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働きながら税理士になるのは無理?合格を目指すためのポイントを紹介!

2024/12/23

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税理士として働くためには、国家資格である税理士試験に合格する必要があります。
税理士資格を取得するためには、多くの年月を要することから働きながら税理士試験に挑む人も少なくありません。しかし、仕事と勉強の両立はかなり忙しいもの。働きながら税理士になることは可能なのでしょうか?

この記事では、働いている人が勉強に費やせる時間や社会人が税理士試験に合格するポイントを徹底解説します。

税理士になるには

税理士になるには、受験資格を満たして受験に合格したのちに、日本税理士会連合会に登録する必要があります。
この章では、税理士になるための手順についてご説明いたします。

受験資格を満たす

税理士試験を受験するためには、まず受験資格を満たす必要があります。
受験資格には、「学識による受験資格・資格による受験資格・職歴による受験資格」の大きくわけて3つの受験資格があり、いずれか1つの要件を満たすことで、受験資格を有することになります。
それぞれの受験資格は以下の通りです。

学識による受験資格

①:大学、短大又は高等専門学校を卒業した者で、社会科学に属する科目を1科目以上履修した者
②:大学3年次以上で、社会科学に属する科目を1科目以上含む62単位以上を取得した者
③:一定の専修学校の専門課程を修了した者で、社会科学に属する科目を1科目以上履修した者
④:司法試験合格者
⑤:公認会計士試験の短答式試験に合格した者

資格による受験資格

①:日商簿記検定1級合格者
②:全経簿記検定上級合格者

職歴による受験資格

①:法人又は事業行う個人の会計に関する事務に2年以上従事した者
②:銀行、信託会社、保険会社等において、資金の貸付け・運用に関する事務に2年以上従事した者
③:税理士・弁護士・公認会計士等の業務の補助事務に2年以上従事した者
引用:国税庁_税理士試験受験資格の概要

上記のいずれか1つを満たすことで税理士試験にチャレンジする資格を得ることができます。
しかし、令和5年度(第73回)税理士試験から、受験資格が一部緩和されており、会計学に属する科目(簿記論・財務諸表論)については、どなたでも受験することが可能となっています。

緩和条件を活かして、他科目の受験資格を得るまでの間に必修科目である、簿記論、財務諸表論を取得できれば効率よく税理士試験に合格することができるでしょう。

試験に合格する

受験資格を得た後は、税理士試験に合格する必要があります。
試験は毎年8月に行われ、科目ごとの合格基準が設定されています。科目は合計で11科目あり、その中から5科目を選択して合格しなければなりません。
必須科目には「簿記論」と「財務諸表論」があり、選択必須科目からは「法人税法」または「所得税法」を1科目選び、残りの2科目は選択科目から選ぶことになります。

各科目試験の合格率はおおむね10%前後であり、かなりの難関と言えるでしょう。
1~4科目に合格している場合には「科目合格者」と呼ばれ、5科目合格した時点で税理士試験に合格となります。1年で複数科目を受験する方もいれば、1年に1科目合格を目指して集中して勉強を行う方もいるようです。
試験に合格するためには、自分の得意分野を見極めて科目選択を行い、スケジュールを立てて効率的に勉強を行うことが必要です。

税理士登録をする

晴れて税理士試験に合格した後、次のステップは税理士登録です。
登録するためには、まず2年以上の実務経験が必要です。この実務経験は、税に関する業務を求められます。

実務経験を積んだ後、税理士法に基づき、税理士名簿への登録を行います。この手続きには、税理士会への入会が必要であり、入会金や年会費などの費用が発生します。また、登録申請時には、合格証明書や実務経験証明書などの必要書類を提出します。これらの書類は、正確に準備しなければならず、提出書類に不備があると登録が遅れる可能性があるため、十分注意が必要です。
※詳しい登録方法についてはこちら
税理士登録には何が必要?申請に必要な要件とその方法を説明!

