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教育資金一括贈与の非課税措置が終了へ。いつまで利用可能?【令和8年度税制改正大綱】

公開日:2026/01/08

最終更新日:2026/01/08

教育資金一括贈与の非課税措置が終了【令和8年度税制改正大綱】

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祖父母から孫へ、教育資金として最大1,500万円までを非課税でまとめて渡すことができる「教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置」。 長らく「富裕層の資産移転術」の王道として親しまれてきたこの制度が、令和8年度(2026年度)税制改正大綱において、ついに「適用期限の到来をもって終了(廃止)」されることが決定的なものとなりました。

「格差の固定化につながっている」という指摘に加え、今回の改正で未成年者版NISA(少額投資非課税制度)などの恒久的な資産形成支援策が整ったことが、廃止の決定打となりました。

本記事では、制度終了のスケジュールと、すでに契約している口座の扱い、そしてこれから資産移転を考えるための代替案について解説します。

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教育資金一括贈与の非課税措置はいつまで?終了のスケジュール

今回の改正大綱では、本制度の適用期限(新規契約および追加拠出ができる期間)について、これ以上の延長を行わない方針が示されました。

具体的には、令和8年(2026年)3月31日をもって、教育資金一括贈与の非課税措置の入り口が閉ざされます。 これにより、令和8年4月1日以降は、信託銀行などで新たにこの非課税口座を開設することや、既存の口座に追加で資金を投入することができなくなります。

これまで数年おきに「延長」が繰り返されてきたため、「どうせまた延びるだろう」と考えていた方も多いかもしれません。しかし、今回は「未成年者NISAの創設」という強力な代替制度とのバーター(交換条件)として廃止が明記されました。

すでに預けている教育資金はどうなる?(経過措置)

現在すでにこの制度を利用している方や、終了までに駆け込みで契約する方にとって最大の懸念は、「制度が終わったら、預けてあるお金に税金がかかるのか?」という点でしょう。

結論から言えば、すでに預け入れられた資金については、制度終了後も非課税のまま教育資金として使い続けることができます

大綱には、新規の契約は停止するものの、既存の契約については「受贈者(孫など)が30歳に達するまで」という本来の契約期間が終了するまで、引き続き非課税での払い出しを認める経過措置が盛り込まれました。 したがって、現在口座にある資金を慌てて引き出したり、使い切ったりする必要はありません。制度終了後も、これまで通り領収書を提出して払い出しを受ける運用が継続されます。

予想される教育資金一括贈与の駆け込み需要と注意点

「最後のチャンス」となる令和8年3月末に向けて、信託銀行の窓口には申し込みが殺到することが予想されます。特に相続対策を急ぐ高齢者層にとって、1,500万円という多額の現金を一気に、かつ確実に孫へ移転できる手段は他にないからです。

しかし、単に「枠があるから」といって満額を拠出することにはリスクも伴います。 本制度には「使い残しリスク」があります。孫が30歳になった時点で口座に資金が残っていた場合、その残額には贈与税が課税されます(しかも、一般税率という高い税率が適用される可能性があります)。

「駆け込みで1,500万円入れたけれど、孫が国立大学に進学してあまりお金がかからなかった」という場合、将来的に孫に予期せぬ税負担を負わせることになりかねません。駆け込み利用を検討する際は、孫の年齢や進路を冷静に見積もり、「確実に使い切れる金額」を設定することが重要です。

教育資金非課税措置終了後の「代替案」はどうする?

一括贈与の終了後は、どのようにして孫や子へ教育資金を援助すべきでしょうか。大綱の方針を踏まえると、以下の3つの方法が主流となります。

1. 「都度贈与」の活用(基本への回帰)

そもそも、扶養義務者(祖父母や親)が、教育費や生活費を「必要な都度、直接支払う」場合は、金額に関わらず贈与税はかかりません。 これを「都度贈与」と言います。 入学金や授業料の請求書が届くたびに、祖父母が学校へ直接振り込むなどの方法をとれば、1,500万円という枠にとらわれず、非課税で援助が可能です。一括で渡せない手間はありますが、これが最も確実で税務リスクの低い方法です。

2. 暦年贈与(年間110万円)の継続

年間110万円の基礎控除内でお金を渡す「暦年贈与」は引き続き有効です。 一度に多額の移動はできませんが、時間をかけてコツコツと渡すことで、将来の教育資金原資を作ることができます。

3. 新設される「未成年者NISA」の活用

今回の改正で廃止の引き金となったのが、先述した「未成年者NISA(0歳から利用可)」です。 政府としては、「現金をただ渡して消費させる(一括贈与)」のではなく、「投資を通じて資産を増やしながら次世代へ渡す(NISA)」形へ誘導したい意図があります。 年間60万円・総額600万円までの枠を活用し、祖父母から贈与された資金を原資にNISAで運用すれば、教育資金が必要になる頃には、運用益を含めて非課税で受け取ることが可能です。

未成年者NISA(こどもNISA)については以下の記事で詳しく解説しています。

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教育資金一括贈与の非課税措置が終了へ -まとめ

教育資金一括贈与という「特急券」の廃止は、富裕層優遇の是正と、貯蓄から投資への流れを加速させる政府の強い意志の表れです。

今後は、祖父母が孫のためにできることとして、「駆け込みでの一括贈与」を検討しつつも、長期的には「NISAを活用した資産形成の支援」や「必要な時の都度払い」へと、頭を切り替えていく必要があります。

制度終了まで残された時間はわずかです。相続税対策を含めた資産移転計画を練り直すなら、今がそのタイミングと言えるでしょう。

執筆 ・ 監修

加藤慧大

株式会社ミツカルプロフェッショナル 代表取締役社長

株式会社ミツカルプロフェッショナル代表取締役社長。 税理士・社労士事務所に特化した人材紹介およびコンサルティング事業を展開。月間2,000名以上の税務・労務担当者の登録、年間300件以上の事務所人事相談の実績を持り、年200%以上の成長を継続中。