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大手会計事務所を徹底解説!仕事内容から年収実態までご紹介
2024/11/15
INDEX
ここでは、大手会計事務所の仕事内容や年収、働くメリットやデメリットまで詳しくご紹介していきます。
大手会計事務所とは?
会計事務所において、大手・準大手と明確な基準があるわけではありません。
「BIG4」「準大手・新興会計事務所」「地方大手会計事務所」の4つについて解説します。
BIG4
BIG4とは、世界的に事業展開をする4つの大規模な会計事務所のことを指します。
以下の4つがBIG4 と呼ばれています。
- ・有限責任あずさ監査法人(KPMG)
- ・EY新日本有限責任監査法人
- ・有限責任監査法人トーマツ
- ・wCあらた有限責任監査法人
BIG4は大企業をクライアントとするため、中小企業を主要クライアントとする他の税理士法人よりも業務規模や業務の仕方が異なります。
主な業務内容- ・税務申告書の作成やチェック
- ・経営コンサルティング業務
- ・M&Aや事業承継
主な業務は税務申告書の作成と、クライアント企業が作成した申告書類のチェック業務です。クライアントは大手企業が中心なので、その申告書類も膨大になります。また様々な分野を扱うことになりますし、中小企業では使用しない税制を利用することもあります。クライアントがグローバルに展開している場合は国際税務に携わるケースも少なくありません。
幅広く専門的な知識が必要になる業務です。
また、知識や技術面、そして時間的にも激しく消耗しますので、生涯勉強を続けられて、なおかつ体力のある人が向いていると言えるでしょう。
BIG4への転職を考えている方はぜひこちらの記事も参考にしてみてください。
参考:税理士がBIG4税理士法人に転職するには?メリット・デメリットも解説
準大手・新興会計事務所
一般的に従業員が100~250名ほどの税理士法人が準大手税理士法人と呼ばれています。
また、新興会計事務所はここ15年ほどで急成長を遂げた会計事務所のことを言います。
準大手・新興会計事務所と呼ばれる事務所は次の通りです。
- ・太陽グラントソントン税理士法人
- ・BDO税理士法人
- ・日本クレアス税理士法人
- ・クリフィックス税理士法人
- ・税理士法人AGS/AGSコンサルティング
- ・税理士法人令和会計社
準大手・新興会計事務所では上場企業のほか、中小企業、ベンチャー企業、個人など、多岐にわたる顧客の会計・税務業務の全般を担います。
準大手・新興会計事務所は外資系企業もクライアントとして持つことがあり、その場合には国際税務に対応することもあり、語学力や外国の税制知識を求められる可能性もあります。
地方大手会計事務所
従業員数が100名以上の大手会計事務所は東京に集中している傾向にありますが、地方にも大手会計事務所があります。
仕事内容に大きな差はありませんが、都心部と地方では会社の規模が異なるため、税理士や会計士に対するニーズが変わってきます。例えば、都心では「資産相続」「法人専門」など、専門性のある業務が成り立ちますが、人口が少ない地方では、専門性のもった事務所は成り立たなくなってしまうのです。
そのため、地方大手会計事務所に勤務する場合は、分野を絞らずオールマイティに業務をこなせることが必要となります。
また、地方事務所は都内事務所と比べて顧客対応件数が少なくなるため1つのクライアントと、密な関係を築けるといった特徴もあります。
よって多種多様な知識を身につけて、顧客に寄り添った支援を行いたいといった方に向いていると言えます。
大手会計事務所の仕事内容を徹底解説!
大手会計事務所の仕事内容は非常に多岐にわたります。一般的には、クライアントを対象にした会計監査が主な業務となりますが、それだけではありません。法人税・消費税・所得税などの税務申告、財務諸表の作成や解析、内部統制の評価といった業務もこなすほか、M&Aや企業再生、経営コンサルティングなどの専門性のある業務を担当する場合もあります。
これらの業務を遂行するためには、会計基準や税法、経済状況などを熟知している必要があります。また、各業界のビジネスモデルやリスク管理についても理解していなければなりません。そのため、大手会計事務所の社員は専門知識を有しているだけでなく、広範なビジネス視点を持つことが求められます。
さらに、大手会計事務所では、多数のクライアントを抱えているため、そのすべてに対応するための対応力とコミュニケーション能力が求められます。また、国際的な取引が増えている現代では、英語力も必要となります。
以上のように、大手会計事務所の仕事内容は多岐にわたり、高度な専門知識とスキルが必要です。
大手会計事務所の年収実態
大手会計事務所の新卒入社の初任給は、一般的には年収400万円~500万円程度と言われており、経験とスキルに応じて年収は上がります。また、資格保有者(公認会計士や税理士など)に対する手当やインセンティブも設けられていることが多く、資格取得を奨励する体制が整っています。
そのほか、マネージャーやパートナーなどの役職につくことで、年収1,000万円以上を目指すことも可能です。
大手会計事務所に向いている人は?
