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20代の税理士は転職しやすい?活躍できる場所を紹介!

2024/11/14

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 現在の税理士業界で最も人数割合が高い年齢層は60代〜70代となっており、60代以上で全体の半数以上を占めています。税理士は定年がないということもあり、知識と経験があれば体力はそれほど必要ないため、生涯現役を貫ける仕事ということも高年齢層が多い理由になっているところです。

このように業界の平均年齢が高いということもあり、若手の税理士は非常に希少な存在です。特に20代の税理士となると税理士全体の1%にも満たない割合しか登録していないため、あまり見かけません。

 税理士登録するためには、税理士試験に合格するだけでなく、税理士事務所などでの実務経験が2年以上あることが要件となっているため、税理士試験勉強に専念して実務経験なしに試験に合格したり、実務経験が浅い20代は税理士登録することすら難しくなっています。 税理士という職業は知識を積み重ね、長い期間をかけて少しづつ成長していく可能性のある職業であるため、異なった業種から転職し、30代40代から試験に挑戦する人が多い業界です。

そのため、早くに税理士試験の勉強をはじめ、20代で資格を取得できる人は珍しく、優秀であると考えられるため将来への期待も自然と高くなります。

 そこで本記事では、20代の若手税理士の転職事情について、傾向と対策を交えてお話していきたいと思います。

20代の税理士さんが全体の1%にも満たないなんてっ…!


かなり目立つ存在になれそうだけど、その分転職に悩みを抱えている人も多いんじゃないかな。



20代の税理士は転職しやすいのか?

 税理士資格を取得しているというだけで一定の評価はされますが、さらに20代で税理士試験に合格していると優秀であると評価され、将来性が期待されます。

 税理士業界では人手不足により、以前よりも税理士需要は高まっており、業界全体が高年齢化している中で、さらに20代の税理士は需要が高いでしょう。

●税理士の需要は高まっている

 税理士試験の受験者数は年々減少傾向にあり、10年前と比較すると半数以下となっています。

また、10年前は8,000人以上いた25歳以下の受験生は、直近では約4,000人となり、若い人の税理士業界への新規参入が減ってきていることが分かります。若手と言われていた税理士もどんどん高齢化してきており、今や40代後半の税理士も若手の一端を担っている状況です。

そのため、事務所全体、業界全体の平均年齢を下げていくため、税理士試験の受験資格を緩和したり、多くの事務所が若手の採用を積極的に行っている状況にあり、特に20代の税理士はどこの事務所も採用したがっているため、非常に有利な状況で転職活動が行えるでしょう。

●将来性を期待している事務所も多い

 現状、実務経験がない若しくは少ない場合でも、20代の税理士であれば今後の活躍を期待して採用されるケースも多くあります。事務所によって採用方針は異なりますが、実務経験がなくても、若手育成に力を入れて採用をしている事務所もあります。

具体的には、募集内容などに「未経験歓迎」の記載がある事務所であれば、いちから指導して育てて、将来的な戦力として考えていますので、未経験であっても臆することなく応募しましょう。

まずは転職サイトで「未経験者歓迎」の記載がある事務所の情報を収集し、その他の条件なども比較した上で検討が必要です。

是非、チャンスと捉えて挑戦してほしいね!

全体の人数が減ってるなら期待の星になることができますね!


20代の税理士が転職しやすいポイント・転職しにくいポイント

 税理士資格があれば転職は有利になりますが、書類選考や面接でチェックされるポイントは他にも多くあり、事前に自己分析と情報収集が大事です。

 ここでは、20代の若手税理士が転職する際に知っておきたいポイントについてお話ししていきます。

●転職しやすいポイント:将来を見据えて採用される

 未経験又は経験が浅い人を採用するということは、戦力になるまで育てることを前提としていますので、面接の際には長期的に勤めたいという意思表示が大事で、面接においてはこの人は根気強く仕事に取り組んでくれそうと感じてもらうことが重要になります。

また、税理士資格を取得していなくても、税理士試験の科目合格があることで十分にチャンスはあるでしょう。税理士に比べると給与は少し低めに設定される可能性はありますが、今後の試験結果や受け持つ業務量によっては、徐々に待遇は良くなっていきます。

