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公開日:2026/03/06
最終更新日:2026/03/06
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「経理職に就いているけれど残業時間が多くて辛いから転職したい」「経理職への転職に挑戦したいけれど、残業時間が多いと聞いて不安に感じている」
このようなお悩みをお持ちの人も多いでしょう。
実際のところ、経理職は残業が発生しやすい職種ではあります。正確には閑散期と繁忙期で業務量の差が激しく、繁忙期は残業が起こりやすいイメージです。残業時間の少ない求人を選ぶためには、求人の見方についてのポイントを押さえる必要があります。
今回は経理職の残業時間の目安や、残業時間が少ない求人を選ぶためのポイントを紹介します。
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経理職の残業時間の目安を時期別に紹介
前提として、経理職は閑散期と繁忙期の業務量の差が大きい職種です。そして、閑散期に人手が余ってしまうのを避ける目的で、経理職の人数を閑散期の業務量に合わせる企業が多くみられます。このような理由から、繁忙期は業務量に対する人数が少なく、残業が起こりやすくなってしまうのです。
経理職の閑散期と繁忙期それぞれの残業時間の目安を紹介します。
閑散期
経理の閑散期に該当するのは、日次業務(毎日もしくは時期を問わない業務)のみが発生する時期です。日次業務に該当する業務として以下の例が挙げられます。
・仕訳入力
・現預金の管理
・伝票作成
・経費精算
・売掛金や買掛金の管理
・書類整理、ファイリング
経理担当者の人数と業務量のバランスにもよりますが、閑散期は残業が発生しにくく、定時退社ができる日も多いです。業務量を上手く調整して閑散期に休暇を取る人も多くみられます。
繁忙期
経理の繁忙期にあたるのは、月次業務や年次業務が発生する時期です。月次業務と年次業務それぞれの例を紹介します。
【月次業務】
| 仕事内容 | 発生する時期 |
|---|---|
| 入金や支払いの確認 | 月初 |
| 前月分の月次決算 | 月初 |
| 請求書の発行および送付 | 月初(月末から作業を進めることも) |
| 源泉所得税や住民税の納付 | 毎月10日まで |
| 給与計算および支払い | 会社によって異なる |
| 社会保険料の納付 | 月末 |
月次業務の中でも特にボリュームが大きい作業が月次決算です。月次決算作業中は1日1~2時間程度の残業が発生する可能性があります。ただし、月次決算に法的な実施義務はないため、月次決算は行わない会社も多いです。
作業量によっては請求書の発行・送付や給与計算の時期も1日1時間程度の残業が起こり得ます。
【年次業務】
| 仕事内容 | 発生する時期 |
|---|---|
|
年次決算 (決算整理仕訳、決算書の作成、税務申告書の作成、法人税等の納付など) |
決算日の翌日~2ヵ月以内 |
| 固定資産税の納付 | 年4回(一般的には4月、7月または9月、12月、2月) |
| 賞与計算および支払い | 年2回(一般的には夏・冬) |
| 年末調整 | 11月~12月 |
| 法定調書の作成・提出 | 翌年1月 |
| 償却資産申告書の作成・提出 | 翌年1月 |
| 実地棚卸 | 年度末(決算日または決算直前) |
最もボリュームが大きいのは年次決算です。法人税等や消費税の申告・納付期限が決算日の翌日から2ヵ月以内であるため、2ヵ月の間にすべての業務をこなす必要があります。その上、日次業務や月次業務は通常通り発生します。したがって年次決算業務の発生時期は特に業務量が多く、残業も発生しやすいです。
年末調整も短期間に膨大な作業をこなす必要があるため、この時期も残業発生の可能性が高くなります。
年次決算や年末調整作業期間の残業時間の平均は月10~30時間程度です。ただし繁忙期の残業時間は企業による違いが大きく、月100時間を超えるケースも存在します。
【経理職】転職による残業時間の削減は期待できる?
