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公開日:2025/02/17
最終更新日:2025/01/24

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会社運営に欠かせない「経理」の役割に、具体的なイメージを持っていますか?
経理の仕事は単なる数字の処理だけでなく、会社の経営を支える重要なポジションです。
一方で、「会計や財務との違いが分からない」「経理に向いている人の特徴は?」と疑問を抱える方も多いでしょう。
本記事では、経理の仕事内容を日次・月次・年次業務に分けて詳しく解説し、必要な知識やスキル、そしてやりがいにも触れます。
経理の仕事に興味がある方、キャリアチェンジを検討中の方は、本記事を読むことで経理職の全体像を把握できます。さらに、業務の専門性や魅力も理解を深められるはずです。
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経理の仕事は?
経理と会計の違い
経理と会計は似たような業務に思えますが、目的や作業内容が異なります
。
経理は日々の取引を記録・管理し、正確なデータの作成が主な役割です。
一方、会計はデータを基に財務諸表を作成し、会社の経営状態を分析・報告します。
つまり、経理は「データを集める役割」、会計は「データを活用する役割」
です。
経理と財務の違い
経理と財務の違いは、関わるお金の流れの範囲
にあります。
経理は主に過去の取引を記録・管理する業務に焦点を当てていますが、財務は将来の資金繰りや投資計画の立案など、企業の資金をどのように運用するかに注力します。
経理が「現状の把握」を目的とするのに対し、財務は「将来の計画」が主な目的
です。
経理と簿記との違い
経理と簿記の違いは、業務の範囲
にあります。
簿記は、取引を帳簿に記録する技術や手法のことを指し、経理業務の一部に含まれます。簿記が主に記録作業に限られるのに対し、経理は帳簿記録のほか、データの整理や報告書の作成、さらには取引先とのやり取りなど幅広い業務を行います。
以下に経理との違いを表にまとめました。
比較項目 | 経理 | 会計 | 財務 | 簿記 |
---|---|---|---|---|
主な役割 | データを記録・管理する | データを活用して報告書を作成 | 資金運用計画を立案 | 帳簿に記録する技術や手法 |
時間の焦点 | 過去 | 過去~現在 | 将来 | 過去 |
業務範囲 | 取引記録・請求書管理など | 財務諸表作成・経営分析 | 資金繰り・投資計画 | 取引の記録 |
経理の仕事内容は?
日次業務
日次業務は、会社の日々の取引を記録・処理する業務 です。具体的には、売上や支出の確認、仕訳入力、現金の出納管理、請求書や領収書のチェックなどが含まれます。経営の基盤となる情報を整備する作業であり、正確さと迅速な対応が求められます。日次業務が滞ると、会社全体の業務にも影響を及ぼすため、計画的かつ丁寧な作業が重要 です。
月次業務
月次業務は、1ヵ月ごとに行う決算作業や財務データの集計・報告が中心 です。月末には売上や経費の集計を行い、月次試算表を作成します。また、未収金や未払い金の確認も行い、適切な資金管理をサポートします。月次業務は会社の経営状態を定期的に把握するための大切なプロセスであり、分析や計画立案にも役立ちます 。
年次業務
年次業務は、1年の集大成として行われる決算や税務申告を含む業務
です。年度末には財務諸表を作成し、税務署への申告書類を準備します。また、監査対応や株主総会の資料作成などの業務も担当します。作業は専門的な知識が求められるため、経理のスキルが試される場面となるでしょう
。
以下に経理の仕事内容を表にまとめました。
業務区分 | 主な内容 | 特徴 |
---|---|---|
日次業務 | 仕訳入力、売上・支出確認、現金出納管理、請求書・領収書チェック | 正確さと迅速な対応が求められる |
月次業務 | 月次試算表の作成、売上・経費の集計、未収金・未払金の確認 | 定期的な経営状態の把握に重要 |
年次業務 | 財務諸表作成、税務申告書の準備、監査対応、株主総会資料作成 | 専門知識が求められ、会社の集大成に関与 |
経理の仕事内容が向いている人は?
