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【会計事務所転職者必見!】採用担当者の目に留まる志望動機の書き方

2024/09/27

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転職時の書類作成で課題となるのが志望動機です。
採用側も重視しているポイントなので手を抜けません。
そこで本記事では、会計事務所への求職者向け志望動機の書き方について解説いたします。
ぜひ最後までお読みいただき、志望事務所への転職を成功させてください。

会計事務所に対する志望動機の例文

会計事務所宛の志望動機の例文を3つずつ紹介いたします。
ぜひ、参考にしてみてください。
なお会計事務所未経験者と経験者では記述内容が異なりますので、分けて掲載しています。

未経験者

1
私は学生時代に簿記の授業を受け、数字を通じて企業の活動を深く理解できる点に魅力を感じました。卒業後、会計業界でのキャリアに挑戦したいと思い、自己学習で簿記資格を取得しました。未経験ですが、正確な業務遂行と常に学び続ける姿勢で、貴社に貢献できると確信しています。会計事務所での経験を積み、クライアントの経営支援に積極的に関わりたいです。

<解説>
未経験者の志望動機には、会計業界を目指したきっかけを記載すると効果的です。「なぜ未経験の業界を志望したのか」は会計業界でなくとも気になるところ。納得のいく説明ができれば、採用担当者の心を掴めます。

2
現職で経理を担当しており、何度か税理士の方とお会いする機会がありました。経営者の相談役として活躍される税理士の先生に憧れを抱き、会計業界への転職を決意いたしました。中でも貴事務所は、法人税決算のみならず国際税務などの高度な業務も受けておられるとのことで、グローバル化が進む現在において非常に重要なポジションにおられると感じています。留学経験とTOEIC700点のスキルを活かし、貴事務所で多くの中小企業に貢献したいと思っています。

<解説>
英語の能力を武器として表現し、自分を採用するメリットを伝えています。
基本的に未経験者よりも経験者の方が採用されやすい傾向にありますので、会計実務に代わる魅力をしっかりと伝える必要があります。国際税務の分野は高度で専門性が高く、クライアントも英語での対応を望まれるため、国際税務を取り扱う事務所への志望動機で英語力を武器にした戦略は有効です。他にもコミュニケーション能力や営業力、マネジメントスキル等も強力な武器となります。

3
貴事務所のHPを拝見し、経営理念である「地域への貢献」に強く共感いたしました。クライアントである中小企業への貢献がすなわち地域経済への貢献につながるというお考えの元で、私も業務に携われましたら幸いです。現在、簿記2級の勉強中です。この経験と知識も活かせると思っています。 子育てに時間を取られるため経理スタッフへの応募になりますが、ゆくゆくは税理士試験に挑戦したいと考えています。よろしくお願いいたします。

<解説>
巡回監査の税理士や税理士補助ではなく、会計スタッフとしての志望動機です。
たとえパートであっても簿記の知識があった方が採用されやすいので、勉強中であったり簿記資格を保有していたりするのであれば、積極的にアピールしましょう。また「今後は正社員になりたい」「税理士を目指したい」といった希望を持っているならば、素直に記載してください。好印象となるかは事務所次第ですが、希望に沿った配慮をしてもらえる可能性が高まります。

経験者

1
現職では中小企業の巡回監査を担当しておりますが、業務に慣れるにしたがい、もっと個人に深く入り込んだ業務に携わりたいと考え、相続税専門の税理士法人を探しておりました。経営理念のお客様への寄り添い方も私の理想とする考え方でしたので、ここしかないと思い応募させていただきました。税理士試験では相続税を選択しており、最低限の知識はあると自負しています。何卒よろしくお願いいたします。

<解説>
経験者の志望動機では、転職するポジティブな理由が求められます。この例文では「相続専門に転向したい」という理由を採用しました。前職の退職理由がネガティブであった場合、その理由をそのまま記載するのはNGです。採用担当者の印象を良くするためにも、ポジティブな言葉に変換しましょう。

2
御社で高度な専門業務に挑戦させていただきたいと思い応募いたしました。
現職では法人税決算業務と巡回業務が中心で、所長の方針により資産税や国際税務、M&Aといった業務は受けておりません。しかし税理士としての能力や知識をもっと活用したいという想いが強くなり、大企業の税務監査や事業承継等の業務も受けておられる御社を志望いたしました。国際税務に対応するため、TOEICを受験予定です。採用されましたら、仲間たちとより高度な業務に挑戦し続けられるよう努めます。

