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公開日:2026/06/28
最終更新日:2026/06/28
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税理士事務所で働いていると、特有の業務サイクルや職場環境から、退職を考えることがあるかもしれません。ほかの人がどのような理由で税理士事務所を辞めているのか、自分の抱えている不満は業界内で一般的なのか、気になる方も多いと思います。
税理士事務所は少人数の職場が多く、所長の考え方や事務所の規模によって働きやすさが大きく左右されます。そのため、一般企業とは少し異なる理由で退職を決意するケースも少なくありません。
この記事では、厚生労働省の公的な統計データと業界特有の傾向をもとに、税理士事務所でよくある退職理由を詳しく解説します。後悔しないための判断基準や、円満に退職するためのポイントも紹介していきます。
統計データから見る退職理由(令和6年雇用動向調査)
世間一般の人がどのような理由で会社を辞めているのか、厚生労働省が公表した「令和6年雇用動向調査結果」の最新データを詳しく見ていきましょう。
転職入職者が前職を辞めた個人的な理由のうち、上位を占めるのは以下の通りです。視覚的に比較しやすいよう、割合に応じた簡易的なグラフを添えています。(定年や契約満了、その他の個人的理由を除く上位項目)
| 退職理由 | 男性の割合 | 女性の割合 |
|---|---|---|
| 職場の人間関係が好ましくなかった | 9.1% | 13.0% |
| 給料等収入が少なかった | 8.2% | 7.1% |
| 労働時間、休日等の労働条件が悪かった | 8.1% | 11.1% |
| 会社の将来が不安だった | 5.2% | 4.6% |
| 仕事の内容に興味を持てなかった | 7.4% | 5.0% |
表からわかるように、男女ともに「職場の人間関係」「労働時間や休日などの労働条件」「給与などの収入面」が退職理由のトップ3となっています。とくに女性は人間関係を理由に退職する割合が13.0%と最も高く、男性は人間関係、給与、労働条件の3つが8〜9%台で拮抗している状況です。
この傾向は税理士業界においても例外ではありません。専門的な知識と長時間のデスクワークを要する税理士事務所では、閉鎖的な空間での人間関係や、繁忙期の過酷な労働条件、そして業務負担に見合わない給与が退職を決断する引き金になりやすい傾向があります。
税理士事務所でよくある退職理由5選
ここからは、税理士事務所や会計事務所で働く職員が退職を考える具体的な理由を5つ解説します。
給与や待遇面への不満
税理士業界において最も多い退職理由の一つが給与への不満です。とくに資格を持たない税理士補助の場合、担当件数や業務量が年々増えているにもかかわらず、基本給や賞与がそれに見合っていないと感じるケースが目立ちます。明確な評価基準がなく所長のさじ加減で賞与が決まってしまうことに不満を抱き、より待遇の良い事務所や一般企業の経理へ転職する人が少なくありません。
業務量過多と長時間労働
税理士事務所には年末調整から確定申告、3月決算法人の申告が重なる12月から5月にかけて特有の繁忙期が存在します。この期間は連日の残業や休日出勤が当たり前になっている事務所もめずらしくありません。慢性的な人手不足に陥っている事務所では閑散期であっても業務量が減らず、ワークライフバランスを保てないことが理由で退職を選ぶ人がいます。
所長や職員との人間関係
小規模な個人事務所が多い税理士業界では、人間関係の悩みが退職に直結しやすい傾向があります。数名から十数名程度の閉鎖的な環境では、所長と反りが合わなかったり特定の職員とトラブルになったりした場合、部署異動などで物理的に距離を置くことが困難です。毎日顔を合わせる環境にストレスを感じ、人間関係をリセットするために退職を決意するケースです。
キャリアアップや業務幅の限界
一定の経験を積んだ職員が直面するのがキャリアの壁です。記帳代行や小規模法人の税務申告ばかりで、相続税申告や事業承継、経営コンサルティングといった高度な業務に挑戦できる環境がない場合、成長の限界を感じて退職することがあります。より専門性を高めたい、幅広い案件を経験したいという前向きな理由による退職です。
税理士試験の勉強時間が確保できない
税理士資格の取得を目指して働きながら勉強している科目合格者や税理士補助にとって、勉強時間の確保は死活問題です。入社前は試験勉強を応援すると言われていたものの、実際には毎晩遅くまで残業があり、専門学校に通う時間はおろか自宅で机に向かう体力すら残らないという事態はよく起こります。資格取得を最優先に考え、より柔軟な働き方ができる事務所へ移る人は多数います。
退職理由がネガティブな場合の面接での伝え方
退職理由が人間関係や残業の多さなどネガティブなものであった場合、転職活動の面接でそのまま伝えてよいのか悩むところです。不満ばかりを並べてしまうと、採用担当者にまた同じ理由で辞めてしまうのではないかと懸念を持たれる可能性があります。
面接ではネガティブな理由を前向きなキャリアプランに変換して伝えることが大切です。
