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税理士は年収3000万円も可能!?高収入を目指すならこうすべき!
2024/11/14
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税理士は高収入のイメージがある一方で、あまり稼げないという正反対なイメージももたれているようです。 それでは実際のところ、税理士は稼げる職業なのでしょうか。年収3,000万円という超高収入も、実現できるのでしょうか。
結論から申しますと、税理士は稼げますし高収入な職業です。やり方次第では年収3,000万円も可能です。
税理士の平均年収は747万円
厚生労働省が提供する職業情報提供サイトjobtagによると、令和5年における税理士の平均年収は746.7万円でした。
一方で、国税庁が発表している令和4年分民間給与実態統計調査によると、給与所得者全体の平均給与は458万円でした。 税理士の平均年収は、全体の1.5倍以上の水準です。 平均給与の比較から、税理士は高収入を得やすい職業であると分かります。
税理士が年収3000万円を目指すには
年収3,000を実現させるには、少なくとも3,000万円以上の売上を出さなくてはなりません。 一般的な税理士法人の売上に対する報酬額の割合は3割程度であることが多いため、勤務税理士が年収3000万円を目指すには1億円の売上を上げる必要があります。
一方で、税理士1人あたりの平均売上は1,000万円程度と言われていますので、勤務税理士が1億円の売上を上げるのは現実的ではありません。
では、独立して自分の税理士事務所を持つ場合はどうでしょうか? 経済センサス活動調査によると、税理士事務所における1事務所当たりの売上金額は下記のようになりました。
1事務所当たり売上(収入)金額(万円) | 金額(万円) |
---|---|
総数 | 4,926 |
1〜4人 | 2,087 |
5〜9人 | 5,553 |
10〜19人 | 13,008 |
20〜29人 | 22,353 |
30〜49人 | 不明 |
50人以上 | 118,935 |
事務所当たりの売上平均は4,926万円です。
ここから事務所代や水道光熱費、スタッフへの給与等を差し引くことになりますが、それでも所属税理士より多額の報酬を得られる可能性が高いと言えます。
つまり、税理士が年収3,000万円を目指すには、独立開業し成功することが必要なのです。
年収3000万円までのプロセス
無資格未経験から、税理士資格を得て年収3,000万円になるまでのプロセスを解説いたします。 下記に沿って1つずつ進んでいきましょう。
税理士資格を取得する
税理士として開業するのですから、税理士資格は欠かせません。 税理士になるには、基本的に税理士試験の合格と2年以上の実務経験が必要です。 税理士試験は合格までに平均8年かかると言われる難関試験です。
無理のないスケジュールを立て、勉強を継続しましょう。科目合格制度が採用されているため、1回の試験で1〜2科目受験する人が多いようです。 なお税理士試験には科目免除制度も設定されていますので、上手に活用してください。
ノウハウを吸収する
税理士事務所や税理士法人に入職し、税理士としてのノウハウと共に、事務所運営のノウハウを吸収しましょう。
所属税理士として働いている間は、税理士としての能力のみが求められます。税務の知識や手続き、クライアントとのコミュニケーション、税務コンサルティング等です。業務内容は事務所や配属先によって異なりますが、税務に関する知識と経験が身に付くことは間違いありません。
それと同時に、開業や運営に必要な知識を学びましょう。可能であれば営業経験とマネジメント経験を積んでください。
営業は、開業後ほぼ必ず必要になります。新規顧問先を見つけなければ、そもそも売上が立ちません。営業力は所属税理士のうちから身につけておくと、後々重宝します。 マネジメント能力も重要です。開業後に売上が伸びてきたら、次に行うのはスタッフの雇用です。スタッフが早期退職を繰り返すようならば、雇用に時間がかかり、売上を落としてしまいかねません。スタッフに気持ちよく仕事をしてもらうために、マネジメント能力を身につけておきましょう。
