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公開日:2026/01/08
最終更新日:2026/01/08
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「後継者への自社株承継が実質無税になる」という特例措置を受けるためのリミットが迫る中、令和8年度(2026年度)税制改正大綱において、その前提となる「特例承継計画」の提出期限延長が正式に決定しました。
しかし、今回の改正内容は単純な「一律延長」ではありません。法人版と個人版で延長される期間が異なり、期限が別々の日付(しかも9月末)に設定されるという変則的な形となりました。
本記事では、事業承継税制の計画提出の新期限と、あわせて発表された「少額減価償却資産(30万円未満特例)」の拡充について解説します。
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事業承継税制の改正背景
一度決めた期限を再び延長し、さらに経費の基準額まで引き上げる――。 今回の大綱から読み取れるのは、「高齢化による廃業」と「物価高」に対する政府の強い危機感です。
① 事業承継は「時間との戦い」
中小企業の経営者の高齢化は進む一方ですが、後継者選びは思うように進んでいません。 原文にある「待ったなしの課題」という表現は、今のまま期限を迎えれば、黒字のまま廃業せざるを得ない企業が続出しかねないという、政府の焦りの裏返しと言えます。 今回の期限延長は、単なるスケジュールの先送りではなく、地域経済を守るために国が用意した「ギリギリの猶予期間」なのです。
② 「30万円」では買えない時代への対応
少額減価償却資産の基準が「40万円」に引き上げられた理由はシンプルです。 この制度が始まった約20年前(平成15年)とは、モノの値段が全く異なるからです。 昨今の物価高により、高性能なパソコンや機械設備は30万円の枠に収まらなくなってきました。今回の変更は、インフレが進む現状のビジネス環境に合わせて、ルールの方を現実に追いつかせた形です。
つまり今回の改正は、日本経済が直面している「人手不足(後継者不足)」と「インフレ」という2つの現実に対して、税制面から実務的な修正を加えたものと言えます。
【事業承継税制の計画提出期限】法人版は「1年半」延長。期限は2027年9月末
多くの中小企業が利用を検討している「法人版事業承継税制(特例措置)」について、特例承継計画の提出期限は以下のように変更されます。
・変更前: 2026年(令和8年)3月31日
・変更後: 2027年(令和9年)9月30日
これまでの「年度末(3月)」という区切りではなく、「令和9年9月末」という日付になりました。延長幅は「1年6ヶ月」にとどまります。「あと2年ある」と勘違いしていると、期限を過ぎてしまう恐れがあるため注意が必要です。
【事業承継税制の計画提出期限】個人版は「2年半」延長。期限は2028年9月末
一方、個人事業主を対象とした「個人版事業承継税制(個人事業承継計画)」については、法人よりも長い猶予が設けられました。
・変更前: 2026年(令和8年)3月31日
・変更後: 2028年(令和10年)9月30日
こちらは「2年6ヶ月」の大幅延長となり、期限は「令和10年9月末」です。法人版とは1年のズレがありますので、ご自身がどちらの制度を利用するかによってスケジュール管理を変える必要があります。
【計画提出期限のまとめ】
| 区分 | 延長期間 | 新しい提出期限 |
|---|---|---|
| 法人版 | 1年6ヶ月 | 2027年(令和9年)9月30日 |
| 個人版 | 2年6ヶ月 | 2028年(令和10年)9月30日 |
「少額減価償却資産」の特例が40万円未満に拡大!
事業承継税制と並んで、中小企業経営者にとって見逃せない改正がもう一つあります。パソコンや備品などを購入した際に、全額を経費(損金)にできる「少額減価償却資産の特例」について、基準額の引き上げが行われます。
これまで「30万円未満」の資産が対象でしたが、物価上昇などを踏まえ、これが「40万円未満」へと引き上げられます。
・改正内容: 取得価額の基準を30万円未満 → 40万円未満へ引き上げ
・期間: 3年間延長
昨今は高性能なPCやサーバー、機械装置などが値上がりしており、30万円の枠に収まらないケースが増えていました。この基準が40万円になることで、即時償却(一括経費化)できる範囲が広がり、設備投資による節税効果がさらに高まることになります。
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事業承継税制の計画提出期限延長 -まとめ-
事業承継税制の延長について、大綱の原文には「待ったなしの課題を解決するための時限措置」であると記されています。
さらに、制度の適用期限到来後(特例が終わった後)のあり方については、「令和9年度税制改正において結論を得る」と明記されました。
つまり、今回の延長は「とりあえず先送り」するためのものではなく、「これがラストチャンスだから、この期間中に決断してほしい」という政府からの強いメッセージです。
特に法人版の期限は2027年9月と、意外に早く到来します。まだ計画を提出していない経営者の方は、40万円への枠拡大による設備投資計画と合わせ、早めに顧問税理士と相談を進めることをお勧めします。
加藤慧大
株式会社ミツカルプロフェッショナル 代表取締役社長









