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知って得するタックスプランニングの最新トレンドと手法

公開日:2025/04/23

最終更新日:2025/04/23

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「できるだけ税金を減らしたい」と考えたことはありませんか?
その願いを、合法的に、そして戦略的に実現する方法がタックスプランニングです。
タックスプランニングとは、税法の枠内で納税額を最適化するための計画的な対策のこと。
正しく活用すれば、手元資金の確保や将来の資産形成にも大きく貢献します。
企業経営者にとっては利益の最大化、個人にとっては生活や老後設計の安定につながる重要な取り組みです。

この記事では、タックスプランニングの基本的な考え方から、具体的な実践方法までをわかりやすく解説します。
「節税」と「脱税」の違いが不安な方でも、安心して実行できるポイントを丁寧に紹介しています。
税務リスクを避けつつ、あなたの未来を守るための第一歩として、ぜひ参考にしてください。

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タックスプランニングとは

タックスプランニング(Tax Planning)とは、税法の範囲内で合法的に納税額を最適化する戦略のことです。
個人や企業が、将来の所得や支出、資産の移動を見越して、税金の負担を軽減・回避するために行う事前の計画・対策を指します。

タックスプランニングの基本的な概念

タックスプランニングの基本には以下のような考え方があります。

① 税制の理解
所得税、法人税、相続税などの税法の仕組みや優遇制度を理解することが前提です。

② 時期の選定
・所得の発生時期や支出のタイミングを調整することで、課税タイミングをコントロールできます(例:年内支出と翌年支出の比較)。

③ 手段の選択
控除や特例制度の活用(例:ふるさと納税、NISA、住宅ローン控除、特定支出控除など)。 ・法人化や所得分散など、組織や契約形態を工夫して税負担を分散させる。

④ 合法性の確保
・脱税とは異なり、タックスプランニングはあくまで合法的な節税を前提としています。

タックスプランニングの重要性

タックスプランニングは以下のような理由で非常に重要です。

1. 資金繰りの安定化
税負担をコントロールすることで、資金の流出を抑え、手元資金を確保できます。

2. 投資・経営判断の最適化
税制を考慮した経済活動(設備投資や資産運用など)により、トータルのリターンを最大化できます。

3. リスク管理
事前に税務リスクを把握しておくことで、税務調査での指摘リスクを最小限にできます。

4. 将来設計の支援
個人であれば老後資金や相続対策、法人であれば事業承継や組織再編にもタックスプランニングが不可欠です。

観点 内容 具体的な効果・メリット
資金繰りの安定化 税負担をコントロールし、支出の時期や額を調整 手元資金を確保し、急な出費にも対応しやすくなる
経営・投資判断の最適化 税制を踏まえて経済活動を計画(例:投資、設備購入、役員報酬) 税引後利益の最大化、意思決定の質が向上
リスク管理 法令遵守を前提とした計画的な対応により、税務リスクを軽減 税務調査や追徴課税のリスクを最小限に抑えられる
将来設計の支援 ライフイベント(退職・相続・贈与・事業承継)に備えた資産計画が可能 相続税・贈与税・退職金の最適化、世代間の資産移転が円滑に
制度活用による節税 控除・特例・減税措置などの制度を最大限に活用 本来払うべき税額を合法的に減らせる
社会的信頼の維持 適切な税務処理と説明責任の確保 公的機関・取引先・従業員からの信頼を損なわない


タックスプランニングのメリット

タックスプランニングを行うことで、税負担を軽減しながら、将来を見据えた経済活動がしやすくなります
単なる節税にとどまらず、資産の有効活用やリスク回避にもつながり、個人にも法人にも大きな恩恵があります。

主なメリット

・合法的に納税額を抑えられる(節税)

・手元資金を確保しやすくなる(資金繰りの安定化)

・投資や事業運営の意思決定がスムーズになる

・相続や事業承継に向けた準備ができる

・税務リスク(税務調査・追徴課税など)を最小化できる

節税効果

税法上の特例や控除制度、課税時期の調整などを活用することで、合法的に税額を減らすことが可能です。
これにより、同じ利益を出していても、手元に残るお金が大きく変わるケースがあります。

節税効果の例

・所得控除や税額控除の活用(例:扶養控除、住宅ローン控除)

・ふるさと納税やNISAなど優遇制度の活用

・収益・費用の計上タイミングを調整して所得を平準化

・法人化・分社化による所得分散(個人→法人へ)

