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IPO準備における税理士の役割と実務

公開日:2025/03/21

最終更新日:2025/03/21

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税理士業務にはさまざまな専門分野があり、IPO支援に特化した税理士サービスもその一つです

IPOとは、Initial Public Offering(新規株式公開)の略で、企業が株式を証券取引所に上場するためのプロセスを指します。IPOを実施することで、企業は株式を一般に公開し、資金調達を行うことができます。

しかし、このプロセスは複雑で、多くの法的・税務的な要件をクリアする必要があります。そこで重要な役割を果たすのが税理士です。税理士は、税務面でのサポートやアドバイスを求められます。

まず最初に、IPOを目指す企業における税理士の役割を見ていきましょう

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IPO準備における税理士の役割

財務諸表の作成と監査対応
 ◦IPOを目指す企業は、上場審査に必要な財務諸表を作成する必要があるため、税理士はその財務諸表が正確で法的に適切であることを確認し、企業の財務状態を整理する。
 ◦IPO準備には監査法人との連携も大切で、税理士は監査対応をサポートする。

税務構造の最適化
 ◦IPO準備企業は、公開後に効率的な税務運営が求められるため、税理士はその税務構造の最適化を支援する。
  ・例:グループ法人の再編や税務の調整を行い、上場後の税務リスクを最小化する方法を提案。

ストックオプションなどの税務アドバイス
 ◦IPO後には従業員に対してストックオプションを提供する場合、税理士は、その際に発生する税務上の問題を適切にアドバイスする。

上場準備中の税務相談
 ◦上場前後で発生するさまざまな税務問題について、税理士は企業にアドバイスを行う。
  ・例1:株式発行に関する税務処理。
  ・例2:上場後に直面する可能性のある税務調査の対策。

税務リスクの管理
 ◦上場企業は税務監査を受ける機会が増えるため、税理士は税務リスクを管理し、税務調査に備えた準備を進める。
 ◦税理士のサポートを受けることで、企業は適切な税務対応を行うことができる。

上記のように、IPO準備における税理士の役割は必要不可欠といえます。税理士の重要性を理解したところで、次にIPOに関連する税理士の業務内容を説明していきます。

IPOに関連する税理士の業務内容

税理士がIPO(株式公開)支援を行う際に提供するサービスは多岐にわたります。IPO準備企業にとっては上場審査に合格し、上場後の安定的な運営を維持するために、税理士にサポートを依頼するメリットは高いです。以下は、税理士がIPO支援で提供する主なサービスです。

1.財務諸表の作成と整備
2.税務構造の最適化
3.ストックオプションの設計とアドバイス
4.資本政策のサポート
5.IPOに向けた税務コンプライアンスの確保
6.IPO後の税務アドバイスとサポート


それでは、この6つを詳しく見ていきましょう。

1. 財務諸表の作成と整備

IPO準備企業は、上場に向けて直近数年分の財務諸表を整備しなければなりません。税理士は、企業の会計処理や税務上の問題が適切に整理されているかを確認し、財務諸表の作成をサポートします。

財務諸表の作成支援
 ◦企業の財務諸表が上場基準に合致していることを確認し、適切に整理・調整。

監査法人との連携
 ◦財務諸表が監査法人によって承認を得るために、税理士は監査法人との連携を行い、必要な修正を行う。

2. 税務構造の最適化

IPO準備の段階では、税務上の構造が非常に大切です。税理士は、公開後に企業が直面する税務リスクを避けるために、適切な税務戦略を提案します。

税務戦略の構築
 ◦税理士は、企業がIPO後に最適な税務戦略を立てるために、税務面での構造を整備。
  ・グループ再編や税制優遇措置の活用が含まれる場合もある。

税務リスクの管理
 ◦上場後の税務調査や税務コンプライアンスのリスクに備えるための計画を立て、企業が法令遵守を維持できるよう支援する。

3. ストックオプションの設計とアドバイス

上場企業では、社員に対してストックオプションを提供することが一般的です。税理士は、ストックオプションの設計に関するアドバイスを行い、税務的に問題がないようサポートします。

