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簿記1級の難易度|勉強時間の目安や合格率、勉強のポイントを紹介

公開日:2026/02/20

最終更新日:2026/02/20

簿記1級の難易度|勉強時間の目安や合格率、勉強のポイントを紹介

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日商簿記検定1級(以下「簿記1級」)は経営管理や経営分析を行うために求められるレベルとされています。公認会計士、税理士などの国家資格への登竜門と呼べる資格で、難易度が非常に高いです。

簿記1級の難易度を突破するためには、試験についての理解を深め、勉強のポイントを押さえることが大切です。今回は簿記1級の難易度や勉強のポイントについて詳しく解説します。

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簿記1級の難易度を2つの指標から考える

一口に資格の難易度といっても、基準とする指標や比較対象によって難易度の見え方が変わります。今回は難易度を測る指標として「合格率」と「勉強時間の目安」の2つを、比較対象として以下の資格を用います。

・日商簿記検定3級
・日商簿記検定2級
・全経簿記検定上級
・税理士試験
・公認会計士試験

簿記1級の合格率

直近5回分の簿記1級の合格率は以下の通りです。

開催回 合格率
171回(2025年11月) 15.2%
170回(2025年6月) 14.0%
168回(2024年11月) 15.1%
167回(2024年6月) 10.5%
165回(2023年11月) 16.8%

出典:1級受験者データ(統一試験)|商工会議所の検定試験

簿記1級の合格率は10~17%程度といえるでしょう。
続いて、今回比較対象とした資格試験の合格率を紹介します。

資格 合格率
日商簿記検定3級 統一試験:28~43%
ネット試験:37~41%
日商簿記検定2級 統一試験:15~29%
ネット試験:35~38%
全経簿記検定上級 13~15%
税理士試験 15~20%
(簿記論:20%前後)
公認会計士試験(最終合格率) 7~10%

簿記2級までと簿記1級では、同じ日商簿記でも合格率に大きな差があることがわかります。

全経簿記検定上級および税理士試験の簿記論は簿記1級と出題内容やレベルが似ているため、比較されることが多い資格です。全経簿記検定上級の合格率は13~15%で、簿記1級とあまり変わりません。簿記論の合格率は20%前後で、簿記1級よりやや高めです。

簿記1級合格に必要な勉強時間の目安

続いて勉強時間の目安です。簿記1級および比較対象として取り上げた資格それぞれの勉強時間の目安を紹介します。

資格 勉強時間の目安
日商簿記検定3級 80~150時間
日商簿記検定2級 簿記初学者:300~500時間
簿記3級の知識がある:150~250時間
日商簿記検定1級 700~1,000時間
全経簿記検定上級 500~700時間
税理士試験 簿記論・財務諸表論:400~600時間
法人税法・所得税法・相続税法:500~700時間
消費税法:200~300時間
その他:150~250時間
合計:3,000時間程度
公認会計士試験 短答式試験:1,000~1,500時間
論文式試験:1,500~2,000時間

まず、簿記1級の勉強時間の目安は700~1,000時間程度です。ただし、簿記1級は2級までの知識が身についていることが前提となります。簿記2級を取得していない場合は、さらに多くの勉強時間を要します

全経簿記検定上級の勉強時間の目安は500~700時間と、簿記1級よりは少なめです。ただし全経簿記の上級も日商簿記2級相当の知識が前提となります。

税理士試験の11科目のうち、簿記1級の内容に最も近いのは簿記論です。簿記論の勉強時間の目安は400~600時間と、簿記1級よりは少なめといわれています。

簿記論と簿記1級で勉強時間が異なる理由として、出題範囲の違いが挙げられます。

簿記1級は高度な工業簿記および原価計算が出題されるのに対し、簿記論の工業簿記の比重は小さめです。また、簿記論では原価計算は出題されません。簿記論の方が出題範囲が狭いために、勉強時間の目安も短いと考えられます。 ただし、税理士試験は5科目合格で試験合格者と認められる仕組みです。5科目合格までに必要な勉強時間の目安は3,000時間と、簿記1級の勉強時間を大きく上回ります。

簿記1級の難易度を突破するための勉強のポイント

簿記1級は合格率の低さや必要な勉強時間の長さから、非常に難易度が高い資格と判断できます。このような高難易度を突破するためにはやみくもに勉強をするのではなく、ポイントをしっかり押さえることが大切です。今回は簿記1級の難易度を突破するための勉強のポイントを4つ紹介します。

最初に大まかでも勉強のスケジュールを立てる

試験に向けた本格的な勉強を始めるよりも前に、大まかでも良いので勉強のスケジュールを立てましょう。最初に計画を立てるべき理由として以下の3つが挙げられます。

・出題範囲が広いため、計画的に勉強をしなければ取りこぼしが起きる恐れがある

・数ヵ月~1年といった長期間の勉強を要するため、ライフイベントや仕事との兼ね合い等により勉強できない時期についても事前に把握し対策を考える必要がある

・「基礎作り(インプット)を優先」「アウトプットや苦手対策」「直前対策」それぞれの期間をしっかり設ける必要がある

なお、突発的な用事や体調不良等の理由から、最初に決めたスケジュールとズレてしまうことも珍しくありません。スケジュールのズレを無理なく調整できるよう、ある程度余裕のあるスケジュールに設定することをおすすめします。

スキマ時間を活用して勉強時間を確保する

簿記1級の勉強におけるポイントとして、スキマ時間を活用して勉強時間を確保することが挙げられます。

簿記1級は出題範囲が広く、一周するだけでも数ヵ月といった長い期間が必要です。まとまった時間のみを勉強時間に充てるやり方では、出題範囲を一周するのに半年を超える期間を要する可能性もあるでしょう。

