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会計事務所で求められるスキルとは?仕事内容についても徹底解説!

2024/08/20

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インタビュー
まとめ

会計事務所で働くには、多種多様なスキルが求められます。
専門的で難しいスキルが必要なイメージですが、今回は未経験者の方に求められるスキルについてを深掘りしていきます。

会計事務所で求められるスキルとは?

会計事務所で働くためには、特定のスキルや能力が求められます。

会計事務所で求められるスキルは幅広いですが、これら全てを身につけることが、求められる人材となるための第一歩となります。

PCスキル

会計事務所では、日々大量のデータを扱うため、ExcelやWordなどの基本的なオフィスソフトの使い方はもちろん、会計ソフトの操作も必須となります。これらのソフトを使いこなすことで、効率的かつ正確な作業を行うことが可能になります。さらに、クラウドサービスの利用やデータベースの管理など、ITリテラシーを身につけておくと、更に求められる人材となるでしょう。

クライアントとのやり取りにはメールやビデオ会議ツールなどを使用する為、これらの適切な利用方法を理解しておくことも大切です。
もちろん、未経験者が最初から全てのスキルを身につけておくことは不可能です。これらのPCスキルを働きながら身につけることで、会計事務所における業務効率化やクライアントとのスムーズなコミュニケーションが実現し、更には自身のキャリアアップにも繋がります。

税務・会計知識

会計事務所では、会社や個人をクライアントとして抱え、税務・会計に関する業務を提供しています。そのため、税務や会計に関する幅広い知識が必要不可欠です。税務の知識とは、企業や個人が法律に基づいて納税義務を果たすための手続きや制度、税制度の改訂情報などを理解し適用する能力を指します。

また、会計に関する知識とは、財務諸表の作成、経営分析のための財務情報の解釈、利益計算や資金繰りのシミュレーションなど、企業の経済活動を数字で表現し管理する技術を言います。これらの知識は、顧客からの信頼を得て、適切なアドバイスを提供するために求められます。会計事務所で働くためには、これらの知識を習得し、日々の業務に活かすことが求められます。

また、税法が年々変わることから、最新の情報を常にキャッチアップし、柔軟に対応できる力も必要とされます。これから会計事務所でのキャリアを考えている方は、税務・会計の知識を深めることが大切です。

コミュニケーションスキル

コミュニケーション能力も重要なスキルの一つです。会計事務所では、お客様と密接に連携しながら業務を進めるため、明確かつ効率的にコミュニケーションを取ることが求められます。特に、専門的な知識を持つ税理士・会計士として、難解な会計や税法の内容をわかりやすく説明する能力は必須と言えるでしょう。

また、会計事務所での仕事は1人で全てをこなすのではなく、チームプレイで業務を進めることが多いです。円滑に業務を進めるためには、コミュニケーションスキルは必須となります。

会計事務所の仕事内容を徹底解説!

会計事務所の業務は多岐にわたります。ここでは、主な3つの仕事内容について説明します。

税務申告

会計事務所の主な仕事の一つである税務申告について詳しく解説します。税務申告は、企業や個人が国や地方自治体に対して、収入や支出、資産の状況を正確に報告し、その上で適正な税金を計算し、納付するための税務申告書を作成する業務です。

会計事務所の専門家たちは、顧客の経済活動を詳細に把握し、税法や会計原則に基づいて精密な計算を行い、顧客の税務上の負担を軽減するための最善の策を提案します。

また、税務申告書の作成は、税務調査をスムーズに進行させ、税務署とのトラブルを避けるためにも不可欠です。

記帳代行業務

会計事務所で日常的に行う業務の1つに、「記帳代行業務」があります。
記帳代行は、クライアントの代わりに家計簿を作るようなイメージです。

業務内容としては、クライアントの領収書やレシートなどの会計帳簿をお預かりし、売上・仕入れ・利益に関して記載する試算表を作成します。試算表では、クライアントが赤字であるか、黒字であるかの判断が可能となります。

しかし、試算表はあくまで1か月分のざっくりとした家計簿のようなものであり、これを確定させる業務が決算代行業務となります。

決算代行業務

決算代行業務は、記帳代行業務で作成した試算表をもとに年に1回企業の決算書を作成をする業務です。
決算書は、1年間の正式な企業の経営状況をまとめたもののことを指し、大きく2種類に分かれます。会計事務所では基本的に、「貸借対照表」「損益計算書」に分けて作成を行います。
貸借対照表と損益計算書については、以下の通りです。

項目 貸借対照表(バランスシート) 損益計算書(インカムステートメント)
作成目的 企業が持っている資産、負債、純資産(資産から負債を引いた残り)について把握する 企業が一定期間(通常は1年間や四半期)でどれだけのお金を稼ぎ、どれだけの費用を使ったかを示し、最終的な利益や損失を計算
構成要因 資産、負債、純資産 収益、費用、利益(または損失)
主な要素の具体例 【資産】
現金、在庫、設備、不動産、受取手形

例:銀行にあるお金、販売のための製品、会社の建物や機械

【負債】
借入金、支払手形、未払費用

例:銀行からの借金、今後支払う予定の請求書

【純資産】
資本金、剰余金

例:投資家からの出資金、過去の利益の蓄積
【収益】
売上高、サービス収入

例: 商品を売ったお金、サービスを提供したお金


【費用】
売上原価、販売費、一般管理費、税金

例: 商品を作るための材料費、販売にかかる広告費、従業員の給料

【利益】
営業利益、純利益

例: 会社の本業から得た利益、最終的に残った利益
意義 会社がどれだけの資産を持っているか、どれだけの負債があるかを確認し、会社の健康状態を評価する。
会社全体の価値を判断する。
会社がどれだけ効率的にお金を稼いでいるかを評価できるほか、会社の運営がどれだけ効果的かを判断できます。

これらは全て簿記に基づいて作成する必要があり、決算書の作成は企業の法的義務でもあります。適切な決算書を作成し、税務署に提出することで、税法遵守を確保し、企業の社会的信用を維持することができます。

このように、決算代行業務は、企業の経営にとって非常に重要な役割を果たします。
以上のように、会計事務所では、税務・会計の専門的な知識を有する業務を行っています。

会計事務所で求められる人材になるために必要な資格とは?