ストックオプションの設計支援
 ◦従業員に対して株式を提供するために、税理士はストックオプションプランを設計し、その実行に必要な手続きや税務問題をサポートする。

税務面でのアドバイス
 ◦ストックオプションの発行や行使に伴う税務処理についてアドバイスする。

4. 資本政策のサポート

IPOを実施するためには、適切な資本政策が必要です。税理士は、資本政策の策定を支援し、企業が株式を適切に発行できるようサポートします。

資本政策の立案
 ◦税理士は、企業がどのように資金調達を行い、株式を発行するかを決定する資本政策の策定に関与する。

資本構成の最適化
 ◦税理士は、企業の資本構成が上場基準に合致し、税務リスクを最小化するように調整する。

5. IPOに向けた税務コンプライアンスの確保

上場準備企業は、税務面でのコンプライアンスを遵守することが求められます。税理士は、上場前後の税務コンプライアンスを確保するために必要なサポートを提供します。

税務申告書の準備と確認
 ◦IPO準備段階では、税務申告書が正確に作成されることが必要。
 ◦税理士はその内容が正確であり、法的な問題がないことを確認する。

税務リスクの管理
 ◦上場後の税務監査に備えて、税理士はリスク管理を行い、税務調査への準備を整える。

6. IPO後の税務アドバイスとサポート

IPOが成功した後も、税理士の役割は続きます。税理士は、上場後の企業の税務運営をサポートし、税務リスクを回避するための戦略を提供します。

上場後の税務アドバイス
 ◦上場後の株式発行や配当、税制改正への対応について、税理士は企業にアドバイスを行う。

税務申告書の提出サポート
 ◦上場後に必要となる税務申告書の提出や手続きについて支援する。

以上の6つが、IPOに関連する税理士の業務内容です。このように、税理士は上場準備企業に対し、税務面でのサポートやアドバイスを行い、企業の上場を支援します。さらに、上場後も税務サポートが必要となるため、上場企業にとって税理士は必要不可欠な存在です。

IPOにおける税理士の業務を理解したところで、次にIPO後に税理士が提供できるサポートについて説明します。

IPO後の税理士サポートの重要性

上場後は、税務面や規制面での複雑さが増し、企業の経営環境も大きく変化するため、税理士のサポートが欠かせません。IPO後の税理士サポートは、企業の持続的な成長を支え、上場企業としての法令遵守を確保するために重要な役割を果たします。

以下に、IPO後の税理士サポートの重要性を詳しく説明します。

上場後の税務コンプライアンスの確保

IPO後は、企業が税務コンプライアンスを適切に守ることが求められます。上場企業は、より厳格な税務報告義務や監査基準に従わなければならず、税理士が適切な税務申告と報告を行うことが欠かせません。

税務申告の適正化
 ◦上場企業は、法人税、消費税、源泉税などの税務申告を正確に行う必要がある。
 ◦税理士は、これらの申告が法令に則って行われているかを確認し、税務リスクを最小限に抑える。

税務調査対応
 ◦上場企業は税務調査を受ける可能性が高いため、税理士が税務調査対応をサポートし、適切な対応を行う。
 ◦税理士は税務調査において企業の立場を守るための専門的なアドバイスを提供する。

上場後の財務報告と監査のサポート

IPO後は、投資家や株主への財務報告が厳格に求められます。税理士は、財務諸表の作成や監査法人との連携において大切な役割を果たします。

四半期報告や年次報告の作成
 ◦上場企業は、四半期ごとや年度ごとの財務報告書を作成し、証券取引所や投資家に提供する必要がある。
 ◦税理士は、税務面や会計処理の正確性を確保し、これらの報告書が法令に適合しているか確認する。

監査法人との調整
 ◦上場企業は、監査法人の監査を受けることが義務付けられています。税理士は、監査法人との連携をサポートし、必要な資料や説明を提供して、スムーズな監査対応を支援する。

