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公開日:2025/02/21
最終更新日:2025/02/14

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「法人税法の試験、どうやって勉強すればいいの?」
膨大な理論と複雑な計算に圧倒されていませんか?
実は、戦略的な学習計画を立てることで、確実に合格へと近づくことができます。
この記事では、法人税法の試験内容から勉強方法まで、徹底解説します!
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法人税法とは
法人税法とは、企業などの法人が納める法人税に関する法律です。法人税は、企業の所得(利益)に対して課される税金であり、日本では「法人税法」によってその課税ルールが定められています。法人税法は、課税所得の計算方法や税率、特別控除の仕組みなどを規定しており、税務実務や税理士試験において重要な科目の一つです。
法人税法の試験内容
法人税法試験の内容
税理士試験の法人税法では、法人税の計算や申告に関する専門知識が問われます。具体的には以下のような内容が出題されます。
・法人税の計算基礎(所得金額の計算、益金・損金の判断)
・税額計算(所得控除、税率適用、税額控除)
・特別な法人の税制(中小企業向けの特例、大法人の特例など)
・グループ税制・組織再編税制
・繰越欠損金や圧縮記帳などの特例
・申告・納税手続き(期限、罰則など)
法人税法試験の出題形式
法人税法の試験は、大きく分けて「理論」と「計算」の2つの問題形式で構成されます。
1.理論問題
◦法人税法の条文や通達に関する記述問題
◦主に暗記が必要で、条文を正確に理解し記述できる力が求められる
◦例:「受取配当金の益金不算入の計算について説明しなさい」
2.計算問題
◦企業の決算書をもとに、法人税の申告書を作成する問題
◦益金・損金の区分、特例適用、税額計算など実務に即した内容
◦例:「決算データを基に法人税の課税所得を計算しなさい」
法人税法試験の合格率と難易度
税理士試験における法人税法は、主要税法科目の中でも特に難易度が高く、多くの受験生が苦戦する科目の一つです。法人税法は、企業の税務申告や税額計算に関する高度な知識を問われるため、範囲が広く、理論・計算の両面で深い理解が求められます。
過去の合格率とその推移
法人税法は税理士試験の中でも難関科目の一つであり、合格率は低めです。近年の合格率は10~15%前後で推移しており、科目合格に3年以上かかることも珍しくありません。
年度 | 合格率 |
---|---|
2024年 | 約16.4% |
2023年 | 約12.1% |
2022年 | 約10.5% |
2021年 | 約11.3% |
2020年 | 約12.8% |
2024年の合格率は16.4%と、前年の12.1%から4.3ポイント上昇しています。これは、受験者数が3,583人、合格者数が588人と、前年に比べて合格者が増加したことが影響しています。このように、年度によって合格率に多少の変動はあるものの、概ね10~15%の範囲に収まっています。
法人税法は、税理士試験の中でも受験者数が多い科目の一つですが、その分、競争も激しく、合格するためには相応の努力が必要です。合格率が10%台ということは、単純計算で10人に1人程度しか合格できないということを意味し、合格するためには綿密な学習計画と徹底した演習が不可欠です。
法人税法の難易度
法人税法は、税理士試験の中でも特に難易度が高い科目です。その理由として、以下の3つのポイントが挙げられます。
・暗記量が多い
◦法人税法では、法律の条文や通達に関する知識が問われる。
◦理論問題では、単なる暗記だけでなく、正確に記述する力が求められる。
◦条文の内容を丸暗記するだけでなく、背景や適用要件を理解し、論理的に説明できることが重要。
・計算問題が複雑
◦所得金額の算出、税額控除、特例措置の適用など、実務に即した計算が求められる。
◦単純な計算力だけでなく、計算のプロセスや法的根拠を理解し、正しく適用できる力が必要。
◦特に、繰越欠損金の処理や税額控除の適用可否など、細かい論点の理解が重要。
◦実際の申告書を作成するつもりで、演習を重ねることが合格への鍵。
・ボリュームが多い
◦法人税法は、他の税法科目(所得税法、相続税法など)と比較しても、学習範囲が広く、内容も深いのが特徴。
◦通常の企業の税務申告に関する基本ルールだけでなく、組織再編税制、グループ法人税制、租税特別措置法など、多くの論点をカバーする必要がある。
◦それぞれの論点を体系的に理解しながら、計画的に学習を進めることが求められる。
これらの要素が組み合わさることで、法人税法の試験は非常に難易度の高いものとなっています。多くの受験生が「理論対策」と「計算対策」の両立に苦戦し、どちらか一方が不十分になることが不合格の原因となるケースが多いです。
法人税法合格のための学習戦略
法人税法に合格するためには、以下の学習戦略が有効です。
1.理論問題の対策
◦重要な条文を暗記するだけでなく、背景や適用要件を理解する。
◦記述式の問題を想定し、実際に答案を作成する練習を行う。
◦過去問を分析し、出題傾向を把握する。
2.計算問題の対策
◦基本的な税額計算のルールをマスターする。
◦模擬試験や問題演習を繰り返し、スピードと正確性を向上させる。
◦実際の申告書を作成するような実践的な演習を行う。
3.時間管理と学習計画
◦1,000~1,500時間程度の学習時間を確保する。
◦基礎→応用→直前対策の流れで、段階的に学習を進める。
◦モチベーション維持のために、定期的に進捗を確認する。
法人税法の勉強時間・学習方法
法人税法の勉強時間
法人税法は税理士試験の中でも特に難易度の高い科目の一つであり、合格するためには1,000~1,500時間の学習時間が必要とされています。これは、1日3時間勉強した場合、約1年間の学習期間に相当します。
この学習時間の内訳としては、
・基礎学習(300~500時間):法人税法の基本的な理論や計算ルールを理解し、基礎的な問題が解けるようになる段階。
・応用学習(400~600時間):過去問や応用問題を解きながら、出題パターンを分析し、解答の精度を上げる段階。
・直前対策(300~400時間):模試や本番を想定した演習を繰り返し、試験本番の時間配分を意識した訓練を行う段階。
これらをバランスよく進めることが、法人税法合格の鍵となります。
時間管理と学習計画の立て方
法人税法の試験は、理論と計算の両方が求められるだけでなく、テキストのボリュームが非常に多いため、計画を立てずに学習を進めると途中で挫折しやすくなります。
そのため、計画的かつ戦略的に学習を進めることが合格へのカギとなります。

