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公開日:2026/01/30
最終更新日:2026/04/22
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米国税理士(EA)とはアメリカの税務に関する国家資格です。アメリカの会計関連の資格として、USCPAと比較される場面も多くみられます。
そんな米国税理士ですが「取得しても意味ない」という意見もあります。実際のところ、日本の税理士資格に比べると活かせる場面が限定的であるのは事実です。しかしキャリアプランや目的によっては資格が役立つケースもあります。
今回は「米国税理士は意味ない」といわれる理由や、資格取得をおすすめできるケースについて解説します。
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米国税理士は意味ない?資格の基本情報を紹介
はじめに、米国税理士の基本情報を紹介します。
米国税理士とは
米国税理士(EA/Enrolled Agent)とは名前の通りアメリカの税理士資格です。アメリカの内国歳入庁(IRS)が認可します。
主な仕事内容
米国税理士の主な仕事内容は税務全般です。アメリカに対する税務申告や税務手続き全般のサポート、アメリカの税務申告に関する相談などを行います。
なお、アメリカ国籍をもつ人およびアメリカの永住者は、実際の居住地を問わずアメリカ居住者と判断されます。すなわち、アメリカ国外に住んでいる場合でもアメリカに対する税務申告が必要です。
したがって、アメリカ国外にも米国税理士の需要があります。
試験概要
続いて、米国税理士の試験(SEE/Special Enrollment Exam)について紹介します。
| 受験資格 | 18歳以上 |
| 試験科目 |
・Part1 Individuals 連邦個人所得税法および連邦贈与税法・相続税法 ・Part2 Businesses 事業関連の連邦税法 ・Part3 Representation, Practices and Procedures 税務代理業務および諸手続き |
| 試験方式 | コンピューター試験/四肢択一形式 |
| 受験会場 | 御茶ノ水ソラシティ内 プロメトリックテストセンター会場(東京) |
| 問題数 | 各科目100問 |
| 試験時間 | 各科目3.5時間 |
試験は科目合格制を採用しており、3科目すべてに合格した段階で資格取得が認められます。合格の有効期間は2年間のため、最初の科目の合格から2年以内に残り2科目に合格する必要があります。
なお、問題文はすべて英語です。そのため税務の知識だけでなく、ある程度の英語力も求められます。
合格率
試験の運営・管理を行うPrometric社の公式サイトによると、各科目の大まかな合格率は以下の通りです。
| 科目 | 合格率 |
|---|---|
| Part1 | 50~70% |
| Part2 | 58~78% |
| Part3 | 60~78% |
時期および科目によって合格率に違いがあるものの、おおむね60~70%程度です。
参考として、日本の税理士試験の合格率は各科目15~20%程度です。合格率だけを単純に比較すると、米国税理士の方が難易度が低いといえます。ただし、試験がすべて英語のため、英語話者以外の合格率は大きく下がると考えられます。
「米国税理士は意味ない」といわれる理由とは
「米国税理士にメリットはない」「日本では活かせない」という意見を見聞きした経験がある人もいるでしょう。この章では「米国税理士は意味ない」といわれる理由として考えられるものを紹介します。
独占業務がなく取得の必要性自体が低い
「米国税理士は意味ない」といわれる理由の1つは、米国税理士に独占業務がないことです。
日本の場合、税務関連業務は税理士の独占業務であり、税理士以外が行うことは禁止されています。そのため日本で「税理士資格に意味ない」という意見は起こり得ないでしょう。
一方、米国税理士には独占業務がありません。アメリカに対する税務申告関連の業務は米国税理士以外も実施できます。
以上の理由から、「わざわざ取得する意味はない」と考える人が多いのは自然といえます。
日本では活かせる場面が限られる
米国税理士はアメリカの税務に関する資格です。そのため日本ではどうしても活かせる場面が限られてしまいます。
前述のように、アメリカ国籍をもつ人およびアメリカの永住者は居住地に関係なくアメリカへの税務申告が必要です。そのため日本でも、日本に住んでいるアメリカ人や永住者の税務サポートなど米国税理士の知識を活かせる場面は存在します。また、国際税務でも米国税理士の知識を活かせる可能性が高いです。
言い換えると、日本で米国税理士の知識を直接活かせる場面は前述した業務に限られます。活かせる場面が限定的であるため、日本では「他の資格を取得するべき」「わざわざ選ぶメリットはない」等の考えにつながります。
USCPAの方が仕事の幅が広い・知名度が高い
USCPAはアメリカの各州が認定する公認会計士資格です。日本語では「米国公認会計士」と呼ばれます。
USCPAの試験科目は財務会計、税務・ビジネス法、監査・諸手続き、選択1科目の全4科目です。税法を含め会計関連の知識が幅広く問われます。
