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【税理士試験】おすすめの税理士科目をご紹介!選び方のポイントとは?

2024/10/17

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税理士試験は11科目が存在しており、その中から5つの科目に合格することで晴れて税理士試験合格となります。 税理士試験に合格するためには、科目の選択が鍵となります。 本記事では、試験合格に向けたおすすめの選択科目や選び方のポイント、さらに税理士試験に合格するポイントもご紹介いたします。

税理士試験の科目選びが重要な理由

税理士試験に合格するために、なぜ科目選びが重要なのでしょうか? まずは税理士試験の概要から説明していきます。

税理士試験の概要

税理士試験は、日本国内で税理士として活動するために必要な資格を取得するための国家試験です。試験は毎年8月に実施され、合格者は税理士登録を行うことができます。この試験は、税務の専門知識を問うものであり、受験者は5科目の合格を目指します。試験科目は必須科目と選択科目に分かれており、必須科目として「簿記論」と「財務諸表論」があります。

選択科目には「法人税法」「所得税法」「消費税法」「相続税法」「酒税法」「固定資産税」「国税徴収法」などがあり、受験者はこれらの中から3科目を選んで受験します。各科目は独立して評価され、合格基準はおおむね60点以上とされています。試験の難易度は非常に高く、全科目を一度に合格することは稀で、多くの受験者は数年かけて科目ごとに合格を目指します。

また、試験の内容は毎年変動するため、最新の税法や会計基準に精通していることが求められます。また、税法や会計の改正が頻繁に行われるため、最新の情報を常にキャッチアップすることが重要です。

科目の種類

先ほどお話しした通り、税理士試験は11科目存在しています。 以下の表で試験科目をご紹介いたします。

科目分類 科目 必須条件
会計科目 簿記論 必修
財務諸表論 必修
税法科目 所得税法 所得税法または法人税法のいずれかを選択
法人税法 所得税法または法人税法のいずれかを選択
相続税法 任意
消費税法 消費税法または酒税法のいずれか一方のみ
酒税法 消費税法または酒税法のいずれか一方のみ
国税徴収法 任意
住民税 住民税または事業税のいずれか一方のみ
事業税 住民税または事業税のいずれか一方のみ
固定資産税 任意
簿記論と財務諸表論は必修科目であるためその他項目から3つ選択する必要があります。 では、科目別の合格率を見ていきましょう。

科目ごとの合格率

科目 令和5年度合格率 令和4年度合格率 令和3年度合格率
簿記論 17.4% 23.0% 16.5%
財務諸表論 28.1% 14.8% 23.9%
所得税法 13.8% 14.1% 12.6%
法人税法 14.0% 12.3% 12.8%
相続税法 11.6% 14.2% 12.8%
消費税法 11.9% 11.4% 11.9%
酒税法 12.7% 13.2% 12.6%
国税徴収法 13.9% 13.8% 13.7%
住民税 14.7% 17.2% 12.7%
事業税 16.4% 14.1% 12.6%
固定資産税 17.3% 18.4% 13.8%
令和5年度の合格率を見てみると必須科目の簿記論、財務諸表論以外では、比較的「固定資産税」の合格率が高いことが分かります。それに対して「消費税法」は毎年合格率が低くなっています。税理士試験の科目別合格率については、国税庁の税理士試験結果にて参照することが可能です。 引用:国税庁_税理士試験の結果

おすすめの税理士科目トップ3

選択科目の中からおすすめの科目とその理由について解説いたします。 税理士試験の受験を検討されている方は、是非参考にしてみてください。

国税徴収法

まず、おすすめする科目が「国税徴収法」です。「国税徴収法」は、税理士試験の中で比較的取り組みやすい科目とされています。まず、出題範囲が明確であり、過去問題をしっかりと解くことで多くのパターンを網羅することができます。これにより、試験対策が効率的に進められ、合格の可能性が高まります。

さらに、国税徴収法は他の科目と比べてボリュームが少なく、効率的に学習を進めることが可能です。このため、働きながら勉強する方や、他の科目と並行して学習を進める方にとってもおすすめできる資格です。

