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合格を勝ち取る!税理士試験直前期の戦略ガイド|税理士試験対策

公開日:2025/05/18

最終更新日:2025/05/18

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税理士試験、本番まであとわずか。
ここまで積み上げた努力を、悔いなく出し切りたい──そんな気持ちでいっぱいですよね。
でも、実は「前夜と当日の過ごし方」で、合否が分かれることも珍しくありません。
知識は十分。あとは「最高のコンディション」で挑むだけです。
焦り、不安、緊張……それらとうまく付き合うコツを、今こそ押さえておきましょう。

この記事では、試験当日に備えるための最終確認と、心身を整えるための具体的な方法をまとめました。
最後まで力を出し切るために、「試験前夜~当日」の戦略を一緒に整えていきましょう。

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税理士試験直前期の心構え

以下の点を心構えとして持ちましょう

1. 「焦り」や「不安」はあって当然と受け止める

・直前期に完璧を求めると、逆にパフォーマンスが落ちます。
不安を感じたら、「本気で挑んでいる証拠だ」と受け止めること
・心が乱れたときは、深呼吸 → 今できることに集中。

2. 「できること」にフォーカスする

・残り時間で何をすれば一番得点につながるかを冷静に考える。
仕上がっている論点は「ミス防止」、苦手な論点は「捨てるor部分点狙い」を決断

3. 「本試験仕様」で練習する

時間をきっちり計り、試験環境をできる限り再現して解く
・問題を解く順番、見直しの時間配分などを本番想定でシミュレーションしておく。

直前期に意識すべきこと

以下の点について留意しましょう。

✅ 理論:とにかく「回転数重視」

・今までやった理論を何周もする。
「完全暗記」よりも「ポイントを思い出せるか」を重視

✅ 計算:型と処理スピードを叩き込む

ミスの出やすいパターンをリストアップして直前に何度も確認
・スピードは「焦らず、でも止まらない」が合言葉。

✅ 体調管理を最優先

・徹夜厳禁。睡眠時間を削ると記憶の定着率が激落ちします。
食事・水分・適度な運動(ストレッチだけでも)をルーティンに

合格を勝ち取るための心の準備

◆ 本番に向けた「メンタルトレーニング」
想定外を想定する:「問題が難しい」「ケアレスミスした」「隣の人がうるさい」…どんなことが起きても動じない練習
自分への声かけ:「大丈夫」「これまでやってきた」「1問ずつ着実に」と試験中も自分を支える言葉を持っておく。

◆ 終わるまで勝負はわからないと心得る
本試験は「ミスをゼロにした人」ではなく、「最後まで粘った人」が勝ちます
・途中で難しくても絶対に手を止めない。1点でも積み上げる気持ちを忘れない。

