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防衛特別法人税とは?2026年4月に開始する増税の目的と概要を解説

公開日:2026/03/06

最終更新日:2026/03/06

防衛特別法人税とは?2026年4月に開始する増税の目的と概要を解説

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防衛特別法人税は、日本の防衛力を強化するための財源確保を目的に創設された新しい税制度です。2025年3月に成立した関連法案に基づき、法人税を納める企業に対して新たな税負担が求められることになりました。ここでは、防衛特別法人税の制度の基本的な仕組みや適用時期について解説します。

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防衛特別法人税とは?

防衛特別法人税は、日本の防衛力を強化するための財源確保を目的に創設された新しい税制度です。2025年3月に成立した関連法案に基づき、法人税を納める企業に対して新たな税負担が求められることになりました。ここでは、制度の目的や具体的な適用時期について解説します。

防衛力強化を目的とした新たな税制度

近年の国際情勢の変化に伴い、国は防衛費を増額する方針を決定しました。そのための安定的な財源を確保する手段の一つとして導入されたのが防衛特別法人税です。この税金は法人税率そのものを引き上げるのではなく、企業が納める本来の法人税額に対して一定の割合を上乗せして徴収する仕組みを採用しています。集められた税金は防衛関連の支出に充てられるため、目的が明確な税制となっています。

防衛特別法人税は2026年(令和8年)4月1日開始の事業年度から適用

防衛特別法人税の適用が始まるのは、2026年(令和8年)4月1日以後に開始する事業年度からです。企業の決算期によって実際に適用されるタイミングが異なる点には気をつけてください。 たとえば3月決算の企業であれば、2026年4月1日から始まる事業年度(2027年3月期)から対象となり、実際の申告と納付は2027年5月末となります。一方、12月決算の企業の場合は、2027年1月1日から始まる事業年度から適用されるため、初回の申告時期は2028年2月末です。自社の決算期に照らし合わせて、いつから対象になるのかを事前に確認しておくことが求められます。

防衛特別法人税の対象法人と課税の終了時期

納税の義務があるのは、原則として法人税を納めるすべての法人です。一般的な株式会社や合同会社などの普通法人だけでなく、人格のない社団等も対象に含まれます。ただし、公益法人などのように法人税が非課税となっている団体は対象外となります。 また、この税金がいつまで続くのかについては、現時点の法律で明確な終了時期は定められていません。東日本大震災の際の復興特別法人税は3年間という期限付きでしたが、防衛特別法人税は当分の間継続して課税される見通しです。

防衛特別法人税の計算方法と具体的な税率

新しい税金が導入されるにあたり、自社の税負担がどれくらい増えるのかは多くの経営者が気にかけるところです。防衛特別法人税の計算は法人税額をベースに行われますが、中小企業への配慮も組み込まれています。具体的な計算の仕組みを見ていきます。

防衛特別法人税は法人税額に上乗せされる付加税方式

防衛特別法人税は、企業の所得(利益)に直接税率をかけるわけではありません。まず通常の計算方法で法人税額を算出し、その法人税額を基準にして新たな税金を計算する付加税方式をとっています。この基準となる法人税額のことを基準法人税額と呼びます。

防衛特別法人税の税率は一律で4%

計算のベースとなる金額(課税標準)に対して、一律で4%の税率がかけられます。法人税額そのものが4%増えるという計算になるため、実質的な企業の税負担(実効税率)は現在よりもわずかに上昇することになります。標準的な法人税率を前提にすると、所得全体に対する負担増はおおよそ1%弱におさまると試算されています。

500万円の基礎控除により中小法人の多くは防衛特別法人税の対象外に

すべての企業にそのまま4%の負担を強いると、経営体力に乏しい中小企業への影響が大きくなってしまいます。そのため、計算の過程で基準法人税額から年間500万円を差し引くことができる基礎控除が設けられました。 基準法人税額から500万円を引いた残りの金額に対して4%の税率をかけるため、基準法人税額が500万円以下の企業は防衛特別法人税が発生しません。所得金額に換算すると、およそ2400万円程度までの所得であれば防衛特別法人税は実質的にかからない計算になります。この措置により、国内企業の大部分を占める中小企業の多くは納税の負担を免れる見込みです。一方で、安定して高い利益を出している規模の大きな法人は、相応の税負担を計画しておく必要があります。

防衛特別法人税の申告手続きと納付のスケジュール

税負担そのものだけでなく、経理担当者にとっては申告の実務も気をつけるべきポイントです。申告書の様式や提出のルールについて整理します。

防衛特別法人税の申告期限は法人税と同じく決算日から2ヶ月以内

申告と納付の期限は、通常の法人税とまったく同じスケジュールで動きます。事業年度終了の日の翌日から2ヶ月以内が原則です。申告期限の延長特例の適用を受けている法人であれば、防衛特別法人税についても同様に提出期限の延長が認められます。 また、申告手続きの煩雑さを避けるため、防衛特別法人税の申告書は法人税や地方法人税の申告書と一体化した様式になっています。法人税の別表に防衛特別法人税の計算欄が追加される形になるため、まったく別の申告書を改めて作成する手間はかかりません。