数字に強い人
経理の仕事は数字を扱うことが中心 です。売上や費用、利益などの計算や分析を正確に行う必要があるため、数字に対する苦手意識がない人に向いています。また、細かい計算ミスを防ぐためにも、注意深く数字に向き合えることが重要です。
注意深く、細かい作業が得意な人
経理では、日々の取引を記録したり、書類をチェックしたりする作業が多く発生 します。小さなミスが大きな問題につながることもあるため、注意深さや細部へのこだわりが求められます。単調に見える作業でも集中して取り組める人は、経理の業務をスムーズにこなせるでしょう。
論理的思考ができる人
経理業務では、取引内容を正しく理解し、適切な仕訳が求められます 。物事を論理的に考え、効率的に判断できるスキルが必要です。また、複雑な経理データを分析し、経営に役立つ情報を提供する場面でも役立ちます。
集中力が高い人
経理の仕事は、長時間にわたって数字やデータと向き合うことが多いため、集中力が重要 です。細かいミスを防ぎ、作業を効率的に進めるためには、集中力を持続させる能力が役立ちます。
責任感が強い人
経理の業務は会社の財務状況に直結するため、高い責任感 が求められます。正確な情報の提供で、会社の経営を支える重要な役割を果たします。責任感をもって業務に取り組める人に向いています。
コミュニケーション能力が高い人
経理の仕事はデータと向き合うだけではありません。各部署や取引先との調整や、経営陣への報告を行う場面も多くあります。適切に情報を共有し、周囲と連携するためのコミュニケーション能力が必要 です。
技術やソフトウェアに関心がある人
経理では、会計ソフトやエクセルなどのツールを使用する場面が多い
です。これらを活用して効率的に業務を進めるためには、ITスキルやソフトウェアへの興味があると有利です。また、業務の自動化や効率化に役立つ知識を持つことは、現代の経理職で大きな強みとなります。
以下に経理に向いている人の特徴をまとめました。
特徴 | 説明 |
---|---|
数字に強い人 | 数字に対する苦手意識がなく、正確な計算や分析が得意 |
注意深く、細かい作業が得意な人 | ミスを防ぎ、単調な作業でも集中して取り組める |
論理的思考ができる人 | 適切な仕訳や効率的な判断が求められる |
集中力が高い人 | 長時間にわたるデータ処理でも集中力を保つ |
責任感が強い人 | 会社の財務状況を支えるため、高い責任感が必要 |
コミュニケーション能力が高い人 | 部署間調整や経営陣への報告、取引先とのやり取りが多い |
技術やソフトウェアに関心がある人 | 会計ソフトやITツールを活用し、効率的に業務を進められる |
経理の仕事内容のやりがい
専門性が高い
経理の仕事は、高度な専門知識が求められるため、習得したスキルや経験が直接評価されやすい職種 です。特に、会計基準や税法の分野に精通し、他の人には代替できない存在になれる点が大きな魅力です。また、資格取得や実務経験を通じてスキルアップを図ることができるため、自己成長を感じられる場面も多いでしょう。
会社の経営にかかわることができる
経理の仕事は単なる記録作業にとどまらず、会社の経営に深く関与 します。経理が作成した財務データや報告書は、経営戦略の立案や意思決定の基盤となります。自分の仕事が会社全体の成功に貢献している実感を得られるのが大きなやりがいです。
会社の数字を把握できる
経理は、売上やコスト、利益など会社の財務状況を直接的に把握できるポジション です。数字を通じて会社の実態や課題を明確にできるため、経営に関する深い洞察を得ることができます。また、経営陣からの信頼も得やすく、業務の成果が評価されやすいのも特徴です。
経理に必要な知識とスキル
経理に必須の会計知識
経理業務を行う上で、会計知識は基本中の基本
です。仕訳や帳簿管理などの日常業務に対応するためには、簿記の基礎知識が必要です。特に、日商簿記検定3級や2級レベルの知識は、多くの企業で求められる標準的なスキルとなります。
また、会社法や税法に関する知識も重要
です。法律は、決算や税務申告を行う際の指針となるため、最新の情報を常に学び続ける姿勢が求められます。特に、経理職が扱う「消費税」「法人税」などの基礎的な税務知識は、即戦力となるスキルとして評価
されます。
効率化を図るためのITスキル
現代の経理業務では、会計ソフトやエクセルを活用したデータ管理が不可欠
です。例えば、弥生会計やfreeeなどの会計ソフトを使用するスキルは、多くの企業で求められます。エクセルの関数やピボットテーブルを使いこなすことができれば、データの集計や分析作業が大幅に効率化
できます。
さらに、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)やクラウド会計ソフトの活用により、ルーチンワークの自動化が進んでいます。新しい技術に興味を持ち、積極的に取り入れる姿勢は、経理職としての大きな強み
になります。
経理の平均年収は?
