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2025/01/15
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税理士としてキャリアを積んでいる方の中には、公認会計士資格の取得を目指したいと考えている方もいるのではないでしょうか。
税務の専門家としてのスキルをさらに高め、会計や監査分野での幅広い活躍を視野に入れることで、将来の選択肢を増やすことができます。特に、試験免除制度を活用すれば、効率的に公認会計士資格の取得が可能です。
本記事では、税理士から公認会計士になるための具体的な方法や試験免除制度の活用法、そして年収やキャリアの展望を詳しく解説します。本記事を通じて、次の一歩を踏み出すための指針を見つけていただければ幸いです。
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税理士から公認会計士への道のり
税理士と会計士の違いとは?
税理士と公認会計士はどちらも会計に関する専門職ですが、役割や業務内容には明確な違いがあります。税理士は主に税務代理や税務相談、税務書類の作成を行い、クライアントの税務面での負担を軽減する役割
を担います。一方、公認会計士は監査や財務諸表の保証業務、コンサルティングなど、会計全般にわたる幅広いサービスを提供
します。
また、活躍の場も異なります。税理士は中小企業や個人事業主を対象とするケースが多い
のに対し、公認会計士は大企業やグローバルなプロジェクトへの関与が一般的
です。違いは、両資格の試験範囲や実務経験の要件にも反映されており、目指すキャリアによってどちらを選ぶかが変わってきます。
比較項目 | 税理士 | 公認会計士 |
---|---|---|
主な業務内容 | 税務代理、税務相談、税務書類の作成 | 監査、財務諸表保証業務、コンサルティング |
活躍の場 | 中小企業、個人事業主 | 大企業、グローバルプロジェクト |
試験範囲 | 税務関連が中心 | 会計全般 |
特徴 | 税務特化 | 会計全般にわたる幅広い業務 |
税理士から会計士になるには?
税理士から公認会計士になるためには、試験を受験し合格する必要
があります。ただし、税理士資格を持つ方には、科目合格の免除を申請できる特別な制度
があります。税理士資格が公認会計士試験の一部に相当する専門知識をすでに備えていると見なされるためです。
試験対策を始める際には、まず免除の対象科目を確認し、その分野以外への注力が重要です。試験範囲が広い公認会計士試験では、免除科目があることで大幅に負担を減らすことができます。また、税理士としての経験は、実務での応用力や関連知識の面で大いに役立つでしょう。
税理士が会計士になるための試験免除制度
試験免除制度の概要
税理士が公認会計士試験を受験する場合、特定の科目の免除を受けることができます。制度は、税理士資格が関連する分野での専門知識を有していることを前提としています。通常、公認会計士試験では短答式試験で「財務会計論」、論文式試験で「租税法」の2つの科目が免除の対象
です。税理士資格を持つ方は、試験の負担を軽減しつつ、短期間での合格を目指すことが可能になります。
ただし、免除を申請するためには一定の手続きが必要であり、申請にかかる期間や審査内容も理解しておくことが重要です。免除制度の活用で効率的な試験準備が可能となるため、税理士資格を持つ方にとって有利な制度です。
項目 | 内容 |
---|---|
対象科目 | 財務会計論、租税法 |
免除理由 | 税理士資格ですでに関連知識を有していると判断されるため |
必要手続き | 免除申請書、登録事項証明書、合格証書を提出 |
メリット | 学習時間の短縮、試験負担の軽減 |
デメリット | 申請手続きに時間がかかる、偏った学習になるリスク |
免除制度を活用した合格のポイント
試験免除制度を活用するためには、免除対象外の科目に集中して勉強する計画が鍵となります。まず、試験日から逆算してスケジュールを立て、重点的に学習する領域を明確に絞ることが重要です。特に、公認会計士試験の特徴である「監査論」や「企業法」は、税理士試験にはない独特の内容を含むため、集中的な対策が必要
です。
また、過去問の分析や模試の活用も効果的です。免除科目の分だけ時間に余裕が生まれるため、他の受験者と比べて一歩リードした状態で学習を進められるのが制度の大きな利点です。
項目 | 内容 |
---|---|
重点科目 | 監査論、企業法 |
効果的な方法 | 過去問の分析、模試の活用 |
スケジュール管理 | 免除科目を考慮した計画の立案 |
注意点 | 実務対応力を高めるため、幅広い学習を心がける |
試験免除を利用するメリットとデメリット
免除制度のメリットは、学習時間の大幅な短縮
です。税理士試験の経験が試験免除として反映されるため、公認会計士試験の合格可能性が高まります。また、すでに専門的な知識や実務経験を有しているため、試験勉強でも応用力を発揮しやすい点が挙げられます。
一方で、デメリットもあります。免除の申請手続きには時間と労力が必要であり、事前に準備を整える必要