2年目以降は防衛特別法人税の中間申告と納付が必要になる

適用初年度の事業年度については、決算後の確定申告のタイミングで一度だけ申告と納付を行えば問題ありません。しかし、適用から2年目以降の事業年度からは、法人税と同様に中間申告と納付の義務が生じる点に気をつけてください。 前事業年度の確定法人税額が一定額を超え、法人税の中間申告が必要な企業は、防衛特別法人税についても中間納付を求められます。期中の資金繰りにおいてキャッシュアウトのタイミングが一つ増えることになるため、あらかじめ年間の資金計画に織り込んでおくことが求められます。

税額が発生しなくても防衛特別法人税の申告書の提出は求められる

実務上もっとも気をつけたいのが申告書の提出義務です。先ほど説明した500万円の基礎控除があるため、結果的に防衛特別法人税の額がゼロ円になる企業は少なくありません。あるいは、赤字決算で本来の法人税がゼロ円というケースもあります。 しかし、法人税の納税義務がある法人であれば、たとえ計算結果として防衛特別法人税がゼロ円であったとしても、防衛特別法人税に関する申告書(計算の記載が追加された別表など)を提出しなければなりません。対象外だと思い込んで記載を漏らさないよう、経理業務のフローを見直しておくことが推奨されます。

防衛特別法人税が企業に与える影響と事前の備え

新しい税制の開始が間近に迫るなか、企業としてどのような準備をしておくべきか、経営視点からの影響と対策をまとめます。

法人税負担の増加と資金繰りへの影響

基礎控除の枠を超える利益をあげている企業にとって、税率4%の上乗せは手元に残るキャッシュを確実に減少させます。とくに設備投資や人材採用など、積極的な事業展開を予定している企業にとっては、増税分が投資資金を圧迫する可能性があります。また、中間納付が始まれば年度途中の資金流出も生じるため、手元資金の厚みを確保しておくなどの対応が必要です。

正確な防衛特別法人税のシミュレーションと専門家への相談

自社にどれくらいの影響があるのかを把握するためには、直近の決算数字をもとに防衛特別法人税額をシミュレーションしてみるのがもっとも確実な方法です。来期以降の利益計画と照らし合わせながら、想定される税額をあらかじめ見積もっておくことで、増税のインパクトに備えることができます。 もし計算方法に不安があったり、他の税制優遇措置との兼ね合いを確認したい場合は、税理士などの専門家に早めに相談することをおすすめします。

防衛特別法人税に関するよくある質問(FAQ)

防衛特別法人税について、よく寄せられる疑問をまとめました。

Q1. 防衛特別法人税はいつから始まりますか?
A. 2026年(令和8年)4月1日以後に開始する事業年度から適用されます。たとえば3月決算の企業であれば、2026年4月1日から始まる事業年度(2027年3月期)が初年度となります。

Q2. 中小企業にも防衛特別法人税はかかりますか?
A. 制度の対象にはなりますが、計算のベースとなる「基準法人税額」から年間500万円を差し引くことができる基礎控除が設けられています。所得金額に換算すると約2400万円以下であれば、実質的に防衛特別法人税の負担は発生しません。

Q3. 計算の結果、防衛特別法人税が0円だった場合、申告は不要ですか?
A. いいえ、申告は必要です。法人税の納税義務がある法人は、基礎控除の適用により防衛特別法人税額がゼロ円になる場合や、赤字決算の場合であっても、その旨を記載した申告書(別表)を提出しなければなりません。

Q4. 防衛特別法人税はいつまで続く税金ですか?
A. 現時点の法律では、明確な終了時期は定められておらず、「当分の間」継続して課税される見通しです。

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防衛特別法人税とは? -まとめ-

2026年4月1日以後に開始する事業年度から適用が始まる防衛特別法人税は、法人税を納める多くの企業に関係する新しい税制です。実質的な税負担は基準法人税額に対して4%上乗せされる形になりますが、500万円の基礎控除が設けられているため、多くの中小企業では実際の納税額は発生しない見込みです。

しかし、計算の結果として納税額がゼロ円であっても、申告書の提出自体は求められる点には気をつける必要があります。経理の現場で申告漏れなどの手続きミスが起きないよう、社内の業務フローをあらかじめ見直しておくことが推奨されます。

また、基礎控除を超える利益を出している企業はキャッシュフローへの影響も考えられるため、適用開始を前に自社の直近の決算数値をもとにシミュレーションを行ってみるのがおすすめです。計算や実務対応で迷う部分があれば、顧問税理士などの専門家に相談し、計画的に準備を進めていきましょう。

執筆 ・ 監修

加藤慧大

株式会社ミツカルプロフェッショナル 代表取締役社長

株式会社ミツカルプロフェッショナル代表取締役社長。 税理士・社労士事務所に特化した人材紹介およびコンサルティング事業を展開。月間2,000名以上の税務・労務担当者の登録、年間300件以上の事務所人事相談の実績を持り、年200%以上の成長を継続中。