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公開日:2026/06/12
最終更新日:2026/06/12
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監査法人とは公認会計士法に基づいて設立される組織です。会計監査を組織的に行うことを目的とした組織であり、5人以上の公認会計士によって設立されます。主な仕事内容は監査業務ですが、被監査業務としてアドバイザリー業務も行います。
監査法人という名前を見聞きしたことはあっても、どのような組織であるか詳しくは知らない人も多いのではないでしょうか。今回は監査法人について、基本事項・仕事内容・種類・就職の方法という4つの観点から詳しく解説します。
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監査法人とは?基本事項編
はじめに監査法人の基本事項について解説します。
監査法人の定義および設立要件
監査法人は監査業務を組織的に行うことを目的とした法人組織です。監査法人を設立するには以下の要件を満たす必要があります。
・5人以上の公認会計士が共同して設立する
・法人の名称の中に「監査法人」という単語を含める。有限責任監査法人の場合は「有限責任監査法人」の文字列を含む必要がある
監査法人の設立要件は公認会計士法で定められています。
なお2026年1月26日、日本公認会計士協会は監査法人設立の最低人数を引き上げる方針を発表しました。上場企業を監査する監査法人の登録要件厳格化の一環として行われれる改正です。現時点では具体的な最低人数は不明ですが、2027年7月に開かれる総会での正式決定を目指して詳細を詰める旨が公表されています。
2026年4月時点では監査法人の設立に必要な公認会計士の数は5人以上ですが、今後は最低人数が変わる可能性が高いです。
参考:監査法人の会計士、最低人数引き上げへ 中小の合併加速も|日本経済新聞
監査法人で働く人の職種
監査法人で働く人の多くは公認会計士です。財務諸表の監査・証明は公認会計士の独占業務であるため、監査を主な目的とした監査法人は必然的に公認会計士の人数が多くなります。
ただし、監査法人には公認会計士資格をもたない人も多く働いています。公認会計士以外の職種の代表例は監査アシスタントです。監査アシスタントは公認会計士のサポートの役割を担い、データの照合や計算の確認、各種入力等の単純作業を行います。監査アシスタントの仕事は公認会計士の登録要件である実務経験とみなされるため、公認会計士試験合格者が実務経験を積むために就くパターンが多いです。無資格でも会計の専門知識や実務経験が豊富な人は、アドバイザリー業務を任されるケースもあります。
ほかにも通常の企業と同様に、経理、人事、労務、総務といったバックオフィス職に就く人もいます。
監査法人とは?仕事内容編
続いて監査法人の仕事内容についてです。
監査業務
監査法人の主な業務は監査業務(会計監査業務)です。
そもそも監査とは企業の業務や財務活動が法令・各規準・社内規定等に則って適正に行われているかを、独立した第三者が評価および報告することです。監査は法令等で義務付けられている法令監査と、法定監査以外の監査に大別できます。
監査法人で公認会計士が主に行うのは法定監査のうち以下の2つです。
・金融商品取引法に基づく監査
上場企業等の有価証券報告書等を提出する会社に義務付けられている監査
・会社法に基づく監査
大会社および委員会設置会社に義務付けられている監査
いずれも財務諸表の監査・証明業務に該当します。このような監査は「会計監査」「財務諸表監査」とも呼ばれます。
監査法人による監査の大まかな流れは以下の通りです。
1.予備調査(ショートレビュー)
本調査の前に簡単な予備調査を行い、現況の確認をします
2.監査計画の立案・提出
予備調査の結果をもとに監査計画を立案します。監査は対象企業の全業務・全拠点を調査するのが理想ですが、実際のところ物理的に不可能です。そのためリスクの高い箇所を優先して監査を行います。監査計画ではどの部分の監査を行うか、理由は何か等を明確にします
3.本監査の実施
監査計画に沿って監査を実施します。財務諸表や証憑書類の確認だけでなく、関係者へのヒアリングも必要です
4.監査調書の作成~監査意見の形成
監査結果を基に各担当者が監査調書を作成し、現場責任者が各監査調書をまとめます。その後監査担当者が、現場責任者がまとめた監査調書が適正であるかを判断し、監査意見を形成する流れです
5.監査結果の報告
監査対象の取締役や経営幹部等に監査結果を報告します
6.改善に関する助言や指示
監査で問題があった場合は指摘し、改善に関する助言や指示を行います
アドバイザリー業務(非監査業務)
監査法人では会計に関する高度な専門知識を活かし、会計関連のアドバイザリー業務を行うことも多いです。監査以外の業務という意味で「非監査業務」と呼ぶこともあります。
監査法人で行うアドバイザリー業務として以下の例が挙げられます。
・IPO支援
・M&A支援・コンサルティング
・企業・事業再生支援
・財務コンサルティング
・コーポレートガバナンス支援
いずれも会計の高度な専門知識が必要な業務です。監査業務が落ち着いている時期や公認会計士資格をもたない人は、アドバイザリー業務を行うケースが多いです。
監査法人とは?種類編
監査法人は規模に応じて以下の3種類に大別されます。
