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【税理士の適性診断】税理士に向いている人いない人
2024/11/14
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「これから税理士を目指すつもりだけど、自分に向いているのかな?」
「税理士になってから向いていないと分かったら、それまでの時間が無駄になる」
税理士になるためには最低でも数年かけて税理士試験を突破しなければならず、長時間を勉強に充てることになります。 そのため、税理士になるかどうかをためらうこともあるでしょう。 そんな人は本記事で「税理士の適性診断」を受けてみてください。 あなたに税理士が向いているのかどうかの指標になりますよ。
税理士の適性診断
以下の文章に、当てはまる場合は1点、当てはまらない場合は0点でカウントしてください。 全部終わったら、下部の点数別診断結果を確認しましょう。
膨大な数字を見ることに抵抗がない
税理士が経営者と面談する際に、財務諸表という書類を見ている姿を目撃したことはないでしょうか。 財務諸表とは、企業の売上や利益、支出等を科目別にまとめた資料のことで、これは数字で埋め尽くされています。
税理士は顧問先となる企業の財務諸表を作成し、内容を確認し、節税や税務コンサルティング等を実施します。 そのため、数字の羅列を見たり、数字から物事を読み解いたりすることに抵抗がある人には不向きな職業なのです。
なお、数字を1日中見つめていても飽きないほど大好きである必要はありません。 税理士は財務諸表を元に仕事を進めますが、他にも様々な書類やツールを用いますし、財務諸表の作成と読み解き以外の業務も膨大です。 数字に抵抗がなければ、大好きでなくても何ら問題はありません。
コツコツ作業が苦ではない
税理士は経営者にコンサルティングを提供するキラキラした存在でもありますが、お客様や他人に見えないところではコツコツと地味な作業をしています。 前述した財務諸表の作成もその1つです。
財務諸表は、企業の売上台帳やレシート等を1つずつ専用ソフトに入力して作成します。 売上を1日ごとにまとめてくれている企業もあれば、日付どころか部署ごとに分けられていない企業もあり、入力作業だけで大幅な時間を費やしているのです。 最近では、税理士とは別に入力のためのスタッフを雇用していたり、RPAにより入力の自動化が推進されていたりするものの、税理士自らが入力している事務所も少なくありません。
財務諸表の作成以外にも、顧問先企業の資料チェックやスケジュールの確認等、細々とした業務をコツコツ積み上げているのです。 粘り強くコツコツと作業を続けられることも、税理士の素質の1つと言えるでしょう。
一生勉強し続けられる
知識のアップデートが嫌いでない人に、税理士は向いています。 税制改正といって、税法は毎年更新されます。
更新の内容はその年によって大改革だったり小規模な変更のみだったりしますが、毎年何かしらの変更が行われ、その度に税理士は税法の知識をアップデートしなければなりません。 またオンラインツールやRPA等の発達により、税理士の仕事は変化を求められています。 顧問先企業に訪問するのではなく、オンラインツールでミーティングを行ったり、RPAによる自動化で手が空いた時間に、より高度なサービスを提供したり、といったことです。
税理士の業務は、今後ますます高度化していくことが予想されます。 これは税理士に限ったことではありませんが、税理士という資格に甘んじることなく、一生勉強し続け、顧問先に必要とされる人材であり続けることが求められるのです。
コミュニケーション能力に自信がある
財務諸表を代表とする書類は、一般の経営者や経理の人には難解です。 どの数字がどうであれば良いのか、今後どうすれば財務体質が改善するのかといった話は、理解するのも説明するのも高度な知識が要求されます。 経営者に対して企業の財務状況を説明する税理士には、高いコミュニケーション能力が不可欠なのです。
また、税理士事務所内でのコミュニケーションも大切です。 税理士事務所では所長や同僚、会計スタッフ、事務員といった様々な人々と一緒に業務を遂行していきます。円滑なコミュニケーションが業務をスムーズにしてくれますので、所内でのコミュニケーションも疎かにはできません。
