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税理士法人 転職
2024/09/27
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会計事務所を退職したいと思うことと実際に退職することは大きく異なります。
今回は、会計事務所のよくある退職理由と、退職したいと考えた時にすべきこと等をまとめました
転職成功のコツについても紹介していますので、ぜひ最後までお読みください。
会計事務所でよくある退職理由7選
会計事務所は一般の企業とは少し異なる環境です。
そのため退職理由も若干異なる部分があります。
人間関係の悪化
小規模事務所が大多数を占める会計業界では、人間関係悪化を退職理由とする人が非常に多いのが実情です。
所長やお局と折り合いが悪ければ、出勤するだけでも苦痛を伴います。
また事務所内の人間関係だけでなく、クライアントとの人間関係悪化も、辞めたくなる原因の1つに数えられます。
長時間残業
長時間残業や休日出勤がストレスの原因になり退職を決意する人も少なくありません。
会計業界は、申告・納税期限が決められていることから繁忙期には長時間残業になりがちです。またクライアントによっては休日出勤を余儀なくされる事務所もあります。
プライベートの時間が取りにくい状況が続くことでストレスや疲労が溜まっていき、退職せざるを得なくなるのです。
給与が低い・待遇が悪い
給与や福利厚生等に満足できないことも退職理由に挙げられます。
特に扶養家族がいる人にとって、給与額は死活問題です。何年も働いているのに一向に給与が上がらず生活が楽にならないからと、退職を決断するようです。
キャリアアップしたい
特に小規模事務所の場合、その多くは業務の中心を法人税決算に置いています。
反対に言えば、法人税決算以外の業務をほとんど実施しません。
顧問契約をしているクライアントから相続や事業承継の相談を受けることはあるかもしれませんが、それも年に数件程度です。
国際税務や連結決算等の高度な業務に挑戦するため、退職するのです。
キャリアアップを理由に退職する人は、転職先を見つけてから退職することが多いようです。
試験勉強を優先したい
税理士試験等の難関資格に挑戦中で、仕事に費やす時間を減らして勉強時間を増やしたいとする退職理由です。
社会人で税理士試験に挑戦する人の多くは、仕事と勉強を両立させて生活しています。しかしそうではなく、仕事を辞めて勉強に集中し、短期間で資格を取得しようとするものです。
会計業界で転職する場合、実務経験が非常に重要です。また税理士の資格を得るには、2年間の実務経験が必要です。そのためある程度の実務経験を積んだ後で、退職して勉強に集中するようです。
税理士試験合格後は税理士登録を行い、転職活動か独立の準備を始めることを見越しています。
所長が高齢で事務所を畳みそう
税理士は高齢の方が多いうえに、事業承継ができていない事務所が多数存在します。一代限りで閉める予定の税理士も少なくはありません。
このような事務所の勤務税理士は、いつ所長が「事務所を畳む」と言い出すか冷や冷やしていることでしょう。そのような懸念から、転職を考える方もいるようです。
業務内容や社風に合わない
就職する前に思い描いていた業務内容や社風と、実際に働いてみた時の業務内容や社風が合わないという理由で退職する人もいます。
このようなケースでは、就職後数ヶ月程度で退職を決断するようです。
会計事務所を辞めたいと思った時にすべきこと
会計事務所を退職したいと考えた時、本当に退職した方が良いのか、退職すればよりよい環境に移れるのか等をよく検討しましょう。
退職するか決断するための判断材料と具体的な行動を紹介いたします。
求人を眺める
別の事務所の求人に目を通してみましょう。
「もし自分が転職するなら」という目線で求人情報を絞り込み、内容をざっと確認してください。
この時点では閲覧するだけで応募する必要はありません。まずはどのような求人が出ているのかチェックします。
