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公開日:2025/03/21
最終更新日:2025/03/21

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「税務署から連絡が来た…何を準備すればいい?」ある日突然、税務署からの税務調査の通知が届くと、多くの事業者は不安になるものです。しかし、慌てずに済むよう、事前に知っておくべきポイントを押さえておけば、落ち着いて対応できます。
税務調査と聞くと、「脱税を疑われているのでは?」と心配になるかもしれませんが、それは誤解です。
調査の目的は、あくまでも「適正な申告」がされているかを確認すること。事業者にとっては、税務の見直しや、今後のリスクを減らすチャンスにもなります。
この記事では税務調査をスムーズに進めるためのポイントを解説いたします。
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税務調査とは何か?
税務調査とは、税務署や国税局が納税者の申告内容が適正かどうかを確認するために行う調査のことです。
日本の税務調査は 国税通則法 に基づき、法人・個人を問わず、適正な課税を目的として実施されます。
税務調査の目的と種類
税務調査の主な目的は以下の通りです。
1.申告の適正性の確認
◦申告内容が法律に則って適切に計算・申告されているかを確認。
◦売上の過少申告、経費の不正計上、架空取引の有無などをチェック。
2.税の公平性の確保
◦適正に納税している事業者との公平性を保つ。
◦脱税や意図的な過少申告を防ぐ。
3.税務指導
◦法令の解釈や会計処理の適正化を指導する目的も含まれる。
◦誤った申告をしている場合に修正申告を促す。
税務調査の種類
税務調査は、対象や実施方法に応じて大きく以下の2種類に分類されます。
1. 任意調査(一般調査)
・一般の事業者や個人を対象にした通常の税務調査。
・原則として事前通知があり、納税者の協力のもとで進められる。
・法人税・所得税・消費税などの申告が適正かを確認。
・例:個人事業主の所得税調査、企業の法人税調査
2. 強制調査(査察調査)
・悪質な脱税が疑われる場合に実施される調査。
・国税局査察部 が行い、裁判所の令状を得て強制的に実施。
・
「マルサ」とも呼ばれる。
◦例:架空会社を使った所得隠し、巨額の脱税事件
また、任意調査の中でも、以下のように分類されることがあります。
調査の種類 | 内容 |
---|---|
実地調査 | 事業所・自宅を訪問し、帳簿や証拠資料を確認する。 |
書面調査 | 書類のやりとりのみで行われる調査。小規模事業者が対象になることが多い。 |
反面調査 | 取引先に対しても実施し、申告内容の裏付けを取る。 |
税務調査の流れ
税務調査の流れは以下のようになります。
1. 事前通知(約1~2週間前)
・原則として、税務署から電話または書面で調査の連絡が入る。
・調査の対象期間(過去3~5年分)、対象税目(法人税・消費税など)、訪問日程を通知。
・ただし、強制調査の場合は事前通知なし。
2. 調査の実施(1~3日間)
・税務署員が事業所を訪問し、帳簿や領収書、通帳、契約書などを確認。
・質問を通じて申告内容の整合性をチェック。
・必要に応じて従業員や税理士にもヒアリングを行う。
3. 調査結果の説明(調査終了後 約2週間~1ヶ月)
・調査終了後、問題がなければ「申告是認」となる(修正申告不要)。
・修正が必要な場合は、税務署が指摘し、納税者に修正申告を促す。
・重大な問題がある場合は重加算税などのペナルティが科される可能性あり。
4. 修正申告・更正処分(必要な場合)
・指摘を受けた納税者が自主的に修正申告するか、税務署が更正処分を行う。
・修正申告をすれば延滞税や過少申告加算税が課せられる。
・悪質なケースでは重加算税(35~40%)が適用される。
税務調査の期間
税務調査の期間は、調査対象の規模や内容によって異なります。
調査対象 | 期間の目安 |
---|---|
小規模事業者・個人 | 1日~2日 |
中小企業 | 2日~1週間 |
大企業 | 1週間~数ヶ月 |
強制調査(査察調査) | 数ヶ月~1年以上 |
税務調査は原則として 5年間 さかのぼることができますが、悪質な場合は 7年間 まで遡及可能です。
税務調査における税理士の重要性
税務調査では、納税者の申告内容が適正かどうかを税務署が確認しますが、その際に 税理士の関与 があるかどうかで調査の進行や結果が大きく変わることがあります。
税務の専門家である税理士は、納税者に代わって交渉し、適正な対応をサポートすることで、調査の負担軽減や不必要な追徴課税を防ぐ役割を果たします。
税理士が果たす役割
税務調査における税理士の主な役割は以下の通りです。
1. 事前準備のサポート
・税務調査の連絡を受けたら、 調査対象となる書類(帳簿、請求書、領収書、通帳など)を整理 し、調査に備えます。
