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税理士のやりがいは?魅力を知るために徹底解説

公開日:2025/05/02

最終更新日:2025/05/02

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税理士って、堅そうで地味な仕事に思えますか?
実は今、多くの若手が「一生モノの武器」として注目している資格です。
税務・会計の知識を駆使し、経営者のよきパートナーとして活躍できる。
しかも、独立・開業のチャンスもあり、働き方の自由度も高い。
人と深く関わり、人生の節目に立ち会える――そんな魅力的な側面も。

一方で、繁忙期の忙しさや責任の重さといったリアルな課題も存在します。
では、税理士という仕事は実際どんな役割を担い、どんなやりがいがあるのでしょうか?
この記事では、税理士の仕事の魅力・大変さ・キャリアパスまでを一気にご紹介します。

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税理士の仕事の魅力とやりがい

税理士とはどんな仕事?

税理士は、主に以下の3つの独占業務を通じて、企業や個人の経済活動をサポートする専門職です。

1.税務代理:納税者に代わって税務署への申告・申請・不服申立てなどを行う

2.税務書類の作成:確定申告書、法人税・消費税の申告書などを作成

3.税務相談:税金に関する疑問・悩みに対するアドバイス

加えて、会計帳簿の作成支援や、経営相談、相続対策などを行うことも多く、クライアントの“お金まわり”をトータルで支える存在です。

税理士として働くことの魅力

1. 専門性が高く、一生使えるスキル

税務・会計の知識は、企業や個人を問わず必要とされる普遍的なスキル。経験を積めば積むほど価値が高まり、年齢を重ねても活躍できます。

2. 独立・開業の道がある

資格を取得すれば、自分の名前で事務所を構えることが可能。働き方の自由度が高く、クライアントや仕事のスタイルを自分で選べるのは大きな魅力です。

3. 多様な業界・業種と関われる

飲食、美容、建設、IT、医療など、クライアントの業種は多岐にわたります。常に新しいビジネスやトレンドに触れられる知的刺激が豊富です。

4. 人との信頼関係を築ける

お金や経営というセンシティブなテーマを扱うからこそ、顧客との関係は深くなりやすく、「パートナー」としての存在感を持てます

やりがいを感じる瞬間

■ クライアントの成長や成功に貢献できたとき

経営のアドバイスや節税対策を通じて、企業の黒字化・拡大を実現できたときに強いやりがいを感じます。

■ 相続や事業承継などで「人生の大事な局面」に寄り添えるとき

家族経営のクライアントの世代交代や、大切な財産の引継ぎに携わる場面では、税理士としての信頼が何よりも報われる瞬間です。

■ 感謝の言葉をもらえたとき

「先生がいてくれて本当に助かった」「安心して任せられる」という言葉は、どんなに忙しくても心から励みになります。

税理士としての役割と責任

◉ 正しい納税をサポートする「税の専門家」

税理士の最も基本的な役割は、依頼者が法律に則って正しく納税できるよう支援することです。 ミスのない申告、最適な節税提案などを通して、依頼者のリスクを減らし、安心を提供します。

◉ 経営の“お金の番人”としての責任

税理士は、税金だけでなく会計全般を支援します。日々の帳簿管理から決算・資金繰りまで、数字の面から経営を見守り、適切なアドバイスを行う役割も担っています。

◉ 高い倫理観と守秘義務

企業の財務情報や個人の資産情報など、極めて機密性の高い情報を扱うため、信頼と誠実さが求められます。法律上も守秘義務が課されており、その責任は非常に重いです。

経営における税理士の重要性

1. 意思決定の「参謀」として機能

税理士は、経営者のパートナーとして、数字に基づくアドバイスを提供します。たとえば「どのタイミングで投資すべきか」「どの制度を使えば節税できるか」など、経営判断に直接関わります。

