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【速報】2026年度(令和8年)税制改正大綱のポイント解説!重要変更点まとめ

公開日:2025/12/22

最終更新日:2025/12/22

【速報】2026年度(令和8年)税制改正大綱のポイント解説!重要変更点まとめ

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令和7年12月19日、自由民主党・日本維新の会より「令和8年度税制改正大綱」が発表されました。 今回の改正では、物価高への対応や経済成長を目的として、「年収の壁」の大幅な見直しや、投資家からの要望が強かった暗号資産(仮想通貨)の税制変更など、個人の生活や企業実務に直結する大きな改革が盛り込まれています。

本記事では、2026年度(令和8年)税制改正大綱の中から個人の生活や企業実務への影響が大きい主要なトピックをピックアップし、変更の概要を解説します。
※本記事の情報は、以下自由民主党・日本維新の会による公式発表(令和7年12月19日)を参照しています。 
令和8年度税制改正大綱

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【個人所得課税】基礎控除の大幅引き上げと暗号資産の分離課税化

2026年度(令和8年)の税制改正大綱で注目を集めているのが所得税の改革です。物価上昇に伴う実質的な増税感を緩和し、資産形成を後押しする内容となっています。

「103万円の壁」から「178万円」への引き上げ

これまでパートやアルバイト等の就労調整の要因となっていた、いわゆる「103万円の壁」が見直されます。基礎控除や給与所得控除の最低保障額を引き上げることで、所得税がかかり始める年収ライン(課税最低限)を178万円へと引き上げる方針が示されました。

具体的には、物価連動による基礎控除等の引き上げに加え、令和8年・9年の時限措置として特例的な加算が行われる予定です。これにより、すべての納税者の所得税負担開始水準が178万円以上となるよう調整されます。

暗号資産(仮想通貨)がついに申告分離課税へ

これまで最大55%(総合課税)の税率が適用されていた暗号資産取引ですが、国民の資産形成に資するものに限り、金融商品取引法等の改正を前提として20%の申告分離課税(所得税15%、住民税5%)へと移行します。
これまでの累進課税(最大55%)と比べ、多くの場合で利益が出た際の税負担が大きく軽減されます。

また、投資家にとって大きなメリットとなるのが、以下制度の導入です。

3年間の繰越控除の創設
損失が出た場合、翌年以降3年間にわたって利益と相殺が可能になります。

損益通算
暗号資産デリバティブ取引等についても、先物取引等との損益通算が可能になる見込みです 。

税率が株式や投資信託と同じ20%に統一され、損失が出た場合の救済措置(繰越控除)も整備されるため、これまで高税率やリスクを懸念していた層も暗号資産投資に参入しやすくなります。これにより市場の活性化や、長期的な資産形成の選択肢の一つとして定着することが期待されます。

NISAの対象年齢が0歳からに拡大

NISA(少額投資非課税制度)についても拡充が行われます。現行では18歳以上が対象ですが、次世代の資産形成を支援するため、つみたて投資枠の対象年齢が0歳まで拡大されます。 口座保有者が0歳〜17歳の間は、年間投資枠60万円、非課税保有限度額600万円の範囲で運用が可能となります。

【資産税・住宅】住宅ローン控除の延長と贈与税の見直し

2026年度(令和8年)税制改正大綱では住宅取得の支援策が継続される一方で、富裕層向けの節税策や贈与税の特例については縮小・廃止の動きが見られます。

住宅ローン控除は5年延長・中古住宅への拡充

令和7年末で期限を迎える予定だった住宅ローン控除は、適用期限が令和12年12月31日まで5年間延長されます。 今回の改正では、特に既存住宅(中古住宅)や子育て世帯への支援が手厚くなっています。省エネ基準に適合する既存住宅を取得した場合、控除期間が現行の10年から13年へと延長され、新築住宅に近い水準での支援が受けられるようになります。