・BIG4監査法人(大手監査法人)
・準大手監査法人
・中小監査法人
それぞれの特徴について解説します。
BIG4監査法人(大手監査法人)
BIG4監査法人とは世界最大級の会計事務所グループ「BIG4」と提携関係にある4つの会計事務所の総称です。以下の監査法人がBIG4監査法人に該当します。
| 法人名 | 従業員数 | 監査関与先法人数 |
|---|---|---|
|
有限責任あずさ監査法人 (KPMGと提携関係) |
7,362人 うち公認会計士3,011人、試験合格者等1,537人 (令和7年6月30日時点) |
3,255社 (令和7年6月30日時点) |
|
EY新日本有限責任監査法人 (EYと提携関係) |
6,405人 うち公認会計士3,137人、試験合格者等1,226人 (令和7年3月31日時点) |
3,850社 (令和7年3月31日時点) |
|
有限責任監査法人トーマツ (デロイト トウシュ トーマツと提携関係) |
6,241人 うち公認会計士2,402人、試験合格者等1,130人 (令和8年2月28日時点) |
3,215社 (令和7年5月31日時点) |
|
PwC Japan有限責任監査法人 (PwCプライスウォーターハウスクーパースと提携関係) |
3,660人 うち公認会計士1,253人、試験合格者等686人 (令和7年6月30日時点) |
1,477社 (令和7年6月30日時点) |
BIG4監査法人全体に共通する特徴として以下の3つが挙げられます。
・監査法人としての規模が大きいため、クライアントも規模の大きい上場企業が中心
・クライアントにグローバル企業も多く、監査において国際基準の知識が必要になる場面も多い
・研修制度や福利厚生制度が整っている
BIG4監査法人は制度が整っている・募集人数が多い等の理由から、公認会計士試験に合格した人の最初の就職先として選ばれやすいです。
準大手監査法人
準大手監査法人とは4大監査法人であるBIG4に次ぐ規模を誇る監査法人の総称です。準大手監査法人として挙げられることの多い監査法人として以下の例が挙げられます。
| 法人名 | 従業員数 | 監査関与先法人数 |
|---|---|---|
| 太陽有限責任監査法人 |
1,315人 うち公認会計士373人、試験合格者等266人 (令和8年3月31日時点) |
1,117社 (令和8年3月31日時点) |
| 仰星監査法人 |
428人 うち公認会計士282人、試験合格者等81人 (令和7年6月30日時点) |
390社 (令和7年6月30日時点) |
| 三優監査法人 |
382人 うち公認会計士158人、試験合格者等136人 (令和7年10月1日時点) |
224社 (令和7年10月1日時点) |
| 東陽監査法人 |
366人 うち公認会計士197人、試験合格者等66人 (令和7年6月30日時点) |
212社 (令和7年6月30日時点) |
準大手監査法人はBIG4監査法人に比べて従業員数が少ない分、一人ひとりが担当する業務の幅が広いです。入社後早い段階から責任の重い仕事を任せてもらえる傾向もみられます。
中小監査法人
BIG4監査法人・準大手監査法人以外の監査法人は中小監査法人に該当します。公認会計士・監査審査会の「令和6年版モニタリングレポート」によると、令和6年3月末時点における日本国内の監査法人の数は287法人です。BIG4監査法人の4法人、前述した準大手監査法人の4法人を除くと、中小監査法人は281法人と計算できます。
中小監査法人は規模が小さい分、法人によって扱う業務や社風の違いが大きいです。準大手監査法人よりもさらに1人が担当する業務範囲が広く、責任も重い傾向にあります。
監査法人とは?就職の方法編
監査法人への就職方法は、公認会計士試験の合格直後に就職活動を行う場合とそれ以外で大きく異なります。就職活動・転職活動の流れやポイントについて解説します。
試験合格直後の場合
公認会計士試験の合格直後に行う就職活動の特徴は、就活開始から内定までのスピードが非常に速い点です。
監査法人の新卒採用にあたる定期採用は、公認会計士試験の合格発表直後である11月中旬頃に開始されます。定期採用開始から内定獲得までの大まかな流れは以下の通りです。
1.説明会に参加(合格発表から数日程度)
合格発表日あたりには予約が始まるため、合格を確認次第すぐに就活を開始すべきです
2.面接予約、エントリーシートの作成(合格発表後1週間程度)
面接予約は合格発表後1週間程度で締切となるため注意しましょう
3.面接(11月下旬~12月初め)
面接から数日以内で結果が通知されます
合格発表から選考結果が出るまで2週間程度です。公認会計士試験の合格後、休む間もなくすぐに就職活動を開始する必要があります。
中途採用(転職)の場合
中途採用の場合の流れは一般企業と特に変わりません。求人サイトや転職エージェントサービス等を活用し、監査法人の求人に応募します。
日本の上場企業は3月決算または12月決算が多いです。監査法人における監査業務のピークは決算月の翌月~翌々月、すなわち4月~5月や1月~2月頃となります。この時期は繁忙期にあたるため、求人が少ない可能性や、面接予約がスムーズにできない可能性があります。
とはいえ、監査法人によって選考のスケジュールには違いがあるため一概にはいえません。転職を希望する監査法人の採用サイトや求人情報を小まめにチェックし、早いうちから転職活動に向けた準備を進めるのが良いでしょう。
よくある質問(FAQ)
