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公開日:2026/02/27
最終更新日:2026/02/27
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国税庁は令和7年12月に、法人税に関する「申告事績」および「調査事績」の概要を発表しました。
最新のデータからは、企業業績の回復を背景に法人税の申告額が過去最高を記録している一方で、AIやデータ分析を活用した税務調査の高度化により、追徴税額も直近10年で最高水準に達している実態が明らかになっています。
本記事では、好調な決算の裏で進む国税庁の調査強化ポイントについて、最新数値を交えて解説します。
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【申告事績の動向】法人の申告所得・税額ともに過去最高を更新
令和6年度の法人税申告事績を見ると、企業全体の業績トレンドは非常に好調に推移しています。法人の申告所得金額の総額は102兆3,381億円(前年度比104.1%)、申告税額の総額は18兆7,139億円(同107.6%)となり、いずれも5年連続の増加で過去最高を記録しました。
また、黒字申告割合(全申告法人のうち黒字で申告した法人の割合)も36.5%となり、前年から0.5ポイント上昇しています。多くの企業が利益を確保している現状において、国税庁は申告内容の適正性についてこれまで以上に注視しており、経理処理や税務判断の正確性がより一層求められる状況となっています。
【税務調査事績の動向】AI活用により追徴税額は直近10年で最高水準に
好調な決算動向と比例するように、税務調査による追徴税額も増加しています。令和6事務年度における法人税・消費税の実地調査による追徴税額の総額は3,407億円となり、直近10年で最高値となりました。
注目すべきは調査の「効率化」です。実地調査の件数自体は5万4千件と前年比で減少(92.6%)しているにもかかわらず、1件当たりの追徴税額は634万円(前年比115.4%)へと大幅に増加しています。これは、国税庁がAIによるデータ分析や予測モデルを活用し、大口事案や調査必要度の高い法人を的確に抽出している結果だと言えます。
さらに、実地調査に至らないケースであっても、書面照会や電話連絡等を通じて申告内容の見直しを促す「簡易な接触」が8万5千件(前年比113.4%)実施されています。デジタル技術の活用により、広範囲かつ網羅的な申告内容のチェック体制が構築されています。
適正申告に向けて注視すべき「3つの重点課題」
国税庁は、適正・公平な課税を実現するため、特に以下の3分野を重点課題として位置づけ、厳正な調査を実施しています。
① 消費税還付申告法人への厳格な対応
輸出免税制度などを利用した消費税の還付申告に対しては、非常に厳しい審査が行われています。当事務年度では、消費税還付申告法人に対する調査により総額299億円の消費税が追徴されました。通関業者からの情報提供を端緒として、輸出貨物の実態(書類上の高級品が実際は模造品であった等)を把握し、架空仕入れによる不正還付を摘発した事例も報告されており、関係機関との情報連携が強化されています。
② 海外取引法人等における租税回避の防止
企業のグローバル化に伴い、海外取引や各国の税制の違いを利用した租税回避への監視も強まっています。海外取引に係る申告漏れ所得として2,096億円が把握されているほか、源泉徴収漏れも72億円追徴されています。外国税務当局への情報交換要請を積極的に活用し、海外での売上除外や、外国法人への役務提供対価(立替払いを含む)に係る源泉徴収漏れを的確に把握する体制が整っています。
③ 稼働無申告法人の実態解明
申告義務があるにもかかわらず意図的に申告を行わない無申告法人に対しては、総額355億円(法人税・消費税合計)が追徴されました。再三の行政指導を無視する法人であっても、国税庁は預金口座の動き(銀行調査)やSNSの更新状況など、あらゆる機会を通じて稼働実態を把握し、実地調査へと移行させています。
【参考】不正発見割合が高い業種ランキング
参考として、法人税の実地調査において「不正発見割合(調査件数のうち不正計算があった件数の割合)」が高い業種の上位5つをご紹介します。現金取引が多い業種が上位を占める傾向は続いており、該当する業種では特に厳密な売上・経費管理が求められます。
▼ 不正発見割合の高い業種(法人税)| 順位 | 業種目 | 不正発見割合 |
|---|---|---|
| 1 | バー・クラブ | 62.3% |
| 2 | その他の飲食 | 45.2% |
| 3 | 外国料理 | 40.2% |
| 4 | 美容 | 34.5% |
| 5 | 大衆酒場、小料理 | 34.4% |
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まとめ
国税庁の最新データから、AIや情報交換制度を駆使した税務調査がかつてないほど高度化・精緻化していることが分かります。
過去最高の申告所得水準にある昨今、税務担当者には「意図的な不正を行わない」ことはもちろんのこと、「税制の解釈違いやケアレスミスによる申告漏れ」を防ぐための高度なコンプライアンス意識が求められます。税務リスクを低減するためにも、日々の正確な経理処理の徹底と、税理士等の専門家を交えた定期的な税務ガバナンスの点検をおすすめします。
加藤慧大
株式会社ミツカルプロフェッショナル 代表取締役社長









