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税理士が本気で独立開業を成功させるためにするべきこと

2024/09/11

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独立開業を本気で成功させたい税理士の方だけご覧ください!

成功に必要なマインドと重要なやるべきことをお伝えします。

あなたが税理士事務所を開業し、成功を本気で望んでいるのならばこの記事は参考になります。
一方、自由になりたい、自分のやり方で開業をして成功させたいと思われているのであれば、本記事を閲覧することをお勧めしません。起業後の道程は、想像していた楽しいものとは異なり、厳しい経験を幾度もすることでしょう。それでも、経営を軌道に乗せて、自己のビジョンに近づけた時には、あなたはかけがえのない充実感に浸ることができます。

本記事は、税理士として独立開業を成功させるための、必要なマインドセットと具体的な準備行動について記載しています。是非、参考にしてください。

税理士事務所を開業する前に考えるべきこと

税理士が独立開業前に考えるべき本当に大切なことは、必要な準備書類を考えることでも、必要な準備資金を数えることでも、事業計画数値を考えることでもありません。目的とビジョンの明確化、そして方針(戦略)づくりです。

開業の目的やビジョンが経営者として語れるようでなければ、開業後、目先の数値だけを追いかけてしまいことになりますし、あなたが描く物語に共感しない職員が入職し、あなたの指揮についていけずに中長期的な継続雇用が難しくなります。
戦略にそって組織は動きますから、あなたが思いついた業務を思いついた時に職員に伝えてしまうと職員は右往左往し、非生産的な組織が組成されてしまいます。

独立開業する目的を再度振り返り、目的を達成させる過程でのビジョン(方向)を明確にして、競合分析や自事務所の強み、市場ニーズを確認しながらリソース分配を考慮しながら、どのようにそのビジョンを目指すかの戦略を考えていきます。考えれば考えるほど、これまで出会ってきた顧問先の経営者の方の気持ちや、良し悪しはさておき、現事務所の所長先生の考えや苦悩がわかるようになります。

皆さんは、開業をしない道を選んで後悔をするより、開業して後悔する道を選ばれた方なので、是非、記事の続きをお読み頂き、後悔しない開業の道を歩んでください。

なぜ独立開業したいのか?

独立開業をする際に、多くの税理士の方が開設に必要な事務的知識を得ようとし、融資を受けることを目的にした3ヵ年程度の事業計画の数値を作成しようとします。
税理士事務所の独立開業の準備として、それは確かに必要なことなのですが、しかしながら、成功に紐づくものではないので重要なことではありません。

独立後、組織に属していた環境から、経営者という孤独な環境に身を置くことになります。大規模事務所に所属していたり、よほど所属していた組織の代表先生と関係性良く働いていない限り。顧客の引継ぎはかなうことは難しいですから開業の目的明確化は、あなたのモチベーションを維持する上で、困難な状況に直面したときの前進力の源になります。"なぜ独立開業したいのか"、独立開業の目的を明文化してみてください。当初は、個人的な理由が大半を占めても構いませんし、独立開業後ずっと1人税理士事務所として経営するのであれば最後まで、全て自己のための独立でも構いません。

しかし、事業と組織を成長させることを願うならば、税理士として独立することで、だれがどのようなメリットとベネフィットを享受するかを思惟しなければ、あなたの物語の行きつく先に誰も共感をしてくれずに、組織拡大も事業成長は難しいでしょう。

あなたが新しく税理士事務所を開業することで、顧問先や、地域社会、働く人がどのような理由で喜んでくれるのかを考えてみてください。それがあなたのやりがいにもなりますし、その想いが伝われば、年齢に関係なく従業員、顧問先、身内の方が協力したいと思えるようになることでしょう。

時間をかけて良いですから、開業する目的を明確にしてみてください。潜考中に、あなたが望む本質の目的を理解できれば、退職前に本当にやるべきことが見えてきますし、あらためて覚悟がもてるかもしれません。