大手会計事務所は、高年収ではありますが仕事量が多く、難易度が高い業務が多いといったところからかなり激務であると言われています。
では、いったいどのような人が大手会計事務所に向いているのでしょうか?
向いている人
大手会計事務所では、多くのクライアントと接点を持つことはもちろんのこと、1つのプロジェクトに対して数人でチームを組んで業務を行うため、円滑なコミュニケーションが求められます。
特に、難解な会計の知識を分かりやすく伝える能力は、クライアントから信頼を得るために必要不可欠です。さらに、会計の分野は、税法改正など新たな法律の制定や変更が頻繁に起こります。そのため、高度なコミュニケーションを持ち、最新の情報を常に把握しそれを業務に活かせる勉強熱心な人が向いていると言えます。
不向きな人
大手会計事務所に向いている人物像を理解した上で、反対に、大手会計事務所での仕事が不向きな人の特徴についてみていきましょう。まず、大手会計事務所は高度なスキルと専門知識が必要とされます。
したがって、自己啓発やスキルアップに消極的な人は大手会計事務所での仕事には不向きかもしれません。また、大手会計事務所では、多くのクライアントと接する機会があります。
そのため、コミュニケーション能力が低い、または人間関係を築くことに苦手意識がある人も、大手会計事務所での仕事には適していない可能性があります。
これは大手に限らずですが、会計事務所の仕事は、細部にわたる分析や精密な計算が必要とされます。そのため、細かい作業やデータ分析や数値が苦手な人も、大手会計事務所での仕事は不向きであると言えます。
大手会計事務所に勤めるメリットとは?
ここでは、大手会計事務所に勤めるうえでのメリットとデメリットについて説明いたします。
メリット
大手会計事務所に勤めるメリットは数多く存在します。大手会計事務所は、様々な業種のクライアントに対して、最適なソリューションを提供しています。これは、自身のスキルと知識を高める絶好の機会となります。
また、大手であることから、大規模なプロジェクトに携わることが多く、その経験は一生の財産となります。さらに、大手会計事務所は、世界各地に拠点をもつ顧客を対応する場合もあります。
これにより、国際的な視野を持つことが可能となり、海外での仕事経験を得られる可能性もあります。このような経験は、将来、ビジネスシーンで大きな強みとなるでしょう。
また、大手会計事務所には、優秀な人材が集まるという特性があります。同僚から学ぶことができる環境は、自身の成長を促進します。また、自身のキャリアを考えたとき、大手会計事務所での経験は、その後の職場選びにおいて大きなアドバンテージとなります。
このように、大手会計事務所に勤めることは、自己成長とキャリアの両面で大きなメリットがあります。しかし、これらのメリットを享受するためには、厳しい業務内容や高い競争率に耐える覚悟が必要です。これらを考慮した上で、自身にとって最適なキャリアパスを選ぶことが大切です。
デメリット
一方でデメリットも存在します。大手会計事務所は、その業務規模の大きさから、業務量も多く、厳しいスケジュールが組まれることもあります。
また、クライアントの要望に応えるため、非常に高いスキルと専門知識が求められます。これらは、ストレスやプレッシャーを感じる原因となるかもしれません。
大手会計事務所-まとめ
この記事では、大手会計事務所について詳しく解説しました。
大手会計事務所では、充実した福利厚生や高い年収、さらにキャリアアップの可能性もあります。
しかし、向いている人は限られており、高い専門性や知識、そしてコミュニケーション能力を持ち合わせていることが求められます。
以上の情報を踏まえ、あなた自身が大手会計事務所で働くことが適しているかどうか、自身のキャリアプランを考えたうえで、検討してみてください。
城之内 楊
株式会社ミツカル代表取締役社長