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公開日:2025/12/19
最終更新日:2025/12/19
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日商簿記に受験資格の定めはないため、3級を受験せずいきなり2級の受験も可能です。
ただし、簿記2級の出題範囲は3級相当の知識を習得していることが前提となります。そのため「3級を飛ばしていきなり簿記2級を受験する」は可能でも、「3級の勉強を飛ばす」はできません。
今回は簿記2級からの受験をおすすめできるケースや、いきなり簿記2級から受験する場合のポイントについて解説します。
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結論|いきなり簿記2級の受験は可能!ただし3級の勉強は必須
最初に紹介した通り、日商簿記に受験資格の定めはなく、いきなり上の級を受験しても問題ありません。いきなり簿記2級はもちろん、いきなり簿記1級の受験も可能です。
ただし、日商簿記の2級および1級では、下の級の知識を習得済みであることが前提の内容が出題されます。そのため、下の級の勉強を飛ばすのは厳禁です。
いきなり簿記2級の受験をする場合でも、まずは簿記3級の内容を学習する必要があります。
いきなり簿記2級の受験をおすすめできるケース
簿記3級の受験・合格というステップを踏まず、いきなり簿記2級の受験をおすすめできるケースとして以下の4つが挙げられます。
・高校・大学・専門学校等で簿記3級の範囲を学習済み
・会計や経理の実務経験がある
・十分な勉強時間を確保できる
・ゴールまでのステップをなるべく少なくしたい
それぞれ詳しく解説します。
高校・大学・専門学校等で簿記3級の範囲を学習済み
高校や大学、専門学校等で簿記3級の出題範囲を学習済みの人は、すでに簿記3級合格レベルの知識が身についている可能性が高いです。そのため簿記3級から順番に受験するのではなく、いきなり簿記2級を受けるというやり方をおすすめできます。
会計や経理の実務経験がある
日商簿記検定の受験に向けた勉強の経験がなくても、会計や経理の実務経験がある人は簿記の基礎知識が身についた状態と考えられます。
もちろん、試験で出題される内容と実務で身につく知識が全く同じわけではありません。そのため簿記3級の出題範囲を勉強する時間自体は必要となります。
しかし、実務をこなせるほどの知識がある人にとって、簿記3級の合格はあまりメリットがないともいえます。会計業界や経理職では即戦力になれるかが重視される傾向にあり、無資格でも実務経験があれば好印象を与えられる可能性が高いためです。
以上の理由から、会計や経理の実務経験がある人にも、いきなり簿記2級から受験という選択肢をおすすめできます。
十分な勉強時間を確保できる
前述のように、いきなり簿記2級を受験する場合でも簿記3級の出題範囲の勉強は必要です。同じ簿記2級の受験生であっても、簿記3級に合格した人よりも必要な勉強時間は長くなります。
簿記初学者と3級レベルの知識がある人では、簿記2級の合格に向けて必要な勉強時間の目安は以下のように異なります。
・簿記初学者の場合:150~250時間程度
・簿記3級の知識がある人の場合:300~500時間程度
予備校や通信講座を利用する場合よりも、独学の方が勉強時間は長くなる傾向です。いずれにせよ、簿記3級の知識がある人に比べて簿記初学者の方が必要な勉強時間は長いといえます。
したがって、いきなり簿記2級の受験を目指すのであれば、十分な勉強時間を確保する必要があります。
ゴールまでのステップをなるべく少なくしたい
簿記2級をゴールと考えると、いきなり簿記2級を受験する方法は最初からゴールのみを目指すやり方です。簿記3級から受験するやり方は、最終的なゴールに到達するまでの間に、小ゴールといえるステップを踏む方法といえます。
最終ゴールだけを目指すスタイルと、ステップを踏みながら少しずつゴールに向かうスタイル、どちらが良いかは人によって異なります。経るべき工程が多いとストレスになり、モチベーションを維持しにくいと感じる人もいるでしょう。
ゴールまでのステップをなるべく少なくしたい人は、簿記3級を飛ばしていきなり簿記2級を受験する方法がおすすめです。反対にゴールまで着実に進んでいるという実感が欲しい人であれば、簿記3級から順に取得するのが良いでしょう。
いきなり簿記2級を受験|独学と予備校・通信講座の利用どちらが良い?