ここまで、会計事務所で求められるスキルや仕事内容について詳しく説明しました。

しかし、それだけではなく、会計事務所で求められる人材になるためには特定の資格が必要となる場合があります。それでは、具体的にどのような資格が求められるのでしょうか?

日商簿記

会計事務所で働くにあたり、最も一般的に求められる資格が日商簿記です。この資格は会計業務の基礎的な知識を証明し、簿記能力を持っていることを示します。日商簿記は3級から1級までのレベルがあり、1級を取得すれば高度な会計知識を持つと認められます。3級を取得していることで、決算業務や記帳代行業務は行えますが、1級を取得している人材は会計事務所において非常に価値があると言えます。

また、日商簿記はその他の会計関連の資格取得のステップアップとしても利用されます。例えば、税理士や公認会計士などの資格を目指す人は、まず日商簿記から始めるのが一般的です。これらの資格は会計事務所で働くうえで非常に重要なものであり、更に専門性を深めることができます。

しかし、日商簿記を持っているだけでなく、それを活かす実務経験も同時に重要です。資格を持つことで基本的な知識を証明できますが、実際の業務ではその知識をどのように活用できるかが問われます。そのため、日商簿記の勉強をする際には、実際の業務にどのように応用するかを考えながら学ぶことが大切です。

税理士資格

会計事務所で特に重要視される資格が「税理士資格」です。税理士は経済の専門家であり、企業の経営戦略を立てる際に欠かせない存在です。税理士資格を持つことで、法律に基づく正確な税金の計算や申告、税務調査への対応など、企業の税務全般を担当することが可能となります。

また、税理士の業務範囲は税金だけにとどまらず、経営計画の策定や財務分析、相続や事業承継のアドバイスなど、幅広い領域に及びます。そのため、税理士資格は非常に高いスキルと認識され、会計事務所で働くためには強力な武器となります。

しかし、税理士試験は難易度が高く、一度で合格するのは容易ではありません。そのため、自己学習はもちろん、専門の予備校に通うなどして、しっかりとした知識と技術を身につけることが求められます。税理士資格を取得することで、会計事務所でのキャリアアップはもちろん、より幅広い分野で活躍する道が開かれます。

公認会計士

公認会計士の資格は、監査業務が行える唯一の国家資格です。公認会計士は、企業の経済活動を適切に評価、分析するための専門知識と技術を有している人材を指し、その資格を持つことは高度な専門性を証明します。公認会計士の試験は非常に難易度が高く、取得には長期間の学習が必要とされますが、一度取得すれば終身有効であるほか、税理士試験を受験せずとも税理士としての登録も可能となります。

具体的には、公認会計士は財務諸表の監査、財務状況の分析、税務申告書の作成などの業務を担当します。また、企業の経営者や投資家に対するアドバイスを行うこともあります。

公認会計士は、企業の経営陣や取引先と直接対話する機会が多く、経済やビジネスに関する広範な知識を持つことが求められます。これらの経験は、将来的に自身が会計事務所を設立する際や、他の企業で管理職になるためのスキルを身につける上で非常に有益であると言えます。

このように、会計事務所で求められる資格は多岐にわたります。また、ご紹介した資格を取得することで、年収アップやキャリアアップにつながる場合があります。しかし、必ずしも全ての資格を持つ必要はありません。あなたがどのような職種に興味があるか、どのようなキャリアを目指しているかにより、取得すべき資格は異なるでしょう。

最後に

この記事を通して実際に会計事務所で働く際に必要なスキルや会計事務所の仕事内容についてイメージすることが出来たでしょうか?

一概に、会計事務所で働くといっても、業務内容は事務所や能力により異なります。
そのため、就職、転職を検討した際には、自身のキャリアプランを明確にしておくことが大切です。
資格取得は時間と労力を必要としますが、それが自身のスキルアップとキャリアアップにつながります。

「未経験だから、専門知識を有する業界への就職はできない」と諦める前に、一歩踏み出してチャレンジすることが重要であると言えるでしょう。

執筆 ・ 監修

城之内 楊

株式会社ミツカル代表取締役社長

株式会社ミツカル代表取締役社長。 1990年生まれ。20代では士業向けのコンサルティング会社(株式会社アックスコンサルティング)で最年少役員として8年間勤務。これまで、3,000以上の税理士事務所のコンサルティングや士業向けのセミナーに複数登壇。さらにはスタートアップから上場企業まで外部顧問や役員としても活躍する。 退職後、税理士業界を活性化するために、税理士事務所の採用支援サービスを展開する株式会社ミツカルを創業。ミツカルでは年間2,400名以上の税理士事務所の求職者をサポート。審査基準を通過した優良事務所のみを紹介しており、ミスマッチのない転職支援を行っている。