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20代税理士の評価は高い?稼げる?これから税理士を目指す方法も

2024/12/20

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税理士は高齢のイメージが強く、若手が活躍している印象はあまりないかもしれません。 そのため20代という若いうちから税理士を目指すか迷うこともあるでしょう。
しかし20代の税理士は高く評価されます。
転職市場での需要は尽きることがありませんし、クライアントからも大変重宝される存在なのです。

今回は20代税理士の評価について解説いたします。
結論から申しますと、非常に高く評価されますので、若いうちから税理士を目指すことを強くおすすめいたします。

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20代税理士は転職でも独立開業でも有利

20代の税理士は30代以降の税理士に比べて、転職でも独立でも大変有利です。
高齢化が加速する税理士業界では、若さが大きな武器になるためです。

若手税理士は少ない

日本税理士会連合会が発表している「データで見る税理士のリアル。」によると、税理士全体における60歳以上の割合は53.8%という結果でした。なお20歳代はなんと0.6%です。
このデータは平成26年度の調査結果ですので、令和6年現在とは若干異なるかもしれません。しかし税理士全体の年齢層が激変するとは言い難く、現在でも同様の年齢水準ではないかと予想されます。

上記のデータから、20代を含む若手税理士が非常に少ない現実が示唆されました。
若手税理士は全国的に少ないため、20代で税理士となったならば引く手数多になるのです。

長く働ける

雇用主となる税理士事務所の所長の立場から考えると、採用したいのは高齢の税理士よりも、若手の税理士です。
なぜなら、より長く働いてくれるためです。
税理士資格は一度取得すれば一生涯有効であり、年齢に依らず働き続けられることは間違いありません。定年を超えて働き続ける税理士も大勢おり、その結果、税理士の高齢化が進んでいるのです。

しかし雇用主としては、いつ働けなくなるか分からない高齢の税理士を雇用し続けるよりも、長く働ける若い税理士の方が重宝します。
健康ですので、突然倒れる心配はありません。IT化や新しい技術にもすんなり対応してくれます。
雇用する立場からすれば、20代の若手税理士を採用したいものなのです。

若手税理士に依頼したい経営者も少なくない

税理士は60代以上の高齢の方が多いとお話ししました。
しかし、20代の若手税理士を求める経営者も少なくないのです。
最近は会社員の副業を政府が後押ししていますし、資本金1円でも法人化できるようになりました。このような変化に伴い、若手実業家も数多く台頭しています。
若手実業家の中には経験豊富な税理士を求める人もいますが、多くは若い税理士を探しています。

高齢の税理士は、若手実業家からすれば親か祖父母の世代であり、対等な関係を築きにくいためです。税理士も同年代か年下であれば、ビジネスパートナーとしての関係を築きやすく、なんでも相談できる親友のような間柄になりやすいと感じられています。
そのため20代の税理士には一定の需要があり、しかも人数が少ないため取り合いの状態なのです。

20代税理士の年収

20〜24歳税理士の平均年収は449.62万円
25〜29歳税理士の平均年収は589.61万円

厚生労働省が運営する職業情報提供サイトによると、令和5年における20代税理士の平均年収は上記のようになりました。
一方で、国税庁が発表している民間給与実態統計調査によると、令和4年における日本全体の平均給与は458万円でした。

この結果より、税理士になると20歳代ですでに平均賃金以上の収入を得られることが分かります。なお税理士全体の平均年収は746.7万円でした。
20代から高い報酬を獲得でき、しかも定年を気にせず働き続けられる職業なのです。

20代税理士のキャリアアップ方法

20代の税理士がさらにキャリアアップするためには、自分を磨き、スキルを活かせる職場に転職することが大切です。

ダブルライセンス

ダブルライセンスとは、税理士ともう1つ別の資格を取得することです。
税理士資格との相乗効果によるキャリアアップを目指します。
税理士資格と相性が良いのは、行政書士や公認会計士、司法書士、中小企業診断士等です。
どのような分野で活躍するかにより、選択すべき資格が変わります。
たとえば行政書士をダブルライセンスに選択した場合、行政書士の独占業務を生かして、飲食店の新規開業支援等をより充実した形で提供できるようになります。中小企業診断士を取得したならば、税務コンサルティングに活かせるでしょう。

専門性

税理士も専門分野が分かれていますので、あなたが目指したい分野の専門を極めてください。
専門性を高めることで、その分野の業務があなたに集中します。その結果、単価も上がりますし給与にも反映されるでしょう。

