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FASとは?仕事内容や求められるスキル、向いている人の特徴を紹介

公開日:2026/05/09

最終更新日:2026/05/09

FASとは?

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FASとは財務領域に特化したコンサルティングファームおよびコンサルティングサービスの呼称です。M&A業務や企業・事業再生サポート、不正調査などの専門的な業務を行います。

FASは専門的なサービスを提供するという性質上、求められるレベルも高く、様々なスキルが必要です。向き不向きが大きい仕事でもあるため、自分にとってFASが適した転職先であるか十分に検討すべきといえます。

今回はFASについて詳しく解説します。

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FASとは?基本事項・似た用語との違い編

FAS(Financial Advisory Service)とは財務の専門知識を活かして高度なアドバイスやサービスを提供する人や企業、およびサービス自体の呼称です。財務領域に特化したコンサルティングファームおよびコンサルティングサービスの呼称とも表現できます。

FASの特徴

FASの特徴として以下の3つが挙げられます。

1.財務領域の中でも特に専門性の高い分野に特化している
2.締切が厳格かつ短期間にこなすべき業務量が多いため、忙しい時期が長く残業も発生しやすい
3.求められるレベルが高い・責任が重い・業務量が多い等の理由から、高年収が期待できる

FASは求められる水準が非常に高く業務量も膨大ですが、その分高年収が期待でき、大きく成長し続けられる環境ともいえるでしょう。

FASと会計事務所の違い

会計事務所は会計・税務に関するサービスを提供する事務所等の総称です。基本的には、税理士が運営する税理士事務所や税理士法人等を会計事務所と表現します。

FASと会計事務所の主な違いは2つあります。

1つ目は扱う業務領域です。FASは財務、会計事務所は会計・税務をメインに扱います。財務と会計・税務は関連性があるものの、求められる専門知識は大きく異なります。

もう1つの違いは仕事内容です。扱う業務領域が異なる以上、仕事内容にも違いがみられます。

会計事務所の主な仕事内容は以下の通りです。

・税務関連(税務相談、税務代理、税務書類の作成)
・記帳代行
・年末調整
・起業・会社設立支援
・経営コンサルティング
・税務署や都道府県税事務所に提出する書類作成
・その他税務・会計関連のサービス全般

会計事務所はクライアントを会計・税務の面でサポートする役割を担います。すでに発生している課題の解決というよりは、課題が発生しないように業務代行やアドバイスを行うというイメージです。

FASとM&Aコンサルティングファームの違い

M&Aコンサルティングファームは、名前の通りM&Aに特化したコンサルティングファームです。M&Aの戦略立案から財務DD、相手企業との交渉支援まで幅広くサポートします。また、M&A後の統合業務であるPMIもM&Aコンサルティングファームの対応範囲です。

FASとM&Aコンサルティングファームの違いは業務範囲です。前述のように、FASは財務領域の高度な業務を行うのに対し、M&AコンサルティングファームはM&A関連の業務全体を対象とします。

なお、FASでもM&A関連業務は行います。ただし、M&A業務全体ではなく一部に特化しているFASも多いです。

FASとは?仕事内容編

続いてFASの仕事内容について解説します。

M&A関連業務

FASの主な仕事内容としてM&A関連業務が挙げられます。具体的な仕事内容の例は以下の通りです。

・M&A戦略立案支援
・取引対象となる企業の財務DD(デューデリジェンス)
・M&Aにかかる資金調達のアドバイスやサポート
・候補企業との交渉支援
・バリュエーション(企業価値評価)
・PMI(M&A終了後の統合プロセス)のサポート

M&A業務は多岐にわたるため、上記の全てではなく一部の業務のみを受けるケースも多くみられます。太字の業務は財務の専門知識が必要であるため、多くのFASが対応しています。