なお独立開業を応援する税理士事務所もあります。このような事務所でノウハウと経験を身につけることが最適です。所長も快くノウハウを提供してくれるでしょう。
独立開業する
ノウハウと経験、そして開業資金が貯まったら、満を持して独立開業しましょう。 独立開業の主な流れは以下のようになります。
・税理士事務所を退職する ・賃貸オフィスを探す(自宅開業も可能) ・パソコンや会計ソフト等の備品を購入する ・どのような方針の事務所にするか決める ・融資を受けて開業する(100%自己資金でも可能)
新規顧客を獲得する
税理士には独占業務が設定されているため、全国の中小企業等にとって欠かせない存在です。
一方で、一定以上運営を継続している中小企業等にはすでに顧問税理士がついており、顧問税理士のいない中小企業等を探すのは難しいでしょう。
スタートアップ企業や顧問税理士の切り替えを検討している中小企業等が、最初のクライアントになるかもしれません。
客単価を上げる
開業当初は新規クライアントに選ばれるために、低い報酬額を設定しているかもしれません。 しかし顧問先が安定してきたならば、市場価格に沿った報酬を再設定するべきでしょう。
また巡回監査に加えて税務コンサルティングを提案する等、新たなサービスを既存クライアントに提案することで、客単価アップを図ります。 すでに信頼関係ができているので新規クライアントをゼロから探すよりも、売上を上げられる可能性が高いためです。
スタッフを雇用する
安定的な売上が立つようになれば、スタッフを雇用して売上アップを狙いましょう。 最初は赤字になるかもしれませんが、売上の高いスタッフを大勢育成できれば、税理士事務所としての大成が待っています。
RPA等の最新技術を活用したとしても、人手がなくては成り立たない業務が沢山あるはずです。 スタッフに仕事を渡して、所長のあなたは売上をさらに上げる事業展開に着手してください。
法人化する
売上も安定し、スタッフも定着してきたならば、法人化を検討しましょう。 法人化することで中小企業等からの信頼が増し、営業しやすくなるかもしれません。 個人事業主よりも節税できるタイミングを見計って法人化することをお忘れなく。
報酬額を3000万円に設定する
法人化の後、あなたの報酬額を年収3,000万円に設定しましょう。 ボーナスなしの場合は月収250万円です。 これで年収3,000万円が現実のものとなります。 年収3,000万円の維持とさらなる年収アップに向けて、今後も仕事に励んでください。
税理士が高収入を得る方法
税理士が年収3,000万円を得るには、独立開業し大成しなければなりません。 税理士資格を入手するだけでも長い年月が必要になるのに、さらに月日とお金をかけて挑戦し続けるのは大変です。
また年収3,000万円でなくてもいいので、もう少し高収入になりたいと希望する人もいるでしょう。 そこで本項では、税理士が今より高収入を得るための方法をいくつか紹介いたします。
大手税理士法人に転職する
税理士事務所や税理士法人における所属税理士の年収は、所属する事務所等によって大きく異なります。 しかし大手税理士法人の方が、小規模事務所よりも平均年収が高く設定されているケースが多いようです。
そのため、勤務先より規模の大きな税理士法人に転職することで、年収を上げられる可能性が高まります。
ただし大手であっても平均年収が高収入でないケースももちろんありますので、転職する前には転職エージェントに相談し、情報を集めることをおすすめします。
顧客の売上や利益に貢献する
担当するクライアント企業の報酬額アップが担当税理士の年収アップにつながる事務所では、クライアントへの貢献が高収入への鍵となります。 担当するクライアント企業の売上向上や節税を実行し、利益を高め、税理士事務所に支払う顧問料を増加させましょう。
増加割合によって担当税理士の年収がアップする可能性があります。 ただし相続専門の事務所のように、単発案件が多い事務所等では上記のような仕組みはないかもしれません。 またチーム制で働く事務所でも、担当税理士という概念がないため、クライアント企業の利益アップは年収アップにはつながらないでしょう。
支店の店長になる
支店を出す計画が事務所内であるならば、その支店長に立候補してみましょう。 支店長は一般の税理士よりも責任が重くなる反面、高額報酬を得やすいためです。