簿記1級の勉強時間の目安は700~1,000時間程度と紹介しました。人によって多少は変動するものの、いずれにせよ膨大な勉強時間を要する事実には変わりありません。なるべく多くの勉強時間を確保するため、スキマ時間も無駄なく活用することが理想です。

頻出論点を優先する

簿記1級の合格基準は総合得点の70%以上かつ1科目ごとの得点40%以上と明確に定められています。しかし合格率は10~17%程度と、回による大きな変動はありません。

したがって簿記1級は受験者のうち上位10~17%が合格になる相対評価の試験と考えられます。

相対評価の試験では正答率の高い問題が配点箇所になる可能性が高いです。言い換えると、頻出論点の問題に答えられなければ点数が伸びず、上位10~17%に入るのが難しいと考えられます。

以上の理由から簿記1級の出題範囲のうち、最も重要といえるのは頻出論点です。頻出論点の勉強を優先し、確実に点数をとれるまで仕上げるのが理想です。

苦手を放置しない

簿記1級は出題範囲が広く様々な論点を扱うため、中には苦手と感じる論点が存在することもあるでしょう。しかし前述のように、簿記1級は実質的には相対評価の試験です。苦手論点があるほど点数を落とすリスク、すなわち他の受験者と差がついてしまうリスクが高くなります。

苦手論点は点が伸びない原因となり得る要素です。合格の可能性を少しでも高めるためには苦手を放置せず、どのような問題も解けるような状態まで仕上げるべきといえます。

なお、4科目のうち工業簿記や原価計算を苦手とする人が多いようです。実際「出題の意図・講評」では、工業簿記や原価計算について「正答率が予想以上に低い」「できている人とできていない人の差が大きい」という文が見受けられます。

しかし、簿記1級の合格基準は全体で70%以上かつ1科目ごとの得点が40%以上です。仮に3科目で全体の70%以上に達する点数をとれていても、残りの1科目の得点が40%未満の場合は不合格となります。もし苦手と感じる科目があれば、その科目の勉強を最優先にしましょう。

簿記1級の難易度に関するよくある質問

最後に、簿記1級の難易度に関するよくある質問を2つ紹介します。

簿記1級と税理士試験の簿記論はどちらの方が難易度が高い?

まず、簿記1級と税理士試験の簿記論それぞれの合格率および勉強時間の目安を改めて紹介します。

簿記1級 税理士試験簿記論
合格率 10~17% 20%前後
勉強時間の目安 700~1,000時間 400~600時間

一見すると簿記1級の方が難易度が高く感じるでしょう。しかし、合格率や勉強時間の単純な比較だけでは、どちらの方が難易度が高いか判断できません

前述のように簿記1級は高度な工業簿記や原価計算が出題されるのに対し、簿記論では工業簿記の比重は小さく、原価計算は出題されません。出題範囲の違いが勉強時間の違いに反映されている可能性が高いのは事実です。

しかし、商業簿記は簿記論の方が難易度が高いといわれています。また、簿記論はボリュームが大きく制限時間内に全問解くことがほぼ不可能なため、解ける問題・解くべき問題を瞬時に見極める力が必要です。

以上の理由から、工業簿記や原価計算が苦手な人は簿記1級の方が難易度が高いと感じるでしょう。反対に工業簿記や原価計算が得意な場合、高度な商業簿記が大部分を占める簿記論を難しいと感じるかもしれません

簿記1級と全経簿記検定上級ではどちらの方が難易度が高い?

簿記1級(日商簿記検定1級)と全経簿記検定上級は、出題範囲やレベルに大きな違いはありません。しかし両者を比較すると、全経簿記検定上級よりも簿記1級の方が合格の難易度は高いといわれています。

簿記1級の方が難易度が高いといわれる理由として以下の3つが挙げられます。

・全経簿記は比較的素直な問題が多いのに対し、日商簿記は変わった問題や「何を問われているのか」自体の判断が難しい問題もみられる

・全経簿記は1つの論点を複数の問題に分けたものや記述問題が多いため部分点がとりやすいが、日商簿記は部分点をとりにくい出題傾向にある

・全経簿記は経理専門学校に通う学生が受ける傾向にあるが、簿記1級は公認会計士や税理士を目指す人も多く、受験者自体のレベルが高い

全経簿記検定上級も決して簡単ではなく、難易度が高いのは事実です。しかし全経簿記検定上級と簿記1級を比べると、簿記1級の方が難易度が高いといえるでしょう。

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簿記1級の難易度‐まとめ

簿記1級の合格率は10~17%、勉強時間の目安は700~1,000時間程度です。合格率の低さや求められる勉強時間の多さから、簿記1級の難易度の高さを伺えます。

難易度の高い資格試験に挑戦する際はポイントを押さえた勉強をすることが大切です。特に簿記1級は実質的には相対評価の試験であるため、「上位10~17%に入れるような勉強方法」が求められます。

今回紹介した内容を押さえながら勉強を進め、簿記1級の難易度に突破できるだけの力を身につけましょう。 簿記1級の合格率

執筆 ・ 監修

加藤慧大

株式会社ミツカルプロフェッショナル 代表取締役社長

株式会社ミツカルプロフェッショナル代表取締役社長。 税理士・社労士事務所に特化した人材紹介およびコンサルティング事業を展開。月間2,000名以上の税務・労務担当者の登録、年間300件以上の事務所人事相談の実績を持り、年200%以上の成長を継続中。