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公開日:2026/02/27
最終更新日:2026/02/27
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国税庁は令和7年12月に、「令和6事務年度 所得税及び消費税調査等の状況」を発表しました。本記事では、この最新の発表データに基づき、所得税・消費税における税務調査の現状や国税庁が重点的に調査しているターゲット、さらに申告漏れが高額な業種ランキングなどの重要なポイントを分かりやすく解説します。
自社の税務対策や、個人の確定申告への備えとしてぜひご活用ください。
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調査全体の状況:AI活用により追徴税額は過去最高を記録
国税庁は、調査対象の選定にAIを活用するなどして、税務調査の効率性アップに取り込んでいます。その結果、「実地調査」と「簡易な接触」を合わせた調査等による所得税の追徴税額は1,431億円にのぼり、過去最高の数値を記録しました。
また、個人事業者の消費税調査に関しても、簡易な接触を活用して幅広く対応した結果、調査等の件数が前年から1.5倍へと大幅に増加しています。原則として納税者宅等へ臨場せず、文書や電話での連絡、あるいは来署依頼による面接を行って申告内容を是正する簡易な接触の手法は、件数および申告漏れ等の非違件数ともに伸びており、国税庁がより広範に網を張って確認を行っている状況がうかがえます。
国税庁が重点的に狙う「4つのターゲット」
国税庁は、特定の分野や対象に対して積極的に調査を行っています。以下の4つのターゲットは、特に厳しく監視されている分野として注意が必要です。
① 富裕層・海外投資を行っている個人
資産運用の多様化や国際化を背景に、有価証券や不動産の大口所有者、海外投資を積極的に行う富裕層への調査が強化されています。富裕層に対する調査における1件当たりの追徴税額は855万円となっており、所得税の実地調査(特別・一般)全体の平均である299万円と比較すると約2.9倍に上ります。さらに、海外投資等を行っている富裕層に絞ると、1件当たりの追徴税額は1,595万円と平均の約5.3倍に達し、非常に高額な結果となっています 。国税庁は国外送金等調書のほか、CRS情報(共通報告基準に基づく非居住者金融口座情報)などを効果的に活用して、綿密な情報収集と積極的な調査を実施しています。
② インターネット取引・暗号資産(仮想通貨)取引
インターネット上のプラットフォームを介した経済活動に対する情報収集と分析も進んでいます。特に暗号資産等の取引を行っている個人への調査では、1件当たりの追徴税額が745万円に達しており、実地調査全体平均の約2.5倍となっています。また、暗号資産にとどまらず、シェアリングビジネスやネット広告(アフィリエイト等)、デジタルコンテンツ、ネット通販、ネットオークションといった新分野の経済活動に対しても、当局は積極的に調査のメスを入れています。
③ 無申告者
適正に納税している人との不公平感をなくすため、国税庁は無申告者に対して実地調査だけでなく「簡易な接触」も活用しながら厳格に対応しています。所得税無申告者に対する実地調査による追徴税額の総額は252億円に上り、過去最高となりました。1件当たりの追徴税額を見ても、所得税で524万円、消費税で296万円となっており、いずれも過去最高額を記録していることから、無申告に対する当局の厳しい姿勢が浮き彫りになっています。
④ 消費税・所得税の不正な還付申告
不正還付はいわば国庫金の詐取ともいえる悪質な行為であるため、国税当局は特に厳格な審査と調査を行っています。消費税の還付申告に対しては、申告内容に疑義がある場合には還付を一旦保留し、実地調査等によって原因の解明・確認を実施しています。また、所得税の不正還付に対しても、AIの活用を進めるなどして的確に把握する取組を行っています。もし悪質な不正還付申告書が提出され、詐欺罪等に該当すると判断された場合には、告訴等を行うなど捜査当局との連携も強化されています。
【参考】1件当たりの申告漏れ所得金額が高額な上位10業種
国税庁の資料では、事業所得を有する個人のうち、1件当たりの申告漏れ所得金額が高額な業種のランキングも公表されています。
| 順位 | 業種 | 1件当たりの申告漏れ所得金額 |
| 1 | キャバクラ | 4,164万円 |
| 2 | 眼科医 | 3,894万円 |
| 3 | ホステス、ホスト | 2,968万円 |
| 4 | 経営コンサルタント | 2,734万円 |
| 5 | 太陽光発電 | 2,142万円 |
| 6 | バー | 1,968万円 |
| 7 | コンテンツ配信 | 1,936万円 |
| 8 | ブリーダー | 1,876万円 |
| 9 | スナック | 1,873万円 |
| 10 | システムエンジニア | 1,631万円 |
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AI調査で追徴税額が過去最高に!所得税・消費税の最新税務調査動向 -まとめ
今回の発表結果から、国税庁がAIや各国の金融機関情報(CRS情報)を駆使し、効率的かつ厳格に税務調査を行っている実態がはっきりと見えてきます。特に、「富裕層・海外投資」「暗号資産」「無申告者」に対する追徴課税額は過去最高水準に達しており、当局の監視の目がますます厳しくなっていることが伺えます。
申告内容や節税対策に少しでも不安がある方は、日々の適正な記帳を徹底するとともに、本格的な税務調査が入る前に、早めに税理士などの専門家へご相談されることをおすすめします。
加藤慧大
株式会社ミツカルプロフェッショナル 代表取締役社長









