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税理士事務所の業種とは?産業分類を理解する重要性

2024/09/05

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インタビュー
まとめ

日本標準産業分類とは行政機関が行う統計調査結果を産業別(製造業・建設業・鉱業等)に表示する為の技術的な基準のことです。産業分類は総務省により定められています。
各種許認可や補助金、給付金申請書類などの公的な文書には、自身が勤める会社の業種について記載する場合もあり、その場合には日本標準産業分類に基づいた正確な業種にて申請をすることが必須となります。

しかし、分類は大きく分けて以下の14個に分かれており、ここから更に「中分類」「小分類」と細分化されていくため自分が勤める会社の業種についてすぐに答えられる人は少ないのではないのでしょうか。

  大分類
A 農業、林業
B 漁業
C 鉱業、採石業、砂利採取業
D 建設業
E 製造業
F 電気・ガス・熱供給・水道業
G 情報通信業
H 運輸業、郵便業
I 卸売業・小売業
J 金融業・保険業
K 不動産業、物品賃貸業
L 学術研究、専門・技術サービス業
M 宿泊業、飲食サービス業
N 生活関連サービス業、娯楽業
O 教育、学習支援業
P 医療、福祉
Q 複合サービス事業
R サービス業(他に分類されないもの)
S 公務(他に分類されるものを除く)
T 分類不能の産業

この記事では、税理士事務所はどの業種に分類されるのかを読み解くほか、産業分類を活用した求人の見つけ方について詳しく解説していきます。

税理士事務所の業種とは?

産業分類については、総務省が公開している「分類検索システム(政府統計の総合窓口)」の分類名のうち「日本標準産業分類」を選択することで、自社の産業分類について調べることができます。
引用:総務省_分類検索システム(政府統計の総合窓口)

このシステムで「税理士事務所」で検索をかけたところ、以下の通り表示されました。

大分類(L) 学術研究、専門・技術サービス業
中分類(L⁻72) 専門サービス業(他に分類されないもの)
小分類(L⁻7241、L⁻7242) 公認会計士事務所、税理士事務所

学術研究、専門・技術サービス業 > 専門サービス業(他に分類されないもの) > 公認会計士事務所、税理士事務所

以上の表から、税理士事務所の業種は「サービス業」であることが分かります。
では、大分類で表記されている「学術研究、専門・技術サービス業」、中分類の「専門サービス業(他に分類されないもの)」にはそれぞれどのような特徴があり、どのような企業が分類されているのでしょうか。

学術研究、専門・技術サービス業について

総務省が提示している総説によるとこの大分類は、学術的研究等を行う事業所や、個人、事業所に対して専門的な知識・技術を提供する事業所で他に分類されないサービスを提供する事業所及び広告に係る総合的なサービスを提供する事業所が分類されると定められています。
この分類に分けられている主な企業は下記の通りです。

  • 1. 日本郵政株式会社
  • 2. 株式会社三井住友フィナンシャルグループ
  • 3. 株式会社みずほフィナンシャルグループ
  • 4. 株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ
  • 5. 東京電力ホールディングス株式会社   等

引用:大分類Lー学術研究、専門・技術サービス業_総説

専門サービス業(他に分類されないもの)について

この分類には次のようなサービスを提供する事務所が含まれるとされています。

  • ① 知識・研究を提供し,又はこれらに係る技能・技術を提供するサービス「専門サービ ス業,学術・開発研究機関」
  • ② 主として家庭生活と関連して技能・技術を提供し,又は施設を提供するサービス「洗 濯・理容・美容・浴場業,その他の生活関連サービス業」
  • ③ 主として娯楽あるいは余暇利用に係る施設又は技能・技術を提供するサービス「娯楽 業」
  • ④ 廃棄物の処理に係る技能・技術等を提供するサービス「廃棄物処理業」
  • ⑤ 物品の整備・修理に係る技能・技術を提供するサービス「自動車整備業,機械等修理 業」
  • ⑥ 物品を賃貸するサービス「物品賃貸業」
  • ⑦ 企業経営に対して提供される他の分類に属さないサービス「広告業,その他の事業サ ービス業」
  • ⑧ 会員のために情報等を提供するサービス「政治・経済・文化団体,宗教」
  • ⑨ その他のサービス「その他のサービス業,外国公務」

引用:大分類Qーサービス業(他に分類されないもの)総説
この分類に属する企業は以下の通りです。

  • 1. 株式会社東芝
  • 2. ANAホールディングス株式会社
  • 3. JR東日本マネジメントサービス
  • 4. さとふる
  • 5. 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構

転職時の税理士事務所の調べ方

多くの転職サイトでは、業種を絞って表示することが可能です。しかし、サービス業と入力した場合、居酒屋のホールスタッフやレストランスタッフなどの飲食接客業が多く表示されます。

サービス業の分類に税理士事務所や公認会計士事務所があることが認知されていないため、この分類で絞り込みを行ったとしてもなかなか税理士事務所の求人を表示することはできません。
それでは、どのようにして税理士事務所の求人を絞り込めるのでしょうか。

転職サイトで検索する場合は「会計事務」「サービス(その他)」で検索

転職サイトでは、「希望職種」と「業種」にて絞り込みを行えるものが多くみられました。税理士事務所の求人情報を表示させたい場合は、職種を「会計事務」、業種を「サービス(その他)」で分けると表示することができました。
その他、職種で「税務・会計」など絞り込みを行えるサイトもあり、各サイトで調べ方や税理士事務所の掲載件数もかなり異なるため、自分自身が望む求人をチェックする場合には、様々なサイトを見比べることが大切です。

士業特化の求人サイトを見る

さきほどは、一般企業なども取り扱う求人サイトでの「税理士事務所」の表示方法について説明しました。しかし、いちいち職種、業種で絞り込みをかけるのもなかなかめんどくさいところですよね。税理士事務所や会計事務所の業務は専門的であることから、士業に特化した求人サイトは現在かなり多くみられます。

士業特化の求人サイトの場合は、すでに士業関係の求人で絞りこめた情報がでてくるほか、どのような資格をもっているのか、経験年数は何年か、税理士として働きたいか税理士補助として働きたいかなど、より自身の希望に沿った求人のみを表示させることが可能となっています。

そのため、税理士事務所や会計事務所で勤務をしたいと定まっている場合には、士業特化の求人サイトを見比べることをお勧めします。

まとめ

この記事では、税理士事務所の業種についての基本的な知識から、産業分類を活用した具体的な求人情報の調べ方までを詳しく解説しました。

情報収集をしっかりと行い、自分に合った税理士事務所を見つけることができれば、転職後のキャリアも順調に進むことでしょう。自分の目指すべき方向性や希望する労働条件を明確にし、それに合った求人情報を探す努力を惜しまないことが大切です。

転職は大きなライフイベントの一つですので、慎重に計画を立て、しっかりと準備を進めることが成功への鍵となります。

執筆 ・ 監修

城之内 楊

株式会社ミツカル代表取締役社長

株式会社ミツカル代表取締役社長。 1990年生まれ。20代では士業向けのコンサルティング会社(株式会社アックスコンサルティング)で最年少役員として8年間勤務。これまで、3,000以上の税理士事務所のコンサルティングや士業向けのセミナーに複数登壇。さらにはスタートアップから上場企業まで外部顧問や役員としても活躍する。 退職後、税理士業界を活性化するために、税理士事務所の採用支援サービスを展開する株式会社ミツカルを創業。ミツカルでは年間2,400名以上の税理士事務所の求職者をサポート。審査基準を通過した優良事務所のみを紹介しており、ミスマッチのない転職支援を行っている。