簿記2級の勉強方法は、独学と予備校・通信講座等を利用する方法の2つに大別できます。どちらが良いかは人によって異なるため一概にはいえません。自分の希望やライフスタイル等に合わせて選ぶことが大切です。
この章では独学がおすすめなケースと予備校や通信講座の利用がおすすめなケースをそれぞれ具体的に紹介します。
独学がおすすめなケース
独学での勉強をおすすめできるケースとして以下の例が挙げられます。
・簿記の試験で出題される内容について大学や専門学校等で勉強した経験がある
・会計事務所や経理職の執務経験がある
・自分のペースで勉強したい
・仕事やプライベートの都合上、勉強のスケジュールが不規則になってしまう
・コツコツ勉強するのが苦にならない
日商簿記2級の合格に必要な知識がある程度身についている人や、予備校や通信講座というスタイルが合わない人には独学がおすすめです。
予備校や通信講座の利用がおすすめなケース
続いて、予備校や通信講座を利用して勉強する方法をおすすめできるケースの具体例を紹介します。
・自分でスケジュールを計画・管理をするのが苦手
・簿記の学習経験が全くない
・ほかの受験生から刺激を受けたい
・疑問点や不安があればすぐに相談して解消したい
・トータルの勉強時間を最小限にしたい
予備校や通信講座ではプロによる指導およびサポートを受けられます。自分1人で勉強を進めるのが不安な人や、効率良く勉強をしたいと考える人は、予備校や通信講座を利用するのがおすすめです。
いきなり簿記2級を受験する場合の勉強のポイント
最後に、いきなり簿記2級を受験するにあたって勉強で押さえるべきポイントを3つ紹介します。
簿記3級の出題範囲をおろそかにしない
いきなり簿記2級を受験するにあたって最も重要であるのが、簿記3級の出題範囲をおろそかにしないことです。
繰り返しになりますが、いきなり簿記2級の受験が可能とはいえ、簿記3級の勉強自体は必要です。簿記3級の出題範囲は簿記2級の土台ともいえる内容であり、簿記2級の勉強をする上での前提知識となります。
簿記3級の出題範囲の理解が不十分では、簿記2級の合格に必要な知識を身につけることはできません。遠回りに感じるかもしれませんが、まずは簿記3級の出題範囲の勉強を徹底しましょう。
なお「いきなり簿記2級の受験をおすすめできるケース」として「簿記3級の範囲を学習済み」「会計や経理の実務経験がある」を挙げました。簿記3級相当の知識が身についている可能性が高いためです。
しかし、これらの条件に当てはまる人でも簿記3級相当の勉強を一通り行うべきではあります。
過去に学習経験がある人でも、ブランクがあれば理解が曖昧になっている可能性が高いです。過去に勉強した内容を思い出して土台を強固にするため、まずは簿記3級の復習から始めた方が良いといえます。
実務経験があるものの学習経験はない場合、仕事では問題なくても実は基礎が不十分というケースが多いです。また、実務では扱わないものの試験では重視される論点も存在します。実際のところ、実務で必要な知識と簿記合格に必要な知識は別物と考えるべきです。そのため実務経験があり仕事は問題なくこなせる人でも、改めて簿記3級から勉強する必要があります。
勉強期間を長めに設定する
いきなり簿記2級を受験するのであれば、勉強期間を長めに設定しましょう。理由として以下の3つが挙げられます。
・簿記3級の出題範囲も勉強する必要があり、トータルで必要な勉強時間がどうしても長くなる
・出題形式に不慣れなため、問題演習の時間を多く確保する必要がある
・簿記の受験に向けた勉強が初めてで自分の勉強スタイルを確立できていない状態であり、試行錯誤が必要な場面が発生する可能性が高い
簿記3級から受験する場合、3級受験に向けた勉強および実際の試験の経験を、2級以降の受験でもそのまま活かせます。しかしいきなり簿記2級から受験する場合、過去の受験経験を活かすことができません。そのため、勉強の内容とは別の部分で躓いてしまう可能性があります。
トラブルを回避できるのが理想ですが、簿記の受験が初めてである以上、トラブルをゼロにするのは難しいのも事実です。スケジュールがタイトであるほど、少しのトラブルがスケジュールに大きな影響を与える恐れがあります。トラブルの影響を最小限に抑えられるよう、勉強期間を長めに設定して余裕のあるスケジュールを立てることが大切です。
本試験に近い形式の問題を多く解く
前述のように、いきなり簿記2級を受験する場合は本試験の経験が全くない状態です。そのため、日商簿記検定特有の試験スタイルや出題形式に戸惑ってしまう恐れもあります。
簿記の受験経験がないという弱点を克服する方法として最も効果的であるのは、本試験に近い形式の問題を多く解くことです。
簿記に限らず、資格試験では予想問題や模擬試験を解く工程が必須ではあります。そして、いきなり簿記2級を受ける人にとって、本試験に近い形式の問題に慣れることの重要性は通常よりも高いといえます。知識を身につける・理解を深めるだけでなく、慣れない試験形式に戸惑ってしまうリスクを下げるためです。
なお2021年度以降、簿記2級の本試験問題は非公開となっています。そのため過去問から本試験の傾向を把握することはできません。本試験の出題形式に近い問題を解く方法として、予備校や商工会議所等が作成する予想問題・サンプル問題の活用が挙げられます。
あなたの「適正年収」を調べてみませんか?
簡単な質問に答えるだけで、一般的な会計事務所ならいくら提示されるのかを即座に算出。「今の適正額」はもちろん、「資格を取得したら年収はどう変わるのか?」など、あなたの現在地と未来の可能性を診断します。
いきなり簿記2級を受験-まとめ
いきなり簿記2級の受験は可能でも、「いきなり簿記2級の勉強」はできません。簿記2級から受験する場合でも、まずは簿記3級の出題範囲を完璧にする必要があります。
また、すべての人に簿記2級からの受験が適しているとは限りません。いきなり簿記2級から受験する方法が自分に合っているか検討が必要です。
簿記2級から受験する場合、独学か予備校・通信講座を利用するかを決める必要があります。自分の希望や状況に合う方法を選びましょう。いきなり簿記2級を勉強する場合ならではのポイントを押さえることも大切です。
「簿記3級の受験はせず、いきなり簿記2級から受験したい」と考える人は、ぜひ今回紹介した内容を参考にしてください。
高梨 茉奈(たかなし まな)
めざせ!TAX MASTER パーソナリティ









