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公開日:2026/01/23
最終更新日:2026/01/23
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令和8年度(2026年度)税制改正大綱において、国際的な電子商取引(越境EC)に関する消費税の徴収ルールが大きく変更されることとなりました。
海外の事業者がインターネットを通じて日本の消費者にデジタルコンテンツや商品を販売する際、これまでは海外事業者の申告漏れが問題視されていました。これを是正するため、取引を仲介するデジタルプラットフォーム事業者が、海外事業者に代わって消費税を納付するプラットフォーム課税の導入が決定しました。
本記事では、この新制度の仕組み、対象となる事業者、および実務への具体的な影響について解説します。
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プラットフォーム課税導入の背景と目的
これまで、海外の事業者(国外事業者)が日本の消費者に向けて電子書籍、音楽、アプリなどの「電気通信利用役務の提供」を行う場合、本来であればその海外事業者が日本の消費税を納税する義務がありました。
しかし、日本に拠点を持たない海外の小規模事業者などを税務当局が把握し、徴収することは実務上非常に困難であり、多くの取引で消費税が課税されていない(または納税されていない)という現状がありました。
国内事業者との不公平を解消
消費税を適正に納税している国内の事業者に対し、納税していない海外事業者はその分安価にサービスを提供できることになり、競争上の不公平(イコール・フッティングの欠如)が生じていました。 今回の改正は、取引の要となる「プラットフォーム」に納税義務を負わせることで、この不公平を解消し、課税の適正化を図ることを目的としています。
新制度の仕組み:プラットフォームが「販売者」とみなされる
新制度の最大の特徴は、みなし仕入(Deemed Supplier)という考え方の導入です。
従来の仕組み
・海外事業者 →(販売)→ 日本の消費者
◦納税義務者:海外事業者(※捕捉困難)
改正後の仕組み(プラットフォーム課税)
一定の要件を満たす「特定プラットフォーム事業者」が介在する場合、税務上は以下のように取引が行われたとみなされます。
1.海外事業者 →(販売)→ 特定プラットフォーム事業者
2.特定プラットフォーム事業者 →(販売)→ 日本の消費者
この仕組みにより、日本の消費者に対する消費税の納税義務者は特定プラットフォーム事業者となります。 税務署は、数多ある海外事業者を個別に追跡する必要がなくなり、日本国内で登記等を行っている(または規模の大きい)プラットフォーム事業者から確実に税収を確保できるようになります。
対象となる取引と事業者
対象となる取引
主に以下の「B to C(消費者向け)」取引が対象となります。
・デジタルサービス: 電子書籍、音楽・動画配信、ゲーム、アプリ、クラウドサービスなど
・物品の輸入(※): 海外から消費者に直送される少額貨物などについても、同様のスキームで課税対象とする方向性が示されています。 (※具体的な品目や金額基準は詳細設計による)
対象となる「特定プラットフォーム事業者」
すべての仲介サイトが対象になるわけではなく、取引金額が一定規模(例:年間50億円超など)を超える大規模なデジタルプラットフォーム事業者が対象として指定されます。 これには、外資系の大手IT企業だけでなく、越境ECを取り扱う国内の大手プラットフォームも含まれる可能性があります。
実務への影響と対応
この制度導入により、各プレイヤーには以下のような影響が生じます。
① 特定プラットフォーム事業者
最も負担が増えるのがプラットフォーム側です。
・対象となる海外事業者の取引をシステム上で判別する機能の実装。
・消費者から預かった消費税の計算および納税事務。
・海外事業者への支払額から消費税相当額を控除するなどの契約変更および通知。 これらに対応するための大規模なシステム改修と事務体制の整備が必要となります。
② 海外事業者(売り手)
自ら日本の税務署へ申告・納税する手間が省けるというメリットがあります。一方で、プラットフォーム経由で確実に消費税が徴収されるため、これまで「消費税なし」を理由に安値で販売していた事業者は、値上げを迫られる可能性があります。
③ 日本の消費者(買い手)
これまで消費税が上乗せされていなかった海外製アプリやサービスについて、適切に消費税が転嫁されることで、販売価格が上昇(適正化)する可能性があります。
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海外からの電子商取引(越境EC)に納税義務!プラットフォーム課税の導入と実務への影響を解説 -まとめ-
プラットフォーム課税は、すでにEU(欧州連合)や英国、オーストラリアなどで導入されている国際的な潮流です。令和8年度改正により、日本もこのグローバルスタンダードに追随することになります。
・制度開始時期: 令和8年(2026年)○月○日(※施行日に基づく)
・影響: 越境ECにおける「消費税の取り逃がし」がなくなり、国内事業者と海外事業者が対等な条件で競争する環境が整います。
越境ECを利用してビジネスを行う国内事業者や、プラットフォーム運営に関わる企業は、自身が「特定プラットフォーム事業者」に該当するかどうか、または取引先が対象となるかについて、今後の詳細な政省令の公表を注視する必要があります。
加藤慧大
株式会社ミツカルプロフェッショナル 代表取締役社長









