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税理士の仕事内容がきついと言われる理由5選!向いている人・向いていない人について解説

2024/09/05

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インタビュー
まとめ

税理士の仕事は高年収で安定しているといったプラスなイメージを持つ方がいる一方で、「きつい」と思う方がいることも事実です。

税理士を目指す方や、税理士事務所への転職を目指す方にとっては、なぜきついと言われているのかわからず、一歩踏み出す決心がつかないといった方もいるのではないでしょうか。

この記事では、税理士の主な仕事内容から「きつい」と言われる理由、向いている人や向いていない人について徹底解説していきます。

税理士とは?仕事内容を解説

税理士は税務に関するプロフェッショナルと言われており、税務に関する幅広い知識と経験が求められるため、非常に専門性の高い職業と言えます。では、具体的にどのような業務を行っているのでしょうか。

税理士の主な仕事内容

税理士の主な仕事内容としては、独占業務である「税務代理」「税務書類の作成」「税務相談」が挙げられます。これらの業務は、国家資格である税理士資格を持つ者だけが行うことが許されています。

具体的には、「税務代理」では、税務署や地方税務署などの官公署に対して、クライアントの代わりに申告や申請、調査などの手続きを行います。「税務書類の作成」では、確定申告書や決算書などの税務関連書類の作成を担当します。この業務は、書類の正確性と法令遵守が求められるため、高度な専門知識が必要です。

「税務相談」では、クライアントが抱える税務に関する疑問や問題についてアドバイスを行います。例えば、節税対策や税務調査に対応するためのアドバイスなどが含まれます。

その他に、勤務先の税理士事務所によっては、経営支援や事業承継、国際税務などの更に専門的な分野についての支援を提供する場合があります。税理士は中小企業や個人事業主にとって経営のパートナーであるため、様々な分野で専門性を磨く必要があります。

また、税理士は法律の改正や新たな税制の導入に対応するため、常に最新の税務知識を学び続ける必要があります。これにより、クライアントに対して最適なアドバイスを提供し、法令遵守を確実にすることが求められます。

このように、税理士の仕事は非常に多岐にわたり、専門性が高く責任も重い職業です。クライアントの信頼を得るためには、卓越した専門知識と実務経験が不可欠であり、常に高い倫理観とプロフェッショナリズムが求められます。

税理士に必要なスキルと合格に必要な科目

税理士として成功するためには、専門知識だけでなく、さまざまなスキルが求められます。まず、最も重要なのは税務・会計に関する専門的な知識です。これには所得税、法人税、消費税などの税法だけでなく、関連する法律や規制についての理解も含まれます。

さらに、クライアントとのコミュニケーションも欠かせません。税理士はクライアントの財務状況を詳細に理解し、適切なアドバイスを提供する必要があるため、分かりやすく説明する高度なコミュニケーションスキルが求められます。

また、税務申告の期限が厳しく設定されているため、時間管理能力も重要です。これにより、効率的に業務を進め、期限を守ることができます。その他にも、クライアントの課題をうまく聞き出すヒアリング力や大手税理士法人などに勤めた場合には、海外展開しているクライアントを担当に抱える場合があるため、語学力が求められる可能性もあります。

このように、税理士は税に関する専門的な知識のほか、様々なスキルが求められることが分かりました。

ですが、様々な知識を身につける前にまずは税理士試験に合格することが大前提求められます。

税理士資格を取得するためには、会計学の2科目と税法の3科目の合計5科目合格が必要であり、そのうち会計学の2科目は必須科目、税法3科目は9科目からの選択式となっています。
以下の表は税理士試験の科目一覧です。

科目分野 科目名 必須/選択
会計学 簿記論 必須
財務諸表論 必須
税法 所得税法 所得税法・法人税法から1科目選択
法人税法 所得税法・法人税法から1科目選択
相続税法 7科目からいずれか2科目を選択
消費税法 7科目からいずれか2科目を選択
酒税法 7科目からいずれか2科目を選択
国税徴収法 7科目からいずれか2科目を選択
住民税 7科目からいずれか2科目を選択
事業税 7科目からいずれか2科目を選択
固定資産税 7科目からいずれか2科目を選択

一度の試験で5科目全てを合格する必要はなく、一度取得した科目は生涯有効となっています。
必須科目には「簿記論」と「財務諸表論」が含まれ、これらは基礎的な会計知識を試される重要な科目です。選択科目には「法人税法」「所得税法」「消費税法」などがありますが、これらの選択は将来の専門分野に応じて決定されることが多いです。例えば、法人クライアントを多く担当する予定であれば「法人税法」を選ぶことが一般的です。

税理士試験は非常に難関であり、合格率も低いため、計画的な学習と持続的な努力が必要です。特に、各科目の試験範囲は広く、深い理解が求められるため、独学だけでなく、専門学校や通信講座を利用して効率的に学ぶことが推奨されます。試験対策としては、過去問の分析や模擬試験の実施が効果的です。

総じて、税理士になるためには、高度な専門知識と多様なスキルの両方が必要です。これらをバランスよく習得することで、クライアントに信頼される税理士として活躍することができるでしょう。

なぜ税理士の仕事がきついと言われるのか?3つの理由

それでは、本題に入りましょう。狭き門である国家資格を取得した後にも「きつい」と言われる税理士ですが、一体なぜ税理士の仕事はきついと言われているのでしょうか。ここでは主な3つの理由について解説していきます。