<解説>
経験者に最も求められるのは即戦力になりうる経験と知識です。
現職または前職までの経験を、希望している事務所でも活かせることをアピールしてください。今より高度な業務に携わりたい場合は、その心意気を見せましょう。挑戦したい分野の勉強を始めるのが手っ取り早くおすすめです。

3
税理士試験への挑戦をバックアップしていただけるという点、英語力を活かして国際税務の領域にもチャレンジできる点に非常に魅力を感じました。現在2科目合格しており、3年後には税理士資格取得を予定しています。私の目標は、税理士資格を取得し、税理士という立場から中小企業のグローバル化をサポートする専門家となることです。よろしくお願いいたします。

<解説>
科目合格者の場合、税理士試験に合格する予定であることをアピールしましょう。
税理士取得をサポートしている事務所から歓迎してもらえるはずです。もし大学院に進学する予定なら、その点について職務経歴書や面接で伝えておきましょう。便宜を図ってもらえるかもしれません。

会計事務所に対する志望動機のポイント

志望動機の例文をいくつか紹介しましたが、このまま書き写しても採用担当者の心は掴めません。なぜなら、あなた自身の言葉ではないと見抜かれてしまうためです。
本項で志望動機作成のポイントを確認し、あなただけのオリジナル志望動機を作りましょう。

なぜ会計業界を選んだのか

未経験者が組み込むべき内容です。
未経験から挑戦するからには、何かしらの理由があるはずです。その理由を含めてください。理由があまり良いものではないと感じるなら、少し肉付けをしても構いません。ウソを吐くと相手にもウソだと伝わってしまいますので止めておくのが無難です。
なお志望動機の欄に入りきらない場合は、詳細を職務経歴書に記載するか面接で伝えても構いません。

なぜこの会計事務所を選んだのか

未経験者でも経験者でも必要な項目です。
何も思いつかない場合は事務所のサイトから経営理念や所長の言葉等を拾い、共感できる箇所がないか探しましょう。

採用すると事務所にどんなメリットがあるのか

求人募集を出している事務所は、メリットをもたらしてくれる人材を探しています。
メリットとは、既存顧客の売上アップや信頼感向上、新規開拓等です。正確かつスピーディに処理できることも重要視されます。
あなたの得意分野や経験を十分にアピールしましょう。

キャリアプランを明確にする

あなた自身のキャリアプランを明確にします。
あなた自身と事務所の方針に食い違いがないか確認するためでもありますし、長く働き続けられるというアピールにもなります。
キャリアプランを明確化し「貴事務所の方針と合致しています」と記載しましょう。

PREP法でまとめる

PREP法とは、分かりやすく伝わりやすい文章を作成するための構文の1つです。
結論・理由・具体例・結論の順番で書き進めます。
PREP法以外の構文で書いても問題はありません。書き方に悩む場合にPREP法を使いましょう。

志望動機を作成する上での注意点

内定につながる志望動機を作成するために注意すべきポイントをまとめました。
作成前に目を通し、要点を確認しておきましょう。

事務所の専門や得意分野を調べる

志望する事務所について調べておきましょう。
特に専門や得意分野に関しては必須です。志望動機を作成するにあたり、事務所との相性が良いことをアピールする必要があります。その際に役立つ情報です。
多くの事務所はサイトを持っていますので、サイトの経営理念や事業内容等で確認できます。
サイトがない場合は、求人票の内容で確認するか、転職エージェントに相談しましょう。

どんな人材を欲しがっているのか確認しておく

求める人材像も確認します。
社風に合う人材や営業力に長けた人材等、事務所が求める人材像は様々です。
求める人材像にマッチしていることを示すためにも、事前確認が必要なのです。

志望動機の使い回しはしない

「御社の経営理念に共感し志望しました」のように使いまわせる志望動機は控えましょう。1事務所に対して1つの志望動機を作成するのが原則です。
使い回しが効く志望動機とは、すなわち内容が薄くあいまいになります。採用担当者も一眼で使い回しだと気付きますので、内定が遠のいてしまうのです。
本当に内定を望むなら、志望動機は1事務所につき1つずつ丁寧に作成するのが良いでしょう。