「魅力的だ」「今より待遇が良さそう」「ここで働きたい」と思える事務所を発見できたなら、転職活動を開始すべきかもしれません。
反対に、今の事務所の方が良さそうだと思えたならば、まだ退職の時ではないと判断できます。
10年後も我慢できるか考える
退職したいと考えているということは、何かしらの我慢を強いられているはずです。
その我慢を10年後もできるのか考えてみてください。
ストレス耐性は千差万別ですので、同じストレスでも人によって耐えられるかどうかは異なります。
他人の体験ではなく、あなた自身が耐えられるかどうかで判断してください。
10年後も我慢できそうであれば、退職までしなくても良いのかもしれません。しかし10年我慢できないなら、早い段階で退職を検討すべきでしょう。
在職したまま解決できる問題か考える
たとえば相性の悪いクライアントの担当を代わってもらえれば居心地が良くなるなら、担当変更を上長に願い出てみましょう。
退職せずにストレスの原因が取り除かれるなら、それに越したことはありません。
在職したまま問題が解決できないか考えてみてください。
もしも問題解決のために行動して事態が悪化した場合でも、退職すれば済むことです。
どんどん行動して問題解決を目指しましょう。
定期的にストレスを発散させる
ストレスを発散させて気持ちを切り替えましょう。
おすすめはスポーツやカラオケです。
有酸素運動はストレス緩和に効果的だと言われています。ウォーキングやテニス、サッカー、卓球等、軽く汗をかく程度の運動を30分ほど継続すると、セロトニンが分泌されてリラックスできます。
またカラオケで歌うとエンドルフィン等の幸せホルモンが分泌され、元気になれると言われています。
しっかり休むことも効果的です。適度な睡眠もストレスを和らげてくれます。
自分なりのストレス発散法を探して、仕事のストレスに負けないようにしましょう。
ただし、ストレス発散を試みてもイライラしたり落ち着かなかったりする場合は、退職してゆっくり休んだ方が良いのかもしれません。
転職で解決できる問題か考える
不労所得でもない限り、退職後は転職して新たな職場で働くことになるでしょう。
現在抱えているストレスや悩みは、転職したら解決するのでしょうか。この点をしっかり考えてください。
たとえば人間関係が原因ならば、転職して環境が変われば解決できるでしょう。
しかし「給与はアップさせたいが残業も休日出勤もせず楽な仕事だけしたい」という理由で退職を検討している場合、転職してもストレスは減らせないかもしれません。
転職してもストレスが変わらないならば、現職で長く勤めることもご検討ください。
会計事務所を退職すると決めたらすべきこと
会計事務所を退職すると決断したら、まず下記3点を実行しましょう。
スムーズな退職と転職を実現させられます。
退職時期を決める
まずは、いつ退職するか決めましょう。上長に相談する必要はありません。あなたの希望で決めてください。
ボーナスを受け取ってから退職する、繁忙期を避けて退職する、引き継ぎのために2カ月後以降に退職する等、決め方は様々です。
退職後も事務所の人々と仲良くしたいなら、繁忙期を避けて2ヶ月後以降に退職することをおすすめします。
基本的には、あなた自身の退職希望を伝えましょう。
ただし、就業規則で退職の申し出時期を決めている場合もあります。その場合は就業規則に従うのが賢明でしょう。
なお法律では民法第627条では、2週間前の申し出で退職できるとされています。つまり最短2週間で退職可能です。
しかし2週間では後任の引継ぎも採用活動もままなりませんので、あまり良い顔をされないと思われます。
パワハラやいじめ等で1日も在籍したくない場合は最短2週間での退職も検討すべきですが、多少の余裕があるならば、1〜3カ月程度前に申し出ましょう。
転職準備を始める
退職する前から転職準備を始めます。
通常、職歴に空白期間があると転職活動で不利になってしまいます。
収入が途絶えないという点でも、退職前に転職先を決めておくことが理想です。
具体的な転職準備は、スキルや職歴の棚卸し、希望条件の整理等です。