監査法人について、よくある質問をまとめました。
Q. 監査法人とはどのような組織ですか?
監査法人とは、公認会計士法に基づき、企業の会計監査を組織的に行うことを目的として設立される法人です。5名以上の公認会計士によって設立され、主に企業の財務諸表が適正であるかを独立した立場からチェックする役割を担います。
Q. 公認会計士の資格がなくても監査法人で働けますか?
はい、働くことは可能です。公認会計士のほかに、監査業務をサポートする監査アシスタントや、経理・人事・総務といったバックオフィス職などの職種があります。特に監査アシスタントは、試験合格者が実務経験を積むために就くケースも多いですが、無資格であっても会計知識を活かしてアドバイザリー業務に携わる人もいます。
Q. 監査法人の主な仕事内容を教えてください。
大きく分けて「監査業務」と「アドバイザリー業務(非監査業務)」の2つがあります。監査業務は、上場企業などに義務付けられている法定監査が中心です。アドバイザリー業務では、IPO(株式公開)支援やM&A支援、企業の財務コンサルティングなど、会計の専門知識を活かした助言や支援を行います。
Q. 大手監査法人(BIG4)とはどこを指しますか?
世界的な会計ネットワークと提携している、有限責任あずさ監査法人、EY新日本有限責任監査法人、有限責任監査法人トーマツ、PwC Japan有限責任監査法人の4つを指します。これらは規模が大きく、主に大企業やグローバル企業の監査を担当しています。
Q. 監査法人の設立要件に変更があると聞きましたが、本当ですか?
はい、その通りです。2026年1月、日本公認会計士協会より監査法人の設立に必要な最低人数の引き上げ方針が発表されました。2026年4月時点では5名以上の公認会計士が必要ですが、今後はこの要件が厳格化される見通しです。詳細は2027年7月の総会に向けて検討されています。
Q. 公認会計士試験の合格後、就職活動はいつから始まりますか?
試験の合格発表直後(例年11月中旬頃)から非常にタイトなスケジュールで開始されます。合格発表から説明会、面接、内定までがわずか2週間ほどで進む超短期決戦となるため、合格を確認したら直ちに準備を始める必要があります。
あなたの「適正年収」を調べてみませんか?
簡単な質問に答えるだけで、一般的な会計事務所ならいくら提示されるのかを即座に算出。「今の適正額」はもちろん、「資格を取得したら年収はどう変わるのか?」など、あなたの現在地と未来の可能性を診断します。
監査法人とは‐まとめ
監査法人とは組織的な監査業務を行うために設立される法人組織で、設立には5人以上の公認会計士が必要です。主な仕事内容は会計監査で、公認会計士の独占業務でもあります。監査業務以外にも、会計の専門知識を活かした幅広い業務を行います。
監査法人は規模によってBIG4監査法人、準大手監査法人、中小監査法人の3種類に大別可能です。規模によって特徴に大きな違いがあるため、理想とする働き方に合わせて監査法人の規模を選ぶのも良いでしょう。
監査法人の定期採用は2週間という超短期決戦です。合格発表の確認後、すぐに就職活動を始める必要があります。中途採用の場合は一般企業と同じように、採用情報を随時確認しながら転職活動を進めます。
監査法人とはどのような組織であるか、本記事が参考になれば幸いです。
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加藤慧大
株式会社ミツカルプロフェッショナル 代表取締役社長









