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公開日:2025/03/21
最終更新日:2025/03/21

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法人税申告は、会社経営に欠かせない重要な手続きですが、「複雑で難しい」と感じていませんか?
申告書の作成ミスや期限遅れは、余計な税負担やペナルティの原因になり得ます。
しかし、基本の流れとポイントを押さえれば、正確かつスムーズに申告ができます。
本記事では、法人税申告書の種類や作成方法、提出期限、最新の税制改正までわかりやすく解説します。
特に、税務調整の仕組みや控除の活用方法を知ることで、納税額の最適化も可能になります。
電子申告(e-Tax)のメリットや、税務署がチェックするポイントも紹介するので、実務に役立つ情報が満載です。
「初めての申告で不安」「税務リスクを減らしたい」と考えている経営者や経理担当者にとって必見の内容です。
この記事を読めば、法人税申告の基礎から最新情報まで、一通りの知識が身につくはずです。
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法人税申告書とは?
法人税申告書とは、法人(会社やその他の法人)が1年間の事業活動を通じて得た所得に対して納める法人税の金額を計算し、税務署に申告するための書類です。日本では、法人税法に基づき、すべての法人が事業年度ごとに税務署へ提出することが義務付けられています。
法人税申告書の基本的な説明
法人税申告書は、主に以下のような書類で構成されます:
1.別表一(1)
◦法人税の申告額を記載する基本的な書類
◦課税所得の計算結果や税額控除を反映させた最終的な法人税額を示す
2.別表四(所得の計算書)
◦税務上の所得を計算するための書類
◦会計上の利益を基に、税務調整(加算・減算)を行い、課税所得を求める
3.別表五(一)(税額の計算)
◦税額控除や繰越欠損金の控除状況を記録する
4.別表六(税額控除等)
◦研究開発税制や外国税額控除などの税額控除に関する明細
5.事業概況説明書
◦企業の事業内容や財務状況を説明するための書類
法人税申告書の重要性
法人税申告書の作成と提出には、以下のような重要な意義があります。
1.法的義務の履行
◦法人税法に基づき、法人は申告と納税を適切に行う必要がある。
◦期限内に申告しないと、無申告加算税や延滞税が発生するリスクがある。
2.適正な納税の確保
◦税務調整を適切に行い、正しい納税額を算出することで、税務リスクを回避できる。
3.経営状況の把握
◦申告書の作成を通じて、企業の収益性や財務状況を整理し、経営戦略に活用できる。
4.金融機関や投資家との信頼関係の構築
◦適正な法人税申告を行うことで、金融機関からの融資や投資家との信頼を維持できる。
法人税申告書の作成方法
法人税申告書の作成方法について、以下の流れで詳しく説明します。
必要な書類と情報の準備
法人税の申告書を作成するためには、以下の書類や情報を準備する必要があります。
(1)決算書類
・貸借対照表
・損益計算書
・株主資本等変動計算書
・個別注記表(適用する場合)
・勘定科目内訳書
(2)税務関連書類
・法人税申告書(別表)
◦別表一(企業の概要や法人税の計算)
◦別表四(所得の計算)
◦別表五(一)(利益積立金や税額控除の調整)
◦別表五(二)(租税公課の納付状況)
◦別表六(税額控除関連)
◦その他、必要な別表(資本金の額や税制適用によって変わる)
・事業概況書
◦会社の事業内容や経営状況を記載する書類
・消費税申告書(該当する場合)
◦課税売上高が1,000万円を超える場合に必要
・法人住民税・事業税申告書
◦法人住民税と事業税の計算書類
申告書の記載方法とポイント
法人税申告書の作成では、決算の数値をもとに税務調整を行い、課税所得を確定させます。
(1)法人税の計算の流れ
1.会計上の利益の計算
◦損益計算書の「税引前当期純利益」を確認
2.税務調整(加算・減算)
◦会計上の利益に対し、税務上認められない経費(寄附金、交際費の一部、減価償却費の超過額など)を加算
◦課税対象外の収益(受取配当金の一部、租税特別措置法による控除など)を減算
◦→ 別表四に記載し、課税所得を確定
