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税理士試験合格に必要な勉強時間はどれくらい?勉強のコツや計画の立て方を解説

2024/12/23

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税理士試験は日本で最難関の試験の一つとして知られています。合格率が低いことで有名なこの試験に挑む受験生たちは、どのようにして勉強計画を立て、効率的に学習を進めているのでしょうか?
今回は、実際に税理士試験に挑戦し、合格を果たした経験者(Aさん)の声を交えながら、「必要な勉強時間」や「効率的な学習法」について掘り下げていきます。

税理士試験の概要

税理士試験は、全11科目のうち5科目を選択して受験します。この「科目合格制」により、一度に全科目を受験する必要はありません。そのため、自分の得意分野や興味のある科目から取り組むことができます。

税理士試験は、難易度の高い試験として知られています。これにより、試験を受けるためには、事前にしっかりとした準備が必要です。また、科目選択によって試験の難易度や必要な勉強時間も異なるため、自分の得意分野や興味に合わせた選択をすることが可能です。

税理士試験の合格率

税理士試験は、科目ごとに合格率が異なることも特徴です。ます。これにより、どの科目が比較的難しいのか、どの科目で高得点を狙いやすいのかを把握することが可能です。また、試験の合格率は年度ごとに変動します。

科目別合格率

税理士試験の「科目別合格率」に注目すると、試験の難易度や傾向が見えてきます。
例えば、簿記論や財務諸表論は比較的合格率が高い一方で、相続税法や消費税法は難関とされています。科目ごとの合格率を理解することは、受験戦略を立てる上で非常に重要です。「税理士試験」における各科目の合格率を把握し、効率的な「勉強時間」の配分を考えることが成功の鍵となります。

ご参考までに昨年度の合格率は以下の表のようになっています。

科目 受験者数 合格者数 合格率
簿記論 16,093 2,794 17.40%
財務諸表論 13,260 3,726 28.10%
所得税法 1,202 166 13.80%
法人税法 3,550 497 14.00%
相続税法 2,428 282 11.60%
消費税法 6,756 802 11.90%
酒税法 463 59 12.70%
国税徴収法 1,646 228 13.90%
住民税 462 68 14.70%
事業税 250 41 16.40%
固定資産税 846 146 17.30%
合計(延べ人数) 46,956 8,809 18.80%

税理士試験に合格するまでの勉強時間

税理士試験に合格するためには、計画的な勉強時間の確保が重要です。多くの受験者が悩むのは、どれだけの時間を費やせば合格に近づけるかという点だと思います。税理士試験は科目ごとに合格が必要であり、各科目の特性に応じた勉強時間の配分をすることが重要だと思います。

5科目合格に必要な勉強時間

税理士試験において「5科目合格」を目指すには、相当の勉強時間が必要です。
一般的に、各科目に対して300時間から600時間の勉強が必要と言われています。
すなわち、5科目合計で少なくとも1,500時間、最大3,000時間が目安となるんです。
しかし、この試験時間はあくまで目安で、法人税法を20年以上勉強し続けている受験生もいるようです。
今回取材に応じていただいたAさんも5科目合格にはほぼストレート合格をしたにもかかわらず、3000時間はかかっているとのことです。

科目別の平均勉強時間

税理士試験において、科目別の平均勉強時間は受験生にとって重要な指標です。
各科目の標準学習時間は各予備校により示されています。

例えば、「資格の大原」によると、簿記論と財務諸表論は「基礎科目」として多くの受験生が最初に取り組むため、各450時間程度の学習が推奨されています。法人税法や所得税法などの「税法科目」は、内容が複雑であるため、各600時間が必要とされています。また、消費税法は比較的短期間で学習可能ですが、それでも350時間は確保するべきです。

しかし、これらの時間もあくまで目安であり、実際には複数年受験している人も多く、これの1.5~3倍くらいのお時間がかかるのではないかなと考えています。

効率的な勉強方法

このような税理士試験を潜り抜けるには無駄を省き、効率的に知識を吸収することが大事だと考えています。

関連性のある科目を選択する

そのために、まず関連性のある科目を選ぶことをおすすめします。
例えば、財務諸表論と簿記論は内容が重なる部分が多く、同時に学ぶことで理解が深まります。これにより、勉強時間を効率よく活用することが可能です。税法科目も消費税法と法人税法など、共通する論点がある科目を組み合わせることで、効率化を図ることができます。関連性のある科目を選ぶことで、相乗効果を得られ、合格率の向上が期待できます。さらに、勉強の負担を軽減することもできるため、長期的な学習計画を立てる際に非常に有効でした。

計算と理論をバランスよく学ぶ

計算と理論をバランスよく学ぶことは、税理士試験の合格を目指す上で重要なポイントです。
計算力は実務に直結するため、実際の問題を解く際に大いに役立ちます。一方で、理論的な理解は試験の多くの部分で必要とされ、特に理論科目では深い知識が求められます。これらをバランスよく学ぶためには、日々の勉強計画に計算問題と理論の両方を組み込むことが大切です。
科目によって、理論と計算のバランスが異なるため、バランスを踏まえた学習計画を重視しましょう。

