INDEX

おすすめ記事

記事を全て見る

税理士の業種とは?求人の探し方も解説

2024/10/25

INDEX

税理士の求人を探す際に、業種が必要になることもあります。 そこで本記事では、税理士事務所の業種について解説いたします。 税理士の求人の探し方等もまとめましたので、これから転職活動を開始する人は、ぜひ最後までお読みください。

税理士事務所は専門サービス業

税理士事務所は、日本標準産業分類において「専門サービス業」と位置付けられています。 日本標準産業分類とは、統計を産業別に表示する場合の統計基準のことです。定期的に改定され、2024年9月現在における最新版は、「令和5年[2023年]7月告示(第14回改定)(令和6年4月1日施行)」です。 これによると、税理士事務所は下記になります。

分類 内容
大分類 L 学術研究、専門・技術サービス業
中分類 72 専門サービス業(他に分類されないもの)
小分類 724 公認会計士事務所、税理士事務所
細分類 7242 税理士事務所
「専門サービス業」等のくくりにされていることが多いため、税理士の求人を探す場合は専門サービス業でまず探してみましょう。

しかし、転職サイトごとに独自の業種区分を設定しているケースも見受けられます。その場合は「専門サービス業」と類似する業種を選択して求人を確認してください。

そもそも「業種」とは

業種とは、会社や個人事業主が営む事業の分野を指します。 そのため1つの会社であっても複数の事業展開をしている場合は、複数の業種に該当することがあります。 業種によって業務内容や利益の上げ方、客単価、必要となる知識等が異なります。

税理士事務所以外の主な業界には以下のようなものがあります。 メーカー インフラ 商社 金融 小売 情報処理 農業 他にも様々な業種に分かれており、事業の分野を分かりやすくするために業種がつけられているのです。

業種の調べ方

後述しますが、税理士事務所以外にも幅広い業種で税理士は迎えられます。 その際に企業の業種を調べる必要も出てくるでしょう。 業種は総務省のサイトで確認すると間違えずに済みます。 「日本標準産業分類 令和5年[2023年]7月告示(第14回改定)(令和6年4月1日施行)」で検索してみましょう。 業種の一覧が確認できますので、その中から該当する業種を探します。

ただし、転職サイトが日本標準分類に基づいて業種を分類しているとは限りません。 たとえば税理士事務所に強い転職サイトが、漁業や鉄鋼業の産業分類まで定めているとは考えにくいものです。 反対に、税理士事務所と類似する「公認会計士事務所」や「行政書士事務所」等について、さらに細かく分類しているかもしれません。 転職サイト等で特定の業種を探す場合は、その転職サイト独自の業種分類を定めていないか確認してください。

専門サービス業の例

専門サービス業には税理士事務所の他、下記のような業種が含まれます。 法律事務所 特許事務所 公証人役場 司法書士事務所 土地家屋建築士事務所 行政書士事務所 公認会計士事務所 社会保険労務士事務所 デザイン業 著述家業 芸術家業 経営コンサルタント業 純粋持株会社 興信所 翻訳業 通訳業 不動産鑑定業 各士業事務所の他に、デザイン等の芸術系や経営コンサルタントまで、幅広く包括しています。 そのため専門サービス業で求人を探した場合、税理士だけでなく、イラストレーターや通訳の求人がヒットするかもしれません。

税理士事務所以外でも活躍できる税理士

税理士資格を取得したからと言って、税理士事務所に籍を置き、税理士として働かなければならないとは決められていません。 税理士資格を生かしつつ他の業界で働くことも可能です。 本項では、税理士の活躍の仕方について解説いたします。

税理士

税理士事務所や税理士法人で、税理士として活躍します。 クライアントの経営者の税務コンサルティングや、月次決算や決算書の作成、巡回監査、税務監査の対応等に携わります。 複数のクライアント企業を担当し、企業を訪問した際に経営者の相談に乗ることが一般的です。

地域密着型で、営業範囲内で活動する中小企業を主要顧客とし、法人税決算やその他の周辺業務を中心とする小規模事務所が多数を占めます。 中規模以上の税理士法人では、クライアント企業が大企業中心となることもあります。また規模が大きくなると、担当制ではなくチーム制を採用することが増えてきます。