友人が多い、コミュニケーションに自信がある、どんな人とでも楽しく話せるという人は、税理士の適性が高いのではないでしょうか。
プレゼン能力に自信がある
プレゼンテーションの能力が高いと、税理士として成功しやすいといえます。 税理士が昇給や昇格するには、担当する顧問先企業の売上や利益を向上させるのが最適です。
多くの税理士事務所では、顧問先の売上等が上がると税理士事務所との顧問料も上がるため、担当税理士の給料も上がるという仕組みを採用しています。 そのため担当の顧問先をいかに富ませるかが重要になります。
顧問先に今より利益アップしてもらうためには、新規事業への参入や不採算事業の売却、生産体制の改革といった対策が必要です。しかし急激な変化に戸惑う人も少なくありませんし、税理士が提案したことをそのまま採用されるケースはほぼ皆無です。 それではどうするかと言いますと「こうすればあなたの企業はこんなに儲かります」というプレゼンテーションを行うのです。
経営者や従業員に納得してもらい、はじめて改革は実行されます。 プレゼンテーション能力は、税理士になってからでも身につけられます。 しかし税理士になる前から身につけていると、給料アップの初速はグッと早まるでしょう。
几帳面と言われる
几帳面な人も税理士に向いています。 税理士は企業の売上や支出をまとめて計算しますが、その数値は正しいものでなければなりません。
たとえば法人税決算の数値が間違っていたとしたら、正しい納税額が計算できません。税金を納めすぎてしまったり、過少申告加算税等の重加算税を顧問先企業が納めることになったりといった迷惑がかかります。 人間なので間違いが発生することは仕方のないことですが、度を越すと顧問先企業から見限られてしまうでしょう。
几帳面で正確に入力したり計算したりできるならば、誤りの発生頻度は抑制され、顧問先企業からの信頼も増します。 正確に計算ができる、間違えないという性格は、税理士にとって大きな武器となるのです。
仕事に責任を持てる
責任を持って仕事に励む人は、適性が高いと言えます。 税理士に限ったことではありませんが、責任感を持って仕事に取り組むならば、その姿勢は高く評価されます。
また、税理士は顧問先企業の売上や利益といった重要な情報を保有しますので、秘密を漏らさないことも大切です。 仕事を「こなす」のではなく、顧問先の立場に立って物事を考え、責任を持って業務を遂行することが、理想的な税理士像ではないでしょうか。
法律に興味がある
税理士は税法だけでなく周辺の法律にも詳しくなっておかなければなりません。 たとえば相続税は民法と深い関わりがあります。
2024年11月には、個人事業主と業務委託事業者にまつわるフリーランス新法が施行される予定です。顧問先企業がフリーランスと契約しているならば、トラブル回避のために税理士も知っておくべきでしょう。
このように、税理士は税法に限らず多くの法律を知り、場合によって使いこなす必要があります。そのため税法だけでなく、他の法律についても知っておかなければならないのです。 また税法と同様にどの法律も法改正が定期的に行われます。幅広い法律の知識を常にアップデートし続けることが重要です。
法律にまったく興味のない人にとって、税法以外にも法律を学び、法改正のたびに知識の更新を行うことは苦痛が伴うかもしれません。 法律に興味のある人の方が、税理士として大成できる可能性を秘めているのです。
複雑な問題に直面するとやる気がでる
困難な状況に立ち向かえる精神力も税理士には必要です。 なぜなら、顧問先企業は困難を抱えているケースが多く、赤字脱却や利益向上のために極めて困難な問題に立ち向かっていることも少なくないためです。
しかも、別の顧問先で同じ困難に直面することはほとんどありません。手探りから始めることになるでしょう。 このような状況を打開するためには、知識や経験も重要ですが何よりも精神力が求められます。
困難な状況に対してやる気が出る人、困難から立ち上がった経験のある人は、税理士の適性が高いといえます。
他人と長期的な信頼関係が築ける
顧問先企業の経営者とは、長いお付き合いになります。 長期的な信頼関係が築けることも税理士として大切な要素です。
学生時代からの友人が何人もいる、仲の良い友人や腹を割って話せる友人がいる、長く付き合っているパートナーがいる、結婚しているといった人は、顧問先と信頼関係を築きやすいかもしれません。