このように税理士登録まで行うことで、ようやく税理士として働くことができるのです。
それでは、本題に入ります。
先述した通り、税理士試験の合格率は低く、国家資格の中でも高難易度な試験と言われています。
そのような難易度の高い資格に、働きながら合格することは可能なのでしょうか?

働きながら税理士になるのは無理?

結論から申し上げますと、働きながら税理士になることは可能です。
しかし、仕事をしながら勉強時間を設けることは非常に大変です。
この章では、税理士試験に必要な勉強時間から、働いている人の平均勉強時間までご紹介いたします。

税理士試験に必要な勉強時間とは

税理士試験に必要な勉強時間は、選択する科目によっても異なります。
以下では、科目別に必要と言われている勉強時間を表記しています。

必要な勉強時間はあくまで目安となりますが、受験する科目を選択したのち必要な勉強時間から逆算してスケジュール設定を行う必要があります。

では、働いている人は実際どのくらいの勉強時間を設けられているのでしょうか。

会計事務所勤務者の勉強時間の実態

ここでは、弊社が独自で行った「会計事務所勤務者が1週間に勉強している時間について」のアンケート結果をご紹介いたします。
このアンケート調査によると、会計事務所で勤めている人が資格取得に向けてどのくらいの勉強時間を費やしているのかについて次のような結果が得られました。

このデータからも分かるように、多くの人が税理士試験のための勉強時間を確保するのに苦労しています。
1番多い勉強時間は、週5時間~10時間未満となっています。では一体、税理士試験に合格するために必要な勉強時間はどれくらいなのでしょうか。

週にどれくらいの勉強時間が必要なのか?

税理士試験に合格するために必要な勉強時間は、一般に2000時間~3000時間とされています。仮に最大値である週に10時間程度勉強ができたとすると、2000時間に達するまで1399日、3000時間に達するまでは2098日かかる計算になります。これはおよそ4年から6年の期間に相当します。つまり、働きながら勉強を続ける場合、非常に長期間にわたるスケジュール管理とモチベーションの維持が求められるのです。

働きながら税理士試験に合格するためのポイント

働きながら税理士試験に合格するためには、いくつかのポイントを抑える必要があります。
ここでは大きく分けて3つのポイントをご紹介いたします。

無理のないスケジュール管理と時間の有効活用

働きながら税理士試験に合格するためには、勉強方法の工夫と時間管理が必要です。
まず、合格科目を定めた後、それぞれに必要な勉強時間から逆算してスケジュールを立てることが必要です。税理士試験は5科目合格することで税理士試験に合格となります。各科目の合格率が約10%程度であることから、どの科目も合格までにかなりの時間がかかります。働きながら税理士試験合格を目指す場合には、1年で1科目合格を目指すなど、無理のないスケジュール設定が必要です。

スケジュール設定が完了したら、計画的に勉強を進めていきます。ここでカギとなるのは「時間をどれだけ有効に使えるか」ということです。
具体的には、通勤時間や昼休みを利用して短時間でも勉強する習慣をつけることが有効です。
また、重要なポイントを繰り返し学習することで、効率よく知識を定着させることができます。
さらに、勉強アプリやオンライン講座を活用することで、移動時間や隙間時間を有効に使うことができます。その他にも、休日や有休を使用して予備校に通う方もいるようです。
最近では、通勤・通学時間や休憩時間を利用してラジオにて情報収集をする人もいるようです。
スケジュールを立てて、計画的に勉強をすすめるほか、どれだけ時間の有効活用ができたかが、合格するためのポイントの1つです。

職場に受験することを伝えておく

職場へ受験する旨を伝えることも合格するための重要なポイントの1つです。
例えば、上司や同僚に自分が税理士試験を目指していることを理解してもらい、業務の調整やサポートを依頼することが考えられます。具体的には、税理士事務所や会計事務所で勤務している方である場合には、勉強のポイントを教えてもらえたり、教材を借りる等協力を得られる場合があります。