企業・事業再生サポート

企業・事業再生サポートとは、経営状況が悪化した企業・事業の立て直しを支援することです。具体的な仕事内容として以下が挙げられます。

・業績不振や資金繰り悪化の原因究明
・企業・事業再生計画の策定および実行支援
・金融機関との融資交渉の支援
・債務整理スキームの検討支援

企業・事業再生を実現するには、単純に財務面を改善するだけでは不十分です。ビジネスモデルの抜本的な見直しや管理体制の整備なども行う必要があります。

企業・事業再生サポートとして、財務関連の業務のみを行うか、総合的なサポートを提供するかはFASによって異なります

フォレンジック(不正調査)

フォレンジックとは企業の不正や不祥事を予防・対処のために行う業務です。フォレンジックはあらゆる分野を対象としますが、FASは財務領域を専門とするため、会計面での不正調査が中心となります。

フォレンジックに関する仕事内容として以下の例が挙げられます。

・不正や不祥事の調査、報告
・不正防止体制の構築支援
・不正リスクマネジメント
・関係者への聞き取り調査や相談対応、アドバイス
・内部統制上の問題点の究明

フォレンジックでは財務知識だけでなく、高度な分析能力や調査スキル、コミュニケーション能力なども必要です。

FASとは?仕事に必要なスキル編

続いて、FASで働く上で必要なスキルについて解説します。

会計・財務の専門知識や実務経験

大前提となるのは会計・財務の専門知識や実務経験です。FASでは財務領域の高度なサービスを提供するため、会計・財務の高度な知識や経験を持つ人でなければ転職は難しいでしょう。

実際、FASで未経験歓迎の求人は少ないのが事実です。一般企業の財務部門やコンサルティング等の実務経験を必須要件とする求人が多くみられます。

コミュニケーション能力

FASに限らず、コンサルティング業務を行うにはコミュニケーション能力も必要です。

FASの主な仕事は、財務領域における課題解決やサポートです。そして、クライアントの課題を正確に把握するためには、ヒアリングによって現状や気になる点などを聞き出す必要があります。クライアントの本音をはじめ、必要な情報をヒアリングで全て得るためには高いコミュニケーション能力が必要です。

他にも、FASの業務では多くの人と関わる場面が存在します。FASで仕事をスムーズに進めるためには、コミュニケーション能力が必須といえます。

調査能力・分析力

前章でFASの仕事内容を紹介しましたが、いずれの業務でも調査や分析が必要です。期日までに調査を終えるスピード感や、調査結果を分析し結論を出す能力、財務分析の知識等が求められます。

また、FASでは膨大なデータを扱うため、調査や分析にITツールを使うのが一般的です。そのためある程度のITスキルも必要とされます。

FASとは?向いている人の特徴編

最後に、FASに向いている人の特徴として3つの例を紹介します。

プレッシャーに強い人

プレッシャーに強い人はFASに向いている可能性が高いです。

FASに限らず、コンサルティング業務は専門知識を活かしてクライアントの課題解決をサポートすることを目的とします。すなわち、クライアントの課題解決につながるような提案や施策の実行が必要です。

コンサルタントの判断に誤りがあれば、計画通りに施策を進めてもクライアントの課題が解決されない事態も起こり得ます。ただ成果が出ないだけではなく、かえって損失を発生させる恐れや、経営状況のさらなる悪化を招く恐れもゼロではありません。

特にFASは財務領域の高度な業務を行うという性質上、数百万円〜数千万円のお金が動くケースも多くみられます。コンサルタントの判断1つにより、大きな利益を生み出す可能性も、多額の損失を発生させる恐れも有り得るのです。

FASのコンサルタントは責任が重く、プレッシャーを感じやすいです。プレッシャーに弱い人では精神面での負担が重く、業務を冷静には進められない恐れがあります。反対にプレッシャーに強い人であれば、プレッシャーに負けずに業務を進められる可能性や、責任の重さをやりがいと感じられる可能性が高いでしょう。

以上の理由から、FASはプレッシャーに強い人に向いていると考えられます。

成長志向が強い人

成長志向が強い人もFASに向いているといえます。

前述のように、FASは求められるレベルの高さから未経験者歓迎の求人が少ないです。言い換えると、FASに入社できる人は、すでに財務や会計の高度な専門知識を有している可能性が高いです。