●転職しにくいポイント:転職回数が多いと不利になる

 採用側からすると、転職回数が多い場合は、採用してもすぐに辞めてしまうかもしれないという懸念が生じます。

そのため、複数回の転職経験がある場合は、過去において転職することとなった経緯を整理することで現状を把握します。転職理由は前職への不満を並べるのではなく、自身のステップアップのために転職したなどのポジティブな理由に置きかえて話すようにしましょう。

その他、人格に問題があると判断されると採用は難しくなります。仕事をする上で、クライアントとのコミュニケーションは大事ですし、事務所内でのコミュニケーションも仕事を進める上で大事です。

人間関係を円滑にすることが仕事の成果にも直結しますので、面接ではコミュニケーション能力も評価の対象となります。緊張しないように面接のシミュレーションをして事前準備をしっかりとしておきましょう。

 事務所は長期的に勤めてくれる人を採用したいと考えているので、円滑なコミュニケーションが取れることをアピールするつもりで受け答えすることが大事です。

●転職しにくいポイント:経験が重要視される

 採用方針は事務所によって異なり、経験者しか採用しないという実務経験を重視する事務所も多くあります。こういった事務所では、未経験者は即戦力ではないため採用されにくい傾向にありますので、応募する際は事前に事務所の募集要項を確認し、経験者しか採用していないかどうかを確認しましょう。

ただ、20代で一通りの実務経験があれば、経験が浅くても、事務所との相性が良いと判断されたり、飲み込みが早そうだと感じてもらえれば、将来性を期待して採用される可能性はあります。

業界全体として、育成するという考えはあるものの、やはり人手不足から育成にあてるコストを考え、知識よりも経験を重視するという傾向はありますので、まずは経験を積める事務所を探すのもひとつの考え方ではあります。

20代の税理士が転職できる場所は?

 20代で税理士資格を取得していれば、転職の選択肢はかなり多くあり、税理士事務所に絞らずとも視野を広げて転職活動をすることができます。

 若いからこそ挑戦できるということもありますので、ご自身の得意なことややりたいことに向かって転職活動をしてみてもいいのではないでしょうか。

●税理士事務所・会計事務所

 税理士事務所などでは、日々の会計帳簿の作成等の支援や税務申告の支援をすることで、クライアント企業の財産状態や経営成績を把握します。これらを基に税務コストを分析することで見えてくる将来の財務状況などを予測し、企業経営のアドバイスを行うことまでがメイン業務となります。

 未経験者が最初から担当を持ってクライアントにアドバイスをすることは難しいため、経験が浅い時点では税理士の補助者として、基本的な業務をこなしていく役割として採用されることとなります。

事務所全体としてクライアントにより良いサービスを提供することが事務所全体の目的となりますので、まずは20代の経験が浅いうちは補助者として採用され、徐々に仕事を覚えて担当件数も徐々に増えていくという流れが多いです。

ただ、人手不足という理由から、経験が浅くても最初から担当を持つことになる場合もあり、その際は自身が業務をこなせそうか、指導をしてくれる人はいるかなどを確認しておくことが重要です。

●監査法人

 監査法人の主なクライアントは、監査を義務付けられている大企業が中心となり、その監査は公認会計士の独占業務となります。

ただ監査法人であっても、税務関係の業務を希望するクライアントもいますので、税理士の役割としては、税理士の独占業務である税務申告、税務相談、その他M&Aや事業承継などの複雑な税務処理に関する業務が中心となります。

 また、国際税務を取り扱っている監査法人では、国際税務の知識以外に英語力も求められるケースがあります。そのため、監査法人では税理士以外の特殊なスキルがあると重宝されるでしょう。

●企業の税務課

 一般事業会社では、日々の帳簿作成や決算業務などが中心となります。

税理士事務所などのように複数のクライアントの業務にかかわるのとは違い、自社の会計や税務に関する業務を中心に行うこととなりますので、企業を発展させるための戦略的な会計処理や税務処理が求められるケースもあり、一事業を大きくするために深く入り込んでいきたいという方にはおすすめです。

そのため、一会社の専属税理士として採用されることになれば、代えがきかない人員として重宝されることとなりますので、CFOなどの役職がつくこともあり、キャリアアップが図れる可能性があります。

キャリアの模索ね!
悩むことも多いけれど選択肢が多いに越したことは無いね!