資産管理の効率化

税の視点から資産をどう保有し、どう移転していくかを設計することで、無駄な税金を抑えつつ、効率的に資産を管理・承継できます。

特に相続・贈与や不動産の保有形態などでは、タックスプランニングが大きな効果を発揮します。

資産管理の効率化ポイント

・相続税・贈与税を見据えた資産の分配や名義変更の計画

・不動産や株式などの評価額を抑える保有方法の選定

・信託・法人を活用した資産管理体制の構築

・キャッシュフローの見通しを立てた長期的資産設計

項目 内容 期待される効果・メリット
節税効果 控除・特例・制度を活用し、合法的に税額を軽減 税引後の手取りを増やせる/余剰資金を別の目的に活用できる
資金繰りの安定化 税金の支払時期や額をコントロール 手元資金を確保しやすく、事業運転資金や生活費に余裕が生まれる
投資・経営判断の最適化 税制を踏まえた支出・投資・報酬設計 意思決定の精度が上がり、将来の資産形成や事業成長につながる
将来設計への貢献 相続・贈与・退職などのライフイベントを見据えた資産戦略の設計 スムーズな世代交代・老後資金の確保・税負担の平準化が可能になる
リスク管理 税法に沿った処理で不正やミスを防止 税務調査や追徴課税のリスクを最小限にできる
信用維持・対外的評価向上 適正な納税・報告で企業や個人の社会的信頼を維持 顧客・取引先・行政からの信頼獲得につながる
資産管理の効率化 税の視点から資産保有や移転の最適化を図る 無駄な税金を避け、長期的に資産価値を高めやすくなる


タックスプランニングの具体的な方法

タックスプランニングには、法的に認められた枠組みの中で税負担を減らす様々な手法があります
中でも「所得控除の活用」と「税制優遇制度の利用」は、多くの個人や企業にとって基本かつ有効な手段です。

所得控除の活用

所得控除とは、課税所得を計算する際に差し引くことができる金額のことです
控除を上手に活用することで、課税対象となる所得が減り、結果として所得税や住民税の負担が軽くなります。

主な所得控除

扶養控除:家族を扶養している場合に適用

配偶者控除/配偶者特別控除:一定の条件を満たす配偶者がいる場合

医療費控除:1年間に一定額以上の医療費を支払った場合

社会保険料控除:健康保険や年金保険料などを支払った場合

小規模企業共済等掛金控除:自営業者やフリーランス向けの退職金積立制度

生命保険料控除・地震保険料控除:保険に加入している場合

寄附金控除:ふるさと納税などの寄附をした場合

ポイント:確定申告や年末調整で忘れず申請することが重要。

税制優遇制度の利用

国が推進する特定の投資や支出に対して、税金の軽減措置が設けられている制度を積極的に活用ことも、タックスプランニングの一環です。

主な税制優遇制度

NISA(少額投資非課税制度):一定額までの株式や投資信託の運用益が非課税

iDeCo(個人型確定拠出年金):掛金が全額所得控除、運用益も非課税

住宅ローン控除:マイホームのローンを組んだ際、一定期間にわたり所得税が軽減

ふるさと納税:自己負担2,000円で返礼品がもらえ、所得税・住民税が控除される

事業承継税制(法人向け):中小企業の後継者に対して相続税・贈与税が猶予・免除される制度

研究開発税制(法人向け):研究開発費に対する法人税の税額控除

ポイント:制度の利用には「上限」や「申請条件」があるため、事前確認が重要。

分類 方法・制度名 内容・概要 期待される効果
所得控除の活用 扶養控除/配偶者控除など 家族構成や収入に応じた所得控除を適用 課税所得を減らし、税負担を軽減
医療費控除/社会保険料控除など 一定額以上の支出に対して控除が可能 所得税・住民税の軽減につながる
小規模企業共済等掛金控除 自営業者・フリーランスの退職金準備制度 全額所得控除となり節税効果が高い
税制優遇制度の利用 ふるさと納税 寄附により返礼品がもらえ、寄附額が控除対象に 実質2,000円で税額軽減+地域貢献
NISA/iDeCo 投資による運用益が非課税、または掛金が所得控除対象に 資産形成しながら税制メリットを享受
住宅ローン控除 住宅ローンを組んだ場合に一定額を所得税から控除 毎年の所得税負担を軽減できる
所得分散・法人化 法人化・分社化 所得を法人に移すことで税率を下げる/家族への給与で所得を分散 トータルの税率を下げ、手元資金を増やす
支出・収益のタイミング調整 計上の時期を意識して支出・収益を調整 高所得の年に支出を集中、翌年に収入を分散など 所得の平準化によって高い税率を回避
資産の保有・移転の工夫 名義変更・贈与・信託の活用 相続や贈与のタイミング・手段を工夫して資産移転を行う 相続税・贈与税の最小化/次世代へのスムーズな承継