国税徴収法は、税理士としての基礎的な知識を固めるためにも非常に重要な科目です。しっかりとした学習計画を立て、基本を徹底的に理解することで、試験合格だけでなく、実務においても即戦力として活躍できるスキルを習得することができます。したがって、税理士試験の科目選びにおいて「国税徴収法」は非常におすすめの科目と言えるでしょう。

酒税法

この科目は、酒類の製造や販売に関する税金の仕組みを学びます。具体的には、酒税法の基本的な概念、課税対象となる酒類の種類、税率、酒税の納付方法、そして酒類の輸出入に関する規定などが含まれます。酒税法の魅力は、その内容が比較的シンプルであり、他の科目に比べて学習にかかる時間が少ないことです。

さらに、酒税法は実務での需要も高く、税理士としてのキャリアにおいても役立つ知識となるでしょう。特に、他の難易度の高い科目と組み合わせて受験することで、全体の勉強負担を軽減することが可能です。酒税法においては、過去問を繰り返し解くことで出題パターンを把握しやすく、安定した得点が期待できます。また、酒税法は法律系の基礎知識があれば、初学者でも比較的早く理解できる内容となっています。

最後に、酒税法は酒類業界に関わるクライアントを持つ税理士にとって、必須の知識となることは間違いありません。酒税法をしっかりと学び、試験に合格することで、税理士としての専門性を高めることができます。

消費税法

消費税法は、税理士試験の中でも非常に人気の高い科目の一つです。その理由として、実務に直結する科目であることが挙げられます。消費税は企業の日常的な取引に直結する税制であり、正確な計算と申告が求められます。

そのため、消費税法を学ぶことで、現場で即戦力として活躍できるスキルを身につけることができます。消費税法の試験範囲は広く、基礎的な理論から具体的な計算方法まで多岐にわたります。試験では、理論問題と計算問題の両方が出題されるため、バランスよく学習を進めることが必要です。

また、消費税法の理解を深めるためには、最新の法改正にも注意を払う必要があります。消費税法は頻繁に改正が行われるため、最新の情報を常にチェックし、学習内容に反映させることが重要です。特に、軽減税率制度やインボイス制度などの新しい制度に関する知識は、試験対策だけでなく、実務でも役立つでしょう。

最後に、消費税法は合格率を見ると一見難解に思えるかもしれませんが、しっかりとした計画と継続的な勉強を通じて、確実に理解を深めることができます。試験対策だけでなく、実務での活用を意識して学習を進めることで、より効果的なスキルを身につけることができるでしょう。

おすすめする科目選択のポイント

それでは、科目選択をする際に抑えるべきポイントはあるのでしょうか。 ここでは3つポイントをご紹介いたします。

キャリアプランに沿った科目選択

科目選択のポイントの1つ目に、自身のキャリアプランに沿った科目を選択することが挙げられます。

まずは、自分自身が将来どのような環境で働きたいのか、どのような強みを身につけたいのかキャリアプランを明確にします。例えば、高齢化が進んでいるため、将来は相続特化の事務所で勤務するというプランの場合は難易度が高くても相続税法を選択することが必要です。 その他にも、現在不動産特化の事務所に所属しており馴染みがある税法であるため固定資産税を受験するなど、自分自身の業務に活かせるような税法を学ぶことで、時間を有効活用することができるでしょう。

合格率で決める

科目選択を合格率で決めることは、税理士試験の合格を目指す上で非常に有効な戦略であると言えます。例えば、税理士試験の中でも固定資産税や住民税は他の科目に比べて合格率が高いです。これらの科目を選択することで、試験全体の負担を軽減し、総合的な合格の確率を上げることができます。

また、合格率の高い科目は過去問題や参考書が豊富に揃っていることが多く、質の高い学習リソースを利用できる点も魅力です。多くの受験生が選択しているため、試験対策の情報も充実しており、効率的な学習が可能です。