しかし、FASで扱う案件は専門性が高い上に求められる知識の範囲が広いです。例えば企業・事業再生サポートでは、クライアントの業界・業種に関する知識や経営のセンスも求められます。効率的な不正調査のためには、不正の事例や不正が起こりやすい項目の例、内部統制に関する知識なども有しているのが理想です。

また、昨今は取り巻く環境が複雑なために物事の不確実性が高く、将来の予測が難しい「VUCAの時代」といわれています。過去に効果的であった手法が通用しない場面や、常識と考えられていたものが古い価値観とされる場面も珍しくありません。このように変化が激しい時代では、常に情報収集を行い、考えをアップデートし続ける姿勢が求められます。

FASの仕事では必要な知識が多岐にわたる上、最新の情報を活用するべき場面も多く存在します。すなわち、仕事のために勉強し続ける必要があるのです。

以上の理由から、FASは勉強を続けることが苦ではない人や、成長のために積極的に勉強をしたいと考える人に向いているといえます。

プロフェッショナルな仕事をしたい人

FASは財務のプロフェッショナルという役割を求められます。クライアントや仲間からの期待をプレッシャーと感じてしまう人や、責任のある仕事は嫌だと感じる人にとって、FASの仕事は負担が重いかもしれません。

反対に、プロフェッショナルな仕事をしたいと考える人にとって、FASは理想的な環境といえる可能性があります。大変さを感じる場面も多いものの、責任感とやりがいの両方を得ることができ、充実した働き方ができるでしょう。

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FASとは‐まとめ

FASでは財務領域の専門的なアドバイスやサポートを提供します。扱う業務の性質上、財務や会計の高度な専門知識は必須です。他にも幅広い知識が必要であり、かつ、コミュニケーション能力や調査能力・分析力などのスキルも求められます。

FASに向いている人として、プレッシャーに強い人や成長志向が強い人、プロフェッショナルな仕事をしたい人が挙げられます。とはいえ、最も大切な要素は自身の興味や意欲です。今回紹介した特徴に当てはまるもののFASでの仕事に惹かれない人、反対にFASに向いている人の特徴には当てはまらなくてもFASで働きたいと強く感じる人もいるでしょう。

今回紹介した内容を参考にした上で、自分がどうしたいかを考えることが大切です。

FASに関するよくある質問

Q. FASとはどのような意味ですか?

A. FASはFinancial Advisory Serviceの略称で、財務領域に特化したコンサルティングファームや提供されるサービスそのものを指します。主にM&Aのサポート、企業や事業の再生、不正調査といった専門的な業務を行います。

Q. FASと会計事務所の違いは何ですか?

A. メインで扱う業務領域と目的が異なります。会計事務所は会計や税務を軸に日々の業務代行や課題の予防を担うのに対し、FASは財務の観点からM&Aや事業再生などの高度な課題解決をサポートします。

Q. FASの具体的な仕事内容を教えてください。

A. 大きく分けて3つの業務があります。M&Aの戦略立案や企業価値評価を行うM&A関連業務、業績が悪化した企業を立て直す事業再生サポート、そして企業内の会計不正などを調査するフォレンジック(不正調査)です。

Q. 未経験からFASに転職することは可能ですか?

A. FASは非常に高度な専門性が求められるため、完全な未経験からの転職は難しい傾向にあります。多くの求人では、一般企業での財務経験やコンサルティング実務、あるいは会計・財務に関する深い知識が必須要件とされています。

Q. FASに向いているのはどのような人ですか?

A. 責任が重くプレッシャーのかかる場面が多いため、プレッシャーに強い人が向いています。また、変化の激しい環境で常に知識をアップデートできる成長志向の強い人や、専門性を活かしてプロフェッショナルとして働きたい人に適した環境です。

執筆 ・ 監修

加藤慧大

株式会社ミツカルプロフェッショナル 代表取締役社長

株式会社ミツカルプロフェッショナル代表取締役社長。 税理士・社労士事務所に特化した人材紹介およびコンサルティング事業を展開。月間2,000名以上の税務・労務担当者の登録、年間300件以上の事務所人事相談の実績を持り、年200%以上の成長を継続中。