INDEX
おすすめ記事
-
公認会計士の仕事内容とは?資格取得の道筋とやりがいについても解説
-
法人税法の試験対策:合格者が語る成功の秘訣
-
税理士試験科目の特徴とおすすめ勉強法【保存版】
-
税理士と行政書士の違いやダブルライセンスのメリットを解説
-
税務調査について徹底解説!当日の流れと注意すべきチェックポイント
公開日:2025/03/07
最終更新日:2025/02/21

INDEX
税務に関わる人たちのためのポッドキャスト番組『めざせ!TAX MASTER』
#34では税理士法人CROSSROAD代表の三嶋先生をゲストにお招きし、企業をV字回復させたエピソードと、「事業再生」の実態について詳しくお伺いします。

事業承継というワードはこれまで沢山お話してきましたが、事業再生支援について聞くのは初めて!一体どのような業務なのか、三嶋先生にお話をお伺いしました!
働きがいのある会計事務所特選

ミツプロ会員は会計事務所勤務に役立つ限定コンテンツをいつでも閲覧できます。
⇒無料で会員登録して雑誌を見る
税務の枠を超えた、事業再生支援とは?
事業再生支援とは、会社がうまく立ち行かなくなった時に破産ということになるため、そうならないように、私的再生、中小企業再生支援協議会への持ち込みによる再生、うまくいく場合には民事再生法の申し立てをしたりすることとのことです。
事業再生をやっている理由としては、27歳のころにこの業界に入った際に、勤めていた会計事務所で担当していたお客様の企業の実績が悪くなり破産してしまった際に、事務所の所長が見放すような対応をしているところを見ており、企業へ何かできるようになりたいと強く思った
とのことです。
その後に、再生が得意な先生のもとで働き独立をしたとのことでした。
2000年の民事再生法施行後、なぜゴルフ場再生支援が相次いだのか
2000年の民事再生法施行後、ゴルフ場再生支援が相次いだとのことです。
その理由として、ゴルフ場が預託金により作られたものであり、預託金の額面が1000万円だとすると会員券価格が2000万円などであったため苦情が出なかったものの、その後市場価格が500万円などになったため、会員より払い戻し請求が相次ぎ廃業に追い込まれる、民事再生を行うことになったとのこと。
また、民事再生になると、銀行もその企業の債権をカットすることになるとのことで、銀行へ債権放棄を申し立てる計画が必要になるとのことです。その再生計画のに基づき裁判所の下で返済を行っていくとのことでした。
ただし、民事再生は再生の見込みがないとできないとのことです。
三嶋先生がお会いされたアパレルショップでは20億円くらいの赤字が相談時にあったものの、不採算店舗をカットすることでの採算見込みが立っていたため、民事再生ができたとのことでした。ただし、95~97%という多額の債権のカットがあったとのことです。
民事再生法の申し立てをするとニュースにもなるため破産にも近いところがあるため、そのリスクを取れない企業に関しては、私的再生等も検討しているとのことでした。

95∼97%の債券カットはかなりのカット率とのこと。銀行側も0%より3%帰ってくる方が良い、ということで、債権カットを了承したようです。
税理士が事業再生を行う上で必要な視点とスキル
税務担当者として、ビジネスの絵が描ける必要があり、難しい仕事ではあるとのことでした。
教えをもらっていた時に、「まず最初は社長の生い立ちから聞け」と言われていたとのこと。
そののちに、ビジネスを始めたきっかけ、うまくいっていた要因、うまくいかなくなった原因を聞くようにと言われたとのことで、会計上では見えない背景も含め聞いているとのことでした。

ここで求められるのは、「経営者視点」とのこと。税務の枠を飛び越えて、経営者としての視点を持つことや、社長と対等に話し合いが出来るほどの経営知識が求められるとのことでした。
成功する事業再生の共通点とは?企業を救うために何ができるのか?
流れとしては、銀行経由でお話が来たり、士業経由できたり、お客様から直接来たりすることもあるとのこと。
社会的に意義があることだと思っており、アパレルの社長様からは「出会えてよかった」とも言われているとのことでした。
そのアパレル企業はそこから5年間という短期間の再生計画でV字回復を果たしたとのこと。
こういうことに知識がある人は少ないため、自分たちにしかできないことをしっかりやろうとしているとのことです。
なお、事業再生には経験値が大切であるため、事務所内や外部の事業再生ができる人と一緒に体感をしながら学ぶことが重要とのことです。
税理士・会計士と弁護士とでタッグを組んでやる必要があるとのことでした。

事業再生支援の遣り甲斐は、「出会えてよかった」と言われるほどに、感謝されることだとおっしゃっていました。「事業再生支援」はやはり書籍を読むだけで出来る仕事ではないとのこと。実際に支援を行っている先輩の下について、直接見て学ぶことが重要とのことです。興味を持たれた方は是非、税理士法人CROSSROADへ!

高梨 茉奈(たかなし まな)
めざせ!TAX MASTER パーソナリティ