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事業承継士資格のメリットとキャリアパス

公開日:2025/04/10

最終更新日:2025/04/10

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日本の中小企業の約半数が後継者不足に悩んでいることをご存じですか?

「事業承継士」という資格を取得すれば、企業の未来を支える専門家として活躍できます。

税務・法務・財務・M&Aなど、事業承継のあらゆる知識を身につけ、経営者の頼れるパートナーに!

銀行やコンサル業界でのキャリアアップ、独立・開業のチャンスを広げる武器にもなります。

「事業承継士ってどんな資格?」「取得するメリットは?」そんな疑問を解決します

取得方法や費用、活かせるキャリアパスまで、わかりやすく解説しました。

事業承継のプロフェッショナルとして、あなたの市場価値を高める方法をチェックしましょう!

この記事を読めば、事業承継士資格があなたの未来をどう変えるのかが分かります!

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事業承継士資格とは?

資格の概要と定義

事業承継士は、中小企業の事業承継を支援する専門家としての資格です。日本の中小企業の多くは後継者不足や円滑な事業承継の課題を抱えており、その解決を目的として、一般社団法人事業承継協会が認定する資格として設立されました。

この資格を取得することで、経営者の世代交代における法務・税務・財務・組織再編などの知識を身につけ、企業オーナーや後継者に対して適切なアドバイスを行うことが可能になります。

他の関連資格との違い

事業承継に関連する資格はいくつかあり、それぞれの特徴は以下の通りです。

資格名 主な内容 事業承継士との違い
事業承継士 事業承継全般に関する専門資格。税務、財務、法務、M&Aなど幅広い知識を習得。 事業承継を総合的に支援できる専門家育成に特化。
税理士 税務の専門家。相続税・贈与税・事業承継税制の知識が深い。 税務面の支援が中心で、M&Aや組織再編の知識は必須ではない。
中小企業診断士 経営コンサルティングの資格。財務、組織、人事など幅広い知識を持つ。 事業承継は一分野であり、特化した資格ではない。
CFP(ファイナンシャルプランナー上級資格) 個人の資産承継や相続対策に強い。 企業の事業承継よりも個人の資産管理・相続対策が中心。
M&Aアドバイザー M&Aを専門に扱い、企業買収・売却を支援。 事業承継の一手法であるM&Aに特化しているが、親族内承継や後継者育成には触れない。


事業承継士資格のメリット

事業承継士資格を取得することで、専門知識を活かして中小企業の経営者や後継者を支援できるようになります。特に、事業承継が課題となっている日本の中小企業にとって、専門家のニーズは高まっており、資格取得のメリットは大きいです。

キャリアアップに役立つ理由

① 専門性の証明

事業承継士は、税務・法務・財務・M&A・組織再編など、幅広い事業承継の知識を持つことを証明する資格です。これにより、企業の経営コンサルタントや金融機関のアドバイザーとしての信頼性が向上し、キャリアの選択肢が広がります。

② コンサルタントとしての独立・開業の武器になる

事業承継支援は、顧問契約やM&A仲介など、長期的な収益を生む業務が多いため、独立・開業を考えている人にとって強みになります。また、税理士や中小企業診断士といった他の専門資格と組み合わせることで、より包括的なサポートが可能になります。

③ 金融機関やM&A業界での活躍

銀行や信用金庫、証券会社、M&A仲介会社などでは、事業承継のニーズが高く、資格を持っていると業務の幅が広がります。特に、企業オーナー向けの提案力が強化され、法人営業の成績向上にもつながります。

④ 事業承継のニーズが増加している

日本では中小企業の多くが経営者の高齢化に直面しており、事業承継をスムーズに進める専門家の需要が急増しています。事業承継士の資格を持っていることで、将来的な市場価値の高いスキルを習得できる点が魅力です。

企業内での評価向上

① 事業承継に関する社内プロジェクトへの参加

企業によっては、取引先の事業承継支援を強化しており、事業承継士資格を持っていると社内プロジェクトに積極的に関与できる可能性があります。特に、銀行・証券会社・会計事務所・コンサルティングファームなどでは、専門知識を活かして経営者向けの提案を行う場面が増えます