STEP 1:覚えるべき理論・解くべき総合問題の洗い出し
まず、試験対策として、覚えるべき理論と解くべき総合問題をリストアップすることが重要です。
1.覚えるべき理論
◦Aランクのみならず、全ランクを覚えることが重要
◦理論を確実に暗記し、記述できるようにする
2.解くべき総合問題
◦市販の問題集を購入し、問題数を把握する
◦問題集の目次を確認し、総合問題の数を数える
・例:1冊に5題の総合問題がある場合、10冊で50題になる
◦模試で出題される可能性が高い問題を加えてリストアップする
・約10題ほど追加するのが理想
総合問題は、手当たり次第に解くのではなく、優先順位をつけて計画的に取り組むことがポイントです。
STEP 2:学習・実践・やり直しのスケジュールを決める
法人税法の試験対策では、「基礎学習 → 応用学習 → 実践 → やり直し」の流れで進めることが効果的です。
学習スケジュールの例(約6か月間)
期間 | 学習内容 |
---|---|
1~2月(ゆる学習) | - 理論のAランクとBランクの一部を完全暗記 |
3~4月(本格学習) | - 理論60題を完全暗記 - 計算演習問題を1日1題解く |
5月(超本気学習) | - 理論暗記の強化 - 計算問題を徹底演習 |
6月(復習・総仕上げ) | - 理論の再確認(「細かい部分」まで精査) - 計算問題を1日1~2題解く |
7月(やり直し) | - 総合復習・模試の解き直し |
ポイント
・6月の「理論の再確認」では、理解が曖昧な部分を重点的に学習
・計算問題は毎日最低1題ずつ解き、実践力をつける
・逆算して1日の学習量を決めることで、効率的に進める
POINT:理論ができると計算の効率が上がる!
理論の理解が深まると、計算問題の解答スピードも向上します。
理論と計算は切り離せない関係にあるため、「理論を理解 → 実際に計算で活用」の流れを意識することが重要です。
また、理論をしっかりと身につけることで、税法の本質的な理解が進み、将来的な税務の実務にも役立ちます。
勉強方法
法人税法の試験では、理論の暗記が不可欠です。本資料では、3ヶ月で完全暗記を目指すための学習法を紹介します。

1. 理論マスター(暗記)
理論をしっかりと暗記するために、4周の学習サイクルを実践します。
学習の流れ
学習期間 | 学習内容 |
---|---|
1周目 | 1日1個の理論を暗記 |
2周目 | 1日2~5個の理論を暗記 |
3周目 | 4日で1冊分の理論を暗記 |
4周目 | 4日で1冊分を再確認(継続学習へ) |
暗記のポイント
・100%暗記することを徹底(読む・暗唱・録音を活用)
・まずは全ての理論を覚え切ることを最優先
・覚えていないものは、追加で重点的に暗記
2. 理論ドクター(論述)
理論を暗記するだけでなく、論述できるようにすることが重要です。そのために、1日10ページのペースで論述の練習を行います。
学習の流れ
学習期間 | 学習内容 |
---|---|
1周目 | 1日10ページずつ論述の練習 |
2周目 | 1日10ページずつ論述を継続 |
論述対策のポイント
・間違った問題は「やり直しノート」に記録し、重点的に復習
・ノートを見返しながら継続的に学習
3. 継続的な復習と定着
法人税法の理論は、試験本番で即座に書けるレベルまで仕上げる必要があります。そのため、4周目以降も継続的に復習し、暗記した内容を定着させることが重要です。
独学での合格は可能?
法人税法の試験は独学でも合格可能ですが、非常に難易度が高いため、税理士試験の予備校を利用するのが一般的です。
独学のメリット・費用を抑えられる
・自分のペースで学習できる
独学のデメリット
・理論の記述問題の採点基準が分かりにくい
・過去問の傾向分析が難しい
・モチベーション維持が難しい
そのため、多くの受験生はTAC、大原、LECなどの予備校を活用しています。
働きがいのある会計事務所特選

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法人税法の試験対策:合格者が語る成功の秘訣 -まとめ
法人税法は難易度が高いですが、正しい学習計画と継続的な努力によって合格が可能です。
この記事が少しでも役に立てば幸いです。

平川 文菜(ねこころ)