担当制とは、クライアント企業に担当の税理士がつくタイプの働き方です。 経営者からの幅広い要望に対して、1人の担当者があらゆる業務をこなします。 チーム制とは、経営者の要望に対してチームで取り組む働き方です。 クライアントの要望が資産税対策ならば、社内の資産税チームが一丸となって業務に取り組みます。同じクライアントであっても、要望が異なれば別のチームが対応するのがチーム制です。

なお資産税や国際税務、事業承継といった分野の特化型事務所も全国に点在しています。 特化型事務所は1つの分野を突き詰めて業務に当たるため、その分野において高度な知識と経験を積める反面、他の業務を深く学ぶチャンスが少ない職場です。 税理士事務所であれば、事務所の規模や特化分野にかかわらず、分類される業種はすべて同じです。

経理や財務

税理士資格を生かして一般企業で働く場合、通常は経理部や財務部に配属されて働くことになります。多くの場合は企業内税理士と呼ばれます。 普段は経理の仕事として、入力作業や社員の旅費精算等を行います。

決算時期が差し掛かると、経営者の相談に乗ることもあります。決算書ができあがると、税理士署名欄に署名捺印することもあるようです。基本的に税理士を雇用する一般企業は大企業です。 中小企業は税理士事務所に顧問を依頼します。

しかし大企業では内部事情に詳しい税理士が常駐した方が都合の良いケースが多いため、税理士を雇用するようです。海外進出や大規模な節税、M&Aといったシーンで税理士が必要になります。外部の税理士には相談しにくい内容も含まれるでしょう。

大企業は給与が高く福利厚生がしっかりしていることが多いため、ライフワークバランスを取りながら高収入が得られる可能性があります。 ただし求人募集は数が少なく、企業内税理士の席はいつも取り合いです。 求人を発見したらすぐに応募すること、ライバルより優秀であると証明するために、自己研鑽に励むことが求められます。 企業内税理士は企業の業種を問わず活躍できるため、業種に限定せず求人検索をしてみましょう。

税務コンサルタント

一部の税理士事務所でも税務コンサルティングを提供していますが、経営コンサルティング会社が提供するサービスの1つとして税務コンサルティングを取り扱っているケースが見受けられます。

そもそも税理士には独占業務が定められていること、またコンサルティング業務と税務業務の相性が良いことから、経営コンサルティング会社で活躍する税理士も多いのです。 経営コンサルティング会社では、クライアントとなる企業の経営者から悩みを聞き取り、解決策を提示し、具体的な行動を促すものです。

業務の概要は単純ですが、実際には従業員に改善提案を受け入れられなかったり、経営者の考え方と衝突したり、急なトラブルでプランが実行できなかったりと様々な障害が立ち塞がります。このような障害を1つずつクリアしながら財務改善等に取り組むことになるでしょう。多くのケースでは高収入になる代わりに、激務かつ残業時間も長くなる傾向にあります。 残業が伸びたとしても、努力しただけ収入になることに喜びを見出せる人に向いている働き方です。 経営コンサルタント会社の業種は、税理士事務所と同じ「専門サービス業」に分類されており、小分類は「728 経営コンサルタント業、純粋持株会社」です。

税理士の求人を探す方法

上記のように、税理士が活躍できる職場は税理士事務所だけではありません。 しかし 「専門サービス業」というくくりで求人を検索しても、税理士の求人にたどり着くのは大変です。なぜなら、専門サービス業には税理士以外にも様々な職業が該当するため、税理士の求人が埋もれてしまうためです。 そこで、税理士の求人を効率的に見つける方法を紹介いたします。

ハローワーク

ハローワークで税理士の求人を探す場合は、3つの方法があります。3種の検索結果はそれぞれ異なる求人がヒットしますので、すべての検索方法をお試しください。

①職種選択 職種選択から「事務、管理職」→「会計・経理事務」でたどり着けます。 検索結果には、税理士ではなく経理事務や会計事務も含まれます。そのため税理士の資格を生かして一般企業で働きたい人におすすめです。

②職業選択 職業分類から「法務・経営・文化芸術等の専門的職業」→「 税理士」でも求人が探せます。 税理士補助や申告書作成スタッフといった、税理士業特有の業務内容が示されており、経験者には一眼で概要が理解できるようになっています。 税理士事務所や税理士法人で働きたい人におすすめの検索方法です。

③フリーワード検索 フリーワードに「税理士」と打ち込み検索します。 税理士法人や税理士事務所での求人が検索結果に表示されます。税理士資格保持者に限定した結果は表示されませんのでご注意ください。

