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2025/01/01
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働きながら税理士試験に合格するためには、無理なく長期間勉強し続けられる体制を作り、根気強く勉強を続けることが大切です。 そこで今回は働きながら税理士試験に合格するための具体的なポイントを紹介いたします。本記事を参考に、税理士試験を無理なくスピーディに突破しましょう。
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働きながら税理士試験に合格するためのポイント
税理士試験は三大難関資格に数えられるほど難しい資格試験です。 そのため数年以上の勉強が必要と言われています。長期間の勉強を継続するために、以下のポイントを押さえましょう。
勉強のスケジュールを立てる
まずすべきことは、スケジュールの立案です。 人によって勉強に充てられる時間も覚えやすさも異なりますので、あなた自身にマッチしたスケジュールを立てましょう。 勉強時間をどれくらい取れば税理士試験に何年で合格できるのか、という目安も分かります。 スケジュールの立て方は5段階に分かれます。
①受験科目とその勉強時間目安を知る 11科目の中から、あなたが受験を検討している5科目を抜き出し、その勉強時間の目安を知っておきましょう。 勉強時間の目安は下記のとおりです。
科目名 | 勉強時間の目安 |
---|---|
簿記論 | 500時間 |
財務諸表論 | 500時間 |
所得税法 | 600時間 |
法人税法 | 600時間 |
相続税法 | 450時間 |
消費税法 | 300時間 |
酒税法 | 150時間 |
国税徴収法 | 150時間 |
住民税 | 200時間 |
事業税 | 200時間 |
固定資産税 | 250時間 |
②年間スケジュールを立てる 税理士試験全体に必要な勉強時間が把握できたら、その結果を年間スケジュールにまとめます。 たとえば、初年度に簿記論と財務諸表論を受験するとするのなら、年間勉強時間は1,000時間程度必要だと分かります。
③月間スケジュールを立てる 年間スケジュールから月間スケジュールを作成します。 仕事の繁忙期には勉強時間の確保が厳しくなりますので、閑散期に勉強時間を増やす等の対策を検討してください。 過去問を解く時間を確保するために、試験範囲は8カ月程度で終わらせましょう。
④週間スケジュールを立てる 立案した月間スケジュールから、週間スケジュールを立てます。 毎日決まった時間を勉強に充てられる人もいれば、曜日によって落差が激しい人もいるでしょう。 勉強を無理なく続けられるようにスケジュールを作成してください。 この時点で勉強時間が確保できないならば、受験する科目数を減らす、2年で1科目合格を目指す等の変更も検討しましょう。
⑤1日あたりの勉強時間を把握する 週間スケジュールから、1日あたりの勉強時間を計算しましょう。 導き出した勉強時間が数年間続いても問題ないかを、必ず自問自答してください。
勉強時間を捻出する
スケジュールの立案で計算した1日あたりの勉強時間を捻出します。 通勤時間や退勤後、休日等、普段なら余暇に使っている時間を勉強時間に変更しましょう。 睡眠時間や食事の時間を削るのは控えてください。 生活スタイルが乱れると、病気等により勉強が大幅に遅れる恐れがあるためです。 規則正しい生活と勉強の継続のために、無理は禁物です。 無理をしなければ勉強時間が確保できない場合は、スケジュールを再検討してください。
専門スクールや予備校を活用する
「1人ではモチベーションが続かない」「誰かに教えてもらいたい」「仲間と一緒に切磋琢磨したい」 このようにお考えでしたら、専門スクールや予備校を活用しましょう。 会社と自宅との間にあるスクールを探してください。 近くにない場合は、通信教育を利用しても良いでしょう。 受講料と通学時間の確保をお忘れなく。
大学院に進学する
