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女性税理士の年収事情とは?働き方は?

2024/08/09

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税理士は専門性が高く年収と需要が安定している職業であり、キャリアも積み上げるのに適した職業と言えるでしょう。この記事では、主に、女性税理士の平均年収や働き方について具体的に情報を提供していきます。

 

税理士の性別割合

税理士の世界は男性が多いというイメージがありますが、近年は女性税理士の割合も増加しています。 日本税理士会連合会の統計によると、約5万人の税理士のうち約20%が女性であり、その割合は年々増加傾向にあります。このような背景から、女性が税理士として活躍する機会は増えてきていると言えるでしょう 。

女性税理士の平均年収は?

それでは、女性税理士の平均年収はどの程度なのでしょうか? 税理士の収入は、性別や経験、専門性などによって大きく異なります。

税理士の平均年収は?

まずは、税理士全体の平均年収をご紹介いたします。 厚生労働省が発表した「令和5年(2023年)賃金構造基本統計調査 結果の概況」によると、税理士の平均年収は約780万円と報告されています。国税庁が発表した日本全国の平均年収は458万円となっていることから、税理士は比較的高い水準であると言えます。
参考:厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査 結果の概況」
参考:国税庁「令和4年分 民間給与実態統計調査」

男女別平均年収

それでは、税理士年収の男女別平均を見ていきましょう。 厚生労働省が発表した「令和5年(2023年)賃金構造基本統計調査 結果の概況」によると、女性税理士の平均年収はおよそ670万円程度となっています。 その一方で、男性税理士の平均年収はおよそ890万円ほどであるため、男女で約220万円とかなり大きな差があることが分かります。
参考:厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査 結果の概況」

女性に職業として税理士をおすすめできる理由

税理士の資格を持つことで自身の市場価値を高め、ライフスタイルに合わせた生活を送ることが可能なためです。 それでは、女性に職業として税理士をお勧めできる具体的な理由をご紹介してまいります。

税理士資格で手に職をつけられる

税理士は、国が定めた独占業務を扱えるだけではなく、税務のプロフェッショナルとして税法知識を活かし、企業の利益を最大化することも可能なため、多くの企業や個人から需要があります。経営者や個人事業主にとっては、非常に価値があり、結婚や出産を経た後の再就職においても有利に進めることができます。税理士資格を持つことで、ライフスタイルに合わせて、最適なキャリアパスが選択しやすくなるわけです。

ワークライフバランスの実現

税理士という職業は、繁忙期以外の土日祝日はしっかり休めることが一般的です。

また、最近ではリモートワークが可能であったり、フレックスタイム制を導入している事務所も少なくありません。出産、育児といった一大イベントを抱える女性にとっては、ワークライフバランスの実現が可能となることは、かなり魅力的ではないでしょうか。

安定した収入が手に入る

税理士の職業はその専門性から高収入を得られることが一つの魅力です。税理士は一般企業に勤めるだけでなく、自分自身の事務所を開業することも可能なため、自分のスキルと努力次第では収入をぐんとアップさせることも夢ではありません。

税理士の資格を取得するためには、一般的な勉強量は1000時間は必要なので、その知識とスキルを必要とするがゆえに、その価値は社会から高く評価され、安定した収入を得ることができます。

これらの理由から、税理士は女性にとっても魅力的な職業と言えるでしょう。女性特有のライフステージの変化にも柔軟に対応しつつ、自分のキャリアを築くことができる税理士の職業は、これからの時代にふさわしい選択肢と言えるかもしれません。

女性税理士はどんな働き方ができる?