ビジョンを考える

税理士事務所の経営者として中長期のビジョンがなければ、目前に業務に追われる可能性が高くなります。
最初から、5年以上先の長期的ビジョンを考えることができれば良いですが、ベテランの経営者でも容易ではありません。2、3年後の中期的視点で構いませんので、自分の事務所がどうなっていることが理想なのかを想像して言葉に起こしてみてください。

3年後の姿が具体的になってきたら、2年、1年、半年、3ヵ月、1ヵ月後と近い将来に近づけていきます。矛盾をなくした上で、達成が困難なビジョンと、背伸びすれば手の届くルーフショット的な2パターンを考えておくと良いでしょう。

開業後に自己信念や、鋭い洞察力で目的に近づくための最短距離を思いつけば、道半ばビジョンを変更しても構いません。今は、自由な気持ちで描いてみてください。この時点での失敗はありませんので、思いの丈をメモ帳に綴ってください。思いにふける時は、邪魔されずに、リラックスができるカフェや自宅を使用することをお勧めします。
独立開業する目的に合わせて、ビジョンを描くことができたら次の事項に進んでください。

自分の強みと弱みを明確にする

税理士事務所の独立開業を成功させるために、自己の強みと弱みを改めて明確にしてみてください。
ビジョン達成のための方針、必要資金、準備するべき事項に変化をもたらす事象なのでとても大切です。強みをいかすことは、他社との差別的優位性が保て、ビジョン達成のための近道になります。自己の強みを理解する上で、気をつけるべきことは、顧客や組織の利益にならないものであれば、事業上の強みにはなりません。顧客が益する強みなのであれば、まだ見ぬ顧客に強く訴求し、圧倒的にその強みを伸ばしていくことをお勧めします。

一方、あなたの弱みが、成果を得る上で大きな影響を及ぼすものでなければ、他人に任せるか、思い切って捨てることが得策です。
重要なことは、事業を成功させる上での強みと弱みを把握すること
にあります。

強みと弱みを考えることは、自分自身を客観的に振り返る良い機会になります。事業上、影響を及ぼす弱みは、どのように補完するか、どのように強化していくかを計画立てて考えて実行していきましょう。

独立開業前にするべき重要なこと

独立開業へ向けて、あなたが事前にやるべき重要な行動について助言します。
開業前の仕事の一つは集客準備です。理想は、開業当月から収益が上がる状態であり、生活費が充足される程の利益を出せるようにしておくことです。集客は顧問先をつくるということを指します。できる限り、開業リスクを低減するために事前準備を行いましょう。

まずは、見込み顧客となる企業を紹介してくれる銀行や経営者とのつながりを持つように営業をかけてください。既に、つながりが強ければ、更に関係性を構築しておくとよいでしょう。営業が苦手で、失敗をしたとしても悔いている暇はありません。あなたの楽しい独立開業ライフのために事前に失敗は重ねていきましょう。開業後に失敗をするより、事前に失敗を沢山したほうが良いのです。

次に広告ですが、HPを作成するだけでは集客が困難であることを理解してください。顧客は自らあなたの事務所を訪れてはくれません。WEB広告とSEOの知識を勉強するようにしてください。自身で広告をする必要はないですが、無知のままでは、支援してくれる取引先会社や、職員の方に指導ができずに放置になってしまいます。

開業当初は資金に限りがあるので何度も失敗することはできません。次項目以降は、開業前に準備するべきことを流れにそって記載しています。無理に流れに沿って準備しなくても構いません。しかし、開業後にするのか、開業前にするのかで、あなたのビジョンの達成スピードが変わるとともに、あなたの独立税理士としての年収も変わってくることは留意してください。