3.法人税額の計算
◦課税所得 × 税率(基本は23.2%、中小企業は所得800万円以下部分が15%)
◦各種税額控除(外国税額控除、研究開発税制など)を適用
◦→ 別表一に法人税額を記載
4.法人住民税・事業税の計算
◦法人住民税は法人税額をもとに計算
◦事業税は課税所得をもとに計算し、損金算入できるため別表で調整
国税庁のガイドラインに従った正しい記載方法
法人税申告書の記載には、国税庁のガイドラインに従うことが重要です。
(1)主な注意点
・電子申告(e-Tax)の活用
◦法人税の申告は電子申告(e-Tax)が推奨されています
・交際費の適切な処理
◦中小企業は800万円まで損金算入可、それ以上は否認される
・減価償却の適用方法
◦法定耐用年数に基づいた適正な計算を行う
・税額控除の適用漏れを防ぐ
◦研究開発税制や賃上げ促進税制などの活用
・租税公課の取り扱い
◦未払法人税等は翌期の損金算入不可
(2)参考情報
法人税申告書の提出方法と期限
提出先の選択
法人税の申告書は、国税庁(税務署)と地方自治体(都道府県・市区町村)へ提出する必要があります。
(1)法人税の提出先(国税)
・所轄の税務署(国税庁管轄)
◦法人の本店所在地を管轄する税務署
参考:国税庁の税務署検索ページ
(2)地方税(法人住民税・法人事業税)の提出先
・都道府県税事務所(法人事業税・法人都道府県民税)
・市区町村役所(法人市町村民税)(該当する場合)
※ 東京都の場合は、法人事業税と法人住民税は東京都主税局に提出。
提出方法と注意点
法人税申告書の提出には、以下の方法があります。
(1)電子申告(e-Tax / eLTAX)
・国税(法人税):e-Tax(国税電子申告・納税システム)
https://www.e-tax.nta.go.jp/
・地方税(法人住民税・事業税):eLTAX(地方税電子申告システム)
https://www.eltax.lta.go.jp/
▶ 電子申告のメリット
・24時間提出可能(期限内ならいつでも提出可)
・確定申告書や決算書の添付書類を電子データで提出できる
・書類の郵送や持参の手間が省ける
・2026年以降、電子申告が義務化される予定
(2)紙での提出
・持参:税務署や都道府県税事務所、市区町村役所の窓口へ直接提出
・郵送:書類を郵送し、提出日を確定申告期限内にする(消印有効)
▶ 郵送提出時の注意点
・「書留」または「簡易書留」で送ると安全
・受領印付きの控えをもらう場合は、返信用封筒(切手貼付)を同封
提出期限
法人税の申告期限は、法人の決算期によって異なります。
(1)申告期限
・法人税の申告期限:決算日から2か月以内
・地方税の申告期限:法人税と同じく、決算日から2か月以内
▶ 申告期限の例
決算日 | 法人税申告期限 |
---|---|
3月31日 | 5月31日 |
6月30日 | 8月31日 |
12月31日 | 2月28日(29日) |
(2)期限延長の申請
・条件:税務署に事前申請し、承認を受けた場合のみ可能
・延長期間:原則1か月(最大で決算日から3か月)
・対象法人:決算確定に時間がかかる法人(大企業など)
(3)期限を過ぎた場合のペナルティ
期限内に申告しないと、以下の加算税や延滞税が発生します。
・無申告加算税
◦期限後に申告した場合:税額の5%~15%
◦税務署から指摘された場合:10%~20%
・延滞税
◦期限後の納付に対して日割計算で加算
▶ 期限に遅れないための対策
・申告期限を事前にカレンダー登録
・e-Taxの活用(手続きが簡単になる)
・申告ソフトや税理士を活用する
法人税申告書の変更点と最新情報
最新の法改正による影響
(1)賃上げ促進税制の見直し
令和6年度の税制改正では、賃上げ促進税制が大幅に見直されました。主な変更点は以下のとおりです。
・中堅企業の新設:新たに「中堅企業」の区分が設けられ、これにより税額控除の適用要件や控除率が設定されました。
・中小企業者等の繰越控除制度:中小企業者等に対して、5年間の繰越控除制度が新設され、控除しきれなかった税額を翌期以降に繰り越すことが可能となりました。
(2)戦略分野国内生産促進税制の新設
戦略分野国内生産促進税制が新設され、特定の戦略分野における国内生産を促進するための税額控除が導入されました。