理由1 ミスが許されない緊張感のある仕事

税理士の仕事はミスが許されない緊張感があります。税務申告や税務相談において、わずかなミスが大きな損失や法的トラブルを引き起こす可能性があるため、常に正確さが求められます。税法は頻繁に変更されるため、最新の情報を常にアップデートしなければなりません。このような高いプレッシャーの中で働くことが、精神的にも肉体的にも負担となることが多いのです。

理由2 繁忙期の拘束時間が長い

税理士業界の繁忙期は11月から5月と、約半年にわたり忙しい時期が続きます。これらは個人の確定申告や、決算業務、年末調整など様々な税務書類の作成などに追われるため日々の残業時間が長くなるケースがみられます。

繁忙期の残業時間は平均で40時間と言われており、場合によっては80時間を超えてしまうほど多忙となる可能性もあります。クライアントの急な要望等で残業が発生する場合もあるため、定時を超えても終電ギリギリまで業務をしている方も一定数いるようです。

理由3 定期的な法改正への対応が必要

税理士としての業務において、税制の改正は避けて通れない課題です。税制改正は年々複雑化しており、新しい法規制やガイドラインに迅速に対応するためには、常に最新の情報を収集し、理解する必要があります。これには、自己学習やセミナーへの参加、関連する文献の読み込みなどが含まれます。税制の知識アップデートは業務時間外に行われることが多いため、プライベートの時間を圧迫する可能性があります。

さらに、クライアントに適切なアドバイスを提供するためには、改正内容を深く理解し、それを実務にどう適用するかを考える作業が求められます。クライアントごとに状況やニーズが異なるため、一つの改正がどのように影響するのかを個別に分析する必要があり、これは非常に労力を要する作業です。

以上の理由から、税理士の仕事は「きつい」と言われることが多いのです。しかし、その一方で、税理士は高度な専門知識を持ち、クライアントから信頼される存在として非常にやりがいのある職業でもあります。自分の専門性を活かし、クライアントの経済的な成功を支援することは、大きな達成感を得られる瞬間でもあります。

税理士の仕事が向いている人、向いていない人

ここまでは、税理士の仕事内容や「きつい」と言われる理由について説明してきました。
それでは、どのような人が税理士の仕事に向いていると言えるのでしょうか。

向いている人

税理士の仕事に向いている人にはいくつかの共通点があります。まず、数字や計算が得意であることが重要です。税理士は日常的に大量の数字を扱うため、数字に対する苦手意識がないことが求められます。

また、細かい作業をコツコツとこなす忍耐力も必要です。税務申告書や財務諸表の作成には細かな確認作業が欠かせません。さらに、法律や規則の変更に敏感であり、常に最新の情報を学び続ける姿勢がある人も向いています。税法や会計基準は頻繁に改正されるため、継続的な学習が欠かせない職業です。

向いていない人

一方で、税理士の仕事が向いていない人もいます。例えば、大雑把な性格で細かい作業が苦手な人には向いていません。税理士の業務にはミスが許されない部分が多く、細部にまで注意を払うことが求められます。

また、プレッシャーに弱い人もこの職業には向かないかもしれません。特に確定申告の時期などは非常に忙しく、納期に追われることが多いため、ストレス耐性が必要です。さらに、社交的でない人も苦労する可能性があります。税理士は顧客とのコミュニケーションが重要で、クライアントのニーズを的確に把握し、適切なアドバイスを提供する能力が求められます。

このように、税理士の仕事が向いている人と向いていない人には明確な違いがあります。数字や計算が得意で、細かい作業を厭わない忍耐力があり、法律や規則の変更に敏感である人には税理士の仕事が向いているでしょう。

一方で、大雑把な性格で細かい作業が苦手な人、プレッシャーに弱い人、社交的でない人には向かないかもしれません。それぞれの特性を踏まえて、自分に合ったキャリアを選ぶことが重要です。

まとめ

この記事では、税理士の仕事内容ときついと感じる理由、税理士に向いている人について詳しく解説してきました。

これらの情報を基に、自分自身が税理士の仕事に向いているかどうかを判断する材料にしていただければと思います。税理士という職業は、専門知識とスキルが求められる一方で、やりがいと安定した職業としての魅力もあります。自分の適性を見極め、必要な準備をしっかりと行うことで、税理士としてのキャリアを成功させることができるでしょう。

本記事が、税理士を目指す皆さんにとって役立つ情報となり、キャリア選択の一助となれば幸いです。

執筆 ・ 監修

城之内 楊

株式会社ミツカル代表取締役社長

株式会社ミツカル代表取締役社長。 1990年生まれ。20代では士業向けのコンサルティング会社(株式会社アックスコンサルティング)で最年少役員として8年間勤務。これまで、3,000以上の税理士事務所のコンサルティングや士業向けのセミナーに複数登壇。さらにはスタートアップから上場企業まで外部顧問や役員としても活躍する。 退職後、税理士業界を活性化するために、税理士事務所の採用支援サービスを展開する株式会社ミツカルを創業。ミツカルでは年間2,400名以上の税理士事務所の求職者をサポート。審査基準を通過した優良事務所のみを紹介しており、ミスマッチのない転職支援を行っている。