さらに、合格率のデータからはその科目の試験傾向や出題パターンを把握することができ、より的確な対策を講じることができます。ただし、合格率だけを基準に科目を選ぶ際には注意も必要です。自分の得意分野や興味のある分野を無視してしまうと、勉強のモチベーションが低下し、結果として効率が悪くなることも考えられます。

そのため、合格率の高い科目を選ぶ際には、自己分析を行い、自分の強みや興味とも照らし合わせることが重要です。さらに、合格率は年度によって変動することもあるため、最新数値を確認することが不可欠となります。過去数年間の合格率の推移をチェックし、安定して高い合格率を維持している科目を選ぶと良いでしょう。 このように、合格率を基準にしながらも、総合的な視点で科目選択を行うことで、税理士試験の合格に一歩近づくことができます。

必要な勉強時間で科目選択

各科目に必要な勉強時間を考慮することは、効率的な学習計画を立てる上で欠かせません。科目ごとに要求される勉強時間は異なり、自分のライフスタイルや他の科目とのバランスを考慮して選択することが大切です。

例えば、簿記論や財務諸表論は基礎的な科目であり、試験の範囲も広いため勉強に多くの時間を要します。これらの科目は、税理士試験の他の科目と比べて理解と習得に時間がかかるため、働きながら勉強する人や他の資格試験と並行して勉強する人には、特に慎重に計画をたてることが求められます。一方、国税徴収法や酒税法などの選択科目は、範囲が比較的狭く、短期間で集中して学ぶことができます。

しかし、単に必要な勉強時間で決めるのではなく、自分の得意・不得意や過去の学習経験も考慮することが必要です。同じ科目でも、経済学や法律に関する基礎知識がある人とそうでない人では、必要な勉強時間が大きく異なることがあります。したがって、自分自身の学習スタイルや既存の知識を評価し、それに基づいた科目選択を行うことが重要です。

【勉強時間で選びたい方におすすめ】試験科目別の勉強時間を解説

ここでは、試験科目別の勉強時間について表を用いてご紹介いたします。 勉強時間で科目選択をする際に、参考にしてみてください。

科目 必要な勉強時間
簿記論 450時間程度
財務諸表論
所得税法 800時間程度
法人税法
相続税法 500時間程度
消費税法 300時間程度
酒税法 150時間程度
国税徴収法
住民税 200時間
事業税
固定資産税 250時間
上記の表を見てみると、酒税法、国税徴収法の勉強時間が比較的少ないことが分かります。 勉強時間を優先して科目選択をする場合は酒税法および国税徴収法を選択することがおすすめです。

まとめ

税理士試験の科目選択のポイントと科目別の勉強時間、おすすめの税理士科目について詳しく解説してきましたが、最後に重要なポイントを再確認しましょう。まず、科目選択が合否に大きく影響することを覚えておいてください。各科目の特徴や合格率、勉強時間をしっかりと理解し、自分のキャリアプランや生活スタイルに合った科目を選ぶことが鍵となります。

税理士試験は一発勝負ではなく、複数回の受験が可能です。焦らずに一歩一歩確実に合格を目指していきましょう。自分自身に合った勉強方法を実践し、適切な科目選びと計画的な勉強時間の確保を心掛ければ、必ずや目標を達成することができるでしょう。これから税理士試験を目指す皆さんにとって、本記事が少しでも参考になり、成功への一助となれば幸いです。

執筆 ・ 監修

城之内 楊

株式会社ミツカル代表取締役社長

株式会社ミツカル代表取締役社長。 1990年生まれ。20代では士業向けのコンサルティング会社(株式会社アックスコンサルティング)で最年少役員として8年間勤務。これまで、3,000以上の税理士事務所のコンサルティングや士業向けのセミナーに複数登壇。さらにはスタートアップから上場企業まで外部顧問や役員としても活躍する。 退職後、税理士業界を活性化するために、税理士事務所の採用支援サービスを展開する株式会社ミツカルを創業。ミツカルでは年間2,400名以上の税理士事務所の求職者をサポート。審査基準を通過した優良事務所のみを紹介しており、ミスマッチのない転職支援を行っている。