② 社内昇進や評価アップの可能性

資格を取得することで、上司や経営層からの評価が上がり、昇進や給与アップにつながるケースもあります。特に、金融機関やコンサルティング業界では、事業承継の知識を持っていることがクライアント対応の強みとなるため、評価が高まりやすいです。

③ 他の専門職との連携強化

事業承継は、税理士・弁護士・会計士・中小企業診断士・M&Aアドバイザーなど、さまざまな専門家と連携する必要があります。資格を持つことで、社内外の専門家とのネットワークを広げやすくなり、より大きな案件に関与できる可能性が高まります。

④ 社内外の信頼獲得

事業承継に関する正しい知識を持つことで、社内外のクライアントや経営者からの信頼を得やすくなります。特に、事業承継を検討している中小企業の経営者に対して、説得力のある提案ができるようになるため、顧客との関係構築にもプラスになります。

事業承継士資格の取得方法

事業承継士資格を取得するには、一般社団法人 事業承継協会 が実施する 「事業承継士認定講座」 を受講し、修了試験に合格する必要があります。

必要な講座と試験

① 事業承継士認定講座

この講座は、事業承継の知識を体系的に学ぶためのもので、 オンライン講義 を中心に進められます。主に以下の分野について学びます。

講座内容 主な学習内容
事業承継の基礎 事業承継の全体像、経営者の課題、承継プロセス
財務・税務・会計 事業承継税制、相続税・贈与税、財務分析、株式承継
法務・ガバナンス 会社法、事業承継における契約・登記、持株会社の活用
M&A・組織再編 M&A手法、買収スキーム、第三者承継の手順
後継者育成・経営戦略 経営者の交代プロセス、事業計画策定、後継者教育

受講形式:オンライン講座(動画視聴形式)
学習期間:2〜3か月(個人のペースで受講可)

② 修了試験

試験形式:選択式・記述式
出題範囲:講座で学んだ内容から出題
合格基準:一定の得点以上を取得すること
試験日程:講座修了後、随時受験可能

資格取得にかかる費用

事業承継士の資格取得講座の費用は、33万円程度の受講料が必要です。

【事業承継士の資格取得にかかる費用】
・事業承継士資格取得講座:33万円(税込)程度
・認定試験受講料:9,900円(税込)
・入会金:11,000円(税込) ・年会費:11,000円(税込)
・資格の更新料:3年毎に5,500円
セミナーへの出席や書籍の購入など、資格取得にかかる費用はこれら以外に発生します。

事業承継士の資格取得には、資格取得講座の受講、認定試験の受験、事業承継協会への入会というステップがあります。事業承継協会に加入すると、事業承継に関する仕事を優先的に紹介してもらえるなどのメリットがあります。

事業承継士資格取得に関する無料ガイダンスも開催されています。不明な点がある人や資格取得に迷っている場合は、ガイダンスを受講するとよいでしょう。

事業承継士協会とその役割

協会が提供するサポートと相談

事業承継士資格を運営する 一般社団法人 事業承継協会 は、中小企業の円滑な事業承継を支援するための専門家育成や情報提供を行う団体です。主な目的は以下の通りです。

事業承継士の育成と認定
 ◦事業承継に関する専門的な知識・スキルを持つ人材を育成し、資格認定を行う。
 ◦事業承継士としての実務能力向上を目的とした継続教育を提供。

