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USCPAの難易度|合格率や必要な勉強時間の目安、注意点を解説

公開日:2026/03/27

最終更新日:2026/03/27

USCPAの難易度

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USCPA(米国公認会計士)はアメリカの各州が認定する公認会計士資格ですが、日本でも受験可能です。近年はグローバル化の進展により、日本でもUSCPAの需要が高まりつつあります。

USCPAは日本の公認会計士試験に比べると難易度が低いといわれていますが、簡単なわけではありません。また試験の仕組み上、どの州に出願するかによって受験自体の難易度が変わる点にも注意が必要です。

今回はUSCPA試験の難易度や出願時の注意点について解説します。

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前提|USCPA試験の科目

USCPA資格を取得するには、必須科目3科目と選択必須1科目の合計4科目に合格する必要があります

必須科目は以下の3つです。

科目名 主な内容
AUD(監査・諸手続き) 監査手続、監査証明、レビュー業務、職業倫理など
FAR(財務会計) 企業会計、政府会計、非営利組織会計など
REG(税法・ビジネス法) 連邦税法、ビジネス法など

選択科目は以下の3つで、好きな科目1つを選べます。
科目名 主な内容
BAR(ビジネス分析と報告) 財務分析、管理会計、データ分析、企業価値評価など
ISC(情報システム) IT、セキュリティ、内部統制、データガバナンスなど
TCP(税務実務) タックスプランニング、連結納税、国際税務、税務研究など

必須科目では会計・税務業務に必要となる前提知識が、必須科目ではより実務的な内容が問われるイメージです。

USCPAの難易度|合格率と勉強時間の目安から考える

USCPAの各科目の合格率と勉強時間の目安から、USCPA試験の難易度について考えます。

USCPAの合格率

AICPA&CIMA(※)の公式サイトによると、2025年に実施された試験における各科目の合格率は以下の通りでした。

※AICPA&CIMA:米国公認会計士協会(AICPA)と勅許管理会計士協会(CIMA)の統合によって設立された組織。USCPA試験の作成や採点はAICPAが行なっている。

科目名 Q1 Q2 Q3 Q4
AUD(監査・諸手続き) 44.30% 49.05% 50.03% 48.78% 48.21%
FAR(財務会計) 41.67% 43.52% 43.07% 40.20% 42.12%
REG(税法・ビジネス法) 62.03% 63.58% 66.05% 60.73% 63.12%
BAR(ビジネス分析と報告) 37.64% 47.26% 39.46% 39.71% 41.94%
ISC(情報システム) 61.23% 71.96% 66.91% 66.75% 67.79%
TCP(税務実務) 74.94% 80.63% 76.68% 76.72% 77.65%

引用:Learn more about CPA Exam scoring and pass rates | Resources | AICPA & CIMA

最も合格率が低いのはBAR(ビジネス分析と報告)、最も合格率が高いのはTCP(税務実務)です。どちらも選択科目という点から、どの科目を選ぶかによって難易度の感じ方に大きな違いが生まれると推測できます

続いて比較対象として、日本の会計・税務関連の主な資格の合格率を紹介します。
資格 合格率
日商簿記検定3級 統一試験:28~43%
ネット試験:37~41%
日商簿記検定2級 統一試験:15~29%
ネット試験:35~38%
日商簿記検定1級 10~17%
(1級は統一試験のみ)
税理士試験 各科目15~20%
公認会計士試験 短答式試験:15~20%
論文式試験:40%前後
最終合格率:7~10%

最も比較しやすいのは公認会計士試験でしょう。

日本の公認会計士試験は短答式試験と論文式試験から構成されています。短答式試験の合格率は15~20%、論文式試験の合格率は40%前後、最終合格率は7~10%とかなり低い数値です。

合格率だけで単純に比較すると、日本の公認会計士試験よりもUSCPA試験の方が合格率は低いです。

USCPAの合格に必要な勉強時間の目安

続いてUSCPAの合格に必要な勉強時間の目安を紹介します。

科目ごとの勉強時間の目安は以下の通りです。

科目名 勉強時間の目安
AUD(監査・諸手続き) 250〜400時間
FAR(財務会計) 300~400時間
REG(税法・ビジネス法) 300~400時間
選択科目 200~300時間
合計 800~1,500時間

上記はあくまでも一例であり、実際の勉強時間は会計知識の有無や英語力によって大きく左右されます。また、米国会計業務に基づく実務や国際税務の経験がある人の方が必要な勉強時間は少ない傾向です。

比較対象として、前節でも挙げた日本の会計・税務関連資格の勉強時間の目安を紹介します。
資格 勉強時間の目安
日商簿記検定3級 80~150時間
日商簿記検定2級 簿記初学者:300~500時間
簿記3級の知識がある:150~250時間
日商簿記検定1級 700~1,000時間
簿記2級までの知識を有することが前提
税理士試験 簿記論・財務諸表論:400~600時間
法人税法・所得税法・相続税法:500~700時間
消費税法:200~300時間
その他:150~250時間
合計3,000時間程度
公認会計士試験 短答式試験:1,000~1,500時間
論文式試験:1,500~2,000時間
合計3,000~4,000時間程度

USCPAの勉強時間の目安は合計800~1,500時間、日本の公認会計士試験は合計3,000~4,000時間程度です。必要な勉強時間の目安で比較すると、USCPAの方が難易度が低く、勉強量が少なく済むと推測できます

結論|USCPAは難易度が高めだが最難関というほどではない

合格率と必要な勉強時間の目安から考えると、USCPAは難易度が高い試験ではあるものの、最難関というほどではないと結論を出せます

USCPAの合格率は科目によって大きく異なりますが、必須科目であるAUDとFAR、選択科目の1つであるBARは40%台です。40%台は決して合格率が高いとはいえず、難しい試験であることは事実といえるでしょう。