効果的な勉強法の見直し

1. 「インプット<アウトプット」へ完全シフト

新しいインプット(新論点・参考書読み込み)は原則禁止
解く・答える・覚え直すの反復練習に時間を使う。
・理論は「書かずに口頭アウトプット」も効果的。

2. 苦手潰しではなく「得点最大化」を狙う

・苦手を完璧にするより、得意を確実に得点源に。
苦手論点は「捨てる・部分点狙い」と割り切る勇気を持つ

3. 「やった気にならない」仕組みを作る

・勉強した内容を即セルフテスト
・正答率を記録して、できない部分だけを次に回す。
・目標は「確認できた論点をどんどん減らしていくこと」。

時間管理と勉強の質を高める方法

✅ タイムスケジュールを「科目単位」で組む
1日を「理論練習」「計算演習」「総合問題演習」などブロック化
・〇〇時~〇〇時は必ずこの科目!と「縛り」を作る。

✅ 90分集中→10分休憩のリズムを徹底
・長時間ダラダラより、短時間集中の方が効率UP。
・目薬、ストレッチ、深呼吸で脳リフレッシュ。

✅ 朝・夜で使い方を分ける
朝:重い作業(総合問題・演習)
夜:軽い作業(理論チェック・ミス直し)
・朝の脳が元気なうちに一番負荷をかける。

各科目別の直前対策

科目 理論対策 計算対策 注意ポイント
簿記論 総合問題を解きまくる。時間配分を身体に染み込ませる。 軽微なミス(符号、端数)に敏感になる。
財務諸表論 理論は「用語の定義」を正確に押さえる。 理論&計算融合問題に慣れる。過去問演習も有効。 時間切れになりやすいので、設問を読むスピードを上げる。
法人税法 各制度趣旨(適用要件、課税関係)を口頭で整理。 主要別表を中心にミスパターンを暗記。 所得金額計算の基本を落とさない。捨て論点を決める勇気。
所得税法 主要所得(事業・不動産・給与・譲渡)を中心に整理。 所得計算・税額控除・所得控除の流れを練習。 「適用の可否」で迷う問題への備え。制度趣旨理解がカギ。
相続税法 申告書作成パターンを暗記レベルまで叩き込む。 総合問題を時間を測って演習。遺産分割・特例適用に注意。 配点の高い計算問題を取りこぼさない意識。
消費税法 理論暗記は完璧に 課税売上割合、仕入税額控除の演習反復。 軽減税率・インボイス関連に注意。イレギュラーケース対策も。

直前期に役立つまとめテクニック

直前期は、新たな知識を積み上げるのではなく、これまで学んできた知識を「素早く思い出せる形」に整えることが最重要です。ここでは、直前期に効果的なまとめテクニックをご紹介します。

「見るだけ」で復習できるメモを作る
 ◦長文ではなく、キーワードだけを短くまとめる。
 ◦1項目5秒以内で思い出せる形にする。

ミニテスト形式で整理する
 ◦1テーマにつき3問以内の小テストを自作。
 ◦回答を「思い出す訓練」を繰り返す。

エラーリスト(間違えた箇所リスト)を作る
 ◦総合問題を解いた後、ミスした論点だけを集約。
 ◦本番直前はこのリストを優先して見直す。

重要ポイントの効率的なまとめ方

重要ポイントは、ただ情報を並べるのではなく、**「記憶に残る形」「思い出しやすい形」**にまとめる必要があります。

キーワードだけを抜き出す
 ◦例:
  ✖ 長々と解説を書く
  ➡ 〇 必要な単語・数字・要件だけ箇条書きにする

1テーマ1ページにまとめる
 ◦A4用紙1枚に1テーマを収める。
 ◦視覚的に整理されたページを作り、ひと目で全体像がわかるようにする。

まとめる順番に優先順位をつける
 ◦最優先:基本論点・頻出論点
 ◦次点:改正論点・ミスしやすい論点
 ◦深追い不要:マイナー論点・出題可能性の低い論点

法の改正点の確認と対応

税理士試験では法改正が問われやすいため、直前期には必ず改正点の確認と対応が必要です。ただし、全体を網羅しようとすると時間が足りなくなるため、戦略的に進めることがポイントです。

改正論点リストを必ず確認する
 ◦受験予備校や公式テキストの「改正一覧」をチェック。
 ◦変更箇所とその背景を簡単に整理して覚える。

「なぜ改正されたか」を理解する
 ◦数字の変更だけでなく、背景・趣旨まで押さえることで記憶が定着する。

改正が反映された問題で練習する
 ◦総合問題演習や模試の中で、改正点が問われる問題に意識的に取り組む。

迷ったら改正後ルールを優先
 ◦本試験では、「改正後」の規定に基づいて解答する意識を持つ。

試験当日に備えるための最終確認

試験直前は、新しいことに手を出すより、「今ある力を確実に出せる準備」をするのが何より大事です。ここでのポイントは、知識よりも「コンディション管理」「持ち物確認」「心の整理」です。

