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公開日:2025/11/14
最終更新日:2025/11/14
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「会計事務所の仕事」と聞くと、税理士や公認会計士だけを思い浮かべる人が多いかもしれません。しかし、実際には税務・会計の専門職だけでなく、内勤スタッフや会計入力スタッフ、事務職、コンサルタントなど、複数の職種がチームとして事務所運営を支えています。
この記事では、会計事務所で一般的な職種を紹介し、それぞれの仕事内容・役割・キャリアの広がりまで詳しく解説します。未経験から会計事務所への転職を考えている方や、業界への理解を深めたい方にとって、職種選びの参考になる内容です。
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会計事務所の職種①:税理士
税理士は、会計事務所の職種の中核であり、専門性が高く、責任の重い仕事です。
税理士資格を持つことで、税理士だけに認められている独占業務を行えます。これは税理士法で定められたもので、資格のない者は行えません。
税理士は税務・会計の両面から顧客を支える重要な職種であり、特に中小企業の経営者にとっては、税務面での唯一の相談相手となることもあります。
税理士の独占業務
税理士の独占業務は以下の通りです。
・税務代理:納税者に代わり税務署とやり取りを行い、税務調査の立ち会いや修正申告、更正請求などを行います。
・税務書類の作成:法人税・所得税・消費税・相続税などの申告書を作成し、税務署に提出します。
・税務相談:顧問先からの税務に関する質問に応じ、専門的な助言を行います。
税理士の巡回監査と担当制
多くの会計事務所では、税理士が顧問先を担当制で持ち、月次や四半期ごとに訪問する巡回監査を行います。単なる書類作成ではなく、クライアントの経営状況を把握し、税務・会計の両面から支援する重要な業務です。具体的には以下のような業務があります。
・月次試算表の確認と説明
・会計処理の妥当性チェック
・税務リスクの洗い出しと助言
・経営者との面談による課題抽出
・決算・申告に向けた事前準備
税理士の職種に向いているのは、数字に強く責任感があり、顧客と信頼関係を築くことができる人です。将来的には独立開業やコンサルタントへの転身など、キャリアの幅も広い職種です。
会計事務所の職種②:公認会計士
公認会計士は、財務諸表監査を通じて企業の会計情報の信頼性を担保する国家資格者です。監査法人に所属することが多いですが、会計事務所でもIPO支援や財務コンサルティングを担当することがあります。
公認会計士 主な業務
公認会計士職種の主な業務は以下です。企業の会計処理が適正かどうかを第三者の立場で検証する役割が求められます。
・法定監査(会社法・金融商品取引法)
・任意監査(学校法人・社会福祉法人など)
・内部統制の評価と改善提案
・IPO支援業務
・財務デューデリジェンスやM&A支援
この職種に向いているのは、論理的思考力が高く、倫理観を重視する人です。監査経験を活かしてCFOや経営コンサルタントに転身することも可能です。
資格取得の難易度が高い分、キャリアの幅が広い職種です。
会計事務所の職種③:税理士補助(内勤スタッフ)
内勤スタッフとも言われる税理士補助の職種は、税理士の指示のもとで会計業務を支える職種です。税理士の業務をスムーズにするためのサポート役として欠かせない職種です。未経験者でも就職しやすく、税理士試験の受験生が実務経験を積む場としても人気があります。
税理士補助(内勤スタッフ)の主な業務
税理士補助(内勤スタッフ)の主な業務は以下です。
・記帳代行(領収書・請求書の整理、仕訳入力)
・月次・年次決算の補助業務
・法人税・消費税・所得税の申告書ドラフト作成
・年末調整・法定調書の作成
・顧問先との電話・メール対応、資料回収
内勤スタッフ職種は、複数のクライアントを担当しながら業務を進めるため、事務処理能力だけでなく、税務知識やコミュニケーション力も求められます。将来的には税理士資格取得やコンサルタントへのキャリアパスも可能です。
会計事務所の職種④:会計入力スタッフ
会計入力スタッフは、顧問先の記帳業務や試算表作成などを担当する専門職です。会計ソフトを用いて正確なデータ入力を行い、税務申告の基礎資料を整えます。簿記2級程度の知識があれば、未経験でもスタートできます。