目標を達成させる方針と方法を決める

目的とビジョンを明確にした後は、達成の戦略と方法を探っていきます。
すぐに答えが出る人は、相当な経験値と知識量に富み、発想が湧き出る人しかいませんので安心してください。先ずは思いついたことを携帯などにメモしていきましょう。あなたの顧客である経営者の方に、創業時からの経緯や、ビジネスを成功させてきた考え方や方法を聞くことも一助になります。本を手当たり次第、読むことでも構いません。知識が不足しているとアイデアが浮かびにくいのです。知識を増やしながら、毎日考え続けていくと思いつくようになります。痛み苦しむからこそ、個人事業主の方や経営者の気持ちや痛み、そして、ありがたみがわかるようになります。

方針がある程度、形成されてきたら、第3者の視点になり違和感や矛盾に気づいた点を改修しながら、一貫性を強くし、具体的な方法まで詰めていきます。

3年後の目標数値と事業数値計画をつくる

既に顧問先に経営支援をされていた税理士の方であれば、3年間の数値計画を作成することは簡単かもしれません。

重要なことは、なぜその数値計画なのかを話せるように毎月の売上と利益に根拠をもたせることです。中小企業程の組織であれば、計画を立てる際は売上金額から考えるのではなく、利益から考えていきます。月、年間でどのくらいの利益を出したいのかを明確にします。自分が得たい利益、年収そして、返済費用、内部留保したい資金を考えます。必ずしも、右肩あがりにする必要はありません。事業が伸長する過程で投資機会がありますので、その際は踊り場をもうけます。その数値に対して、次は、単価から顧客数を割り出していきます。そうすると必要な継続顧客数と新規獲得顧客数の値が見えてきます。

集客計画と人員増加計画をつくる

税理士事務所の独立開業の成功のためにやるべきことは何よりも集客です。リスクを少しでも減らすためにも、理想の状態は事務所の開業時に既に顧問先があることです。顧問先がないイコール、収益がないということなので自己資金もしくは融資金を毎月減少させていくことになります。

独立は一生で何度もある体験ではありません。人によっては、キャリアの集大成になるでしょうし、自由になるための一生に一度の機会になるでしょう。集客や営業が苦手だからと言っている場合ではありません。事業計画に合わせてだした半年間の毎月の必要新規受諾数に対して、新規顧客となり得る企業や個人事業主の方の見込み数は、どの程度必要になるかを考えます。

人員増加計画とは事業の成長計画にあわせて、いつ、どのような能力値をもった人材が必要なのかを考慮して、どのようにして人員を増やすかを計画することです。リスクや費用を抑えるために、家族経営も方法の一つではありますが、将来的に組織を成長することを望むのであれば得策ではありません。はたまた雇用したいときに、科目合格者や、キャリア経験者を雇用できるほど人材採用は甘くはありません。採用の勉強も事前にインプットしておくことで、漠然とした不安は低減していきます。

税理士資格を取得するためには相当な勉強時間が必要でした。それ以上に、税理士事務所を独立開業して成功させるための経営の勉強時間は必要です。自分の生活費用分を稼ぐだけであれば、困難とまでは言いませんが、事業と組織を毎年成長させていくのであれば、経験のない努力が必要になります。
しかし、経営知識をインプットして、行動に移し、内省と改善を繰りかえしていくことで、必ずあなたの理想に近づくことができます。新しい目指すべき将来も描けます。

この記事を参考に、新しい船出を楽しんで頂ければと思います。

執筆 ・ 監修

城之内 楊

株式会社ミツカル代表取締役社長

株式会社ミツカル代表取締役社長。 1990年生まれ。20代では士業向けのコンサルティング会社(株式会社アックスコンサルティング)で最年少役員として8年間勤務。これまで、3,000以上の税理士事務所のコンサルティングや士業向けのセミナーに複数登壇。さらにはスタートアップから上場企業まで外部顧問や役員としても活躍する。 退職後、税理士業界を活性化するために、税理士事務所の採用支援サービスを展開する株式会社ミツカルを創業。ミツカルでは年間2,400名以上の税理士事務所の求職者をサポート。審査基準を通過した優良事務所のみを紹介しており、ミスマッチのない転職支援を行っている。