事業承継支援の情報発信
 ◦事業承継の最新動向や成功事例を企業経営者や専門家に提供。
 ◦事業承継支援に関する法改正や補助金情報を発信。

専門家ネットワークの構築
 ◦弁護士、税理士、会計士、M&Aアドバイザーなどとの連携を促進。
 ◦事業承継支援を行う会員同士の交流を活性化。

事業承継協会が提供するサポートと相談

事業承継協会では、資格取得者や企業経営者向けにさまざまなサポートを提供しています。

① 事業承継に関する相談対応

・事業承継を考えている企業経営者向けの 無料相談会 を実施。
・事業承継士や専門家(税理士・弁護士・M&Aアドバイザー)による 個別コンサルティング を提供。

② 実務支援ツールの提供

・事業承継計画書のテンプレート
・企業診断ツール(後継者評価・財務分析)
・事業承継に関する契約書の雛形

③ セミナー・勉強会の開催

・最新の事業承継制度や成功事例を学べる オンラインセミナー
・事業承継士向けの 実務研修会
・M&Aや税務、相続に関する 専門家向け勉強会

④ 事業承継士の実務サポート

・事業承継士が企業経営者を支援する際の コンサルティングガイドライン を提供。
・承継案件のマッチング支援(M&Aや後継者探し)。
・各地域の専門家との連携サポート。

事業承継士資格を活かしたキャリアパス

事業承継士資格を活かして 企業での昇進・活躍 だけでなく、 独立・開業 まで幅広いキャリアの選択肢があることが分かります

企業での活躍事例

企業での活躍事例は以下の通りです。

業界 主な業務 キャリアパス
金融機関(銀行・信用金庫・証券会社) 取引先企業の事業承継支援、M&A仲介、ファイナンス支援、相続・税務アドバイス 法人営業 → 事業承継アドバイザー → M&A部門責任者
税理士・会計士・中小企業診断士事務所 事業承継税制の活用支援、組織再編・経営改善、M&A・事業譲渡支援 事業承継専門のコンサルティング部門設立 → 顧問契約獲得 → 独立
M&A仲介・コンサルティング会社 事業承継を目的としたM&A支援、企業オーナー向けM&Aアドバイス M&Aアドバイザー → 成約数増加 → 独立・開業
企業の経営企画・事業開発部門 グループ内事業承継、新規事業の立ち上げ、事業統合戦略 経営企画リーダー → M&A・事業承継担当 → CFO/COO


独立やコンサルタントとしての道

独立やコンサルタントとしての道は以下の通りです。

キャリア 提供サービス 収益モデル 成功事例
事業承継コンサルタント 事業承継計画策定、後継者育成、M&A支援、企業価値評価 コンサルティングフィー、M&A仲介手数料、顧問契約 税理士が事業承継士を取得しM&Aアドバイザーとして独立
M&Aアドバイザー・仲介業 企業買収・売却サポート、M&Aスキーム提案 成約報酬、企業価値評価レポート作成 銀行出身者がM&A仲介業を立ち上げ
事業承継セミナー講師 企業向け研修、後継者育成プログラム セミナー講演料、研修プログラム販売 商工会議所や地方自治体と提携し研修事業を展開


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業承継士資格 -まとめ

この記事では事業承継士についてまとめました。

事業承継士は、中小企業の円滑な事業承継を支援するために、法務・税務・財務・M&Aなどの知識を持つ専門資格です。他の関連資格(税理士、中小企業診断士、M&Aアドバイザーなど)と比べ、事業承継全般に対応できる点が特徴です。取得することで、企業内での昇進やキャリアアップ、金融機関やコンサルティング業界での活躍が期待できます。独立・開業の武器としても有効で、事業承継コンサルタントやM&Aアドバイザーとしての活動が可能になります。企業内では、取引先の事業承継支援やM&A仲介、組織再編のプロジェクトに関与できる機会が増えます。

事業承継協会の会員になると、案件紹介や専門家ネットワークの活用、実務支援ツールの提供などのメリットがあります。

この記事がお役に立てば幸いです。

執筆 ・ 監修

税理士 平川 文菜(ねこころ)

税理士|熊本出身|2018年京都大学卒業| 在学中より税理士試験の勉強を始め、2018年12月に税法三科目(法人・消費・国徴)を同時に合格し、官報合格を果たす。 2018年9月よりBIG4 税理士法人の一つであるKPMG税理士法人において、若手かつ女性という少数の立場ながら2年間にわたり活躍。税務DDやアドバイザリーといった幅広い業務に従事。 2020年9月より、外資系戦略コンサルティングファームであるボストンコンサルティンググループに転職。戦略策定から実行支援まで幅広い業務に従事。2024年12月にフリーランスとして独立。