必要な勉強時間から逆算してスケジュール設定

必要な学習時間および理論と計算の割合等を踏まえて、実際のスケジュールを立てることが重要です。
午前中に計算問題を解き、午後に理論の復習を行うといった方法を取ることで、集中力を維持しやすくなります。税理士試験は長期間にわたる挑戦ですので、計画的かつ効率的に学ぶことが合格への近道となります。

税理士試験に向けたスケジュールの立て方

税理士試験において効果的なスケジュールの立て方は、合格への大きな鍵となります。無理のない計画を立てることで、継続的な学習が可能になり、勉強の質が向上します。特に、長期間にわたる試験準備を効率的に進めるためには、年間、月間、週間、さらには1日のスケジュールをしっかりと組み立てることが重要です。

試験までの年間スケジュールを決める

まずは、試験までの年間スケジュールを立てます。
ここで重要となるのは、以下の3点です
● 何の科目を受験するのか?
● いつから学習を始めるのか?
● その間、仕事や家庭でどのような行事があるのか?

最初に年間スケジュールを作成し、試験日から逆算します。例えば、インプットに4か月、アウトプットに4か月、最後の2か月で総復習という形です。各科目の特性を理解し、得意科目に時間を割くことで効率よく進められます。

おすすめは、試験開始時期を見据え、やり直し期間を作ることです。
ちなみに、Aさんが受験をした際には、以下のようなスケジュール感で勉強していたそうです。

9月~12月
・インプットの期間
・理論の学習や計算方法を習得する

1月~5月
・実践の期間
・ひたすら過去問や問題集を解きまくる
・やり直しノートを作る

6月~試験日
・やり直しの期間
・新しい問題は模試等にとどめ、ひたすらやり直しノートを解きなおす
・間違えた問題や曖昧な知識をノートにまとめ、試験直前まで繰り返し復習。このノートが自分の一番の味方に。

月間スケジュールを設定

月間スケジュールを設定する際は、税理士試験の「勉強時間」を効率的に管理することが重要です。
まず、試験までの残り期間を確認し、月単位で達成すべき目標を明確にします。
次に、月間スケジュールには、具体的な勉強内容と時間を記載し、無理のない範囲で計画を立てます。
月末には進捗を確認し、必要に応じて翌月の計画を調整することで、計画的に勉強を進めることが出来ます

週間・1日のスケジュールを設定

月間のスケジュールに基づき、1日のスケジュール・週のスケジュールを立てます。
おすすめは、1日の過ごし方と、1日のto doをリンクさせることです。
Aさんの場合は以下のように決めていました。
● 起床
● 朝食まで:計算問題の演習を1問とき目を覚ます
● 朝食時:授業を2倍速で聞きながら朝食
● 図書館への行き道:理論を暗唱しながら
● 午前中:過去問または過去の模試を1問
● 昼食時:理論を暗記しながら
● 昼食後:やり直しをして眠気覚まし
● 夕方:理論散歩
● 夕食後:授業を1コマ受講

週間スケジュールでは、各科目に優先順位をつけ、苦手科目に多くの時間を割り当てることが重要です。また、1週間の中で定期的に休息日を設けることで、心身のリフレッシュを図りました。スケジュールを立てる際には、無理のない範囲で計画を組み、柔軟に調整できるようにしておくことが、長期的な勉強の成功につながると思っています。

無理のないスケジュール設定が重要

無理のないスケジュール設定は、税理士試験の成功において不可欠です。勉強時間を確保する際には、まず「目標」とする試験日から逆算し、年間・月間・週間の計画を立てましょう。
特に「5科目合格」を目指す場合、各科目の特性を理解し、科目別に「平均勉強時間」を考慮することが大切です。
日々のスケジュールには、無理のないペースで進められるように「休息時間」も組み込み、体調管理を怠らないようにしましょう。
効率的な学習を心掛け、計画通りに進まない場合も柔軟に対応できる余裕を持つことが、長期間の勉強を乗り切る秘訣だと考えています。

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税理士試験合格に必要な勉強時間-まとめ

今回は、税理士試験の勉強時間を効率的に使いたい方に向けて、

- 効果的な学習法の選び方
- 時間管理の重要性
- モチベーションを維持する方法

上記について、お伺いしてきました。

税理士試験に合格するためには、計画的に勉強時間を確保し、効率的に学習を進めることが重要です。これを実現するためには、具体的な学習法を選び、時間管理を徹底することが必要です。試験に向けた不安や焦りを抱える方も多いでしょうが、適切な準備をすることで自信を持つことができます。

今後は、計画を立てて実行に移すことが大切です。そして、これまでの努力を無駄にせず、しっかりと成果に結びつけるために、日々の学習を積み重ねてください。

執筆 ・ 監修

城之内 楊

株式会社ミツカル代表取締役社長

株式会社ミツカル代表取締役社長。 1990年生まれ。20代では士業向けのコンサルティング会社(株式会社アックスコンサルティング)で最年少役員として8年間勤務。これまで、3,000以上の税理士事務所のコンサルティングや士業向けのセミナーに複数登壇。さらにはスタートアップから上場企業まで外部顧問や役員としても活躍する。 退職後、税理士業界を活性化するために、税理士事務所の採用支援サービスを展開する株式会社ミツカルを創業。ミツカルでは年間2,400名以上の税理士事務所の求職者をサポート。審査基準を通過した優良事務所のみを紹介しており、ミスマッチのない転職支援を行っている。