ミツプロに会員登録する
3つのメリット

無料で会員登録する

INDEX

おすすめ記事

記事を全て見る

会計事務所の法人格の種類とは?法人化によって起こる変化も紹介

公開日:2026/02/08

最終更新日:2026/02/08

会計事務所の法人格の種類

INDEX

会計事務所は個人事務所と法人化した組織の2種類に大別できます。一般企業と違い、会計業界は個人事務所と法人で組織としてできることに大きな違いがあります。そのため転職先を決める際には、法人格の有無もチェックするべきといえるでしょう。今回は会計事務所の法人格について詳しく解説します。

<会計事務所特化>
あなたの「適正年収」を調べてみませんか?
会計事務所の給与水準は、保有資格や経験年数、担当件数などの組み合わせでガラリと変わります。

簡単な質問に答えるだけで、一般的な会計事務所ならいくら提示されるのかを即座に算出。「今の適正額」はもちろん、「資格を取得したら年収はどう変わるのか?」など、あなたの現在地と未来の可能性を診断します。
⇒無料で年収診断を試してみる

前提|会計事務所はあくまでも俗称

前提として、「会計事務所」は特定の組織を指す正式名称ではありません。会計事務所は会計業務を行う事務所全体を指す言葉であり、あくまでも俗称です。

「事務所」という言葉がついていることから、会計事務所を「会計関連の個人事務所」の意味で用いるケースは多くみられます。ただし、税理士法人や監査法人など法人格を保有する組織も会計事務所に含まれます。実際、税理士法人等での勤務経験がある人が、自身の経歴について「会計事務所での勤務経験あり」と表現するのは一般的です。

会計事務所の法人格の種類

会計事務所に含まれる組織のうち、法人格をもつ組織は以下の2種類です。

・税理士法人
・監査法人

それぞれの特徴や法人化におけるルール等を紹介します。

税理士法人

運営形態 税理士法に基づく特別法人
人数要件 2名以上の社員税理士が必要
社員の責任の範囲 無限責任
支店設置の可否
業務範囲の制限
税理士業務および付随業務のみ対応可能


税理士法人とは2人以上の税理士によって設立される特別法人です。税理士業務を組織的に行うことを目的とします。

税理士法で、税理士法人が行える業務は税理士業務や付随業務のみと定められています。後述する税理士事務所(法人格をもたない個人事務所)に比べて対応できる業務の範囲は限定的です。

監査法人

運営形態 公認会計士法に基づく特別法人
人数要件 5人以上の公認会計士(社員)が必要
社員の責任の範囲 無限責任または有限責任


監査法人とは公認会計士法に基づいて設立される特別法人です。監査法人を設立するためには5人以上の公認会計士が社員となる必要があります。

また、監査法人はさらに以下の2種類に大別できます。

有限責任監査法人:社員の責任が出資額の範囲に限定される。法人の名称に「有限責任」の文字が含まれる
無限責任監査法人:社員が法人の債務に対して無限連帯責任を負う

多くの監査法人は無限責任監査法人に該当します。

監査法人の主な仕事内容は公認会計士の独占業務である会計監査です。ほかにも非監査業務としてコンサルティングIPO支援などを行う監査法人も多くみられます。

監査法人を「会計事務所」と呼ぶことは少ない

実際のところ、監査法人を会計事務所と呼ぶ場面は少ないです。理由として以下の2つが挙げられます。

・会計事務所という言葉から「会計・税務関連のサポート業務を提供する事務所」を連想する人が多く、独立した立場で監査を行う監査法人はイメージに合わない
・監査法人は最低でも5人以上の公認会計士が所属しているために規模が大きく、事務所という言葉のイメージと乖離が大きい

監査法人での経験については「会計事務所経験」ではなく「監査法人経験」と表現するのが一般的です。

法人ではない会計事務所の種類

法人格のない会計事務所として以下の2種類が挙げられます。

・税理士事務所
・公認会計士事務所

それぞれの特徴や法人との違いについて解説します。

税理士事務所

税理士事務所は税理士が運営する個人事務所です。税理士事務所と税理士法人との主な違いとして以下の3点が挙げられます。

項目 税理士事務所 税理士法人
人数要件 特になし 2人以上の社員税理士が必要
業務範囲の制限 なし
税理士業務および付随業務のみ対応可能
支店展開の可否 不可

税理士事務所を運営する個人が税理士業務以外の仕事を受けることには全く問題ありません。そのため、税理士事務所が税理士業務以外を行うケースもみられます。税理士法人は前述のように業務範囲に定めがあり、対応できるのは税理士業務および付随業務に限られます。

公認会計士事務所

公認会計士事務所とは公認会計士が運営する個人事務所です。公認会計士事務所と監査法人の主な違いとして以下の3つが挙げられます。

項目 公認会計士事務所 監査法人
人数要件 特になし 5人以上の公認会計士(社員)が必要
業務範囲の制限 特になし
監査業務を行わなくても問題ない
監査業務の実施が義務付けられている
主な仕事内容 会計業務のサポート、税務申告、個人事業主や中小企業の経営者の相談対応など 監査業務のほか、IPO支援やコンサルティングなど高度な会計知識が求められる業務を実施

公認会計士は試験を受けずに税理士登録が可能です。そのため独立開業に際して税理士登録を行い、公認会計士・税理士両方の業務を行うケースが多くみられます

また、個人事務所である公認会計士事務所は人数規模が小さいため、大企業の監査対応を行うのは難しいです。そのため個人事業主や中小企業など、小規模事業者に対するサービスがメインとなります。

会計事務所は法人格の有無でどのように変わる?