■ 最終確認ポイント
試験の持ち物リストを必ず前日夜にチェック
 ◦受験票、筆記用具、時計、予備のマスク、飲み物、軽食など。

カテゴリ 持ち物 詳細・ポイント
必須 受験票 絶対に忘れず持参。事前に記載内容を確認しておく。
必須 写真付き本人確認書類 運転免許証、マイナンバーカードなど。
必須 筆記用具 ボールペン数本、修正テープ
必須 時計 使い慣れた物
あると便利 軽食・栄養補助食品 チョコ、エナジーバー等。短時間でエネルギー補給できるもの。
あると便利 飲み物 水またはスポーツドリンク。カフェイン控えめ推奨。
あると便利 上着・羽織もの 冷房・暖房対策用。温度調整できる服装を。
あると便利 ハンカチ・ティッシュ 手汗対策や、ちょっとしたトラブル用。
あると便利 常備薬 頭痛薬、胃薬、目薬など、必要に応じて。

試験会場までのルート・所要時間を再確認
 ◦最寄り駅出口や会場内の部屋番号も把握しておく。

まとめノート・エラーリストを絞って確認
 ◦「最も頻出」「自分が間違えやすい」部分だけを30分以内で見直す。

時間配分・問題を解く順番を頭に入れておく
 ◦本番では、迷わずルーティン通り動くことが大切。

試験前夜と当日の過ごし方

前夜と当日の過ごし方で、パフォーマンスは大きく変わります。最大の目標は「脳をベストな状態に持っていく」ことです。

■ 試験前夜の過ごし方

新しい問題に手を出さない
 ◦できない問題に出会って不安になるリスクを避ける。

20時までに最終復習を終える
 ◦夜遅くまで勉強すると睡眠の質が落ちるので注意。

リラックス時間を確保する
 ◦軽くストレッチ、入浴、好きな音楽などで心を落ち着かせる。

持ち物を寝る前にすべて準備
 ◦朝バタバタすると無駄に緊張が高まるため。

早めに寝る
 ◦理想は22時前後就寝。最低でも6~7時間は寝る。

■ 試験当日の過ごし方

起きたら朝食は必ず摂る
 ◦頭を働かせるために、糖分・たんぱく質中心の軽めの朝食を。

会場へは余裕を持って出発
 ◦電車遅延などを想定して、試験開始の90分前には家を出る。

開始前は深呼吸・簡単なストレッチ
 ◦緊張して体が固まると集中力が落ちるため、リラックスを意識。

直前はまとめノートを見返す程度
 ◦ガリガリ新しいことを詰め込むより、落ち着くために使う。

試験中は「1問ずつ確実に」意識
 ◦難問にあたっても焦らず、飛ばして次に進む勇気を持つ。

心身のコンディションを整える方法

本番で実力を出し切るには、心と体の両方を整えることが不可欠です。特別なことは必要ありません。「今までの自分を信じて、平常心で臨む」ことが最も効果的です。

■ コンディション管理のポイント

深呼吸と自分へのポジティブな声かけ
 ◦「大丈夫」「いつも通りやればいい」と心の中で繰り返す。

前日はアルコール・カフェインを控える
 ◦睡眠の質を下げる原因になるため。

軽い運動・ストレッチを習慣に
 ◦直前期の体の緊張をほぐして、血流を良くする。

試験直前の不安対策ルーティンを作る
 ◦例:目を閉じて深呼吸×5回 → 手をグーパー×5回 → 自己暗示(「できる!」と唱える)

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税理士試験直前期の対策 -まとめ

この記事では税理士試験直前期について記載させていただきました。

この記事が少しでもお役に立てば幸いです。

執筆 ・ 監修

税理士 平川 文菜(ねこころ)

税理士|熊本出身|2018年京都大学卒業| 在学中より税理士試験の勉強を始め、2018年12月に税法三科目(法人・消費・国徴)を同時に合格し、官報合格を果たす。 2018年9月よりBIG4 税理士法人の一つであるKPMG税理士法人において、若手かつ女性という少数の立場ながら2年間にわたり活躍。税務DDやアドバイザリーといった幅広い業務に従事。 2020年9月より、外資系戦略コンサルティングファームであるボストンコンサルティンググループに転職。戦略策定から実行支援まで幅広い業務に従事。2024年12月にフリーランスとして独立。