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法人税率は何パーセント?税率の推移と税率改正の目的や諸外国の税率も紹介

公開日:2026/02/20

最終更新日:2026/02/20

法人税率は何パーセント?税率の推移と税率改正の目的や諸外国の税率も紹介

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2026年1月現在、日本の法人税の基本税率は23.2%です。法人税率は一定なわけではなく、過去に何度か税率の変更が行われています。今後も経済政策や国際情勢等によって法人税率が変わる可能性があります。

今回は法人税率の推移や諸外国の法人税、税率の引き下げ・引き上げを行う理由について解説します。

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日本の法人税率の推移

前提として、日本の法人税は中小法人とその他の法人で適用される税率が異なります。どちらの税率も過去に複数回の税率変更が行われてきました。
現在の日本の基本法人税率は23.2%です。中小法人への軽減税率は年間所得800万円以下の部分が15%、800万円越の部分が19%です。

日本の法人税率の推移を紹介します。

基本税率 中小法人の軽減税率
~昭和56年 40% 28%
~昭和59年 42% 30%
~昭和62年 43.3% 31%
~平成元年 42% 30%
~平成2年 40% 29%
~平成10年 37.5% 28%
~平成11年 34.5% 25%
~平成21年 30% 22%
~平成24年 同上 年間所得800万円以下の部分:18%
年間所得800万円超の部分:22%
~平成27年 25.5% 年間所得800万円以下の部分:15%
年間所得800万円超の部分:19%
~平成28年 23.9% 同上
~平成30年 23.4% 同上
平成30年より後 23.2% 同上

出典:法人税率の推移|財務省

昭和56年までと比較すると、基本税率は16.8ポイント、軽減税率は9~13ポイントも引き下げられています。また、昭和59年を最後に法人税率の引き上げは実施されていません

諸外国の法人税|各国の法人税率と世界的な動向

諸外国にも日本における法人税のような税金が存在します。法人税は国によって税率の違いが大きい税金の1つです。

諸外国でも日本と同様に、法人税率の改正が複数回行われています。この章では諸外国の法人税率や世界的に共通する動向について紹介します。

諸外国の法人税率

まずは諸外国の法人税率です。今回は、アメリカ・ドイツ・カナダ・イギリス・フランスの5ヵ国の法人税率を紹介します。

アメリカの法人税率

前提として、アメリカには連邦法人税と州法人税の2種類が存在します。連邦法人税は日本でいう国税、州法人税は地方税に該当する税金です。州法人税は州によって違いが大きいため、今回は連邦法人税のみ紹介します。

2026年1月現在、連邦法人税の税率は一律21%です。1909年から2017年までは累進課税制度を採用しており、税率は15~39%と幅がありました。2018年の税制改正により一律19%となり、現在まで続いています。

参考:税制 | 米国 - 北米 - 国・地域別に見る - ジェトロ

ドイツ

2026年1月時点におけるドイツの法人税率は15.825%と、日本の23.2%に比べると低めです。ただし法人税額の5.5%相当の連帯付加税や、地方税である営業税も課されます。営業税の税率は基本税率3.5%をベースに、各自治体が定める賦課率を乗じて計算します。

参考:税制 | ドイツ - 欧州 - 国・地域別に見る - ジェトロ

カナダ

カナダには連邦法人所得税と州法人所得税の2種類が存在しますが、今回は国税に相当する連邦法人所得税について紹介します。

2026年1月時点における連邦法人所得税の基本税率は38%、標準税率は15%です。標準税率は以下のように計算します。

標準税率=基本税率38%-州法人所得税を付加する場合に免除される軽減率10%-段階的に削減される減税分13%=15%

参考:税制 | カナダ - 北米 - 国・地域別に見る - ジェトロ

イギリス

2026年1月時点における法人税率は課税対象所得に応じて以下のように段階的に定められています。

・課税対象所得が5万ポンド以下:19%
・5万ポンド超25万ポンド以下:会計期間と関連会社数に応じて19%超25%未満
・課税対象所得が25万ポンド超:25%

税率そのもの、および中小企業と大企業で異なる税率が設定されている点が、日本の法人税の仕組みと似ているといえるでしょう。

参考:税制 | 英国 - 欧州 - 国・地域別に見る - ジェトロ

フランス

2026年1月時点において、フランスの法人税の基本実効税率は25%です。ただし、一定の要件を満たす中小企業には15%の軽減税率が適用されます。さらに、売上高が高額な場合のみ適用される特別課税の制度も存在します。

参考:税制 | フランス - 欧州 - 国・地域別に見る - ジェトロ

法人税の世界的な動向

近年は世界的に法人税率を引き下げる動きが強まっています

法人税率の引き下げが活発な理由の1つが国際競争の激化です。諸外国よりも法人税率が高いと、優良企業や優秀な人材がより税率の低い国へ移ってしまう恐れがあります。支払う税額が多ければ自由に使える資金が減るため成長につながる設備投資等ができず、結果として競争力の低下も起こり得るでしょう。

反対に他国よりも法人税率が低ければ、優良企業や人材の国外流出の防止や、他国からの投資誘致も期待できます。税負担が軽くなることで資金力が強まり、競争力強化にもつながります。