米国税理士とUSCPAを比べると、USCPAの方が幅広い知識を有する分、仕事の幅も広いです。また、日本では米国税理士よりもUSCPAの方が知名度が高いため、転職市場でもUSCPAは高い評価につながりやすいです。USCPAの資格・知識は日本の仕事でも活かせる場面が多く存在します。
以上のように、USCPAとの比較から「米国税理士は意味ない」という考えをもつ人も多いです。
米国税理士の資格取得をおすすめできるケースの例
実際のところ、米国税理士の知識・スキルが不要な仕事であれば「米国税理士は意味ない」と判断されるのも無理はありません。反対に米国税理士の資格を活かせる場面であれば高い評価を期待できるでしょう。
以上のように、米国税理士資格を取得するメリットがあるか否かは、理想とする働き方やキャリアプランによって大きく異なります。この章では米国税理士の資格取得をおすすめできるケースの例を4つ紹介します。
勤務先がアメリカへの税務申告サポート案件を受けている
クライアントにアメリカ人やアメリカ永住者がいる会計事務所では、アメリカへの税務申告サポート業務が発生する可能性が高いです。仕事で米国税理士の知識を直接活かせる場面も多く発生するでしょう。
このような会計事務所に勤めている人や転職を目指している人には、米国税理士の資格を取得するメリットは大きいといえます。
国際税務を扱う会計事務所で働いている・働きたい
国際税務では日本以外の税法の知識も必要です。そのため国際税務を扱う会計事務所で働いている場合・働きたい場合も、米国税理士の資格が役立つでしょう。
もちろん「国際税務=アメリカが関係する」とは限りません。米国税理士の知識を直接活かせるのは、国際税務の中でもアメリカが関連する業務のみである点には注意が必要です。
税務の知識だけでなく英語力もアピールしたい
前述のように、米国税理士の試験はすべて英語で出題されます。そのため米国税理士の資格取得という事実は、税務の知識だけでなく英語力の証明にもつながります。
近年は事業規模を問わずグローバル展開を行う企業が多く、会計事務所でも英語を使う場面が増加傾向です。そのため会計業界の転職活動でも英語力を活かせる場面が多くみられます。
以上の理由から、米国税理士は税務知識と英語力の両方をアピールする手段として効果的といえるでしょう。
ステップアップのために米国税理士資格を取得したい
前章で少し触れたように、「米国税理士は意味ない」といわれる理由の1つとしてUSCPAの存在があります。USCPAの方が仕事の幅が広く知名度が高いため、USCPAではなく米国税理士を選ぶ理由はないという考えです。
しかし、USCPAには以下の注意点が存在します。
・受験資格の要件が厳しい
・アメリカ各州が認定する資格であり、州によって条件が異なる
・試験範囲が広い
・米国税理士試験よりも難易度が高く合格率が低い
USCPAの方が活かせる場面が多いのは事実ですが、そもそも資格取得のハードルが高いのです。したがってまずは米国税理士試験から受験し、知識や経験を積んでからUSCPAを目指すケースもみられます。
このように将来的にはUSCPAを目指すものの、いきなり受験をするのはハードルが高いと感じる場合に、米国税理士から受験するのはおすすめです。
米国税理士資格の注意点|日本の会計業界における優先順位は低い
前章で紹介したように、仕事内容やキャリアプランによっては日本でも米国税理士の資格を取得するメリットはあります。
しかし、日本の会計業界で最重視されるのは日本の会計・税務の知識です。実際、多くの求人では必須要件や歓迎要件として簿記2級が定められており、米国税理士はプラスアルファのような位置付けにあります。
会計関連の保有資格が米国税理士のみの場合、日本の会計業界の転職市場で高い評価を得られる可能性は低いでしょう。このような場には「米国税理士は意味ない」という言説も事実となってしまいます。したがって、まずは日本の会計業界で確実に評価を得られる資格の取得を優先するべきといえます。
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米国税理士は意味ない?‐まとめ
米国税理士はアメリカの税務に関する資格であり、日本で活かせる場面が限られてしまうのは事実です。「米国税理士の資格は意味ない」と考える人も多くみられます。
しかし、勤め先の仕事内容やキャリアプランによっては米国税理士の資格を活かせる可能性もあります。英語力のアピールやUSCPAへのステップアップのために取得する資格としても効果的です。
ただし、日本の会計業界で最重視されるのはあくまでも日本の会計・税務の知識です。アメリカの税務に関する理解が深くても、日本の会計・税務知識が不十分では転職市場で高い評価は得られないでしょう。
会計業界での転職活動や昇格・昇進を目指すのであれば、まずは日本の会計関連の資格取得を優先しましょう。その上でプラスアルファとして米国税理士の資格取得を検討するという流れがおすすめです。
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加藤慧大
株式会社ミツカルプロフェッショナル 代表取締役社長









