財務や税務について深い理解を持つ一方で、社会保険労務士は人事・労務面での専門性を持つため、両者を兼ね備えることで企業の経営に対する総合的な支援が可能となります。また、社会保険労務士の資格は、企業のコンプライアンス強化や労働環境改善、労働者の権利保護といった社会的な課題に対応することも可能となり、企業の社会的責任(CSR)の遵守にも寄与します。これらの理由から、公認会計士にとって社会保険労務士の資格は、自身の専門性を高め、クライアントの信頼を得る上で非常に有効な資格と言えるでしょう。

中小企業診断士

中小企業診断士は、中小企業の経営全般についての深い知識を有し、その診断やアドバイスができる人材を育成するための資格です。公認会計士と中小企業診断士のダブルライセンスは、会計の専門知識と経営の視点を併せ持つことで、企業の経営者や経営陣からの信頼を得やすくなります。また、中小企業診断士の資格を持つことで、中小企業の経営課題に対する具体的な解決策を提案できるため、より幅広い業界や企業で活躍できる可能性が広がります。これらの理由から、公認会計士がさらなるキャリアアップを目指す際には、中小企業診断士の資格取得を検討してみることも良いかもしれません。

行政書士

公認会計士と行政書士のダブルライセンスは、ビジネスシーンにおける幅広い知識と高度な専門性を持つことを可能にします。行政書士は、法律に関する広範な知識を持ち、行政手続きの専門家として企業や個人からの依頼を受けて業務を行う資格です。特に、不動産登記、会社設立、相続手続きなど、多岐にわたる業務を担当します。 公認会計士と行政書士のダブルライセンスは、会計と法律の両方の専門知識を持つことで、企業の経営者や個々のクライアントに対して、より具体的かつ専門的なアドバイスを提供できます。また、これらの資格を持つことで、自分自身のキャリアパスを広げることも可能になります。例えば、公認会計士は主に会計監査や財務分析を行いますが、行政書士の資格を持つことで、法律に関連する業務も担当することができます。 しかし、これらの資格を取得するためには、多くの時間と労力を必要とします。公認会計士と行政書士の試験はいずれも難易度が高く、合格率も低いです。ですが、その労力を投じることで得られるリターンは大きいと言えます。ダブルライセンスは、キャリアの幅を広げ、高度な専門性を持つことで、自分自身の市場価値を高めることができます。

まとめ

この記事では公認会計士の性別割合、男女別の平均年収、仕事内容、女性会計士になるメリット、女性会計士の働き方などを詳しく解説してきました。そして、最後に公認会計士と併せて取得しておくと更なるキャリアアップにつながるとされる資格についてもご紹介しました。

公認会計士は男女問わず、高収入を得られる可能性のある資格であり、多様な働き方の選択肢が存在します。会計士としての知識を活かしつつ、自分のライフスタイルに合わせて働くことが可能です。また、公認会計士と他の資格を併せ持つことで、自分の専門性をさらに深め、キャリアの幅を広げることができます。

これらの情報が、公認会計士を目指す皆さんの参考になれば幸いです。

執筆 ・ 監修

城之内 楊

株式会社ミツカル代表取締役社長

株式会社ミツカル代表取締役社長。 1990年生まれ。20代では士業向けのコンサルティング会社(株式会社アックスコンサルティング)で最年少役員として8年間勤務。これまで、3,000以上の税理士事務所のコンサルティングや士業向けのセミナーに複数登壇。さらにはスタートアップから上場企業まで外部顧問や役員としても活躍する。 退職後、税理士業界を活性化するために、税理士事務所の採用支援サービスを展開する株式会社ミツカルを創業。ミツカルでは年間2,400名以上の税理士事務所の求職者をサポート。審査基準を通過した優良事務所のみを紹介しており、ミスマッチのない転職支援を行っている。