視野を広げることも大事ですね!


20代税理士の年収はどれくらい?

 税理士資格があり、経験年数や経験業務の幅が広いとある程度の年収が期待できます。ただ事務所の方針や仕事内容によって大きな差がありますので、事前に情報収集はしておきましょう。

 年齢によっても年収は異なってくることはありますが、税理士資格を取得していることで大きなアドバンテージとなると考えられます。

●転職先によって異なる

 事務所によって業務内容は異なりますし、実務経験によって担当するクライアントの規模や数も違います。実務経験が長いほうが任される仕事量が多いため、当然年収も違ってきます。

なお、残業を前提として年収が設定されている場合もありますので、事前に残業の有無、年間の残業時間の目安などを確認しておくことが必要です。

 また、特化型の事務所は、より専門的な知識が必要とする業務を中心においているため、付加価値が高いため年収も高くなる傾向にあります。

掲載された求人情報の内容から、おおまかな年収は把握できるのでまずは情報収集をしましょう。

●一般企業より事務所のほうが年収は高い

 一般企業よりも専門性の高い税理士事務所の方が年収が高くなる可能性が高いです。役職などが付けば別ですが、一般企業では税務の知識が必要とされる場面はそこまで多くないため、外部の税理士に顧問業務を依頼するケースの方が圧倒的に多いです。 特殊な事情があって社内税理士を雇用する場合でない限り、専門性の高い税理士事務所で働いた方が年収は高くなるでしょう。

しかし、大企業になると国際税務やM&Aなどの特殊で複雑な税務が絡んでくる取引もあるため、待遇が良くなるケースもあります。

そのため、英語が話せたり複雑な税務が得意などの特殊なスキルを有している税理士は高年収が期待できます。

20代税理士の転職-まとめ

▼本文  本記事では20代税理士の転職事情について、下記の項目をお話ししてきました。

  • ①20代の税理士は転職しやすいのか?

  • ②20代の税理士が転職しやすいポイント・転職しにくいポイント

  • ③20代の税理士が転職できる場所は?

  • ④20代税理士の年収はどれくらい?

 税理士業界において20代税理士は希少な存在で、全体の1%にも満たない割合しか税理士登録していません。

そのため、若くして税理士資格を取得したというだけでも一定の評価はされますし、転職をかなり有利な条件ですすめることができるでしょう。

転職する際は、まず転職サイトで必要な情報収集をし、業種ごとや地域ごとで比較して待遇の相場を見極めることが必要です。相場がわかれば、ご自身の得意分野、やりたいことや将来のなりたい税理士像をイメージして応募先をいくつかピックアップしましょう。

転職では業種が変わることで年収が下がる傾向にありますが、税理士有資格者が同業種で転職する場合は、将来性を期待されて年収が上がる可能性が高いです。

ですので、20代で経験が浅いからと諦めるのではなく、20代で税理士という将来性を評価してくれる事務所を見つけて転職を成功させましょう。

執筆 ・ 監修

城之内 楊

株式会社ミツカル代表取締役社長

株式会社ミツカル代表取締役社長。 1990年生まれ。20代では士業向けのコンサルティング会社(株式会社アックスコンサルティング)で最年少役員として8年間勤務。これまで、3,000以上の税理士事務所のコンサルティングや士業向けのセミナーに複数登壇。さらにはスタートアップから上場企業まで外部顧問や役員としても活躍する。 退職後、税理士業界を活性化するために、税理士事務所の採用支援サービスを展開する株式会社ミツカルを創業。ミツカルでは年間2,400名以上の税理士事務所の求職者をサポート。審査基準を通過した優良事務所のみを紹介しており、ミスマッチのない転職支援を行っている。