一定の要件を満たした大学院に進学した場合、税理士試験の一部が免除されます。 現在は免除制度を利用して税理士試験合格を目指すことが主流ですし、税理士資格を取得しさえすれば、合格までのルートはあまり問題視されません。無理に官報合格(5科目を試験で合格)を目指す必要はないのです。
大学院に進学するためには、基本的に大学を卒業していなければなりません。しかし学校教育法施行規則により「大学院において個別の入学資格審査により認めた22歳以上の者」も入学資格が認められるとされているため、最終学歴が高卒以下であっても進学できる可能性は残されています。 税理士試験科目が免除される大学院に進学し、受験科目を減らしましょう。 ただし専門スクール等と同様に、学費と通学時間の確保が必要不可欠です。
家族や職場の理解を得る
少なくない勉強時間を長期間継続することになります。そこで問題になるのが隣人とのコミュニケーションです。 たとえば勉強を始めることで、職場での残業を断り続けたり、家族団らんの時間が減ったりすることになるでしょう。そこで何の説明もなければ、ひんしゅくを買い、最悪の場合は信用を失ってしまいます。 そのため事前に理解を得ておくことが大切なのです。 勉強に時間を費やしたいと言って反対されることは稀です。素直に「数年間、税理士試験合格に向けて勉強したい」と伝えましょう。
ただし、手放しで応援されることは期待しない方が良いかもしれません。 職場ではあなたが残業しない代わりに、誰かにしわ寄せがいきます。家族もあなたを支えるだけで支えられることがなくなれば、不満が溜まってくるでしょう。 きちんと話し合って、お互いの落とし所を探る必要があるのです。
残業が少ない職場に転職する
毎日長時間残業し勉強時間が確保できないならば、残業が少ない職場に転職することも検討してください。 基本的に残業が減ると収入が減りますから、転職すべきかどうかはあなたの状況によります。 たとえば家族を養わなければならないのに収入が減れば、一家共倒れになりかねません。このような事態は避けるべきです。
しかし、生活を維持できる範囲で転職できるならば、残業の少ない職場へ転職することで、税理士試験合格までの年数を短縮できる可能性が高まります。 あなたのライフプランをよく考えた上で、転職すべきか判断してください。 なお転職する場合は、あなたにぴったりの転職先を紹介してくれる「転職エージェント」の利用を推奨いたします。転職先を探す手間と時間が省けますので、限られた時間を有効に使えます。
働きながら税理士試験の勉強時間を確保する方法
働きながら勉強を続けることは非常に難しいものです。 勉強時間を効率的に確保し、習慣化しましょう。 下記に具体的な方法をいくつか紹介いたします。取り入れやすい方法を試してください。
出勤前
朝方の人は出勤前に勉強しましょう。 朝食を採りながら音声を聞くだけでも勉強になります。 さらに時間を取れるならば、前日の復習をすることで定着率がアップしますよ。 スマホやテレビを観る時間を勉強に充てましょう。
通勤時間
通勤中も勉強できます。 スマホで音声を聞いたり、一問一答に挑戦したり、理論の暗記に取り組んだりといった勉強法がおすすめです。いずれも短時間で完了しますので、消化不良になりません。 普段は寝たりボーッとしたりしている時間を有意義に使いましょう。
退勤後
退勤後はある程度まとまった時間が取れるので、専門スクールに通うか、自宅で勉強を進めましょう。 25分に1回の休憩を挟むポモドーロ・テクニックを使うと生産性が上がると言われています。 座りっぱなしは血行不良の原因にもなりますので、定期的に休憩を取り、立ち上がって体を動かしましょう。
休日
長時間勉強できるチャンスです。 腰を据えて取り組み、一気に勉強を進めましょう。 しかし過程を疎かにしすぎるとギスギスしてしまいますので、家族との距離感は常に気をつけておくべきです。 時には休息がてらに家族サービスをしながら、辛さを感じない程度に勉強を継続してください。
働いている人が税理士になるためのルート
働いている人が税理士になるルートは大きく2つ。 官報合格をするか、大学院に進学するかです。どちらにせよ税理士試験の合格と実務経験は必要です。
官報合格+実務経験