経理職の年収は、経験やスキル、企業規模などによって大きく異なります。
新卒や未経験者が経理として働き始めた場合の年収は300万円前後が一般的
ですが、経験を積むことで年収を大幅に増やすことが可能です。
経理職の平均年収はおおむね400万円から600万円
とされています。日々のルーチン業務を行う一般的な経理職から、決算や税務業務を担当する中堅クラスの経理職までが含まれます。特に、日商簿記2級以上の資格を持っている場合や、実務経験が5年以上ある場合には、企業からの評価が高くなる傾向
があります。
経理の専門性が高いポジションや管理職になると、さらに高い年収が期待できます。たとえば、連結決算や国際会計基準(IFRS)に対応するスキルを持つ経理スペシャリストは、年収700万円以上を得ることも可能
です。また、経理部長やCFO(最高財務責任者)など経営に近い役職では、1000万円以上の年収を得るケース
も少なくありません。
経理の仕事内容はなくなるって本当?
近年、AIやRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)などの技術の進化により、「経理の仕事は将来的になくなるのではないか」などの議論が注目を集めています。しかし、経理業務がすべて機械に取って代わられるわけではなく、役割はむしろ進化しています
。
ルーチンワークの自動化は、経理業務の効率化に大きく貢献しています。たとえば、仕訳入力やデータ集計、請求書の発行など反復的な作業は、すでに多くの企業でRPAや会計ソフトによって自動化されています。結果、作業に費やす時間は大幅に削減され、人手に頼らなくてもよい部分が増えました。
一方で、経理職の役割が単純作業からより高度な業務へとシフトしたこと
を意味します。自動化技術を使いこなし、結果得られるデータを分析して経営に活かす能力が、これからの経理職には求められます。
経理業務の中には、機械では完全に代替できない業務も多く存在
します。たとえば、取引先との調整や交渉、企業独自の会計処理の判断、監査対応、経営者への財務戦略の提案などの業務は、高度な判断力やコミュニケーション能力が必要です。業務は、経理職が持つ専門知識や実務経験によってこそ成り立ちます。
AIや自動化の進展によって、経理の仕事内容は確実に変化していますが、求められるスキルも進化しています。単純作業から解放された経理職は、より戦略的な業務や経営支援へ注力が求められるようになる
でしょう。新しい技術を積極的に学び続ける姿勢が、経理職としてのキャリアを切り開く鍵となります。
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経理職の魅力と仕事内容 -まとめ
経理の仕事は、会社のお金を管理し、経営を支える重要なポジションです。日次業務、月次業務、年次業務などの具体的な業務内容を通じて、正確な財務情報の提供が求められます。また、会計や財務、簿記との違いを理解し、役割の明確化が経理の業務をより深く理解する鍵となります。
経理に向いている人は、数字に強く、注意深く作業ができるだけでなく、論理的思考やコミュニケーション能力、ITスキルを持つ人です。適性があることで、経理業務の効率化や付加価値の高い業務への挑戦が可能となります。さらに、専門性の高い職種である経理には、自己成長やスキルアップの機会が多く、会社の経営に深く関与できるやりがいがあります。
一方で、AIやRPAなどの技術革新により、経理業務の一部が自動化されつつあります。しかし、経理職が不要になるわけではなく、むしろ業務が高度化・多様化しているのが現状です。経理職として活躍し続けるためには、新しい技術を取り入れ、より戦略的な業務に対応できるスキルを磨くことが重要です。
経理職は、経験やスキルを積むことでキャリアの幅を広げ、年収アップや専門性の高いポジションへの道を切り開ける職種でもあります。経理の仕事内容を正しく理解し、必要なスキルや知識を身につけることで、自分に合ったキャリアを築いていけるでしょう。

城之内 楊
株式会社ミツカル代表取締役社長