また同じ分野の業務に専念することになれば、時間を効率的に使えるようになるので残業時間削減にもつながります。 最終的には「○○のことなら△△さん」と認識されるようになり、既存のクライアントが新規顧客を紹介してくれるようになります。専門性を高めることもキャリアアップの1つなのです。

営業力

営業力は税理士に欠かせない重要なスキルです。
税務の知識と税理士資格を持っていても、あなたの存在を知ってもらわなければ依頼は舞い込んできません。営業は、あなたを知ってもらい仕事をもらう最初のステップなのです。
営業力の強化には、営業のための本を読んだり、クライアントの業界について情報を得たり、新規クライアントにつながるルートを入手したりといった行為になります。

営業力は、社員としても独立しても役立ちます。
税務の知識や経験が乏しくても、営業力でカバーすることも可能です。
まださほど経験を積んでいない20代の税理士こそ、営業力の強化を実践してください。

コミュニケーション能力

営業力にもつながるスキルですが、コミュニケーション能力も重要です。
税理士は税金の計算だけが仕事ではありません。
既存クライアントの悩みをうかがい、税務面から解決します。
悩みを聞くには相応の信頼関係が出来上がっていなければならず、そのためには丁寧なコミュニケーションが必要です。

また事務所内でのコミュニケーションも大切です。
税理士は多くのクライアントの業務を抱えるものですが、事務所内のスタッフがあなたを常に支えてくれています。一般事務スタッフや記帳代行スタッフ、税理士補助等。
このような仲間たちとコミュニケーションを取ることで、スムーズな業務遂行が可能となるのです。
クライアントからも事務所内でも評判の良い税理士を目指すならば、コミュニケーション能力向上が必須といえます。

語学力

インターネットの爆発的普及によって国境をまたいだ国際取引が活発化しています。
そのため日本企業が海外進出する機会も、海外企業が日本に参入する機会も急増しました。 その結果、日本語以外の語学が理解できる顧問税理士の需要が増えています。
外資系企業が日本に参入する場合、トップはその国の出身者が多く、英語または中国語での会話が要求されるケースが多いようです。
通訳を介しても良いでしょうが、税理士本人が話せる方が良いのは明白です。

また日本企業が海外進出する際には、顧問税理士が同行または事前に現地入りすることも珍しくありません。
日本語しか話せない税理士は、日本国内の業務しか取り組めませんが、多言語が話せるならば業務の幅がグッと広がるのです。

マネジメント能力

マネジメント能力が高いと、社内評価が上がり、昇給昇格しやすくなります。
税理士は税務を突き詰めるスペシャリストを目指す人が多く、マネジメントに関心のある人がそれほど多くはありません。

そのため、どの税理士法人でも管理職候補の採用や育成に苦心しているのです。
マネジメント能力を伸ばすことで管理職候補に名乗りを上げることができ、出世コースに乗れる可能性が高まります。
管理職を目指すライバルが少ないため、事務所内で派閥ができることもあまり考えられません。
所属している事務所でキャリアアップを目指すならば、管理職を目指すことも検討してみましょう。

20代から税理士試験合格を目指す方法

日本3大難関試験に数えられる税理士試験に、20代のうちから合格するのは至難の技です。
しかし若いうちに合格を勝ち取れば、以降のライフプランもキャリアプランも計画しやすくなります。
そこで本項では、20代から税理士試験に合格する方法をまとめました。

若い方が有利

まず知っておいてほしいことは、若いうちに受験する方が有利であるということです。 税理士試験は試験範囲が膨大で、数年かけて合格を目指す試験です。
人間の脳は年齢を重ねるごとにその成長スピードが遅くなると言われており、膨大な試験範囲の内容を記憶するには、若い方が有利なのです。つまり同じ税理士試験でも、60代になって受験するよりも20代で受験した方が合格しやすいといえます。
すでに税理士を目指すと決めているのならば、今日から勉強を開始しましょう。今日が一番若い日なのですから。

受験資格を満たす

税理士試験は大きく「会計学に属する科目」と「税法に属する科目」に分かれており、このうち「税法に属する科目」には受験資格が定められています。
税理士試験に合格するために「税法に属する科目」の受験はほぼ必須ですので、まずはこの受験資格を満たしましょう。

20代受験生へのおすすめは「職歴による受験資格」です。
なお「会計学に属する科目」の受験資格はありません。令和5年より受験資格が撤廃され、現在は誰でも受験可能となりました。