税務戦略と企業価値向上の支援

上場企業は、より複雑な税務戦略を立てる必要があります。税理士は、企業価値を向上させるための税務戦略を提供し、効率的な税務管理を実現します。

グループ会社の税務戦略
 ◦上場後、企業は子会社や関連会社を持つ場合、税理士は、グループ全体の税務戦略を統括し、税務負担を最適化する方法を提案する。

利益還元の最適化
 ◦上場企業は、株主への利益還元方法(配当金、株式買戻しなど)について税務面での戦略を立てる必要がある。
 ◦税理士は、これらの選択肢に対して最適な税務アドバイスを提供する。

上場後の資金調達と税務面でのアドバイス

上場後も企業は資金調達を行うことがあり、税理士のサポートが必要です。例えば、増資や社債発行を行う場合、税理士はその税務面でのアドバイスを行い、調達手段の選択に関して有益な助言を提供します。

増資や新株発行の税務処理
 ◦上場企業が新株を発行して資金を調達する場合、税理士はその発行に伴う税務処理や税務戦略についてアドバイスを行う。

社債発行の税務アドバイス
 ◦企業が社債を発行する場合、税理士は社債発行に伴う税務処理や、社債の税務上の取り扱いについてアドバイスを提供する。

株主対応と税務問題の処理

上場後は、株主への対応が不可欠な業務となります。税理士は、株主向けの税務関連アドバイスを行い、株主に関連する税務問題を適切に処理します。

株主への配当の税務アドバイス
 ◦上場企業は、配当を株主に支払う場合、その税務処理や配当所得に対する課税に関するアドバイスを行う。

ストックオプションの取り扱い
 ◦上場企業では、従業員向けにストックオプションを付与することが一般的。
 ◦税理士は、ストックオプションに関する税務処理や、発行時の税務アドバイスを行う。

上場後の規制対応と法令遵守

IPO後、上場企業は証券取引所や金融庁などの規制機関に対して法令遵守を徹底する必要があります。税理士は、規制対応のサポートや法令遵守を確保するためのアドバイスを提供します。

内部統制の強化
 ◦上場企業は、内部統制が強化されることが求められる。
 ◦税理士は、税務面に関する内部統制の整備や、適切な報告体制を整えるためのアドバイスを行う。

法令遵守の確認
 ◦上場後は、税務や会計の法令遵守が一層必要になる。
 ◦税理士は、法令に適合した経営を実現するために必要な手続きをサポートする。

企業の成長に合わせた柔軟な税務サポート

上場企業は、成長の過程で税務面での変化が生じることがあります。税理士は、企業の成長に合わせた柔軟な税務サポートを提供し、事業拡大に伴う税務問題に適切に対応します。

新規事業や海外展開に対するアドバイス
 ◦企業が新しい事業分野に進出したり、海外市場に展開する場合、税理士はその際に発生する税務問題を事前に予測し、最適な税務戦略を提供する。

上記7つのように、IPO支援は上場後も必要となり、税理士は上場企業にとって必要不可欠な存在となります。

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IPO準備における税理士の役割と実務 -まとめ

IPO(新規上場)支援における税理士の役割は、単なる税務アドバイスにとどまらず、「財務諸表の整備」、「税務戦略の最適化」、「ストックオプションの設計」、「資本政策の立案」など、企業が上場を成功させるためのサポートを提供します。

上場前の準備段階から、上場後の税務運営まで、税理士は企業にとって頼りになるパートナーです。

上場後も引き続き税理士が提供するサポートが大切であり、税務コンプライアンスや監査対応、企業価値向上に向けたアドバイス、規制遵守の確認など、多岐にわたる業務を通じて企業の成長をサポートします。

執筆 ・ 監修

城之内 楊

株式会社ミツカル代表取締役社長

株式会社ミツカル代表取締役社長。 1990年生まれ。20代では士業向けのコンサルティング会社(株式会社アックスコンサルティング)で最年少役員として8年間勤務。これまで、3,000以上の税理士事務所のコンサルティングや士業向けのセミナーに複数登壇。さらにはスタートアップから上場企業まで外部顧問や役員としても活躍する。 退職後、税理士業界を活性化するために、税理士事務所の採用支援サービスを展開する株式会社ミツカルを創業。ミツカルでは年間2,400名以上の税理士事務所の求職者をサポート。審査基準を通過した優良事務所のみを紹介しており、ミスマッチのない転職支援を行っている。