顧問先との信頼関係がなくなれば、別の税理士に鞍替えされてしまいます。 長期的な信頼関係が築ける能力は、税理士として長く活躍できることを意味するのです。
税理士適正診断 点数別診断結果
上記の適性診断で何点になったのか数えてみてください。 その点数によって「適性あり」から「適性なし」まで4段階で評価します。
8〜10点:適性あり
税理士の適性が高い人です。 このまま税理士になれば、業界で大活躍できるでしょう。 ぜひ自分を信じて税理士への道を突き進んでください。
5〜7点:やや適性あり
多少の努力は必要かもしれませんが、それほど苦もなく税理士として活躍できそうです。 向いている項目を伸ばし、あまり向いていない項目は、人に任せるか最低限できるようになることを目指しましょう。
3〜4点:やや適性なし
税理士になるには相当な努力が必要になるでしょう。 しかしやる気は素質を凌駕します。 税理士になりたい気持ちを燃え上がらせて、税理士としての新たなキャリアを進んでください。
0〜2点:適性なし
あまり税理士には向いていないのかもしれません。 まずは経理事務や会計事務から始め、税理士になったら理想どおりに活躍できそうか考えてみましょう。
税理士適性の低い人が税理士を目指すなら
適性の高い人は、何も恐れず税理士への道を突き進めば良いだけです。 では適性の低い人が税理士を目指すには、どうすれば良いのでしょうか。 まずは下記を1つずつ試し、税理士として必要なスキルを身につけましょう。
簿記資格に挑戦する
税理士試験に挑戦する前に、簿記資格の取得を目指してみましょう。 日商簿記検定2級を1つの目標に定めてください。
簿記は税理士の基礎知識ですので、簿記資格を取得して損をすることはありません。 簿記資格に挑戦する中で、あまりにも勉強が辛かったなら税理士は止めるべきかもしれません。しかし多少の努力で合格できたならば、知識を補うことで税理士として活躍できるチャンスが生まれるでしょう。
税理士でなければならない理由を再確認する
なぜ税理士になりたいのか、もう一度考えてみましょう。
弁護士、行政書士、宅建等の資格や職業がある中で、税理士を選択した理由はなんでしょうか。
税理士でなければならないのなら、何があろうと税理士を目指すべきです。
一方で、税理士でなくても構わないのならば、別の道も比較してはいかがでしょうか。
経理事務も検討する
経理事務とは、一般企業で記帳の入力等を行う仕事です。 経理事務は財務諸表の基礎となるデータを入力することもあり、税理士の仕事に近しい存在です。
税理士になるか悩むならば、一旦経理事務として働いてみて、自分の適性を再考するのも良いのではないでしょうか。
税理士事務所の規模別適性
税理士という職業は、所属する法人や事務所によって働き方が若干変わります。 どのような規模の事務所・法人を目指すべきか検討してみましょう。
大手税理士法人
BIG4と呼ばれる大手税理士法人が有名です。 大手税理士法人では、平均給与が高く福利厚生が整っていることが多く、長く働き続けたい人におすすめの就職先です。
ただし担当制ではなくチーム制がよく採用されており、経営者と二人三脚で歩むというよりは、配属された税務分野の業務を多くの企業に提供し続けるといった働き方になります。
中小税理士法人
大手税理士法人よりも給与面や福利厚生面ではやや劣るものの、急成長したり革新的な業務を行ったりと波乱万丈な成長を遂げる法人が多い印象です。 税理士法人と共に急成長したい人におすすめです。
小規模税理士事務所
地域密着型の税理士事務所が多いようです。 給与や福利厚生は事務所によって千差万別です。 一部の事務所では大手並みの給与が得られることもあります。
担当制を採用している事務所がほとんどで、顧問先の経営者が希望する税務サービスを1人または2人程度の税理士が提供します。
税理士の適性診断-まとめ
税理士は上記のような適性があると活躍しやすい職業です。 しかしすべての適性が揃っている必要はありません。 税理士にも様々な人がいますし、少し変わった税理士を好む経営者もいるためです。
仮にこの適性診断で適性がなかったとしても、諦める必要はありません。あなたに合った税理士としての働き方を模索し、選択すれば良いのですから。
城之内 楊
株式会社ミツカル代表取締役社長