転職サイト

転職サイト独自の分類方法を確認し、税理士に最もふさわしい選択肢を選んでください。 多くの場合、税理士は「専門職(士業)」または「会計事務」に設定されています。 これらに類する選択肢があれば、一度検索してみましょう。 一般企業の募集を検索したい場合は「事務」や「財務、会計、税務」から検索してください。一般企業における経理事務等の求人がヒットします。

現在はWEB上でチャット相談ができる転職サイトも増加してきました。もし選び方が不明の場合はチャット等で質問してみましょう。 また多くの転職サイトでは「フリーワード検索」ができるように設定されています。 分類が不明でチャットを利用する時間がないならば、フリーワードに「税理士」と打ち込み、検索してください。

税理士専門の転職エージェント

税理士専門の転職エージェントでは、求人のすべてが税理士に関するものです。 そのため検索条件は、資格保持者かどうかや希望するポジション、希望年収等になります。 税理士事務所や税理士法人に転職すると決めている人には非常に使いやすいサイトです。 また転職エージェントに登録すると、あなたの情報を元に非公開求人を紹介してもらえる可能性があります。

非公開求人とは、サイト上で公開していない求人のことであり、公開求人よりもはるかに高待遇の求人も埋もれています。まずは税理士専門の転職エージェントに登録し、非公開求人の紹介を受けましょう。 注意しなければならないポイントは、一般企業の募集はほとんど取り扱っていないことです。 一般企業への転職を検討しているならば、転職エージェントへの登録と共に、一般の転職サイトも閲覧しておきましょう。

税理士が効率良く最適な求人を見つけるためには

転職活動は働きながら行うことが多いため、時間の使い方が重要になります。 効率的に転職先を探すためのポイントを紹介いたします。

税理士専門の転職エージェントを利用する

税理士や経理系資格または経験のある人に向けた求人に限定して扱っています。 また、担当者があなたに適した求人を提案してくれるので、求人を探す手間が省けます。 税理士の資格(または経理系資格)を生かして転職したい人は、最低1社の転職エージェントに登録しましょう。

履歴書と職務経歴書は先に作成しておく

良い求人を見つけたらすぐに応募できるように、履歴書や職務経歴書は先に作成しておきましょう。 一昔前までは紙にペンで記入するのが一般的でしたが、現在では印刷でもまったく問題ありません。

学歴や職歴等の部分を先に作成しておき、応募したい求人を見つけたらすぐに志望動機を書き加えられるようにしておきましょう。 転職を決意したのならば、いずれ履歴書も職務経歴書も必要になります。 事前にできることはやり終えて、その時が来たらすぐに行動できるように準備しておいてください。

気になる求人にはすぐに応募

良い求人には大勢の求職者が応募します。 全員が採用されるわけではありませんので、早く応募し早く選考を進めた方が有利なのです。 なぜなら事務所側に「良い人材を早く囲い込んでおきたい」という心理が働くためです。 残り物には福があるとは言いますが、求人に限定すれば早く行動した方が良い職場で採用されるチャンスが高いと言えます。 選考を進める中で、違うと感じたら辞退すれば良いのです。早く行動を起こしてより良い未来を掴み取ってください。

まとめ

税理士の業種は「専門サービス業」です。ただし専門サービス業には様々な職業が含まれるため、求人検索でそのまま使っても、税理士の求人にたどり着くには時間がかかります。 本記事で紹介した方法を使用して、効率的かつ確実に、自分が求める求人を探しましょう。 忙しい社会人に最もおすすめなのは、税理士専門の転職エージェントです。

執筆 ・ 監修

城之内 楊

株式会社ミツカル代表取締役社長

株式会社ミツカル代表取締役社長。 1990年生まれ。20代では士業向けのコンサルティング会社(株式会社アックスコンサルティング)で最年少役員として8年間勤務。これまで、3,000以上の税理士事務所のコンサルティングや士業向けのセミナーに複数登壇。さらにはスタートアップから上場企業まで外部顧問や役員としても活躍する。 退職後、税理士業界を活性化するために、税理士事務所の採用支援サービスを展開する株式会社ミツカルを創業。ミツカルでは年間2,400名以上の税理士事務所の求職者をサポート。審査基準を通過した優良事務所のみを紹介しており、ミスマッチのない転職支援を行っている。