注意すべきポイント

タックスプランニングは合法的な節税手法ですが、誤った運用や過度な節税は、税務上のリスクを高めることになります
そのため、「法令の遵守」と「リスク管理」が極めて重要です。

法令の遵守

タックスプランニングは「合法的な枠内」で行うことが大前提です
税法の知識不足や意図的な操作によって、脱税や過少申告と判断されれば、重加算税・延滞税などの罰則が科される可能性があります。

法令遵守のポイント(箇条書き)

・税制の内容や改正情報を正確に把握する

・節税目的での過度なスキーム利用や仮装・隠ぺい行為はNG

・税理士などの専門家と相談し、合法性を確認する

・グレーゾーンと思われる取引は事前に税務署や専門家に確認する

・税務署からの問い合わせや調査には誠実に対応する

ポイント:「節税」と「脱税」の違いを明確に意識すること。

リスク管理の重要性

税務リスクは「知らなかった」では済まされません
タックスプランニングを実行する際には、将来的に生じうる税務上の問題を想定し、リスクを最小限に抑える工夫が必要です。

リスク管理の観点(箇条書き)

税務調査リスク:不自然な処理や過度な節税があると調査対象になる

制度変更リスク:税制は毎年見直されるため、将来も同じ効果が得られるとは限らない

書類保存リスク:領収書や証憑類の不備は後から否認される原因に

運用のミスリスク:制度を誤解して申告や手続きにミスが生じる

信頼性リスク:社会的に不正と捉えられる行為は、企業や個人の信用を損なう

ポイント:節税効果とリスクのバランスを見極めて実行することが重要です。

観点 内容・概要 注意点・リスク例 対策・対応策
法令の遵守 節税はあくまで合法の範囲内で行う必要がある ・過度なスキーム利用
・仮装・隠ぺい行為
・税理士などの専門家に相談
・最新の税制を常に把握
節税と脱税の違い 意図的に税額を少なく見せるのは違法(脱税) ・架空経費の計上
・収入の除外
・書類・証拠を正確に保存
・帳簿の正しい記録
税務調査への備え 不自然な処理は調査対象となる可能性がある ・過度な役員報酬
・関連会社間での不明瞭な取引
・第三者との相場比較
・説明可能な根拠を残す
制度変更リスク 優遇措置や控除制度は毎年変更される可能性がある ・急な廃止や条件変更による想定外の課税 ・最新の税制を継続的に確認
・柔軟なプランの構築
書類保存・申告ミス 証憑不備や記載ミスは後で否認・追徴の原因になる ・控除の証明書が不足
・誤った申告書提出
・書類の定期的な整理
・申告書のダブルチェック
将来の変化への対応力 収入状況や家族構成、法改正など将来の変化を見越したプランが必要 ・プランが現実とずれる可能性 ・定期的な見直しと更新
信頼性の維持 税務対応の不備は企業や個人の社会的信用を損なう原因になる ・公的助成の申請が却下
・取引先からの信用失墜
・透明性ある運用
・公正な会計処理の徹底


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まとめ

この記事ではタックスプランニングについて解説させていただきました。

この記事がお役に立てば幸いです。

執筆 ・ 監修

税理士 平川 文菜(ねこころ)

税理士|熊本出身|2018年京都大学卒業| 在学中より税理士試験の勉強を始め、2018年12月に税法三科目(法人・消費・国徴)を同時に合格し、官報合格を果たす。 2018年9月よりBIG4 税理士法人の一つであるKPMG税理士法人において、若手かつ女性という少数の立場ながら2年間にわたり活躍。税務DDやアドバイザリーといった幅広い業務に従事。 2020年9月より、外資系戦略コンサルティングファームであるボストンコンサルティンググループに転職。戦略策定から実行支援まで幅広い業務に従事。2024年12月にフリーランスとして独立。