現在、税理士業界では税理士試験受験者数が減少傾向にあり、慢性的な人手不足に陥っています。 そのためライフステージに合わせた自由度の高い働き方ができる税理士事務所が増え始め、女性の税理士にとって魅力的な環境に近づきつつあります。
では、女性税理士にとってのキャリア形成をふまえて、どのような働き方ができるのかを見ていきましょう。

税理士事務所でのキャリア形成と働き方

税理士事務所で働く場合、一般的には個人事業主や中小企業をクライアントとして持つことが多いため、直接お客様とコミュニケーションを取りながら、成長をサポートすることができます。顧客の事業をより深く理解できることでビジネス知識が増えるのと、最適な税務対策を提案することで、事業の成功に直結するというやりがいを感じることができる職場環境です。付加価値性の高い業務では、経営知識も必要とされるため、幅広いスキルも身につけることができ、今後のキャリア形成、人生の選択肢を増やすことにおいて大きな武器となりえます。

一方で、税理士事務所で働く場合、税務申告の繁忙期には長時間労働になることもあるので、働く先を見極める必要性があります。現在は、フルリモート勤務可能や、産休育休制度を導入する税理士事務所が増えているため、仕事とプライベートイベントのバランスを取りながら、自分自身のペースで働くことも可能になりつつあります。

一般企業でのキャリア形成

税理士資格を持つ女性は、一般企業で活躍する道も広がっています。 一般企業での税理士としての働き方は、経理業務や決算業務、有価証券報告書の作成を行うことが多いようです。また、スキルを伸ばしていけば、企業全体の重要なポジションにつける可能性も高いため、企業によっては年収を高めていく環境があります。

企業で働く税理士は、企業の規模や業界、企業文化によって、その役割や働き方は大きく異なります。大企業では、専門的な税務対策を担当する専任の税理士として働くこともありますし、中小企業では、経理全般を担当することもあります。また、スタートアップ企業では、経営陣の一員として参画し、企業の成長を支える役割を果たすこともあります。

税理士事務所と比較すると相対的に、福利厚生や充実や柔軟な働き方に対応している企業が多いため、働きやすさだけを取ると魅力的です。しかし、税務とは異なる業務を行うこともあるため、税理士としての本来の仕事を目的にするのであれば税理士事務所で働くことをお勧めします。

このように、一般企業でのキャリア形成は、様々な働き方が可能であり、自分の興味に合わせて選べるのが魅力となっています。

税理士になるには?

税理士になるためには、日本税理士会連合会が主催する税理士試験に合格することが必要です。 この試験は年1回開催され、法人税法、所得税法、消費税法など、税に関する幅広い知識が問われます。試験に合格した後は、2年間の実務経験を積むことで、税理士としての登録が可能になります。

しかし、試験の合格ハードルは決して低くありません。一度税理士になっても、税制度は常に変化するため、常に最新の法律知識を習得し続ける必要があります。これは、税理士の職務としての責任であり、同時に自身の専門性を高めるための機会でもあります。

自分自身のライフスタイルや目指すキャリア形成に合わせて、最適な学習方法を見つけることが大切です。

まとめ

この記事では、女性が税理士になるメリットや働き方について詳しく解説しました。

税理士は、年齢に左右されにくく、専門知識を活かして安定した収入を得られる職業であり、女性にとってはワークライフバランスの実現も見込める環境になりつつあるため、キャリアチェンジの候補としても考えることが可能です。

税理士資格を持つことで、税理士事務所でのキャリア形成はもちろん、一般企業での働き方も広がります。 税理士は、年齢に制限されることなく新たなキャリアを築くことが可能です。
あなたの人生をより豊かなものにするために、税理士という選択肢を検討してみてはいかがでしょうか。

執筆 ・ 監修

城之内 楊

株式会社ミツカル代表取締役社長

株式会社ミツカル代表取締役社長。 1990年生まれ。20代では士業向けのコンサルティング会社(株式会社アックスコンサルティング)で最年少役員として8年間勤務。これまで、3,000以上の税理士事務所のコンサルティングや士業向けのセミナーに複数登壇。さらにはスタートアップから上場企業まで外部顧問や役員としても活躍する。 退職後、税理士業界を活性化するために、税理士事務所の採用支援サービスを展開する株式会社ミツカルを創業。ミツカルでは年間2,400名以上の税理士事務所の求職者をサポート。審査基準を通過した優良事務所のみを紹介しており、ミスマッチのない転職支援を行っている。