があります。また、試験範囲が狭まる分、特定の分野に偏った学習になる可能性があるため、試験以降の実務での対応力に課題が残るケースもあります。このため、学習内容を全体的に補完する意識が求められます。
免除制度の利用方法
免除申請の手順
税理士が公認会計士試験の免除を申請するためには、いくつかの具体的な手続きが必要です。
まず、免除申請を行う前に、自身の資格や実務経験が制度の要件を満たしているかを確認
します。通常、税理士試験に合格し、税理士登録を完了していることが必要条件です。
次に、申請書類の準備
に入ります。申請書には、税理士資格を証明する書類や実務経験の詳細を記載
します。さらに、税理士試験での合格証明書も必要
です。書類を揃えた後、公認会計士試験の担当機関に提出し、審査を受けることになります。申請プロセスには一定の時間がかかるため、早めの準備が成功の鍵となります。
審査の流れ
免除申請が受理されると、試験担当機関による審査が開始されます。審査では、提出された書類が正確であるか、免除要件を満たしているかが確認
されます。
審査結果は、申請から数週間から数ヵ月の間に通知
されます。免除が承認された場合、内容が正式に記録され、公認会計士試験の受験に進むことが可能になります。一方で、不備や要件未達がある場合は申請が却下されるため、事前に必要な書類を正確に準備しておくことが重要です。
会計士としてのキャリアと年収の展望
税理士から公認会計士へのキャリアチェンジのメリット
税理士から公認会計士へのキャリアチェンジには多くのメリット
があります。まず、公認会計士としての資格を得ることで、業務の幅が大きく広がります。公認会計士は監査業務を独占業務として担うことができるため、大企業や上場企業の監査を手がけるチャンスが増えます。これにより、クライアントの規模や業務の専門性が一段と高まるでしょう。
また、公認会計士は国際的に認められた資格であり、海外での活躍も視野に入れられます
。特に、IFRS(国際財務報告基準)の普及にともない、グローバルな会計知識を活かせる場面が増えています。さらに、公認会計士としての資格を持つことで、報酬水準やキャリアの選択肢も大きく向上する点が魅力です。
項目 | 公認会計士 |
---|---|
主な業務内容 | 監査、M&Aアドバイザリー、経営コンサルティング |
初任給(年収) | 500万円~600万円 |
経験者の年収目安 | 1,000万円以上(シニア、マネージャー) |
独立後の年収 | 業務内容やクライアント規模により変動 |
グローバルでの活躍 | IFRS対応など国際的なプロジェクトでの需要増加 |
会計士の主な業務内容
公認会計士の業務は多岐にわたりますが、中心となるのは監査業務
です。企業の財務諸表が正確であるかを第三者の立場から確認し、信頼性を保証します。上場企業や大手企業にとって必須であり、公認会計士は役割を担うことで社会的信頼を得ることができます。
加えて、M&A(合併・買収)や企業再編のアドバイザリー業務、経営コンサルティングも重要な業務
です。これらの分野では、財務データの分析や戦略提案を通じて、企業の経営改善を支援します。また、税理士資格を併せ持つ場合、税務面でのアドバイスも行えるため、クライアントへの包括的なサービスが可能です。
年収とキャリアパスの実際
公認会計士の年収は、経験年数や所属する企業によって大きく異なります。一般的には、監査法人に所属する新人の年収は500万円から600万円程度
とされ、経験を積むことでさらに増加します。シニアスタッフやマネージャーとなると、年収は1,000万円を超える
ことも珍しくありません。独立して事務所を構える場合や、大手企業のCFO(最高財務責任者)として活躍する場合は、さらに高い収入が期待できます。
また、税理士資格を活かして独立開業を目指すケースもあります。公認会計士の資格を併せ持つことで、監査・会計・税務のトータルサービスを提供でき、クライアントの信頼を得やすくなるでしょう。税理士と公認会計士の資格を併せ持つことで、多様なキャリアパスが広がります。
観点 | メリット | デメリット |
---|---|---|
キャリア面 | 業務範囲の拡大、国際的活躍の可能性 | 試験準備に時間と労力が必要 |
経済面 | 報酬水準の向上 | 開始直後はコストがかかる可能性 |
専門性 | 幅広いスキルの獲得 | 特定分野への偏りが課題となる可能性 |
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税理士から会計士になるには?-まとめ
税理士から公認会計士へのキャリアチェンジで、業務の幅やキャリアの選択肢が大きく広がります。特に、試験免除制度の活用で、効率的に資格取得が可能です。また、公認会計士としての監査業務やコンサルティング業務に携わることで、社会的な信頼や報酬水準の向上を目指せます。
本記事で紹介した方法を参考に、自分のキャリアプランに合った道を選んでみてください。資格取得の目標を達成し、さらなる飛躍を遂げるきっかけとなれば幸いです。
城之内 楊
株式会社ミツカル代表取締役社長