会計入力スタッフ職種の主な業務
会計入力スタッフの主な業務は以下の通りです。
・会計ソフト(弥生・MF・freeeなど)への仕訳入力
・試算表・元帳の作成
・月次・年次決算の補助
・領収書・請求書の整理・ファイリング
・データチェック・修正提案
会計入力スタッフ職種は、正確性とスピードが求められるデスクワーク中心の仕事です。業務を通じて経理・税務の基礎知識が身につき、将来のキャリア形成にもつながる職種です。
会計事務所の職種⑤:事務スタッフ
事務スタッフ職種は、会計事務所の運営を円滑に進める裏方です。税理士や内勤スタッフが専門業務に集中できるよう、環境整備や庶務を担当します。
事務スタッフ職種の主な業務
事務スタッフ職種の主な業務は以下です。
・電話・来客対応
・書類の整理・郵送・ファイリング
・顧問先への資料送付・回収
・スケジュール管理・会議調整
・備品管理・庶務全般
専門知識は不要で、未経験者やパート・時短勤務でも活躍できます。会計事務所の円滑な運営を支える縁の下の力持ち的存在です。
会計事務所の職種⑥:税務・会計コンサルタント
コンサルタント職種は、税務・会計に加え経営支援まで行う職種です。近年、会計事務所でも経営コンサル業務を提供するケースが増えています。
コンサルタント職種の主な業務
コンサルタント職種の主な業務は以下です。
・経営分析・財務改善提案
・資金調達支援
・事業計画・中期経営計画策定
・事業承継・M&A・組織再編支援
・財務戦略立案・実行支援
経営課題に対して数字と戦略の両面からアプローチできる人に向いており、高度な提案力や対人スキルも求められます。税務・会計の専門知識を活かし、事務所内で幅広く活躍できる職種です。
会計事務所の職種⑦:チェッカー
チェッカーは、20~30名以上の規模の会計事務所で設置されることが多く、税理士や内勤スタッフが作成した仕訳・試算表・申告書の最終チェックを専門に行う職種です。
税理士や公認会計士は高単価で希少性の高い人材であるため、本来は税務代理や申告書作成といった独占業務に専念してもらうのが効率的です。そのため、入力や申告書のチェック業務に特化したチェッカーを配置し、組織全体のコストとリスクを抑える役割を担う職種です。
チェッカーの主な業務内容
・会計入力スタッフや内勤スタッフが作成した仕訳・帳簿・試算表の内容を確認し、誤りや不整合を修正
・月次・年次決算書や税務申告書のチェックと必要な修正提案
・顧問先に提出する書類の最終確認によるミスやリスクの低減
・内部業務フローの改善やチェック体制の提案
・特に相続やM&Aなど、複雑な案件に関する書類確認
国税OBがチェッカーを担当する理由
規模の大きい会計事務所では、申告書や決算書の品質管理が非常に重要です。そのため、税務署や国税局での長年の勤務経験を持つ国税OBがチェッカー職に就くことが多く、豊富な経験と知見を活かして書類の正確性を高めています。
向いている人・キャリアの特徴
・数字や帳簿の記載に細かい注意力を発揮できる人
・「この処理は税法や会計基準に照らして妥当か」と自ら考えながら確認できる人
・将来的に内勤スタッフや税理士補助、さらには税理士資格取得後の申告・顧問業務へステップアップしたい人
チェッカーは、事務所全体の書類品質を保証する「最後の砦」として、非常に重要な役割を担います。会計事務所の生産性の高い組織運営の観点でも戦略的な位置付けにある職種です。
会計事務所職種選びで失敗しないためのポイント
職種選びでは以下を意識すると失敗が少なくなります。
・自分のスキルと職種の適合性を理解する
・業務内容を正しく理解する
・求人票だけでなく、事務所の文化や働き方も確認
・転職エージェントを活用して非公開求人を探す
未経験の場合は、税理士補助(内勤スタッフ)や会計入力スタッフなどの職種からスタートすることが一般的です。
税理士資格を取得すると独占業務も含めた幅広い業務を担当できるため、税理士補助や会計入力スタッフとして実務経験を積みながら資格取得を目指すルートが一般的です。
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会計事務所の職種を徹底解説 -まとめ
会計事務所には、税理士、公認会計士、内勤スタッフ、会計入力スタッフ、事務スタッフ、コンサルタントなど多様な職種があります。
自分の強みやライフスタイルに合わせて、適切な職種を選び、長期的に活躍できるキャリアを築きましょう。
高梨 茉奈(たかなし まな)
めざせ!TAX MASTER パーソナリティ