たとえば業務範囲が狭く単調だったことが理由であれば、より難易度の高い税務案件や相続業務に挑戦し専門性を高めたいという意欲的な理由に変換できます。長時間労働が理由であれば、効率的に業務を進めて空いた時間で税理士試験の勉強に打ち込み、貢献できる資格者になりたいと伝えることで学習意欲の高さをアピールできます。人間関係が理由の場合は直接的な表現は避け、チームで協力してクライアントの課題解決に取り組める環境で働きたいといった表現に留めるのが無難です。
税理士事務所を円満に退職するためのステップ
退職を決意したら、できるだけ波風を立てずに円満に退職したいものです。業界内での横のつながりもあるため、悪い印象を残して辞めるのは避けたほうがよいでしょう。
退職の意思は余裕を持って伝える
退職を希望する時期の1ヶ月から2ヶ月前には、直属の上司や所長に退職の意思を伝えましょう。民法上は2週間前でよいとされていますが、担当している顧問先の引き継ぎなどを考慮すると1ヶ月以上の猶予を持たせるのが社会人のマナーです。
繁忙期を避けて退職日を設定する
確定申告や3月決算の申告で忙しい12月から5月頃に退職するのは、事務所や残された職員に多大な負担をかけるため避けるのが賢明です。閑散期に入る夏場や秋口を退職日に設定することで、引き継ぎもスムーズに進み円満に退職しやすくなります。
顧問先と後任者への引き継ぎを徹底する
自分が担当していた顧問先の情報や月次の処理状況、クライアント特有の注意点などを細かくまとめた引き継ぎノートを作成しましょう。後任者が困らないようにしっかりと準備をしておくことで、最後まで責任感のある職員として良い印象を持ってもらえます。
今の環境に不満があるなら、まずは自分の適正年収を知ろう
給与の低さや労働環境の悪さが理由で退職を考えている場合、まずは自分の経験やスキルが現在の転職市場でどれくらい評価されるのかを知ることが重要です。今の年収が実は相場よりも低かったり、逆に相場通りでも環境を変えればさらにアップする可能性もあります。
以下の年収診断を活用すれば、簡単な入力だけで今の適正な年収を手軽に把握することができます。退職を決断する前の材料としてぜひ試してみてください。
不満を解消できる税理士事務所へ転職するなら
人間関係や評価制度、残業時間など、今の事務所で抱えている不満は環境を変えることで劇的に改善されるケースが多くあります。しかし求人票の条件だけを見て転職してしまうと、入社後にまた同じような不満を抱えてしまうリスクがあります。
次の転職で失敗したくないとお考えであれば、税理士業界に特化した転職エージェントであるミツプロにご相談ください。
ミツプロは優良な税理士事務所のみを厳選してご紹介しており、転職後の離職率はわずか3%というミスマッチの少なさが特徴です。事務所の良い点だけでなく、残業の実態や職場の雰囲気といったリアルな内情もしっかりと開示するため、入社後のギャップを防ぐことができます。
大量の求人票を機械的に送りつけるようなスタイルはとりません。あなたの退職理由や次の職場に求める希望を丁寧にヒアリングし、本当に合う求人だけをご提案します。現職に留まるべきか迷っている段階でも構いませんので、まずはお気軽にご相談ください。
税理士事務所の退職理由に関するよくある質問
Q1. 事務所を退職する本当の理由は正直に伝えるべきですか?
上司や所長に退職を伝える際、人間関係や給与への不満をストレートに伝える必要はありません。関係が悪化し退職日までの業務がやりづらくなる可能性があるためです。キャリアアップしたい、税理士試験の勉強に専念したいなど、角の立たない前向きな理由を伝えるのが一般的です。
Q2. 人手不足の事務所で強く引き止められたらどうすればいいですか?
引き止めにあった場合でも退職の意思が固いことを丁寧に、しかし毅然と伝えてください。情に流されて残っても根本的な不満が解消されるケースは稀です。あらかじめ次の転職先を決めておき、入社日が決まっていることを伝えれば無理な引き止めを回避しやすくなります。
Q3. 税理士補助から一般企業の経理へ転職する人は多いですか?
税理士事務所の激務や人間関係に疲れ、ワークライフバランスを求めて一般企業の経理部門へ転職する人は一定数います。税理士事務所での実務経験は正確な帳簿付けや税務知識の基礎があると評価されるため、経理へのキャリアチェンジは十分に可能です。
税理士事務所を退職する理由は何が多い? -まとめ-
税理士事務所の退職理由は、給与への不満や長時間労働、所長との人間関係など業界特有の環境に起因するものが多く見られます。労働環境や人間関係が合わないという悩みは、国の雇用動向調査でも上位に挙がる一般的な退職理由です。
今の職場で抱えている不満が個人の努力ではどうにもならない体制や方針によるものであれば、退職して新たな環境を探すのが有効な解決策となります。
退職を決意した際は、繁忙期を避けて余裕を持ったスケジュールを組み、引き継ぎを丁寧に行うことで円満な退職を目指しましょう。転職活動ではネガティブな退職理由をポジティブな志望動機に変換して伝える工夫も大切です。自分の市場価値を正しく把握し、働きやすい優良な事務所を見つけることで、税理士業界での充実したキャリアを築いていってください。
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加藤慧大
株式会社ミツカルプロフェッショナル 代表取締役社長