その後で、転職エージェントへの登録、求人への応募、履歴書や職務経歴書の作成、面接練習等を行ってください。
仕事をしながら転職活動を進めるのは大変ですが、転職先が決まるまでの一時だけです。少しの間、頑張りましょう。
転職を成功させるコツ
退職したくなると、どこでも良いから早く転職したくなるものです。
しかし焦って転職活動を進めると、入職後に後悔することになるかもしれません。
理想的な転職先の内定を獲得するために、最低限やるべきことについて解説します。
転職エージェントに登録する
転職エージェントに登録すると、担当のキャリアアドバイザーがあなたの希望に合った求人を選りすぐって紹介してくれます。あなたが求人を探す必要はなくなりますので、転職活動の時短が可能です。
また転職エージェントは非公開求人を紹介してくれることもあり、応募できる幅が広がるという魅力も兼ね備えています。
登録時に若干時間が必要ですが、登録さえすんでしまえば求人の選別は任せられるのです。
退職理由はポジティブに置き換える
退職理由がネガティブな場合は、ポジティブな言葉に置き換えましょう。
たとえば人間関係が原因で退職したい場合なら「チームワークを重視した働き方がしたい」「コミュニケーションを重んじる環境で働きたい」等です。
退職理由をネガティブなまま伝えてしまうと、低評価につながってしまいます。採用担当者は「採用しても、うちのことを悪く言うのでは」と疑ってしまうためです。
退職理由は必ず聞かれる項目ですので、細心の注意を払ってポジティブに変換しましょう。
なお「家族の介護のため」「パワハラが酷かった」「税理士の勉強に時間を取りたい」等、採用担当者からの印象が下がらないと思われる理由であれば、そのまま伝えても大丈夫です。
希望条件をまとめる
転職したい事務所の条件をまとめましょう。
最低給与、最大残業時間、事務所の専門分野、家からの距離、税理士試験のサポート内容、記帳代行をするのかどうか、巡回監査は訪問かオンラインか来社か、同僚の男女比等。
求める条件は人により異なりますので、あなたにとっての希望条件を洗い出してください。
希望条件に沿って求人を探しましょう。
スキルや資格等を洗い出す
自己分析の一環として、自分のスキルや資格等を書き出しましょう。
税理士試験で科目合格を果たしているのなら、合格科目と合格年を履歴書に掲載できます。
その他にも実務で役立ちそうな資格やスキル、実績等を洗い出してください。
洗い出したスキルや資格等は、履歴書や職務経歴書の至る所にちりばめて自己PRとして使います。
多ければ多いほど表現の幅が広がりますので、できるだけ多く書きましょう。
複数の事務所に応募する
第一希望の事務所だけでなく、複数の事務所に応募しましょう。
その理由は、面接等の練習ができるためと、採用される確率を上げるためです。
多くの事務所では、書類選考と数回の面接を経て内定が出されます。
履歴書や職務経歴書はフォーマットに記入すれば完成しますが、内容の良し悪しは書いた本人には分かりづらいものです。そこでいくつかの事務所に応募しておき、書類選考で通過するかどうかを確認しておくのです。書類で落とされるならば、書き直した方が良いのかもしれません。担当のキャリアアドバイザーと一緒により良い書類に仕上げましょう。
面接も、練習をしているかどうかが合否に直結します。キャリアアドバイザーとの模擬面接を行うほか、本命の事務所の面接を行う前に実際に他事務所の面接を受けてみることで気付けることもあります。
書類選考や面接を複数事務所で受けることで、あなたの志望度が変化し、当初の第一希望ではない事務所に転職したくなるかもしれません。1つにこだわらず、多くの事務所に視野を広げてみてください。
まとめ
会計事務所の主な退職理由は上記7つに絞られます。
退職したいと願いながら仕事を続けているならば、転職も視野に入れてみてはいかがでしょうか。
すぐに転職できるとは限りませんので、在職中から少しずつ転職に向けて行動するのがおすすめです。
本記事を参考に、あなたの理想が叶う会計事務所への転職を成功させてください。
城之内 楊
株式会社ミツカル代表取締役社長