教育資金の一括贈与非課税措置は終了へ

祖父母などから孫へ教育資金を一括贈与した場合に1,500万円まで非課税となる特例措置については、令和8年3月31日をもって終了となります。 利用実態や格差固定化の懸念などを踏まえ、期限の延長は行われないことが決定しました。期限までに拠出された資金については、引き続き非課税措置が適用されます。

事業承継税制の提出期限延長

中小企業の代替わりを支援する「事業承継税制」について、特例措置を利用するために必要な計画書の提出期限が延長されます。

法人版(特例承継計画)
令和9年9月末まで(1年6ヶ月延長)

個人版(個人事業承継計画)
令和10年9月末まで(2年6ヶ月延長)

【法人課税】中小企業実務に直結する基準額の変更

2026年度(令和8年)の税制改正大綱では中小企業の経理実務や決算対策において、長年定着していた基準が変わる重要な改正について示されました。

少額減価償却資産の基準が「40万円未満」に

中小企業者等が備品などを購入した際、取得価額の全額を経費(損金)にできる「少額減価償却資産の特例」について、対象となる取得価額の上限が引き上げられます。 現行の「30万円未満」から「40万円未満」へと変更され、より高額な備品も即時償却が可能になります。なお、この特例措置の適用期限自体も3年間延長されます。

賃上げ促進税制は中小企業向けを維持

賃上げを実施した企業に対する減税措置(賃上げ促進税制)は、企業規模によって対応が分かれました。

大企業・中堅企業
要件の厳格化や、期限を待たずに廃止・縮小する方向で見直されます。

中小企業
人手不足による「防衛的賃上げ」を余儀なくされている現状に配慮し、令和8年度は現行の制度要件が維持されます。

【消費税】インボイス経過措置とプラットフォーム課税

2026年度(令和8年)の税制改正大綱における消費税の実務においては、インボイス制度導入後の負担軽減措置の出口戦略が示されたほか、海外取引に関する新たな課税ルールが導入されます。

インボイス経過措置の見直しと終了時期

インボイス制度導入に伴う緩和措置について、段階的な縮小と終了が決定しました。

2割特例終了後の簡易課税制度への移行
新たにインボイス発行事業者となった小規模事業者の税負担を軽減する措置(いわゆる2割特例)については、さらに2年間に限り、経過措置が講じられます。

8割控除等の経過措置
免税事業者からの仕入れについて税額控除を認める措置は、最終的な適用期限が2年延長(令和13年9月末まで)されます。ただし、控除率は令和8年10月からは7割、令和10年10月からは5割、令和12年10月からは3割への段階的に縮減していき、令和13年9月末をもって適用が終了となります。
さらに、対象となる取引額に年間1億円の上限が設けられるなど、制度の利用に一定の制限がかかります。

海外からの電子商取引(越境EC)への課税強化

海外の事業者からインターネットを通じて商品を購入する際(越境EC)の課税ルールが見直されます。 これまで関税等が免除されていた少額輸入貨物(1万円以下)についても消費税の課税対象とし、海外の販売事業者やプラットフォーム事業者に納税義務を課す新たな仕組みが導入されます。これにより、国内事業者との競争条件の公平性が保たれることになります。

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2026年度(令和8年)税制改正大綱のポイント解説 -まとめ

この記事では2026年度(令和8年)税制改正大綱について解説しました。税制改正は私たちの生活やビジネスに直接関係するものが多く、改正内容のキャッチアップは世の中の動きを把握する上で重要です。

特に税務担当者にとっては顧問先からの質問を受けたり、実務のオペレーションが変わることもあるため、税制の変更には敏感になっておくことが求められます。

各トピックの詳細に関しても順次詳細記事を公開していく予定です。

執筆 ・ 監修

加藤慧大

株式会社ミツカルプロフェッショナル 代表取締役社長

株式会社ミツカルプロフェッショナル代表取締役社長。 税理士・社労士事務所に特化した人材紹介およびコンサルティング事業を展開。月間2,000名以上の税務・労務担当者の登録、年間300件以上の事務所人事相談の実績を持り、年200%以上の成長を継続中。