現在の勤務先の残業時間が長い場合、転職によって残業時間を削減できる可能性があります。
経理は閑散期と繁忙期の差が大きいという理由から、残業が発生しやすい職種です。ただし残業時間を減らすための工夫の余地はあり、繁忙期でも1日1時間程度の残業に抑えている企業も多く存在します。反対に、前章で触れたように繁忙期の残業時間が月100時間を超える企業が存在するのも事実です。
経理職に限らず、残業時間の長さは業種や職種の性質だけでなく、企業の体制や仕事の進め方により大きく左右されます。そのため経理の残業時間を最小限に抑えるための対策を実施している企業へ転職すれば、残業時間を削減できる可能性が高いです。
経理の残業時間が多い職場の特徴
「残業時間の長さは業種や職種の性質だけでなく、企業の体制や仕事の進め方により大きく左右される」と紹介しました。この章では経理の残業時間が多い職場の特徴について具体的に解説します。
経理担当者が少ない
規模に対して経理担当者が少ない場合、1人当たりの業務量が増えるため残業時間が多くなりやすいです。
あくまで目安ですが、管理部門の適正割合は全社員の10~15%といわれています。管理部門を総務・庶務・人事労務・法務・経理の5つと考えると、各部門の担当者は全体の2~3%が目安です。
ただし、企業によっては日次業務や支払い関係のみ自社で行い、専門的な業務は会計事務所に依頼しているケースもあります。このような場合は自社でやるべき作業が少ないため、経理担当者が少なくても残業時間は発生しにくい傾向にあります。
ペーパーレス化が進んでいない
経理業務のペーパーレス化が進んでいるか否かは、残業時間を大きく左右する要因です。
近年は改正電子帳簿保存法の施行により、請求書や領収書の電子取引や、紙資料のスキャナ保存が進んでいます。しかし、紙資料の電子化およびデータとしての保存は義務ではないため、以前として紙資料を用いる企業も存在します。
紙資料は書類整理やファイリングの手間がかかる分、作業時間が長くなりやすいです。仮に事業規模や経理担当者の数が同じでも、ペーパーレス化が進んでいない企業の方が残業発生の可能性は高くなります。
業務フローやマニュアルが整備されていない
経理の業務フローやマニュアルが整備されていない企業も残業時間が長い傾向です。主な理由として以下の3つが挙げられます。
・業務フローが整備されていない場合、同じ業務でも人によって進め方が違うという理由から混乱が起こりやすい
・業務の進め方を確認する方法が「過去の成果物を確認する」「都度質問する」等になり、確認自体に時間がかかる
・明確なレビュー項目や注意点が存在しないためチェックがし辛く、結果としてミスや漏れが起こりやすい(修正作業が発生しやすい)
とはいえ、業務フローやマニュアルが整備されているかは実際に入社しないとわからない部分です。あくまで目安ですが、以下のような企業は業務フローやマニュアルが整備されており、無駄や非効率が原因での残業は起こりにくい傾向にあります。
・経理担当者の入れ替わりが少ない
・募集要項に試用期間の働き方や研修制度について明記されている
・経理担当者が複数人所属する経理部門が設けられている
残業時間が少ない経理求人を選ぶためのポイント
最後に、残業時間が少ない経理求人を選ぶためのポイントを4つ紹介します。
求人票に記載された残業時間を確認する
大前提として、求人票に記載された残業時間は必ず確認しましょう。月の平均残業時間から残業の程度を推測できます。
なお残業時間について、具体的な数値ではなく残業の有無だけを記載した求人も存在します。しかし残業に関する表記が不明瞭である場合、労働環境に対する関心が弱く、残業削減に向けた取り組みも不十分な可能性が高いです。転職活動において残業時間の少なさを優先するのであれば、残業時間について詳しく記載された求人をおすすめします。
みなし残業の有無を確認する
みなし残業とは実際の残業の有無に関係なく一定時間の残業が発生したとみなして、その分の残業代をあらかじめ給与に加算する仕組みです。
一概にはいえませんが、みなし残業代の制度が導入されている企業は残業が発生しやすい傾向にあります。一定時間分の残業代がすでに給与に加算されている以上、所定労働時間を多少過ぎても給与計算の手間が変わらないためです。多少の残業が発生することを前提とした給与体系ともいえます。
みなし残業を導入している求人に応募する場合は、実際の残業時間について確認するのが安心です。
