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公開日:2026/01/08
最終更新日:2026/01/08
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令和8年度(2026年度)税制改正大綱が発表され、住宅取得を検討する方にとって非常にインパクトのある方針が決定しました。
最大のポイントは、住宅ローン控除の適用期限が「令和12年(2030年)末まで5年間延長」されたことです。さらに、これまでの「制度縮小」の流れが止まり、子育て世帯や若者夫婦世帯に対しては、新築・中古を問わず手厚い優遇措置が講じられます。
本記事では、令和8年度税制改正大綱の中から借入限度額の詳細、中古住宅における優遇差、そして新たに拡充された床面積要件の緩和措置について、ポイントを整理して解説します。
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改正の背景(住宅価格高騰・子育て支援・省エネ化)
当初の予定では、住宅ローン控除は令和7年末で終了、あるいは大幅な縮小が議論されていました。しかし今回、異例とも言える「5年間の長期延長」と「限度額の維持」が決まりました。この大きな方針転換の裏には、主に3つの切実な背景があります。
住宅価格の高騰と購入マインドの低下
最初の要因は、建築資材価格の高止まりや建設業界の人手不足(労務費の上昇)により、住宅価格がかつてない水準まで高騰していることです。 これに加え、金利のある世界へと移行しつつある中で、住宅ローンの固定金利などが上昇傾向にあります。「物件価格」と「金利」のダブルパンチにより、一次取得層(初めて家を買う層)の購入意欲が急速に冷え込むことへの危機感が、今回の強力な買い支え策につながりました。
「子育て支援」としての住環境整備
政府が掲げる少子化対策において、「住まい」は重要な柱の一つです。 子どもの数が増えれば広い家が必要になりますが、価格高騰でそれが叶わない現状があります。そこで、子育て世帯や若者夫婦世帯に対して借入限度額を大幅に優遇することで、少しでも良質で広い住宅を取得しやすくし、安心して子育てができる環境を整える狙いがあります。
2050年カーボンニュートラルに向けた「省エネ化」
今回の改正でも「省エネ基準への適合」が必須条件とされていますが、これは国のGX(グリーントランスフォーメーション)戦略と直結しています。家庭部門からのCO2排出量を減らすためには、断熱性能の高い家を普及させることが不可欠です。 税制優遇という「アメ」を用意することで、高断熱・省エネ住宅の普及を加速させたいという意図が明確に反映されています。
住宅ローン控除の適用期限(5年間延長)
今回の改正で特筆すべきは、住宅ローン控除の適用期限が大幅に延長されるとともに、借入限度額の「引き下げ」が見送られた点です。
これまでの住宅ローン控除制度は、2年ごとの見直しにより、借入限度額(控除対象となるローンの上限)が段階的に引き下げられる傾向にありました。そのため、購入検討者は「限度額が下がる前に契約しなければ損をする」という期限の制約に追われる状況でした。
しかし今回の改正では、令和8年から令和12年までの5年間、借入限度額を一切引き下げず、一定額で維持する方針が示されました。
適用期限:
令和12年(2030年)12月31日まで
特徴:
5年間、借入限度額の縮小なし
これにより、期限を気にして焦って購入する必要がなくなり、ライフプランに合わせてじっくりと物件を検討できる安定した環境が整いました。
新築住宅の借入限度額
新築住宅における借入限度額は、「子育て世帯・若者夫婦世帯」と「一般世帯」で明確に差がつけられています。条件を満たした住宅を取得する子育て世帯には、最大5,000万円という高い限度額が5年間維持されます。
【新築住宅の借入限度額(2026年~2030年入居分)】
| 住宅の性能区分 |
子育て・若者夫婦世帯 (19歳未満の子 or 夫婦いずれか40歳未満) |
一般世帯 |
|---|---|---|
| 認定長期優良住宅・低炭素住宅 | 5,000万円 | 4,500万円 |
| ZEH水準省エネ住宅 | 4,500万円 | 3,500万円 |
| 省エネ基準適合住宅 | 4,000万円 | 3,000万円 |
控除期間: 13年間
控除率: 0.7%
注意点: 省エネ基準に適合しない「その他の住宅(一般住宅)」は、原則として控除の対象外となります(2023年末までの建築確認など一部経過措置を除く)。
中古住宅(既存住宅)の借入限度額
個人間売買など、消費税がかからない「既存住宅(一般の中古住宅)」に関するルールが大きく変わります。 今回の改正で「省エネ基準以上」の住宅は控除期間が13年に延長され、借入限度額も拡張されます。
【既存住宅(中古)の借入限度額(2026年~2030年入居分)】
| 住宅の性能区分 |
子育て・若者夫婦世帯 (19歳未満の子 or 夫婦いずれか40歳未満) |
一般世帯 |
|---|---|---|
| ① 認定長期優良・低炭素住宅 | 4,500万円 | 3,500万円 |
| ② ZEH水準省エネ住宅 | 4,500万円 | 3,500万円 |
| ③ 省エネ基準適合住宅 | 3,000万円 | 2,000万円 |
|
④ その他の住宅 ※省エネ基準を満たさない既存住宅 |
2,000万円 | 2,000万円 |
ポイント
・期間延長:
省エネ性能(断熱等級4以上など)があれば、中古でも新築と同じ13年間の控除が受けられます。
・子育て優遇(借入限度額増加):
子育て世帯であれば、中古住宅でも最大4,500万円まで借入限度額が引き上げられています。
床面積要件が「50㎡→40㎡」へ緩和!特例措置が中古住宅へ拡大
単身者やDINKS(共働き夫婦)世帯にとって、実用的なメリットとなるのが、床面積要件の緩和措置です。
これまで、住宅ローン控除を受けるための床面積は「原則50㎡以上」とされていました。特例として「40㎡以上」に緩和される措置もありましたが、これは主に新築住宅に限られていました。
今回の改正では、世帯規模の変化を踏まえた対応として、この「40㎡以上50㎡未満」への緩和措置の適用対象が、既存住宅(中古住宅)にも拡大されました。
【床面積と所得要件のルール(2026年以降)】
| 区分 | 床面積 | 所得要件(合計所得金額) | 対象物件 |
|---|---|---|---|
| 原則 | 50㎡ 以上 | 2,000万円以下 | 新築 + 中古 |
| 特例 | 40㎡ 以上 50㎡ 未満 | 1,000万円以下 | 新築 + 中古 |
ポイント
・50㎡以上の場合: これまで通り、新築でも中古でも対象です。所得制限も2,000万円以下と緩やかに設定されています。
・40㎡~50㎡未満の場合: 所得1,000万円以下という厳しい制限がつきますが、これまでは対象外だった「40㎡台の中古住宅」も、今回の改正で新たに対象となります。
これにより、50㎡以上のファミリータイプはもちろん、立地を重視した「都心のコンパクトな中古住宅(40㎡台)」も、要件を満たせば住宅ローン控除の恩恵を最大限に受けられるようになります。
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住宅ローン控除 税制改正まとめ
令和8年度税制改正大綱により、住宅ローン控除は「2030年までの5年間、安定した借入限度額で利用できる制度」へと生まれ変わりました。
特に「中古のコンパクト住宅(40平米台)」まで対象が広がったことは、都心で暮らす単身・少人数世帯にとって朗報です。恩恵を最大限に受けるためには、「子育て・若者夫婦世帯に該当するか」そして「省エネ性能の高い住宅を選んでいるか」という2点が、これまで以上に重要なポイントとなります。
加藤慧大
株式会社ミツカルプロフェッショナル 代表取締役社長