・適用要件:特定の戦略分野に該当する設備投資を行った場合に適用されます。
・繰越控除:3年間または4年間の繰越控除が認められています。
国税庁からの最新情報とアップデート
(1)法人税申告書の様式改正
上記の税制改正に伴い、法人税申告書の様式が改正されました。主な改正点は以下のとおりです。
・別表1:戦略分野国内生産促進税制の新設に伴い、地方法人税の課税標準法人税額の計算方法が変更されました。
・別表6(6)および別表6(6)付表:賃上げ促進税制の繰越控除制度の導入により、関連する記載欄が追加されました。
・別表6(24)および別表6(24)付表1:賃上げ促進税制の見直しに伴い、新たな様式が設けられ、「中堅企業」の区分や繰越控除に関する項目が追加されました。
(2)申告書作成上の留意点
国税庁は、「令和6年版 法人税のあらましと申告の手引」を公表し、申告書作成時の留意点をまとめています。
・申告書の作成方法:最新の様式に基づく具体的な記載方法が示されています。
・適用額明細書:各種税額控除の適用要件や計算方法について詳細が記載されています。
法人税申告書の別表と明細の作成
法人税申告書には、多くの別表(附属書類)と明細書があり、それぞれ正しく記載する必要があります。以下に、別表の種類と作成方法、所得明細の重要性と記載ポイントを解説します。
別表の種類とその記載方法
法人税申告書には、以下のような主要な別表があります。
別表 | 内容 | 記載のポイント |
---|---|---|
別表1(1) | 法人税額の計算 | 最終的な法人税額を計算する重要な表。 |
別表4 | 所得の計算 | 会計上の利益から税務上の調整を行い、課税所得を確定。 |
別表5(1) | 利益積立金 | 法人の内部留保や税額控除の繰越管理。 |
別表5(2) | 租税公課の納付状況 | 納税した法人税、消費税の管理。 |
別表6(1) | 外国税額控除 | 海外で納付した税額の控除計算。 |
別表6(24) | 賃上げ促進税制 | 賃上げ促進税制の適用状況を記載。 |
別表7 | 欠損金の繰越控除 | 過去の欠損金を控除する際に記載。 |
別表15 | 交際費等の計算 | 交際費の限度額判定と税務上の調整。 |
別表8(1) | 受取配当金の益金不算入 | 配当所得に関する税務調整。 |
所得に関する明細の重要性と記載のポイント
(1)所得明細の役割
所得明細は、法人税の算定において税務上の調整を明確にするために重要です。特に、課税所得の正確性を示すための証拠資料として税務調査でも重視されます。
(2)所得明細の記載ポイント
① 課税所得の計算
・損益計算書の「税引前当期純利益」を基準に、税務調整を行う。
・益金不算入項目(受取配当金の益金不算入など)を減算。
・損金不算入項目(寄附金、交際費超過額、法人税等)を加算。
② 欠損金の繰越控除(別表7)
・10年間の繰越控除が可能(中小企業の場合)。
・控除適用後の残高を明記することが重要。
③ 各種税額控除(別表6シリーズ)
・外国税額控除、賃上げ促進税制、研究開発税制などの適用有無を明確に記載。
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まとめ
法人税申告書とは、法人が1年間の所得に対して納める法人税を計算し、税務署へ申告するための書類であり、提出は法的義務です。
申告書は、法人税額の計算(別表1)、所得の税務調整(別表4)、利益積立金(別表5)などの別表を組み合わせて構成されます。
法人税の計算では、損益計算書の「税引前当期純利益」から税務調整を行い、課税所得を確定させます。
法人税申告書の作成には、正確な決算書類や税務関連書類を準備し、適切な税額控除や租税公課の処理を行うことが重要です。
申告書は電子申告(e-Tax)または紙で提出し、決算日から2か月以内が原則の提出期限ですが、条件により1か月の延長が可能です。
最新の税制改正では、賃上げ促進税制の見直しや戦略分野国内生産促進税制の新設などがあり、申告書の様式も変更されています。
税務調査時に備え、所得明細や控除の適用状況を適切に記録し、税務リスクを回避することが求められます。
正しい法人税申告を行うことで、法的リスクの回避だけでなく、企業の財務管理や信用力の向上にもつながります。
この記事がお役に立てば幸いです。

平川 文菜(ねこころ)