官報合格とは、税理士試験5科目全てに合格することを指します。 合格すると官報に掲載されることから官報合格と呼ばれています。 官報合格をすると勉強した5科目についての知識が深いという理由から、後述する大学院進学者よりも転職時に優遇されることもあるようです。しかし昇給等にはほとんど影響しません。
税理士としての知識を確実に身につけたい人や、大学院進学費用の捻出等が難しい人が選択するルートです。 税理士試験は1科目に合格するだけでも大変なので、大学院進学者よりも合格まで年数がかかる傾向にあります。 官報合格を目指す場合、独学は厳しいため専門スクール等を活用することが一般的です。
税理士試験数科目合格+大学院進学+実務経験
税理士試験5科目のうち、大学院進学により数科目の免除を受けるルートです。現在ではこちらのルートがよく選ばれています。 大きなポイントは税理士試験の受験科目を減らせることです。このため税理士試験の勉強時間を大幅に削減できます。 税理士試験受験が一部免除されること、さらに修士や博士の学位が授与されることから、大学院進学には大きなメリットがあると言えます。
ただし大学院に進学するためには入学試験に突破しなければならず、また学費数年分の支払い、通学時間と課題提出にかかる時間の捻出等といった様々な問題も発生します。 入学すると数年間は在籍し、大学院で勉強することになります。あなたのライフスタイルに合致するかを見極めた上で判断しましょう。
その他
官報合格や大学院進学以外にも税理士になれるルートは複数存在します。 たとえば司法試験に合格すること、公認会計士試験に合格すること、国税庁等で一定以上従事することです。
ただしこれらの条件をクリアできるのは一部の人に限られます。 司法試験や公認会計士試験は税理士試験よりも難しいとされていますし、社会人がこれから国税庁等に転職するのも困難でしょう。 上記が当てはまる場合は目指しても良いかもしれませんが、多くのケースでは官報合格または大学院進学による税理士試験合格を目指すことになります。
働きながら税理士試験の勉強をするメリット・デメリット
働きながら税理士試験合格を目指すべきでしょうか。それとも一度退職し、勉強に集中すべきでしょうか。 最終的な判断基準は人によりますが、決断するためにはどのような効果があるのか知っておかなくてはなりません。 下記でメリットとデメリットをまとめましたので、判断材料の一部にお使いください。
働きながら勉強することのメリット
生活費が確保できる
毎月定期的な収入が確保できますので、心にゆとりが生まれます。 貯金がただ減っていくだけの生活を続けていると、金銭的な不安から勉強に身が入らなくなるかもしれません。その点、収入が安定していればひとまず安心できます。 また専門スクールや大学院の学費を支払うこともできますので、効率的に勉強できる環境を整備できる可能性が高まります。
実務経験を満たせる
税理士になるためには、税理士試験合格と共に2年以上の実務経験が必要です。 会計事務所や税理士法人で働いている人や、一般企業で税務に携わっている人は、その期間を実務経験としてカウントできる可能性があります。 事前に実務経験を満たしていれば、税理士試験合格と同時に税理士資格が取得できます。 税理士試験が長期に及ぶものだからこそ、働きながらの勉強で実務経験を早めにクリアしたいものです。
働きながら勉強することのデメリット
勉強時間が制限される
最大のデメリットは、勉強時間が制限されることです。 働いていなければ、日中のほぼすべての時間を勉強に充てられます。仕事の時間を8時間とするならば、1週間で40時間、1カ月で160時間程度が勉強時間に追加できるのです。
税理士試験合格までには2,500時間以上の勉強時間が必要とされており、1日8時間の勉強時間は非常に大きな差を生みます。 短期集中で税理士試験合格を目指すならば、一度退職して勉強時間を確保するという考え方もできるでしょう。
働きながら税理士試験に合格するには?-まとめ
働きながら税理士試験に合格している人は大勢います。 ただし合格には多大な労力と忍耐を必要としており、単純に「働きながら少しずつ勉強していればいつか取得できる」というものではありません。 これから税理士試験に挑戦するなら、上記のポイントを踏まえて無理なく効率的な合格を目指してください。
城之内 楊
株式会社ミツカル代表取締役社長