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公開日:2026/01/23
最終更新日:2026/01/23
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公認会計士と税理士は同じ会計関連の資格として似たイメージをもたれやすいです。しかし、仕事内容や試験の仕組みなど様々な面に違いが存在します。
どちらの資格を取得するかによって働き方も大きく変わるため、それぞれの特徴を押さえ、自分に合う方を選ぶことが大切です。今回は公認会計士と税理士の違いについて詳しく解説します。
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[公認会計士と税理士の違い]1.仕事内容
公認会計士と税理士の大きな違いの1つは仕事内容です。公認会計士と税理士では独占業務が異なるため、必然的に仕事内容にも大きな違いが生じます。この章では、公認会計士と税理士それぞれの仕事内容について解説します。
公認会計士の仕事内容
公認会計士の独占業務は財務諸表の監査および内容証明です。金融商品取引法に基づく監査および会社法に基づく監査ができるのは公認会計士のみとなります。
公認会計士の主な仕事は独占業務である監査業務です。クライアント企業の財務諸表の作成過程や内容が正当なものであるかをチェックし、監査報告を行います。
財務諸表監査以外の仕事内容として以下の例が挙げられます。
・財務・経営コンサルティング
・コーポレートガバナンスの支援
・システム監査
・M&A支援(コンサルティングや財務DDなど)
・IPO支援
また、公認会計士は税理士試験に合格しなくても税理士登録が可能です。そのため税務業務を行う公認会計士も多くみられます。
税理士の仕事内容
税理士の独占業務は以下の3つです。
・税務相談
・税務代理(税務調査の立ち合い、税務署とのやり取りの代行など)
・税務書類の作成
税務関連の業務ができるのは税理士のみです。
独占業務以外の仕事として以下の例が挙げられます。
・記帳代行
・経理業務のサポートおよび代行
・経営コンサルティング
・会社設立支援
・資金調達支援
次の章で改めて紹介しますが、税理士の主なクライアントは中小企業や個人事業主です。経理人材がいない・会計や税務のノウハウがない等の理由から、自身で経理業務を行うのが難しいクライアントも多くみられます。そのため税務だけでなく関連業務まで幅広くサポートします。特に顧問契約を締結しているクライアントの場合、経営パートナーのような立ち位置になることも多いです。
[公認会計士と税理士の違い]2.主なクライアント
公認会計士と税理士は独占業務の性質上、クライアントにも違いがみられます。それぞれの主なクライアントについて解説します。
公認会計士の主なクライアント
公認会計士の主なクライアントは上場企業や大規模な企業です。
上場企業および会社法上の大会社は、公認会計士や監査法人による監査を受けることが義務付けられています。そのため必然的に監査義務のある上場企業や大会社が主なクライアントになります。
税理士の主なクライアント
税理士の主なクライアントは中小企業、個人事業主、事業者ではない個人です。
前述のように小規模事業者は自身で会計・税務業務を行うのが難しいため、税理士に依頼するケースが多くみられます。顧問契約を締結して長期的にサービスを提供することもあります。
相続税、贈与税、準確定申告等で、事業者ではない個人がクライアントになるケースも多いです。
[公認会計士と税理士の違い]3.就職先
公認会計士と税理士には就職先にも違いがみられます。それぞれの主な就職先を紹介します。
公認会計士の主な就職先
公認会計士の主な就職先は以下の通りです。
・監査法人
・コンサルティングファーム
・一般企業(上場企業の経理財務、内部監査部門等)
・公認会計士事務所
・税理士法人(税理士登録をした場合)
なお、公認会計士試験の合格者が最初に選ぶ就職先は大都市圏の監査法人であることがほとんどです。監査法人である程度の経験を積んだ後転職する人もいれば、最初に入社した監査法人でキャリアを構築する人も多くみられます。
税理士の主な就職先
税理士の主な就職先の例は以下の通りです。
・税理士法人(2人以上の税理士によって設立される法人)
・税理士事務所(税理士が運営する個人事務所)
・一般企業(経理、財務、税務部門等)
・金融機関
・コンサルティングファーム
税理士業務を専門とする事務所や法人に限らず、幅広い選択肢が存在します。
なお公認会計士と比較すると、税理士の方が独立開業をする人が多いです。どこかに就職するのではなく、自身で税理士事務所や税理士法人を運営する人も多くみられます。
[公認会計士と税理士の違い]4.試験科目
公認会計士と税理士は試験にも様々な違いがあります。まずは試験科目の違いについてです。
公認会計士試験の試験科目
前提として、公認会計士試験は短答式試験と論文式試験の2つから構成されています。短答式試験に合格すると論文式試験の受験が可能になります。
短答式試験と論文式試験のそれぞれの試験科目は以下の通りです。
【短答式試験(マークシート方式)】
・財務会計論
・管理会計論
・監査論
・企業法
【論文式試験】
・会計学
・監査論
・租税法
・企業法
・選択科目(経営学、経済学、民法、統計学のうちいずれか1科目)
参考:公認会計士試験に関するQ&A|公認会計士・監査審査会
後述する税理士試験と違い、一度の試験で全科目を受験する必要があります。
また、短答式試験の合格有効期間は2年です。短答式試験の合格から2年以内に論文式試験に合格できなかった場合、短答式試験から受験し直す必要があります。
税理士試験の試験科目