なお前述のように、経理は閑散期と繁忙期で業務量の差が大きく、時期によって業務時間が変動しやすい職種です。業務量が少ない閑散期と残業が発生しやすい繁忙期の給与を同じにするために、みなし残業代を支給するケースも多くみられます。
残業について記載がない場合は選考の過程で質問しておく
求人票に残業について記載がなくても、残業がゼロとは限りません。前述のようにみなし残業を導入しているケースもあれば、残業を軽視しているために記載していない可能性もあります。
入社後に残業時間に関するトラブルが起こるのを防ぐため、求人票に残業についての記載がない場合は選考の過程で質問しましょう。
「経理の残業時間が多い職場の特徴」に当てはまる求人は避ける
残業時間の少なさを重視する場合、前章の「経理の残業時間が多い職場の特徴」に当てはまる求人は避けるのが無難です。改めて、経理の残業時間が多い職場の特徴を紹介します。
・経理担当者が少ない
・ペーパーレス化が進んでいない
・業務フローやマニュアルが整備されていない
ただし、いずれかに合致するからといって、必ずしも長時間の残業が発生するとは限りません。仮に残業が発生しやすいとしても、職場環境や仕事内容が自分に合っており、充実した働き方ができる職場である可能性もあります。
上記はあくまで参考程度として、実際の残業時間については選考の過程で直接質問するのが確実です。
経理職の残業に関するよくある質問(FAQ)
経理職の残業や転職にまつわる、よくある疑問をまとめました。
Q1. 経理職は他の職種と比べて残業が多いですか?
A. 1年を通して常態的に残業が多いわけではありません。経理職の特徴は「時期によって波が激しい」ことです。閑散期は定時退社しやすい一方で、月末月初や年次決算期(多くの企業では4〜5月)に業務が集中し、その期間だけ残業が跳ね上がる傾向があります。
Q2. 月次決算や年次決算の時期は、具体的にどれくらい残業しますか?
A. 企業の規模や体制によって大きく異なりますが、一般的な目安として、月次決算中は1日1〜2時間程度、年次決算や年末調整の時期は月10〜30時間程度の残業が発生することが多いです。ただし、システム化が遅れている企業では月100時間を超えるケースも存在します。
Q3. 面接で「残業時間はどれくらいですか?」と直接聞いても大丈夫ですか?
A. 聞くこと自体は問題ありませんが、聞き方には注意が必要です。「残業はしたくありません」というニュアンスではなく、「前職では決算期に月〇時間程度の残業をしていましたが、御社の繁忙期の働き方のイメージを教えていただけますか?」など、前向きで具体的な聞き方をすると悪印象を与えません。
Q4. 残業を減らすために、どのようなスキルや経験をアピールすれば有利ですか?
A. クラウド会計ソフトの導入経験、ExcelのVBAやマクロを用いた業務効率化の経験、ペーパーレス化の推進実績などは、企業側も「この人を採用すれば部署全体の残業時間を減らせるかもしれない」と期待するため、転職において強力なアピールポイントになります。
あなたの「適正年収」を調べてみませんか?
簡単な質問に答えるだけで、一般的な会計事務所ならいくら提示されるのかを即座に算出。「今の適正額」はもちろん、「資格を取得したら年収はどう変わるのか?」など、あなたの現在地と未来の可能性を診断します。
経理職の残業時間‐まとめ
経理は閑散期と繁忙期で業務量の差が激しく、繁忙期は残業が起こりやすいです。残業時間は企業によって異なりますが、年次決算や年末調整など時期で月平均10~30時間程度といわれています。
ただし、同じ経理職でも企業によって残業時間に差があるため一概にはいえません。繁忙期でも1日の残業時間を1時間程度に抑えている企業もあれば、残業時間が月100時間を超える企業も存在します。
残業時間が少ない経理求人を選ぶためには、求人票に記載された残業に関する情報をしっかり確認することが大切です。求人票から把握できない情報があれば、選考の過程で採用担当者に直接確認しましょう。あくまで目安ではあるものの、経理の残業時間が多い職場の特徴に当てはまる求人は避けるのも1つの手段です。
経理職は残業が起こりやすいとはいえ、実際の残業時間は企業によって大きく異なります。転職による残業時間の削減を実現するためには、求人選びのポイントをしっかり押さえましょう。
加藤慧大
株式会社ミツカルプロフェッショナル 代表取締役社長