・申告内容に問題がないかを事前にチェックし、リスクのあるポイントを洗い出します。
・必要に応じて、修正申告を事前に行い、調査時の指摘を最小限に抑えます。
2. 税務調査の立ち会い
・税理士が 税務署と納税者の間に入って調整役 を担います。
・税務署の質問に対し、適切な説明を行い、 不要な追及を避ける ようにします。
・納税者が不利になるような発言をしないようアドバイスし、冷静な対応をサポートします。
3. 法律・会計基準の専門的な対応
・税務署が指摘した事項に対し、 税法や会計基準に基づいた正当な主張 を行います。
・解釈の余地がある場合は、税法の規定をもとに交渉し、過大な追徴課税を防ぎます。
4. 修正申告や異議申し立ての対応
・調査の結果、修正申告が必要な場合は 納税額を最小限に抑えるよう調整 します。
・税務署の指摘に納得がいかない場合は 異議申し立てや再調査請求のサポート を行います。
・必要に応じて、 税務訴訟 までの対応も可能です(税理士に弁護士資格がある場合)。
税務調査で税理士に依頼するメリット
税務調査を税理士に依頼することで、以下のメリットがあります。
1. 適正な税務対応ができる
・税法や会計の専門知識がないまま調査を受けると、税務署の指摘をそのまま受け入れてしまいがちです。
・税理士がいれば、税務署の指摘に対して 法的根拠をもとに正しい対応 ができるため、不当な課税を防ぐことができます。
2. 調査の負担が軽減される
・税務調査は通常 1~3日間 行われますが、準備や対応には多くの時間と労力が必要です。
・税理士に依頼すれば、 帳簿整理、書類準備、税務署との交渉 などを任せることができるため、業務への支障を最小限に抑えることができます。
3. 追徴課税のリスクを軽減できる
・税務署の調査に対して 適切な反論や交渉を行うことで、追加の税金を最小限に抑える ことが可能です。
・修正申告が必要な場合でも、 延滞税や加算税の負担を軽減する よう交渉することができます。
4. 精神的な安心感が得られる
・税務調査は納税者にとって 大きなストレス になります。
・税理士が調査に同席し、 適切な対応を行うことで精神的な負担が大幅に軽減 されます。
5. 調査後の税務リスクを低減できる
・税務調査が終わった後も、税理士が今後の 税務リスクを軽減するためのアドバイス を行います。
・「税務署からの指摘を受けた点を改善する」「適切な帳簿管理を徹底する」などの指導を受けることで、将来の税務調査リスクを下げることができます。
税務調査の事前準備と対策
税務調査をスムーズに進め、不要な指摘を避けるためには 事前準備が非常に重要 です。
調査当日に慌てることがないように、事前に必要な情報を整理し、税理士とともにチェックしておくことが大切です。
必要な情報と書類の準備
税務署から調査の連絡があったら、まず以下の書類を準備します。
① 会計関係書類
書類名 | 内容 |
---|---|
総勘定元帳 | 会社全体の取引を記録したもの |
仕訳帳 | すべての取引を日付順に記録した帳簿 |
現金出納帳 | 現金の入出金を管理する帳簿 |
売上台帳 | 売上の詳細(請求書や契約書と照合) |
仕入台帳 | 仕入れの詳細(仕入先との取引記録) |
経費帳 | 経費の支出内容(領収書と照合) |
試算表 | 決算前の財務状況を示す資料 |
決算報告書 | 損益計算書・貸借対照表など |
② 税務関係書類
書類名 | 内容 |
---|---|
過去5年分の確定申告書 | 申告内容の確認用 |
納税証明書 | 適正に納税されているかの確認 |
源泉徴収簿 | 従業員の給与や源泉徴収税額の確認 |
消費税申告書 | 消費税の計算根拠の確認 |
法人税・所得税の申告書 | 申告内容と実際の帳簿が一致するか |
③ 取引関係の書類
書類名 | 内容 |
---|---|
契約書 | 取引の正当性を証明 |
請求書・領収書 | 取引の実態を確認 |
銀行通帳 | 資金の流れをチェック |
売掛金・買掛金の明細 | 取引先との未払い・未収の状況 |
④ 給与・人事関連の書類
書類名 | 内容 |
---|---|
給与明細・支払い記録 | 人件費の適正性を確認 |
社会保険料の納付記録 | 法律に基づく支払いが行われているか |
税理士と共に行う事前確認
税理士と事前に打ち合わせを行い、以下の点を確認しておくことが重要です。
(1)リスクのあるポイントの洗い出し
税理士と一緒に、以下のような 税務調査で指摘されやすい項目 を事前にチェックします。
指摘されやすいポイント | 事前対策 |
---|---|
売上の計上漏れ | 売上台帳と請求書・通帳の取引を照合する |
架空経費の計上 | 領収書・請求書が適切に保管されているか確認する |
役員報酬の適正性 | 他の同業他社と比較し、妥当な金額になっているか |
交際費の過大計上 | 事業と関連があることを証明できるようにする |
社長・役員の個人的支出 | 会社の経費に含めていないか確認する |
(2)税務調査のシミュレーション