以上の理由から、多くの国では長らく法人税率の引き下げが行われ続けてきました。

しかし法人税率が下がれば当然ながら税収が減り、国としての力は弱まる恐れがあります。また、法人税率の引き下げ競争に歯止めをかける「グローバル・ミニマム課税制度」の施行も開始されました。

このような理由から、法人税率引き下げの動きはいずれ弱まると考えられます。

法人税率の引き下げを行う目的

前章で法人税率の推移を紹介したように、法人税率は過去に複数回の変更が行われています。また、直近約40年間は法人税率の引き上げは実施されておらず、引き下げのみが行われてきました。

この章では法人税率の引き下げを行う主な目的を3つ紹介します。

[目的その1]日本経済の活性化・国内企業の成長促進

法人税率の引き下げを行う目的の1つが日本経済の活性化および国内企業の成長促進です。

法人税率が下がり納付税額が少なくなれば、その分企業が自由に使えるお金が増えます。資金面での余裕が生まれることで以下のような効果が期待できます。

・積極的な設備投資
・研究開発に充てる予算の増加
・雇用の拡大
・労働環境改善のための取り組み強化

資金面の余裕がなければ投資活動に対する姿勢が消極的なものとなり、国際的な競争力が大きく下がってしまう可能性が高いです。このように法人税の引き下げには、企業の資金力強化による日本経済の活性化や企業の成長促進を狙う意図があります。

[目的その2]優良企業や技術の国外流出防止

優良企業や技術の国外流出防止も法人税の引き下げを行う目的として挙げられます。

前章でも紹介したように、近年は多くの国で法人税率の引き下げが行われ続けてきました。税負担の軽減を求めて自国よりも税率が低い国を拠点とする企業や人材が増えれば、自国の成長は鈍化する恐れがあります。自国の技術やノウハウが国外に流出し、優位性を保てなくなる可能性も高いです。

優良企業や技術の国外流出は、自国の競争力低下や経済低迷の原因になります。これらの事態を防ぐことも、法人税率を引き下げる目的です。

[目的その3]労働者の賃上げ促進

国から企業に求められる取り組みの1つとして労働者の賃上げが挙げられます。しかし、企業に資金面の余裕がなければ賃上げを実現するのは困難です。

前述のように、法人税率の引き下げが行われれば最終的な税引き後利益が増え、資金面での余裕も大きくなります。企業の資金力を強化し労働者の賃上げを可能とすることも、法人税率の引き下げを行う目的といえるでしょう。

法人税率の引き上げによるメリットとは

「日本の法人税率の推移」で紹介したように、約40年間にわたり基本税率・軽減税率ともに段階的な引き下げが続いてきました。しかし過去には法人税率の引き上げが行われたこともあります。

また、2024年度与党税制改正大綱案には「今後、法人税率の引き上げも視野に入れた検討が必要だ」と明記があります。今後、法人税率の引き上げが行われる可能性は高いと考えられるでしょう。

法人税率の引き上げを行う可能性があるのは、税率の引き上げにも明確なメリットが存在するためです。

法人税に限らず、税率引き上げによって得られる大きなメリットは税収が増える可能性があることです。税収が増えれば国や自治体の収入が増え、社会保障や公共サービスの整備・充実が期待できます。

なお「可能性がある」という表現を用いているのは、税率引き上げが理由で景気の悪化や企業の利益減少が起こり、税額が増えない事態も起こり得るためです。税率の引き上げが必ずしも税収の増加につながるとは限らない点に注意する必要があります。

【参考】法人税のパラドックスとは

最後に参考として、法人税のパラドックスについて解説します。

法人税のパラドックスとは法人税率の引き下げにもかかわらず法人税収が安定的に推移する、あるいは税収が増加する現象を指す言葉です。イギリスやフランスなど、特にヨーロッパ諸国で多くみられました。

法人税のパラドックスの明確な原因は不明で、様々な要因が作用し合って起こると考えられています。法人税のパラドックス自体は、法人税率を上げる・下げる、どちらの根拠にもなりません。

ただし、法人税率を下げても税収が減らなかった事例があることから、法人税率を上げても税収が増えるとは限らないと考える必要はあるでしょう。

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法人税率の推移‐まとめ

日本の法人税率の推移をみると、約40年間にわたり税率が段階的に下がり続けていることがわかります。近年は世界的に法人税率を引き下げる動きが強く、諸外国でも長らく法人税率の引き下げが行われ続けてきました。

法人税率の引き下げを行う目的として、日本経済の活性化や国内企業の成長促進、優良企業等の国外流出防止、賃上げ促進等が挙げられます。法人税の引き下げにより企業の資金面での余裕が増えれば、企業活動の活性化が期待できます。

しかし、2024年度与党税制改正大綱案に「今後、法人税率の引き上げも視野に入れた検討が必要だ」との明記がありました。近い将来、法人税率が上がる可能性は十分に有り得ます。

法人税率の変動には今後も注意する必要があるでしょう。

執筆 ・ 監修

加藤慧大

株式会社ミツカルプロフェッショナル 代表取締役社長

株式会社ミツカルプロフェッショナル代表取締役社長。 税理士・社労士事務所に特化した人材紹介およびコンサルティング事業を展開。月間2,000名以上の税務・労務担当者の登録、年間300件以上の事務所人事相談の実績を持り、年200%以上の成長を継続中。