また、周囲に受験を伝えることで、自分自身も受験から逃げることなくやり遂げられるのではないでしょうか。受験は平日であることから、受験することが決まったらすぐに伝えることで有給を取らせてもらうなどの協力を得ることができるでしょう。

得意科目を見極めて勉強を行う

自分の得意分野を見極め、その分野に集中して勉強することも合格するためのポイントです。
税理士試験は複数の科目に分かれており、得意科目を選んで集中的に取り組むことで、効率よく合格を目指すことができます。
例えば、日商簿記を取得している場合は簿記から勉強を始めて基礎を固めるなどの計画性が必要です。
一方で、苦手分野がある場合は、早めに手を付けて克服しておくことも重要です。こうした戦略的な勉強法を実践することで、限られた時間の中でも効率的に学習を進めることができます。

この章では、合格するために抑えるべき3つのポイントをご紹介いたしました。
その他にも、勉強仲間を作ることもモチベーション維持に役立ちます。共通の目標を持った人々と情報交換や勉強会を行うことで、新しい知識を得たり、疑問を解決したりする機会が増えます。
また、勉強仲間との交流は孤独な受験勉強の中での励みとなり、やる気を持続させる要因となるでしょう。

最後に、心身の健康管理も忘れずに行うことも大切です。
適度な休息や運動を取り入れ、ストレスを溜めないように心がけることで、集中力を高め、効率的な勉強が可能になります。働きながらの受験は決して簡単ではありませんが、計画的な勉強と周囲のサポートを最大限に活用することで、合格は十分に可能です。

税理士科目合格の評価とは

税理士試験は全科目合格することが最終目標ですが、科目合格者であっても十分に評価されます。科目合格者としてのキャリアパスも多様で、税理士資格を所持していなくとも事務所No2となることや役職につくことも可能です。実際に弊社が取り扱う求人でも「税理士資格必須」である事務所は全体の10%程度であり、科目合格者を求める事務所が大多数を占めています。

仕事と勉強を両立させることが難しい、プライベートの時間や寝る時間が削られ心身ともに健康な状態でなくなってしまったという場合には、この事実を踏まえ科目合格を目指すことも1つの手であるといえるでしょう。

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働きながら税理士になるのは無理?-まとめ

税理士試験は非常に難易度が高く、働きながら合格を目指す方にとっては大きなチャレンジとなります。
しかし、適切な計画と戦略を持つことで、効率的に勉強を進め、目標を達成することが可能です。

まず、受験資格をしっかりと確認し、試験に必要な勉強時間を計画的に確保することが重要です。特に、無理のないスケジュール管理や時間の有効活用が成功の鍵となります。
また、職場に受験の意思を伝えておくことで、周囲の理解と協力を得ることができ、安心して勉強に専念できる環境を整えることができます。

さらに、自分の得意科目を見極め、重点的に勉強することで効率が上がります。これらのポイントを押さえ、着実に一歩ずつ進んでいくことで、働きながらでも税理士試験に合格する可能性が高まります。税理士科目合格の評価は、合格科目の積み重ねが重視されるため、長期的な視点で継続的に努力を続けることが大切です。

以上のことを踏まえ、税理士を目指す皆さんには、しっかりとした計画と強い意志を持って、夢の実現に向けて頑張っていただきたいと思います。

執筆 ・ 監修

城之内 楊

株式会社ミツカル代表取締役社長

株式会社ミツカル代表取締役社長。 1990年生まれ。20代では士業向けのコンサルティング会社(株式会社アックスコンサルティング)で最年少役員として8年間勤務。これまで、3,000以上の税理士事務所のコンサルティングや士業向けのセミナーに複数登壇。さらにはスタートアップから上場企業まで外部顧問や役員としても活躍する。 退職後、税理士業界を活性化するために、税理士事務所の採用支援サービスを展開する株式会社ミツカルを創業。ミツカルでは年間2,400名以上の税理士事務所の求職者をサポート。審査基準を通過した優良事務所のみを紹介しており、ミスマッチのない転職支援を行っている。