・税務署からの質問を想定し、適切な回答を準備する。
・不自然な点や説明が難しい点について、税理士と回答を確認しておく。
・可能であれば 簡単なQ&Aを作成し、スムーズに答えられるよう準備する。
(3)税理士が立ち会う場合の役割分担
税理士が調査に同席する場合、事前に以下を確認しておくとスムーズに進みます。
・税務署とのやり取りは税理士が中心に行うか、それとも納税者が対応するか。
・税理士がどの範囲まで発言するかを確認する。
・税理士が代理で回答できる項目、納税者本人が説明すべき項目を整理する。
税務調査当日の流れと注意点
税務調査当日は、 適切な対応をすることで調査のスムーズな進行とリスクの最小化 を図ることができます。
事前準備を整え、税理士と連携しながら、冷静かつ適切な対応を心がけましょう。
当日の立会
税務調査は、通常以下の流れで進行します。
(1)調査官の来訪と挨拶
・調査官が事業所や事務所に訪問 し、調査開始。
・一般的には 税務署の職員2~3名 が訪問。
・調査の趣旨や対象期間、調査の進め方が説明される。
・税理士が同席する場合は、税理士が調査官との窓口を担当 する。
(2)会社の概要説明
・事業内容、業種、取引の概要などを簡単に説明。
・税理士がいる場合、基本的に税理士が対応する。
・不明確な点については、無理に答えず「確認して後で回答します」とするのが安全。
(3)帳簿・書類の確認
・売上・仕入れ・経費の帳簿や通帳、契約書、領収書などをチェック。
・会計処理の整合性を確認し、不審な点がある場合は質問を受ける。
・書類をすぐに提示できるよう、事前に整理しておくことが重要。
・紛失した書類がある場合は、取引先から再発行を依頼しておくとよい。
(4)実地調査(現金・棚卸資産の確認)
・現金管理が適正かどうかをチェック されることがある。
・売上の過少申告が疑われる場合、現金出納帳と実際の現金残高を照合。
・在庫が多い業種では 棚卸資産の実地確認 を求められることがある。
・飲食業や小売業の場合、売上管理システムのデータを調査されることもある。
(5)従業員や経営者への質問
・取引の実態や経費の処理方法について質問を受けることがある。
・質問には簡潔に回答し、不確実なことは「確認して後ほど回答します」とする。
・不用意な発言を避けるため、税理士と事前にシミュレーションしておくとよい。
(6)調査官の指摘と説明
・調査官が調査の結果、疑問点や指摘事項を説明。
・すぐに納得せず、税理士と相談しながら対応を決めることが重要。
・課税処分が確定するわけではないため、異議申し立ても可能。
(7)調査終了と今後の対応
・指摘事項があれば、後日税理士と修正申告の対応を協議。
・問題がない場合は「申告是認」となり、追加税負担はなし。
・調査結果は正式な通知が来るまで確定しないため、焦らず慎重に対応する。
税理士のサポート
税務調査では、税理士が同席することでスムーズな対応が可能になります。
(1)税理士の役割
役割 | 内容 |
---|---|
調査官との窓口対応 | 税務署と納税者の間に立ち、調整を行う |
書類確認と法的解釈の説明 | 会計処理が適正であることを説明する |
納税者の発言のフォロー | 不利な発言を避けるため、納税者をサポート |
調査結果の交渉 | 追徴税額を抑えるための交渉を行う |
(2)税理士の立ち会いによるメリット
・税務署との交渉がスムーズに進む
・不当な指摘を回避できる
・納税者が不利な発言をしないようフォローしてくれる
・修正申告や異議申し立ての対応がしやすい
調査官への対応方法
税務調査では、適切な対応をすることで 不要な追徴課税を防ぐ ことができます。
(1)基本的な対応のポイント
NG対応 | 適切な対応 |
---|---|
感情的になる | 冷静に対応する |
不明確なことを適当に答える | 「確認して後ほど回答します」と伝える |
書類を無理に探す | すぐに出せない場合は「後日提出します」とする |
調査官の指摘をすぐに認める | 必ず税理士と相談する |
(2)質問への適切な回答方法
① 事実を簡潔に答える
・「はい」「いいえ」を基本に、必要な場合のみ説明する。
・不要な情報を自ら話さない(余計な発言はリスク)。
・例:「この取引の目的は?」 → 「取引先からの依頼で実施しました。」
② 曖昧なことは即答しない
・「記憶にないので確認します」 と伝え、税理士と相談してから回答する。
・例:「この経費は何に使いましたか?」 → 「すぐに分からないので、資料を確認して後ほど回答します。」
③ 説明の整合性を保つ
・事前に税理士と準備した説明と矛盾しないようにする。
・取引や経費の理由を 論理的に説明できるようにする。
働きがいのある会計事務所特選

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税務調査をスムーズに進めるためのコツと税理士との連携法 -まとめ
今回は税務調査の場合の留意点についてお話させていただきました。
この記事がお役に立てば幸いです。

平川 文菜(ねこころ)