2. 資金調達・融資サポートの専門家

金融機関との付き合いにも税理士は不可欠。正確な決算書や事業計画の作成支援を通じて、融資をスムーズに進めることができます。

3. 経営リスクを事前に察知・対策

財務指標の分析やキャッシュフローの把握により、経営悪化の兆しを早期に捉え、改善策を提案することが可能です。

国や地域社会への貢献

◉ 適正な納税を通じて、財政基盤を支える

税理士は「公平な税の徴収」の担い手でもあります。脱税を防ぎ、合法的な節税を促すことで、国や自治体の財源確保に貢献しています。

◉ 中小企業の成長支援を通じて地域経済を活性化

多くの税理士が地元企業を支えています。資金繰りの相談から事業承継まで、企業の継続と発展をサポートすることで、雇用や地域経済の維持・発展に寄与します。

◉ 相続・事業承継における社会的安定への貢献

相続税や贈与税の申告を通じて、資産の円滑な移転を支援することは、家族関係や地域の安定にもつながります。

税理士資格取得のステップとその意義

資格取得のプロセス

① 受験資格の確認

税理士試験には受験資格があり、以下のいずれかを満たす必要があります。

大学・短大で法律学または経済学を履修した者

・会計士補・日商簿記1級合格者

・税務署等で一定年数以上の実務経験がある者
など

② 税理士試験の受験(全11科目から5科目合格が必要)

科目は以下のように分かれています:

・【必須2科目】:簿記論・財務諸表論(会計科目)

・【選択3科目】:所得税法/法人税法(のうち1科目以上)+相続税法・消費税法・国税徴収法などから選択

※毎年1〜2科目ずつ受験できる「科目合格制」で、自分のペースで進められます。

③ 実務経験(通算2年以上)

会計事務所・税理士法人・企業経理部門などで実務経験を積む必要があります。

④ 日本税理士会連合会への登録

試験合格と実務経験を経て、税理士会に登録して初めて「税理士」と名乗ることができます。

資格を持つことのメリット

項目 内容
① 独占業務の実施が可能 税務代理・税務書類作成・税務相談の3つの業務を独占的に行える。法律上の強い権限。
② 独立・開業ができる 自分の事務所を持つことができ、フリーランスや法人経営者として活躍可能。
③ 社会的信頼が高い 国家資格であることから、企業や個人からの信頼を得やすく、顧客の紹介や契約にもつながりやすい。
④ 長く働ける・年齢に左右されにくい 年齢を重ねても知識・経験で活躍でき、定年がなく、一生現役で働ける職種。
⑤ キャリアの選択肢が広い 経営コンサル、相続・事業承継、金融、不動産などへの応用が可能。多様な分野で活躍できる。
⑥ 安定した収入が見込める 顧問契約などにより安定的な収入が得られるうえ、独立後は努力次第で年収アップも可能。


税理士の仕事が大変な面とその克服方法

税理士の仕事はやりがいがある一方で、専門性の高さや責任の重さから、大変さを感じる場面も多くあります。以下は、代表的な課題とその克服方法です。

大変な面 内容 克服方法・対策
① 繁忙期が非常に忙しい 確定申告(2〜3月)や法人決算の集中月などは長時間労働になりやすい。 ✅業務の平準化(クラウド会計や事前準備)
✅スタッフとの役割分担・外注活用
② 法改正の対応が常に必要 毎年のように税法が変わるため、継続的な学習が欠かせない。 ✅定期的な勉強会やセミナー参加
✅税務ニュースの習慣的チェック
③ クライアント対応が多岐にわたる 税金だけでなく、経営・労務・相続・法務など幅広い相談が来る。 ✅他士業との連携(社労士・弁護士)
✅専門分野を明確にする(差別化)
④ ミスが許されないプレッシャー 税務申告はミスが大きな損失につながるため、精神的負担が大きい。 ✅チェックリストやWチェックの徹底
✅ITツールで自動化・エラー防止
⑤ 独立後の営業が不安 開業後、顧客がいないと安定収入を得られない。営業が苦手な人も多い。 ✅SNSやブログによる情報発信
✅得意分野を絞ったニッチ戦略


よくある悩みと解決策

税理士として働く中でよく挙がる悩みと、その対策例を紹介します。

よくある悩み 解決のヒント
クライアントの言動に振り回される 契約時に業務範囲・対応時間を明確にし、ルール化。対応フローを文書化しておく。
いつも「忙しい」に追われている タスクの見える化(ToDo管理)とスケジューリング。時には「断る勇気」も大事。
自分にしかできない仕事が多すぎる 業務マニュアル化、スタッフへの権限委譲、外注の活用。RPAやクラウド会計も活用。
他事務所との差別化が難しい 専門分野(例:不動産、医療、国際税務)を確立し、情報発信で「選ばれる存在」に。


働き方改革とその影響

働き方改革やデジタル化の進展により、税理士業界にもポジティブな変化が起きています。

改革内容 税理士業界への影響
テレワーク・クラウド会計の普及 自宅や地方からでもクライアント対応が可能に。育児・介護との両立がしやすくなった。
長時間労働の是正 繁忙期の業務分散や人員配置の見直し、DX(業務効率化ツール)の導入が加速。
若手や女性税理士の活躍 多様な働き方が可能となり、育休取得後の復帰や副業税理士など新しいキャリアパスが登場。