続いて、会計事務所は法人格の有無によってどのように変わるのかを解説します。

法的な制限の有無

税理士法人は税理士法、監査法人は公認会計士法に基づいて設立される特別法人です。それぞれの法律の中で、法人の設立および運営に関する様々な制限が定められています

例えば税理士法人の場合、法人として行える業務は税理士事務および付随業務のみです。税理士法で定められた業務以外を行うためには、個人として受けるか、別会社等の名義で受ける必要があります。

監査法人は業務範囲というより、やるべき業務について明確な定めがあります。監査法人は公認会計士の独占業務である会計監査の実施が必須です。非監査業務は監査業務を行なってもリソースに余裕がある場合に行うイメージとなります。

また、法人の設立における人数にも厳格な決まりがあります。前述のように、税理士法人は2人以上の税理士、監査法人は5人以上の公認会計士が必要です。人数要件を満たさなければ法人化ができません。

法人の方が規模が大きい傾向

前述のように会計事務所の法人化には一定以上の人数が必要であるため、個人事務所より法人の方が規模が大きい傾向です。規模の違いにより、以下のような面でも異なる傾向がみられます。

項目 個人事務所 法人
案件の規模 小さめ
規模が小さいため、受注できる案件の規模も小さめの傾向です
大規模な案件も存在
人数規模が大きいため、個人事務所では対応しにくい大規模な案件も存在します
案件の難易度 1人~ごく少人数でも対応できる難易度の低い案件が多い 1つの案件に充てられるリソースが大きいため、個人事務所よりも難易度の高い案件が多い
仕事の進め方 1人で幅広い仕事を行うケースが多い チーム体制や分業体制が整っている傾向

業務に充てられる人的リソースに違いがある分、受注できる案件や仕事の進め方にも違いがみられます。

参考|会計事務所が法人化をするメリット

税理士法人や監査法人は法律で細かな決まりが定められているため、制限が多く窮屈な印象を受けるかもしれません。しかし会計事務所の法人化には以下のように様々なメリットが存在します。

・支店展開ができるため事業規模を広げやすい
・所得税より法人税の方が税率が低いため節税効果を期待できる
社員に対する退職金の支払いが可能になる
決算月を好きなタイミングに設定できる
代表者が死亡しても事業を継続できる

以上の理由から、事業規模を拡大したい・事業を長く続けたい等の場合には、法人化をするメリットが大きいといえます。

会計事務所への転職では法人格を意識するべき?

同じ会計事務所でも、個人事務所と法人では様々な違いがあるとわかりました。そのため会計事務所への転職活動に際して「個人事務所と法人のどちらにするか決めるべき?」と疑問を感じた人もいるでしょう。この章では会計事務所への転職において法人格を意識するべきか解説します。

法人格の有無はあくまで参考程度

結論として、転職活動において法人格の有無はあくまで参考程度にするのが良いでしょう。適用されるルールや傾向に違いはあるものの、仕事内容や働き方は法人格の有無だけでは決まらないためです。

個人事務所と法人では、法人の方が規模が大きい傾向と紹介しました。規模の違いに関連して「法人の方が難易度が高い案件が多い」「法人は分業体制が進んでいる傾向」等の違いもあります。

しかし、これらはあくまでも傾向に過ぎません。難易度が高い案件を多く受注する個人事務所や、分業体制をとらず1人が幅広い仕事を行う法人も存在します。また、個人事務所であっても人数規模が大きいケースも存在します。

仕事内容や働き方を法人格の有無だけでは判断できません。求人を選ぶ際は、実際の仕事内容や事務所の雰囲気などを必ず確認しましょう。

「税理士」と「公認会計士」の区別は必要

前述のように、法人格の有無はあくまで参考程度として良いと考えられます。一方で、会計事務所のトップが税理士と公認会計士のどちらであるかの確認は必須です。税理士と公認会計士では独占業務および主な仕事内容が異なるため、事務所として受注する案件の傾向にも大きな違いがみられます。

法人格を有する組織であれば名称に必ず「○○法人」の文字が含まれるため、組織の種類を容易に把握できます。一方、個人事務所であれば名称に「会計事務所」を用いることも可能です。したがって事務所名に含まれる言葉が「会計事務所」の場合は、税理士と公認会計士のどちらが運営する事務所であるかを確認する必要があります

<会計事務所特化>
あなたの「適正年収」を調べてみませんか?
会計事務所の給与水準は、保有資格や経験年数、担当件数などの組み合わせでガラリと変わります。

簡単な質問に答えるだけで、一般的な会計事務所ならいくら提示されるのかを即座に算出。「今の適正額」はもちろん、「資格を取得したら年収はどう変わるのか?」など、あなたの現在地と未来の可能性を診断します。
⇒無料で年収診断を試してみる

会計事務所の法人格‐まとめ

会計事務所に該当する組織のうち、法人格をもつのは税理士法人と監査法人の2種類です。税理士法人は税理士法、監査法人は公認会計士法に基づいて設立・運営をする必要があります。

法人格を有する税理士法人や監査法人と、個人事務所である税理士事務所と公認会計士事務所には様々な違いがあります。とはいえ、会計事務所への転職活動において法人格の有無はあくまで参考程度に考えるのが良いでしょう。法人格の有無ではなく、実際の仕事内容や事務所の雰囲気を重視するべきです。

法人格の有無そのものではなく、求人や事務所の公式サイト等を確認した上で、自分に合う会計事務所を選びましょう。

執筆 ・ 監修

加藤慧大

株式会社ミツカルプロフェッショナル 代表取締役社長

株式会社ミツカルプロフェッショナル代表取締役社長。 税理士・社労士事務所に特化した人材紹介およびコンサルティング事業を展開。月間2,000名以上の税務・労務担当者の登録、年間300件以上の事務所人事相談の実績を持り、年200%以上の成長を継続中。