自分の強みや資格の棚卸しをする

事務所の分析が終わったからといって、すぐに志望動機を書き始めるのは得策ではありません。
自分の強みや資格、経験等の棚卸しを行い、志望動機に含める内容を精査しましょう。
自己PRの欄もありますが、読み飛ばされる恐れがあります。しかし志望動機はほぼ確実に採用担当者が一読しますので、必ずアピールしたいことがあるならば、志望動機に絡めた方が良いのです。

短所も棚卸しをしてポジティブに変換

強みだけでなく、短所も棚卸しをしましょう。
履歴書や職務経歴書には、短所となるべき事項はあまり書くべきではありません。それでも棚卸しするのは、短所をポジティブに言い換えるためです。
言い換えができれば、短所も立派な長所に変わってくれます。内容の幅が広がり、魅力的な志望動機になりますよ。

抽象的な表現は避ける

できるだけ数字や具体的な言葉を用いましょう。
たとえば「数年間は営業職として勤めていました」よりも「3年間は営業職として勤めていました」の方が正確な印象をもたらします。
会計業界は正確さも求められますので、抽象的な表現よりも具体的な表現が好まれます。

事務所からの指定を守る

「150文字以内」「11ptで」「枠からはみ出さない」等の指定があれば遵守しましょう。
指定外のことをすると、協調性がない、文章を読んでいない等のネガティブな印象につながりかねません。
志望動機作成についての指定があれば、必ず守ってください。

志望動機を書く前に知っておくべき会計事務所の違い

会計事務所を大きく分けると以下のようになります。
特に未経験から会計業界に転職する場合は、これらの違いを押さえておきましょう。

大手税理士法人

BIG4等の大法人です。
大企業をクライアントとして高度で専門的な業務をチームで処理しています。
比較的給与が高く福利厚生も充実している法人が多いようです。
大手税理士法人では、会計知識だけでなく学歴や英語力等も高く評価されます。

中堅税理士法人

上場企業等をクライアントとする法人です。
大手ほどではないものの、国際税務や事業承継等を含めた幅広い業務に対応しています。 学歴や英語力等が高ければ評価されますが、実務経験も非常に重要です。

小規模税理士事務所

税理士を所長とした5人程度の小規模税理士事務所です。
地域の中小企業を主なクライアントとして経営者のお困りごとになんでも対応します。
実務経験とやる気が重要視されます。

各種特化型税理士事務所

相続専門、国際税務専門といった特化型の税理士事務所です。
規模はまちまちで大きな法人もあれば小さな個人事務所も存在します。
特化型なので専門分野を追求できますが、逆に言えば他の分野に携われる機会はほとんどありません。
特化している分野に詳しいと転職活動で有利になります。

コンサルティング注力型税理士事務所

最近勢いのあるタイプの税理士事務所です。
決算書作成のような作業よりも税務コンサルティングに力を入れており、クライアント1社あたりの単価が高い傾向にあります。
クライアントの利益が向上すると給与に反映されるケースが多いため、プレゼンテーション力やコミュニケーション能力の高い人にはうってつけです。

まとめ

会計事務所の志望動機を例文つきで解説しました。
本文の内容を参考に志望動機を作成していただければ、あなただけの素晴らしい志望動機が作成できるはずです。もし1人では不安なら、転職エージェントに相談してください。転職のプロが二人三脚で志望動機の作成をサポートしてくれるでしょう。

執筆 ・ 監修

城之内 楊

株式会社ミツカル代表取締役社長

株式会社ミツカル代表取締役社長。 1990年生まれ。20代では士業向けのコンサルティング会社(株式会社アックスコンサルティング)で最年少役員として8年間勤務。これまで、3,000以上の税理士事務所のコンサルティングや士業向けのセミナーに複数登壇。さらにはスタートアップから上場企業まで外部顧問や役員としても活躍する。 退職後、税理士業界を活性化するために、税理士事務所の採用支援サービスを展開する株式会社ミツカルを創業。ミツカルでは年間2,400名以上の税理士事務所の求職者をサポート。審査基準を通過した優良事務所のみを紹介しており、ミスマッチのない転職支援を行っている。