税理士試験の試験科目は全11科目です。合格科目が会計学に属する科目2科目と税法に属する科目3科目の計5科目に達したときに税理士試験の合格者となります。
具体的な試験科目は以下の通りです。
【会計学に属する科目(2科目とも必須)】
・簿記論
・財務諸表論
【税法に属する科目】
・法人税法(※)
・所得税法(※)
・相続税法
・消費税法または酒税法
・住民税または事業税
・国税徴収法
・固定資産税
(※)法人税法と所得税法のどちらか1科目は合格する必要があります。
参考:税理士試験の概要|国税庁
税理士試験は科目合格制を採用しており、一度に5科目すべてを受験する必要はありません。合格科目に有効期限の定めもないため、数年かけて5科目合格を目指すのが一般的です。
[公認会計士と税理士の違い]5.受験資格
公認会計士試験と税理士試験では受験資格にも大きな違いが存在します。
公認会計士試験の受験資格
公認会計士試験には受験資格の定めがありません。年齢、学歴、国籍等を問わず誰でも試験を受けられます。
税理士試験の受験資格
税理士試験の受験資格は会計学科目と税法科目で異なります。
会計学に属する簿記論と財務諸表論には受験資格の定めがありません。そのため会計学に属する科目のみ受験する場合は受験資格を証明する書類は不要です。
税法に属する科目には受験資格の定めが存在します。学識、資格、職歴等の様々な分野の受験資格のうちどれか1つでも要件を満たせば受験可能です。
各分野の主な受験資格を紹介します。
【学識関連】
・大学、短大、高等専門学校等の卒業生で、社会科学に属する科目を1科目以上履修した
・大学3年次以上で62単位以上を取得しており、かつ、社会科学に属する科目1科目以上を取得した
・司法試験合格者
・公認会計士試験の短答式試験合格者
【資格関連】
・日商簿記検定試験1級合格者
・全経簿記検定上級合格者
【職歴関連】
・事業者の会計に関する事務に2年以上従事
・金融機関等で資金の貸付け・運用に関する事務に2年以上従事
・税理士・弁護士・公認会計士等の業務の補助事務に2年以上従事
参考:税理士試験受験資格の概要|国税庁
税法科目を受験する場合、願書とあわせて受験資格を証明する書類の提出が必要です。
公認会計士と税理士どちらが向いているかの判断方法
公認会計士と税理士には様々な違いがあるため、資格取得を目指すにあたり、どちらが自分に向いているかを考える必要があります。この章では公認会計士と税理士のどちらが向いているかを判断する方法を3つ紹介します。
やりたい仕事で選ぶ
公認会計士と税理士では仕事内容に大きな違いがあるため、やりたい仕事に合う資格を選ぶと良いでしょう。
監査業務に興味があるのであれば、監査を独占業務とする公認会計士が適しています。M&Aや事業・企業再生などの高度な会計知識が求められる分野についても、公認会計士の方が携われるチャンスが多いです。
税務や経理業務のサポート、起業支援などの仕事がしたい場合は税理士の方がおすすめです。経営者を支えるパートナーのような仕事をしたい人にも税理士が適しています。
なお、公認会計士は税理士試験を受けずに税理士登録ができます。そのため「どちらの仕事にも興味があり決められない」とお悩みの場合、まずは公認会計士資格を取得し、それから税理士登録をするのも1つの手段です。
理想とする働き方で選ぶ
具体的な仕事内容ではなく、理想とする働き方で選ぶ方法もあります。
公認会計士の主な業務である監査はチーム体制で行うことが多いです。クライアントから独立した第三者という立場のため、クライアント目線に立ったアドバイスやサポートをする場面はあまり存在しません。組織的な働き方をしたい人には公認会計士の方がおすすめです。
対する税理士は個人で業務をする場面が多いです。また、独占業務である税務関連から記帳代行・経理サポート、経営のアドバイスまで様々な業務を行います。クライアントに近い立場で幅広いサービスを提供したい人には税理士の方が向いているでしょう。
試験の仕組みや受験環境で選ぶ
公認会計士試験と税理士試験には様々な違いがあるため、受験しやすい方を選ぶのも1つの手段です。
受験自体のハードルが低いのは、受験資格の定めがない公認会計士試験です。「税理士試験の受験資格を満たしていないから公認会計士試験を受ける」という選択肢は存在します。
ただし公認会計士試験は一度に全科目の受験が必要な上、短答式試験の合格有効期間は2年と定められています。合格有効期間内に論文式試験に合格できる可能性を高めるため、最短でも1~2年は試験勉強に集中できる環境であるのが理想です。
働きながら資格取得を目指すのであれば、科目合格制を採用している税理士試験の方が受験しやすいと考えられます。税法科目の受験資格を満たしていない場合、まずは受験資格の定めがない会計科目から勉強を始めるのがおすすめです。試験勉強と並行して会計事務所等に勤務すれば、会計科目に合格する頃には職歴による受験資格の要件を満たせる可能性もあります。
あなたの「適正年収」を調べてみませんか?
簡単な質問に答えるだけで、一般的な会計事務所ならいくら提示されるのかを即座に算出。「今の適正額」はもちろん、「資格を取得したら年収はどう変わるのか?」など、あなたの現在地と未来の可能性を診断します。
公認会計士と税理士の違い -まとめ
公認会計士と税理士には、仕事内容や試験の仕組みなど様々な面で違いが存在します。どちらを選ぶかによって試験勉強の進め方から働き方まで大きく変わるため、それぞれの違いを押さえて自分に合う資格を選ぶことが大切です。
どちらを目指すかを決める上で考えるべきポイントとして「やりたい仕事」「理想とする働き方」「試験の仕組みや受験環境」の3つが挙げられます。自分に合う方を選ぶためには、公認会計士と税理士の違いはもちろん、自身の考え方や環境についても十分な理解が必要といえるでしょう。
加藤慧大
株式会社ミツカルプロフェッショナル 代表取締役社長