ただし、最難関と呼ばれる日本の公認会計士試験の最終合格率は7~10%程度です。また、USCPA試験の合格に必要な勉強時間の目安は、簿記検定よりは多く、税理士試験・公認会計士試験よりは少ないという結果でした。

以上のように単純に合格率や勉強時間の目安だけで考えれば、USCPA試験の難易度は極端に高いわけではないといえるでしょう。

USCPA試験の難易度は英語力や前提知識の有無によって左右される

前節で「単純に合格率や勉強時間の目安だけで考えれば」という表現を用いたのは、USCPA試験の難易度は英語力や前提知識の有無によって左右されるためです。

USCPA試験はすべて英語で出題されるため、試験を解くためにはある程度の英語力が必要です。そのため英語話者以外の人は、試験そのものの勉強だけでなく、英語の勉強をする必要もあります

また、USCPA試験で出題されるのは米国で採用されている会計基準や税法等に則った内容です。米国の会計・税務に触れたことがない場合は前提知識がないため、土台作りだけでも膨大な時間を要する可能性があります

以上の理由から、AICPA&CIMAが公開するUSCPA試験の合格率や、勉強時間の大まかな目安だけでは難易度の判断ができません。英語以外の言語を使い、米国の会計基準や税法に馴染みのない人の場合、米国の受験生よりも難易度が高く感じやすいと考えられます。

【注意】USCPAは州によって受験自体の難易度が異なる

USCPA試験の難易度は英語力や前提知識の有無だけでなく、受験する州によっても変わります。厳密には試験問題の難易度ではなく、受験自体の難易度が変わるイメージです。

USCPAは州によって受験資格やライセンス取得要件が異なる

USCPA試験は全米統一試験のため試験の内容自体はどの州で受験しても同じです。資格自体の価値にも違いはありません。

ただし、USCPAの認定を行うのは米国の各州です。そして受験資格やライセンス取得要件は州によって異なるため、ある州の要件は満たしているものの、別の州の要件を満たしていないという事態が起こり得ます

たとえ十分に勉強をして合格できるだけの知識を身につけても、受験資格やライセンス取得要件を満たしていなければUSCPA資格を得られません。確実に受験・ライセンス取得ができるよう、出願する州を慎重に選びましょう

USCPA試験を受験する州の選び方

USCPA試験を受験する州は以下3つのステップで選ぶのがおすすめです。

ステップ 内容 参考
1.学歴要件を満たす州を選ぶ 州によって学位の必要性が異なるため、学歴要件を満たす州を選ぶ 【学位が必要】
アラスカ州、ワシントン州、グアム州など(グアム州は総取得単位120単位以上でも可)

【学位不要】
・ニューヨーク州(在学中でも受験可能)
・モンタナ州(学歴要件なし)
2.単位要件を満たす州を選ぶ 総単位、会計単位、ビジネス単位等の要件が設定されているため、単位要件を満たす州を選ぶ ・アラスカ州:会計15単位
・ニューヨーク州:総取得単位120かつ一定の指定科目を取得
・モンタナ州:一定の要件を満たす会計24単位およびビジネス24単位
・ワシントン州:総取得単位120、一定の要件を満たす会計24単位およびビジネス24単位
・グアム州:一定の要件を満たす会計24単位およびビジネス24単位
3.ライセンス取得をしたい場合は、取得要件を満たせる州を選ぶ
(試験合格のみを目指す場合は不要)
「USCPAの下での会計実務経験」「監査法人での実務経験」「総取得単位〇以上」等、ライセンス取得要件も州によって大きく異なるため要確認 日本からの受験でライセンスを取得しやすい州は「ワシントン州」と「グアム州」の2つ
(要件が細かいため今回は割愛します)

USCPA資格の取得のみを目指す場合は、受験資格を満たしやすい州を選ぶのが良いでしょう。転職市場でのアピールや日本国内でのキャリアアップ等が目的であれば、資格取得のみで問題ない可能性が高いです。

一方で、USCPAとして働きたいと考える場合は、ライセンス取得をしやすい州を選ぶのがおすすめです。

自分に合う出願州を選ぶためには、USCPA資格を取得する目的を明確にする必要があります

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USCPAの難易度‐まとめ

USCPA試験の合格率は科目によって大きく異なり、合格率が高い科目は70%台、低い科目は40%台です。また、必要な勉強時間の目安は合計で800~1,500時間程度といわれています。

日本の公認会計士試験の最終合格率は7~10%程度、必要な勉強時間の合計は3,000~4,000時間程度です。合格率や勉強時間の目安を単純に比較すると、USCPA試験より日本の公認会計士試験の方が難易度が高いといえます。USCPA試験も難易度が低いとはいえないものの、最難関というほどではないと考えられます。

ただし、USCPA試験の難易度は英語力や前提となる会計知識の有無によって変わるため、高い・低いと一概にはいえません。英語力がある人や米国の会計知識を持つ人であれば、それほど難しくは感じないでしょう。一方でこれから英語の勉強をする人や、会計・税務の前提知識がない人にとっては、非常に難易度が高い試験にもなり得ます。

合格率や勉強時間の目安などはあくまでも指標の1つです。自分のもつ知識や実務経験等によって、難易度は大きく変動する可能性があると押さえましょう。

執筆 ・ 監修

加藤慧大

株式会社ミツカルプロフェッショナル 代表取締役社長

株式会社ミツカルプロフェッショナル代表取締役社長。 税理士・社労士事務所に特化した人材紹介およびコンサルティング事業を展開。月間2,000名以上の税務・労務担当者の登録、年間300件以上の事務所人事相談の実績を持り、年200%以上の成長を継続中。