一般企業でも管理職は一般社員より年収が高くなる傾向にあります。同様に、税理士事務所で支店長になれば、今よりも高収入になるかもしれません。 責任感があり新規開拓が苦ではないならば、ぜひ挑戦してください。
税理士が年収3000万円を得られる独立開業のポイント
独立開業して年収3,000万円を狙うならば、税理士事務所として成功しなければなりません。 本項では税理士事務所として成功するためのポイントをかいつまんで紹介いたします。
競合他社が少ない地域を調べる
インターネットが発達し日本全国へのアクセスが簡単になったとはいえ、中小企業や個人事業主は、物理的に近しい場所にある税理士事務所を選びやすいと言えます。 なぜなら、何か起こった時には膝を突きつけて相談できるためです。 オンラインで会話することも可能ですが、直接話し合うことに価値を見出すクライアントも少なくありません。
そのため事務所を開く場所は、クライアントとなる中小企業や個人事業主が密集している地域や、他の税理士事務所が少ない地域にするべきです。 割合的に競合他社が少なければ、パイを奪い合うことのない営業活動が可能です。
しかし企業数が極端に少ない地域は、年収3,000万円を超える売上が立てられないかもしれません。開業予定地を検討する際には、企業数だけでなく、ライバルとなる税理士事務所の数も調べておきましょう。
得意分野を持つ
得意分野があるとクライアントから「○○の際はこの事務所」と認識されるため、新規顧問先の獲得が容易になります。
たとえば税務調査に強いと打ち出せば、税務調査の依頼が中心になるでしょう。相続税に強いと打ち出せば、相続の依頼が舞い込むことになります。 自信があるなら開業時から特化事務所にしても構いません。どの分野で打ち出すか決めかねる場合は、特化ではなく「得意分野」としつつ、依頼には何でも応えるようにしましょう。 いずれ得意分野が見えてくるはずです。
インターネット等で積極的にアピールする
営業が苦手という人もいるでしょうが、何事もこちらからアピールしなければクライアントは掴めません。
税理士会への顔出し、金融機関からの紹介、起業支援センター等でのセミナー登壇、交流会への参加等、営業活動をしっかり行ってください。
インターネットではサイトの作成と更新、SNSでのこまめな発信等が仕事に結びつくこともあります。
クライアント獲得に向けて、積極的に営業しましょう。
開業費用を貯めておく
所属税理士のうちから、開業資金を貯めておきましょう。目標は200万円です。 自宅開業の場合は200万円も必要ないかもしれませんが、それでも会計ソフトの導入や備品購入等で100万円程度は見込んでおきましょう。
開業資金が不足していても、融資を受ければ開業はできるでしょう。しかし最初の仕事をいつ受けられるか分からない状態で借金を背負うのはあまりおすすめできません。 営業力が高い人は融資を受けてでも早めに独立すべきでしょうが、そうでなければ開業費用が貯まってから独立してはいかがでしょうか。
スタッフの育成や還元を疎かにしない
税理士事務所が大きくなってくると、スタッフを雇用することになるでしょう。 スタッフは一定の働きを見せてくれますが、何もしなければそのままです。正確性を高め、こなせる業務量を増やすためには、育成が欠かせません。
スタッフを育成している時間は利益を生まないので煩わしく感じるかもしれませんが、将来は金の卵を産んでくれます。時間の投資と考えて育成しましょう。 また優秀なスタッフには結果に見合う還元を行ってください。特に給与面は重要です。「割りに合わない」と感じると、スタッフは転職してしまいます。 給与や福利厚生での囲い込みは、事務所の売上向上のために必須なのです。
税理士が年収3000万円を実現する方法-まとめ
税理士は立ち回り方次第で年収3,000万円も目指せます。 具体的には独立開業を成功させる必要があるでしょう。 所属税理士であっても、売上を上げ続ければ年収3,000万円に到達するかもしれません。
しかしそれだけの営業力を持っているならば、独立した方が手取りが増える可能性が高いと言えます。 税理士として年収3,000万円を目指すならば、ぜひ本記事を参考に着実なステップアップを目指してください。もしも3,000万円に届かなかったとしても、平均年収以上の収入が得られるかもしれませんよ。
城之内 楊
株式会社ミツカル代表取締役社長