<税法に属する科目の主な受験資格>
受験資格の種類 条件
学識による受験資格 大学、短大又は高等専門学校を卒業した者で、社会科学に属する科目を1科目以上履修した者
大学3年次以上で、社会科学に属する科目を1科目以上含む62単位以上を取得した者
一定の専修学校の専門課程を修了した者で、社会科学に属する科目を1科目以上履修した者
司法試験合格者
公認会計士試験の短答式試験に合格した者
資格による受験資格 日商簿記検定1級合格者
全経簿記検定上級合格者
職歴による受験資格 法人又は事業行う個人の会計に関する事務に2年以上従事した者
銀行、信託会社、保険会社等において、資金の貸付け・運用に関する事務に2年以上従事した者
税理士・弁護士・公認会計士等の業務の補助事務に2年以上従事した者

税理士試験の勉強時間目安を知る

税理士試験は11科目中5科目に合格するとクリアできる試験で、おおまかには3,000時間程度の勉強時間が必要と言われています。
科目ごとの勉強時間目安は異なりますので、下記で確認しておきましょう。
なお、これはあくまでも目安であり、簿記や経理に携わった経験のない人は、より多くの時間が必要になる可能性もあります。

科目名 勉強時間目安
簿記論 500時間
財務諸表論 500時間
所得税法 1000時間
法人税法 1000時間
相続税法 500時間
消費税法 300時間
酒税法 150時間
国税徴収法 150時間
住民税 200時間
事業税 200時間
固定資産税 300時間

大学院進学による免除を検討する

一定の要件を満たす大学院を修了すると、税理士試験の科目が一部免除されます。
税理士試験は1科目ごとの合格率が15%前後の難関試験ですので、受験したからといって必ず合格できるわけではありません。
その点、大学院を修了すれば科目免除により確実に1〜3科目の試験をクリアできます。 大学院への進学費用や学習に費やす時間等のハードルはありますが、確実に税理士への道を歩めるうえに、修士号または博士号が取得できます。

専門スクールで学ぶ

税理士試験は1科目でも難関ですので、独学ではなく専門スクールで学ぶ人も少なくありません。
勉強習慣が身についている人ならば独学の方がスムーズに覚えられるかもしれませんが、そうでなければ専門スクールを活用しましょう。
通学タイプもあればオンライン授業が受けられるタイプもあります。ライフスタイルに合ったスクールを選択し、効率的な合格を目指してください。

一旦退職する道も選べる

20代ならば、一度退職して税理士試験に集中し、税理士試験合格後に社会復帰することも可能です。
仕事をしながら勉強した場合、平日に取れる勉強時間は多くて3時間が限度ではないでしょうか。対して退職した場合は、10時間以上の勉強時間が確保できます。
3倍以上の勉強時間が確保できるため、単純計算すれば3倍早く合格できることになります。
年齢を重ねると職歴のブランクは転職の妨げになりますが、20代という若さで、かつ税理士試験に挑戦していたという事実があれば、数年後に社会復帰した際にも悪影響とはならないでしょう。 一旦退職して税理士試験に集中できるのは、20代という若さ故です。

実務経験が積める職場に転職する

税理士になるためには、基本的に税理士試験の合格と2年以上の実務経験が必要です。
実務経験とは、会計等に従事した経験を指し、税理士事務所等で経験を積むことが多いようです。
ただし一般企業の経理部署や金融機関等でも実務経験と認められる業務に従事することも可能です。 現在の職場で実務経験が積めないならば、部署異動を願いでるか転職を検討しましょう。

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20代の税理士-まとめ

20代の税理士は、高く評価されます。その大きな理由は「若い税理士の需要があるのに人数が少ないため」です。
税理士試験は数年かけて合格すると言われる難関資格のため、20代のうちに合格するのは極めて難しいといえます。
しかし本記事を参考にコツコツと勉強を積み重ねることで、若くして税理士の資格を手に入れることもできるでしょう。
試験免除等も活用して、1日も早い税理士資格取得を目指してください。

執筆 ・ 監修

城之内 楊

株式会社ミツカル代表取締役社長

株式会社ミツカル代表取締役社長。 1990年生まれ。20代では士業向けのコンサルティング会社(株式会社アックスコンサルティング)で最年少役員として8年間勤務。これまで、3,000以上の税理士事務所のコンサルティングや士業向けのセミナーに複数登壇。さらにはスタートアップから上場企業まで外部顧問や役員としても活躍する。 退職後、税理士業界を活性化するために、税理士事務所の採用支援サービスを展開する株式会社ミツカルを創業。ミツカルでは年間2,400名以上の税理士事務所の求職者をサポート。審査基準を通過した優良事務所のみを紹介しており、ミスマッチのない転職支援を行っている。