税理士としてのキャリア発展の可能性

税理士は、資格取得後のキャリアパスが非常に多様であり、自分の志向やライフスタイルに合わせて発展させることができます。

キャリアアップの道筋

税理士として経験を積むことで、以下のようなキャリアアップの道が考えられます。

 ① 税理士法人・会計事務所での昇進

・スタッフ → 主任 → マネージャー → パートナー(役員)など、組織内で昇格

・チームマネジメントや大型案件の担当など、責任のある立場にステップアップ可能

② 独立・開業

・自分の事務所を構えて、顧問先を増やしながら経営者としても成長

・自由な働き方・収入アップを目指すことが可能

 ③ コンサルタントとしての進化

・税務のみならず、財務改善・経営戦略・事業再生・M&Aなどへ領域を広げる

・経営者の“参謀”として企業価値向上に貢献

 ④ 企業内税理士・経理財務責任者

・一般企業や上場企業の経理・財務部門で、専門性を活かして活躍

・CFO(最高財務責任者)へのキャリアも見据えられる

⑤ セミナー講師・執筆・メディア出演

・自身の知識を広く伝える活動も可能。SNSや出版を通じて影響力を持つ存在に

・他士業・異業種と連携し、専門家としてのブランドを確立

専門分野での活躍の場

税理士として「どの分野に強いか」を明確にすることで、より深い信頼とニーズを得られるようになります

● 相続・事業承継

・高齢化社会で需要が増加。相続税対策、家族信託、株式の承継などで活躍。

・弁護士や司法書士との連携も多く、信頼関係が鍵。

● 医療・福祉・介護分野

・医療法人やクリニック、介護事業所など専門知識が求められる領域。

・診療報酬、特有の会計処理、助成金対応などで高付加価値が出せる。

● 不動産・建設業

・資産管理や譲渡所得税の相談が多く、税務戦略の立案力が問われる分野。

・節税や法人化のアドバイスなどに強みを持つと顧客から重宝される。

● 国際税務・海外進出支援

・外資系企業や海外取引のある企業に対して、移転価格税制、外国税額控除などの専門知識を提供。

・語学力・国際会計基準(IFRS)への対応力が強みになる。

● スタートアップ・IT企業支援

・成長企業向けの資金調達、株式評価、ストックオプションなど専門的なサポートが可能。

・若手経営者とのコミュニケーション力やスピード感も重要。

年代 主なフェーズ キャリア戦略 具体的アクション
20代 基礎固め・資格取得期 ■ 税理士試験の合格を最優先
■ 実務経験を積みながら得意分野を模索
- 税理士法人・会計事務所で働きながら試験勉強
- 様々な業種・業界の担当を経験
- 先輩から学び、基本的なスキルを身につける
30代 専門性とポジション確立期 ■ 得意分野を絞って専門性を高める
■ マネジメント・営業力を習得
■ 独立を視野に入れる
- 相続・医療・ITなど専門領域を持つ
- クライアント対応を任されるようになる
- セミナー登壇や情報発信をスタート
- 独立に向けた準備(資金、人脈、仕組み)
40代 発展・拡大期 ■ 独立・法人化や事務所の拡大
■ 他士業や外部パートナーとの連携強化
■ 組織マネジメントや教育にも注力
- 税理士法人設立・所長就任などでリーダーに
- 若手の育成・業務分担で自分の時間を創出
- 経営支援やコンサル業務への進出
- 地域貢献や業界活動にも参画


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まとめ

この記事では、税理士のやりがいについてまとめさせていただきました。

この記事が皆様のお役に立てば幸いです。

執筆 ・ 監修

税理士 平川 文菜(ねこころ)

税理士|熊本出身|2018年京都大学卒業| 在学中より税理士試験の勉強を始め、2018年12月に税法三科目(法人・消費・国徴)を同時に合格し、官報合格を果たす。 2018年9月よりBIG4 税理士法人の一つであるKPMG税理士法人において、若手かつ女性という少数の立場ながら2年間にわたり活躍。税務DDやアドバイザリーといった幅広い業務に従事。 2020年9月より、外資系戦略コンサルティングファームであるボストンコンサルティンググループに転職。戦略策定から実行支援まで幅広い業務に従事。2024年12月にフリーランスとして独立。